ナナミノキはモチノキ科の常緑樹。別名、ナナメノキ。ナナミノキは静岡県以西の暖地に分布している。
うちの敷地の西側には、このナナミノキが一本だけ生えている。
うちの敷地の西側には、このナナミノキが一本だけ生えている。
写真上の中央がクヌギで、画面左寄りに並んでいる常緑樹がナナミノキ。
引っ越して来てから1年間は、この樹の名前がわからなかった。はじめて見る樹でもあったからだが、あとでわかってみると、本種と同属にアオハダがある。同じモチノキ科のアオハダなら関東ではよく見かけていた樹だ。ただしアオハダは落葉樹。
ナナミノキとわかったのは、サツマシジミのおかげだった。昨年の5月、サツマシジミがこの樹の花蕾にさかんに産卵し、幼虫や卵も多数見つかった。つまりサツマシジミの食樹ということがわかったことで、ナナミノキに絞り込むことができたわけだ。
日本のチョウは昆虫のなかでも、その生態解明がもっとも進んでいるグループだから、食草や食樹のこともたいへん詳しく調べられている。種名のわからない植物に出くわしても、植物図鑑をいきなり調べるよりか、まずはチョウの生態図鑑から調べたほうが早い場合もけっこう多い。
ナナミノキの枝葉をスキャナーでスキャニングしてみた。
上が葉表で、下が葉裏。
枝葉をこうして見てみると、ナナミノキの特徴もよくわかる。
かなり光沢が強く、葉柄部分が赤い。
しかし、幹の特徴は今一つつかみにくい、、、、。
ナナミノキの枝を切ったことがある。かなり太い枝だったが、その切り口のそばからは若枝が何本もニョキニョキと生えてきた。萌芽力がたくましいようだ。
他の枝もよく見ると、、、、、、、、、、、、、。
横枝から、まるで櫛のように細枝が何本も立ち上がって生えているのが際立つ。
これは横枝の先端のほうが枯れたり、傷ついたせいかもしれない。
ナナミノキは雌雄異株だが、写真の樹は果実をたくさんつけていたから雌株である。
サツマシジミ以外にどんな虫がつくのかよくわからないが、この樹ではあまり虫を観察できていない。
今の時期、サツマシジミの幼虫や卵は、クロキの花で見つかるようだ。
クロキはハイノキ科常緑高木で、こちらも暖地に分布している。