昨日、紹介したはやにえのツチイナゴだが。
今朝早く、気になって見に行ってみた。
外は氷点下でずいぶんと寒い。辺り一面が霜で真っ白になっている。
今朝早く、気になって見に行ってみた。
外は氷点下でずいぶんと寒い。辺り一面が霜で真っ白になっている。
ともかく手がかじかんで、痛い。たしか電池ヒーター内蔵の手袋っていうのが、あったよなあなどと、思うが、その手袋はバイクに乗る人にはたいへん重宝しているそうだ。
さて、昨日の場所に辿り着いてみれば、遠目にもすぐはやにえが消えていることがわかった。
何度も確認したがツチイナゴの姿は見当たらない。
しかもはやにえが刺さっていた枝先は霜で真っ白に覆われている。
つまり、こういうことだろう。
モズが昨日のうちにはやにえのツチイナゴを食べてしまった。
あるいは、他の鳥が横取りした。
はやにえを他の鳥が横取りすることはよくあることだから、その可能性も否定できないが、
直感的には、はやにえを立てたモズ自身がたいらげた、と感じる。
もっとも、なわばりが隣接するモズ、つまりはやにえを立てた本人ではない、モズが横取りしたという可能性もあるだろう。
いづれにせよ、私が犬の散歩の途中で見つけ立ち去ったあと、日没までのわずかな時間に何者かがはやにえのツチイナゴを持ち去ったことは間違いない。
モズがなぜ、はやにえを立てるのかについては諸説があるが、
興味深い研究報文を読んだ事がある。残念ながらそのコピーを紛失してしまったが、
研究の内容はモズの吐き出すペリットに注目したものであった。
餌を食べたあとに、不消化物をモズはペリットの塊で吐き出すのであるが、報文ではそのペリットの内容物をつぶさに観察記録して、ペリットに含まれる残骸を分析している。
その結果としてわかったことは、なんとはやにえに立てられる昆虫の種類と、ペリットから見いだされる昆虫の種類とが、必ずしも一致しないのであった。
仔細は省くが、つまり、はやにえに立てられる昆虫というのは、その多くが餌にはなっておらず、そのことから、どうやらモズは自分の好まない昆虫を捕らえたときに、はやにえを立てる傾向にある、というのであった。
で、ペリットから見いだされた昆虫類とは、ほとんどがはやにえとはならない、ゴミムシ類が圧倒的に多かったそうだ。
なるほどたしかに、はやにえになる昆虫の中でもバッタやコオロギ、キリギリス類はけっこう多く目にする機会が多い。モズはこういった直翅類をあまり好まないということだろう。
しかし、寒さが厳しく獲物がうまく捕れない日などは、好き嫌いを言っている場合ではないと見える。
そういうときには、はやにえが役には立っているようなのだ。
ああ、それにしても寒い!
霜の結晶がきれいだ、美味しそうだ、なんてカメラを向けてみるが、
はやくうちに戻ろうか、と軟弱になって腰が引ける。
宮崎に来てから防寒への気配りが甘くなった気がするが、我が家の造りも冬のことはまったく想定していない設計だ。冬は短いのだが、それでも防寒対策はしっかりしておきたいものだ。
ただし、今日は日が昇ってからは風もなく、気温は意外と上がった。
そのおかげだろう、うちの林の中で、
タテハモドキが日光浴していた。
冬の厳しい寒さをどこかで乗り切っているのだろうが、このタテハモドキはたいへん綺麗な翅をしている。ほとんど擦れていない。秋遅くに羽化したのかもしれない。
冬越しのねぐらは何処だい?と尋ねたくなるような個体だった。