「f」と一致するもの

ツチイナゴの「はやにえ」

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[ 宮崎県 三股町 ]

昨夜から雨が降り、今朝は妙に暖かった。

庭の人工池ではずっとヤマアカガエルが鳴いていた。

これだけ暖かいとモズの狩りも収穫が多かっただろうと思えた。

午後4時。犬の散歩に出てはやにえの観察をしてみた。

目をつけていた畑でやはり、ツチイナゴのはやにえが立っていた。

3Z5A1462ツチイナゴ.JPG体に触れてみると、触角を動かす。まだ生きているのだ。

しかしよく見ると後ろ脚が欠けている。おまけに体が少し焦げている。

先日の日曜日、三股町では毎年恒例の「野焼き」が一斉に行われた。

その火からかろうじて逃げたのだろう。この場所のすぐ近くでは焼け死んだツチイナゴを

見ている。焦げた死骸を犬のチョロは食べようとはしなかった。

( 写真: EOSー5D マークⅢ EF24-70ミリ f4 L IS USM )




Ginnduiaチョコレート

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           あけまして おめでとうございます。

              本年も 「ひむか昆虫記」 をよろしく お願いします。

ジョロウグモあいさつ.jpg25年間暮らした東京から宮崎に引っ越して、今年で5回目の正月を迎えました。

宮崎に来てから、いろいろなことがありました。ほんとに。

   鳥インフルエンザ、口蹄疫、新燃岳噴火、、、、、。 人災やら天災やら。




昨日、素敵なお菓子をいただきました。

ジャンドウーヤ チョコレート.jpgカファレル社(Calfael)のジャンドウーヤ チョコレートです。

可愛い缶箱にメルヘンチックなチョコが入っていました。

これは私がいただいたものなのに、家族皆でじゃんけんとなりました。

私は真っ先に負けてしまい、一番左の鐘型のチョコを食べましたが、

いや、これがなんとも美味しかったです!



オオカマキリ、危機一髪

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午後5時10分。犬の散歩に出た。

オオカマキリのオスを撮影したあと、道の反対側で思わず足を止めた。

初めてこういう場面を見て驚いた。

オオカマキリ2重連.JPGメスに2匹のオスが抱きついている。

どうやら右側のオスが後からやって来たのではないだろうか。

体格では右のオスが上回っているが、しっかりとメスにマウントしているのは左のオス。

交尾は成立していない。抱きついているだけ。

力関係で入れ替わったとは考えにくいので、やはり左のオスが先客?ということだろう。

それにしてもこの状態はきわめて危ういのではないだろうか。

右のオスは「どうか私を食べてください」と言わんばかりの位置にある。

しばらく見ていたが、メスはおとなしくしていた。

撮影の邪魔になる葉っぱをfどかそうとしたとき、右のオスがピョんと跳ねて離れてしまった。

いじってしまったのは失敗。

このあと2時間ほどして様子を見に行ってみれば、なんと交尾中であった。

さらに2時間後、交尾は解けてオスは離れた場所に無事でいた。

メスの腹部末端には白い液状の塊が付着していた。それが交尾のうのようなものかどうか

わからない。

カマキリのメスが多回交尾するのかどうか?

カマキリの生態は意外にも知らないことが多い。


※ カマキリについての文献を思い出し読み返してみました。

昔の科学雑誌、

「自然」(1975年、8月号)に「カマキリ~その捕食行動」井上民二・松良俊明

という記事があります。この雑誌はバインダーに閉じて保管してありました。

記事の内容はサブタイトルのように捕食行動についての研究内容がメインですが、

「交尾、共食い」という内容も少し出ています。

この記事によると、「メスは同時に2匹(まれに3匹)のオスを背中に乗せることが

しばしばみられる。先の個体の交尾が終わると交尾に入る。」


と書かれてありました。ただしこの観察は実験ケージ内であったようです。

さらにメスは最高4回、平均1.8回、オスと接触している、ともありました。

「接触」という表現を使っているのは、交尾まで至っていないケースも含むのかもしれません。

ただ、「交尾が終わると交尾に入る」という記述は多回交尾そのものです。

「自然」という科学雑誌は発行当時リアルタイムに買って読んでいました。

当時350円だったのですが自分の興味ある記事が掲載している号だけを買っていました。

ちなみにカマキリの記事が載っていた8月号には、

「人間の同居者~家蜂」:岩田久仁雄

「ホタルをつくる」:矢島稔

という記事もあり、さらに表紙写真は栗林慧さんのアオスジアゲハ吸水集団、です。

この号を私が買わないわけがありません。

アオスジアゲハ吸水集団の場面に憧れるきっかけはまさにこの表紙写真を見たときです。

栗林さんの解説文によると、写真は大分県本匠市の民家の庭で撮影されたそうです。

本匠は番匠川の上流域であり当時、栗林さんがゲンジボタルの撮影をなさっていた

フィールドではないかと想像します。

「自然」の価格は470円、480円、580円と値上がりしていき、

私の手元にある一番新しい号、1984年1月号では600円になっていました。

科学雑誌についてはいろいろ語ることもありますが、長くなるので今回は割愛します。



午前中は都城市内のある保育園の子供たちと観察会。

今にも雨が降り出しそうな天候だったが、観察会が終わるまで雨にならず良かった。

観察会を終えて保育園に戻る直前に雨が降り出した。

午後からキャノンの70-300ミリズームレンズの試し撮りを兼ねて三股町長田峡奥に

行ってみた。オニユリの咲いている場所を新たに探っているうちに

ミヤマカラスアゲハ夏型のオスを見つけた。

ミヤマカラスアゲハおす山百合.JPG
ミヤマカラスその2.JPG70-300ミリズームレンズは多少重たいが、レンズ長は短く、

カメラを安定して構えることができる。

f値は5.6とし、シャッター速度はマニュアルで1/180 とした。ストロボはE-TTLで

ノーマル発光。天候は曇天で小雨あり。

こうした条件下では露出もオートで大丈夫だが、晴天時では注意が必要。

青空の見える晴天下では、私はできるだけマニュアル露出で撮影するようにしているし

ストロボのオート補正も小まめに調整する必要があるので、結局ストロボもマニュアル

設定にすることが多い。




ベニツチカメムシ、羽化始まる

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先週20日には、羽化した成虫はわずか一匹だけだった。

もうそろそろ羽化個体が増えている頃だろうと思い、延岡市に行ってみた。

IMG_3937.JPG私が観察している場所では、ほぼ三箇所に集団ができているが、その中で新成虫の姿が

もっとも多かった集団では、2割程度が羽化を終えているか羽化脱皮の途中であった(上)。

あと二つの集団では1割にも届かない数しか羽化していない。

羽化のピークはこれからのようだ。

ベニツチ羽化.JPG羽化は集団の中で行われることが多く、稀に集団の外で単独で行うものもあるが、

それとて集団からそれほど遠くに離れているわけではない。

ベニツチカメムシの羽化はしかし、赤い幼虫から赤い成虫が出てくるので、

それほど劇的でもない。アカスジキンカメムシやニシキキンカメムシの羽化に比べれば

少々、物足りないと言うのが正直なところだ。

もっとも、ベニツチカメムシはふ化したときからずっと体色が赤色であり、

脱皮中も赤のまま、というところに意味があるように思う。

襟やボタンなどわずかな黒色をあしらってはいるが

真っ赤な姿の集団でいることが、彼らにとっては重要なことなのであろう。


羽化を撮影していると、通りかかった方が「私も撮影していいですか?」と近寄ってきた。

その方がザックから取り出したカメラはNikonのF5で、レンズは広角35ミリf2。

へえ~、フイルムカメラなんだ!?

私より年配のその方は高校生のころ、NikonF2からカメラを始めたとおっしゃる。

とても大事に機材を扱っているようで、レンズも40年前に買ったものとか。

「F5のメンテナンスはもうすぐ終了するというので、まだフィルムは2000本くらいしか

使っていないけど、シャッター幕の交換やオーバーホールをきっちりやっておくつもりです」

フィルムカメラはメンテナンスを繰り返しながら、末永く使い込むことができる。

次々と新機種を買い替えて使うデジタルカメラ。なんとも後ろめたい気がしてならない。

うちに戻ってみると、CanonのEF70-300ミリ f4-5.6L IS USMが届いた。

実際にカメラに取りつけてみると、重たいけれど意外とコンパクトに感じる。

望遠端では最短距離での倍率が下がるという問題点はあるが、

300ミリという焦点距離はありがたい。ISの効き具合もかなりいい。

こういうレンズは一本持っていてもいいだろう。


カメムシ2題とおまけクイズ

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クヌギカメムシの産卵が盛んになったのは先月15日のことだった。

場所は神柱公園のクヌギ。

VC050160.jpgすでに産卵ピークは終わっているだろうか、と見にいってみた。

たしかに卵塊はたくさんあったが、まだまだ産卵しているメスも多数いた。

産卵ピークはもうすぐ終息するように思えるが、交尾カップルが3組いたし、

しばらくは産卵が続くだろう。

ヨコヅナサシガメ幼虫に吸血されているクヌギカメムシも一匹だけいた。

卵塊を一つ一つ丁寧に見ながら、卵がうまく透けているものに行き当たった。

XA053014.jpg卵から伸びた呼吸突起3本が、ゼリー状物質を突き抜けているのがわかる。

メス親の産卵管の構造などには、たいへん複雑な仕組みがあるように感じる。


クヌギカメムシの次は、キマダラカメムシ。

先日の3日、三股町の上米公園の公衆トイレ内で、

キマダラカメムシの越冬集団を初めて見つけた。

一見、クサギカメムシのように思われる方もあるかもしれない。

IMG_2065.jpg20匹前後の集団がトイレの内壁の高い場所4箇所にあって、単独個体も含めて

全部で100匹以上のキマダラカメムシがいたことになる。

もちろん私が確認できたのは男子側だけであり、女子側の方は見ていない。

こういうとき単独行動の多い私としては不便を感じる。

おそらくこういう越冬集団はあちこちの建造物内にあるのだろう。

とくに人の出入りの少ない場所だと駆除されずに生き延びることができるに違いない。

こういう集団は間違いなくほとんどの人から毛嫌いされ、カメムシの評判はますます

悪くなるばかりだ。


さて、おまけのクイズとは、下の画面にいる昆虫探し。

イシガケクイズ.jpgこのクイズは簡単過ぎるとは思うが、せっかくだから答えの写真は明日にアップします。


それでは。


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天蚕

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カイコは家の中で人の手によって飼われ、紡いだ繭は絹糸をとるために集荷される。

それでカイコのことを「家蚕」と呼ぶこともある。

これに対して「野蚕」と呼ばれる蛾の仲間がいて、その代表格がヤママユである。

ヤママユは「天蚕」とも言い、緑色の大きな繭を葉の間に紡ぐ。

うちの庭で育っているヤママユの幼虫もつい先日、終令となってますます食欲が増してきた。

W2089708.jpg
W2089668.jpg( 写真/ E-520  ズイコーデジタル35ミリマクロ ストロボ、サンパックB3000S )

5月にも入るといよいよ日射しもきつくなってきた。

今日はハルニレやクヌギの樹液が出ており、多数の昆虫たちでにぎわっていた。

なかでもハルニレの樹液にはオオスズメバチの女王4匹が来ており、

樹上から翅音がブオ~ン、とけたたましい。他にはクロヒカゲが多く、サトキマダラヒカゲや

ヨツボシケシキスイなども見られた。シリアゲムシもクヌギ樹液に来ていたがあまり観察例が

ないのではないかと思う。

5月といえば、「May fly」でおなじみカゲロウの仲間の姿も目立ってくる。

そのカゲロウだが、仙台の昆虫写真家、中瀬潤さんのブログ「かげろう日記」

を読むと、たいへん面白く興味深い。

そもそも私は川虫の世界にはこれまであまり馴染みがなく、カゲロウ類やカワゲラ類など

ほとんどの種類の見分けができない。「かげろう日記」には中瀬さんの観察なさった

カゲロウなどの生態が詳しく語られており、まるで神秘な世界の道案内を授かるような

気もして惹きこまれるのである。



アサヒナカワトンボ(褐色翅型)

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アサヒナカワトンボとニホンカワトンボの区別は難しい。

近所でよく見かけるのはおそらく、アサヒナカワトンボであろうと思う。

W20693973.jpg思うだけできちんと確認しているわけではない。
そもそも、私はトンボをあまり撮影していない。

トンボは種類数も昆虫全体から見れば
たいした数ではない(185種)から、その気になって頑張れば身近に見られるトンボの識別くらいはできるはずだ。

その識別能力を養うためには、まずトンボを採集し
てきちんと同定してみることが不可欠。しかし、捕虫網を持ち歩くことが面倒な私には、採集の楽し
みを味わう機会があまりない。これではいつまでたってもトンボの識別力が身につかない。

識別力が低いと、当然ながら撮影意欲も萎えてしまうわけだ。

それでも、わが家の庭に訪れたトンボくらいは一応採集してきちんと同定するようにしている。

トンボは手にとってみれば、ほんとうに美しい姿をしていることがよくわかる。

いや昆虫は体fが小さいから、どの種類でもそうだと言える。

昆虫を知る上で、捕まえてみることはとても大事な一歩なのだ。

それを写真だけで代償させる、というのは大きな誤りである。


トンボはたいへん人気が高く、虫嫌いの方でもトンボを嫌う人はまずおらないだろうと思う。

「トンボ写真家」という肩書きをもつ方達までいらっしゃるほどで、

国内で撮影されるトンボ写真の質、量ともに相当なレベルに達している。

トンボだけの図鑑、トンボの写真集、トンボの撮影会、、、、、、、、。

W20693834.jpg












( 写真/  E-520  シグマ105ミリマクロ )




お知らせ

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X2146859.jpg             ※ねぐらに落ち着いた、ヤマトシジミ

                            (写真/E-3 50ミリマクロ )


寒さ、戻る

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一日中、冷たい北西の風が吹き荒れた。

外を出歩くのはシンドイので、部屋にこもっていた。
暖かければ良いのだが、風邪をひくわけにもいかないので用心してみた。

そんな折、出版社から写真絵本が届いた。

ポプラ社の『どこにいるの?シャクトリムシが、重版となった。これで第3刷

シャクトリムシ表紙.jpg昆虫の児童書として蛾のなかまを主人公に扱ったものは、
これまでにおそらくカイコくらいしかないのでは、と思う(ミノムシもあった)。

蛾というと、虫のなかでも嫌われるイメージが強い。
蛾を蝶の対極のように捉えて、どうしても蝶と蛾の区別にこだわる人も多いが、
そのこだわりの呪縛から早く逃れて欲しい。

私が初めて出した本は、『ヤママユガ観察事典』(偕成社/1998)。

かなり冒険だったが、なんとしても蛾の魅力、蛾の世界の面白さを表現したいと思っていた。
子供たちに、カブトムシやクワガタ以外の虫にも目を向けて欲しいと願った。

蛾の魅力を語る第二段目の本が、『どこにいるの?シャクトリムシ』だった。
ヤママユからずいぶんと間が空いてしまったが、ずっと暖めていた構想を一年で撮りおろした。

そしてさらに、第三段目として『いのちのカプセル まゆ』(ポプラ社)を昨年、出版した。

振り返ってみれば、私自身が蛾の魅力に目覚めたのは愛媛県松山市の実家の門灯に飛来した、
一匹のイボタガとの出会いからだ。

イボタガの妖しい翅の紋様に魅せられ、蝶一辺倒だった自分の殻を破ったのもその瞬間からだった。
その記念すべきイボタガの標本は今でもドイツ箱の片隅に納まっており、その標本を見るたびに懐かしい田舎の光景までが蘇ってくる。


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足踏み

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一昨日と今日、ベニシジミの幼虫が蛹化した。

X2123200.jpgシジミチョウの仲間の蛹化脱皮は劇的な変化がなく、じっと見ていてもいつ脱皮したのかよくわからないほどに、つまらない。つまらない、と言っては申し訳ないが、ともかく写真に撮ってもなんだかわけのわからない絵にしかならない。

宮崎南部の地域によっては、すでにベニシジミの新成虫が姿を見せ始めている。
冬のあいだに越冬幼虫を採集してみるとよくわかるのだが、
幼虫の成長ぶりには個体差の巾がある。
したがって、春先に現れる新成虫は一斉というよりか、ダラダラと登場してくる。



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