| 朝食をとっていたときのこと。 ふと窓を見上げれば、ガラスの向こうからうらめしげな視線と目が合った。
ジョロウグモの餌食となっていたのは、クロコノマチョウだった。 前翅の表にある大きな眼玉模様は、少女漫画の主人公みたいだが、普段はほとんど見ることができない。止まっているときには翅を滅多に開かないからだ。
林の縁には数日前から熟した柿をいくつか置いてある。居間から目の届く場所であり、毎日眺めているうちにクロコノマチョウが集まってくるようになった。
クロコノマチョウは主に薄暗い林内で過ごしているが、ときおり家の庭などにも彷徨ってくることがある。フワリ、フワリと特有の飛び方で家壁を伝うようにして舞う。朝や夕方の薄暗い時間帯にそれが多い。そういうときにクモの巣にかかってしまうようだ。
今日になってクロコノマチョウの餌台から柿がぜんぶ無くなっていた。どうやらカラスの仕業のようだ。
(写真上/E-3 ズイコーデジタル50ミりマクロ+ストロボFL36R、RCモード使用) (写真下/E-520 シグマ105ミリマクロ) | |