寒さ、戻る

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一日中、冷たい北西の風が吹き荒れた。

外を出歩くのはシンドイので、部屋にこもっていた。
暖かければ良いのだが、風邪をひくわけにもいかないので用心してみた。

そんな折、出版社から写真絵本が届いた。

ポプラ社の『どこにいるの?シャクトリムシが、重版となった。これで第3刷

シャクトリムシ表紙.jpg昆虫の児童書として蛾のなかまを主人公に扱ったものは、
これまでにおそらくカイコくらいしかないのでは、と思う(ミノムシもあった)。

蛾というと、虫のなかでも嫌われるイメージが強い。
蛾を蝶の対極のように捉えて、どうしても蝶と蛾の区別にこだわる人も多いが、
そのこだわりの呪縛から早く逃れて欲しい。

私が初めて出した本は、『ヤママユガ観察事典』(偕成社/1998)。

かなり冒険だったが、なんとしても蛾の魅力、蛾の世界の面白さを表現したいと思っていた。
子供たちに、カブトムシやクワガタ以外の虫にも目を向けて欲しいと願った。

蛾の魅力を語る第二段目の本が、『どこにいるの?シャクトリムシ』だった。
ヤママユからずいぶんと間が空いてしまったが、ずっと暖めていた構想を一年で撮りおろした。

そしてさらに、第三段目として『いのちのカプセル まゆ』(ポプラ社)を昨年、出版した。

振り返ってみれば、私自身が蛾の魅力に目覚めたのは愛媛県松山市の実家の門灯に飛来した、
一匹のイボタガとの出会いからだ。

イボタガの妖しい翅の紋様に魅せられ、蝶一辺倒だった自分の殻を破ったのもその瞬間からだった。
その記念すべきイボタガの標本は今でもドイツ箱の片隅に納まっており、その標本を見るたびに懐かしい田舎の光景までが蘇ってくる。


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