ビロードツリアブ

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あまりにも暖かい陽射しに誘われて、庭に出てみた。

ニワウメの花にはキタテハや、ツチバチ、コハナバチ類が多く訪れていた。

キタテハに気兼ねしてか、ビロードツリアブが空中で一旦停止していた。

W2176198.jpgビロードツリアブは、ヘリコプターのように空中停止(ホバリング)を得意とする。

W2176214.jpgこの小さなぬいぐるみのようなアブは、長~い口吻でもって花の蜜を吸う。
こういったシーンを高速度カメラで撮影してみれば、けっこう面白いのだろう。

4月上旬並みという暖かさで、さすがに虫の姿もよく目にする。
ベニシジミの春型新成虫も、庭で日光浴していた。 

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午後5時半ころ、庭のトキワマンサクではモンシロチョウがねぐらについたところだった。

トキワマンサクは一昨年の5月に、植木市で買い求め植えたもの。
トキワマンサクの自生地はたいへん局地的で、静岡、三重県のほか、九州では熊本県のみということだ。
最初に発見された場所が、伊勢神宮の神宮林だったという。
先日、私が小学生のころに、学校図書室で読んだSF小説のことを書いた。

気になって調べてみたら、当時(昭和35年~50年ころ)いくつかの出版社から、
少年少女SF全集というようなシリーズがたくさん出ていた。

そのほとんどがとっくに絶版となっており、古書店では一冊2万円~5万円代の値段がついている。

ちなみに、ベリャーエフ『金星探検 深紅の帆』(河出書房、少年少女世界の文学・1967)は、
52、500円もの値段がついていた!

私の記憶にある『金星探検』は上記の本のカラー装丁を見る限りではどうやら違うと思われ、
あるいは出版社が別なのかもしれない。
読んでみたい気もするが、高額な古書にはとても手が出せない。

私が読んだ宇宙探検シリーズには、もっともっと古い出版本もあったようだ。
たいへんおどろおどろしい表紙のイラストには強烈な印象が残っており、
その装丁に出会えれば、きっと想い出すのではないだろうか。
そういった昔の本を掘り出すことにどれだけの意味があるのか?とも思うが、
自分の過去を覗いてみたい、という誘惑にも駆られるのである。

かつていろんな出版社が競うように出していた少年少女SF小説シリーズは、
ある時期から忽然と姿を消し、今に至っているようだ。

それを懐かしみ、惜しむ声は、私のような昭和30年代生まれ前後の世代に多いのかもしれない。

しかし、最近であろうか、岩崎書店から、「冒険ファンタジー名作選」としてSF復刻本が出ている。

そのシリーズには、ベリャーエフ原作「ドウエル教授の首」が「いきている首」と改題されて入っていた。

バローズの火星シリーズ「火星のプリンセス」もあるが、いづれにしても表紙イラストは全て今風なものになっており、昭和世代のものとはまったくイメージが違うのには驚いてしまった。

バローズの火星シリーズといえば、東京創元社から文庫シリーズが出ていて、私も何冊かは読んだ。
表紙や挿絵のイラストはたいへん良かったが、このシリーズも書店の棚から消えて久しい。

本との出合いは、虫の出会いにも似ているなあ、と妙なこじつけをしてみたくもなった。

これまでに、何度となく引越しを経験してきたが、そのたびに古い書物を処分してきた。
おき場所に困ることもあったし、お金に困って売りさばいたこともある。
今になって、少しばかり後悔している。

追記:この記事を書いてから調べ直してみたら、創元SF文庫のバローズ『火星シリーズ』は、まだ発売していることがわかり、さっそく「火星のプリンセス」などネット購入した。







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