| 秋晴れである。中里の林を一巡してから空掘川の遊歩道に出てみた (写真上)。遊歩道には様々な植物が植えられているが、しばらく歩くとプ−ンと臭う。あまり心地いい臭いではない。それと同時にブン、ブンという翅音がにぎやかに聞こえてくる。振り向いてみると臭いはハマヒサカキの白い花から漂ってきていた。ハマヒサカキの花はたくさん群れて咲いており、そこに多数の虫たちが来ている。 虫の中でも最も数が多いのが、ニホンミツバチだ(写真中)。 ニホンミツバチのうしろ脚には白い花粉団子を付けたものもいる。ハチの動きが早いので撮影する私もそれに合わせて中腰になったり伸び上がったり、忙しく立ち回るうちに汗ばんできた。ニホンミツバチの次にはハナアブやハエ、ヒラタアブの仲間が多く、彼らも花にすがりつくようにして蜜や花粉を舐めとっている。動きの早いハチの撮影では、ここぞというカットが撮れたらしばし画像チェックをする。私の使っているデジタルカメラEOS1-Dは画像の拡大表示機能がないので、微妙なピントの確認はできず、どうしてもカット数が増えてしまう。これでは銀塩カメラとほとんど変らない。まあ、しかしこうしたシャッターチャンスの難しい撮影では、画像チェックに時間をかけるより少しでも多くシャッターを切ったほうがいいかもしれないが。恐ろしく高価なカメラにしては実におそまつな話しである。そうこうしているうちに、ハマヒサカキの植え込みではカマキリ3種がいることに気付いた。狭い範囲にコカマキリ2頭、ハラビロカマキリ1頭、そして(写真下)ハナアブを喰っていたオオカマキリ1頭である。どのカマキリも皆メスであり、花にやって来る虫がお目当てのようだ。
『飽食したエリマキアブ幼虫の今日』
あのゴマダラチョウ幼虫を4日間に渡って吸血していたエリマキ幼虫、今日はどう過ごしているだろう。やはり気になって今日も一番に覗いてみた。すると数Bばかり静止位置が動いている。もう余程満腹だから餌など当分いらんだろう、そう思っていたのだが、驚いたことにエノキワタアブラムシをくわえている!あなたの胃腸は大丈夫ですか!?私は少々あきれてしまった。しかし、待ち伏せという戦略をとるこの虫にとって、獲物が来たらとにかくいただく、そういうプログラムが強く働いているのかもしれない。別の幼虫で観察できたことだが、一匹のエノキワタアブラムシを食べていたところへ次々と2匹のアブラムシが通りかかると、それらもまとめてくわえ込んだこともあったのである。「エイリアン」を凌ぐなんだか凄い生きものである。 | |