カメムシを喰うカメムシ

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今日は朝から雨。


そこで、石垣島にて撮影した写真の話(2005年3月撮影)。

RIMG0063.jpgハイビスカスでよく見かけるのが、アカホシカメムシだ(写真画面の下になっているカメムシ)。

アカホシカメムシは首に白い帯紋があって、たいへん綺麗な朱色をしている。
群れて植物につくので、ときにはワタの害虫にもなるようだ。

亜熱帯の自然では見慣れたアカホシカメムシだが、
そのアカホシカメムシにブスリと口吻を突き刺して吸血している、
やはり赤いカメムシを見つけた。

上にのしかかっている色鮮やかなカメムシは、同じホシカメムシ科の、

ベニホシカメムシだ。

私がこのベニホシカメムシのことを知ったのは、
岩田久仁雄著『自然観察者の手記』(1975年・朝日新聞社刊)を読んでからだった。

中国南端の海南島で岩田久仁雄氏が3年間過ごしたときの昆虫観察記に、
このベニホシカメムシとアカホシカメムシが登場している。

その観察記の内容はずっと頭の片隅に残っていたが、ようやくその現場に出遭うことができた。

紅色カメムシが、朱色カメムシを喰う(吸血する)。
まるでおとぎ話のようでもある。

同じ科に属しながらも、方や植物食であり、方や肉食とはたいへん奇妙な取り合わせでもある。


写真は、リコーのCaplio R4で撮影。


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