ルリタテハの卵

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林の縁などで、サルトリイバラの若葉が綺麗だ。

それで、その若葉をチラリと見れば、きっと見つかるのがルリタテハの卵。

越冬明けの母チョウが産んだばかりの卵だ。

今日は、その採れたて卵を高倍率接写してみた。

W2276578.jpg上の写真は、ベローズとズイコーマクロ20ミリレンズを使用。

そして、下の写真はベローズとズイコーマクロ38ミリレンズを使用したもの。

W2276591.jpg上下2枚の写真は、照明の条件を違えてあり、色味の差はレンズ特性のせいだけではないことをお断りしておく。

こうして見ると、当然ながら20ミリのほうが倍率が高いことがわかるが、しかし上の写真のようにフレームいっぱいに写しこむ必要性は通常少ない。

というのも仕事で写真を使う場合、編集の自由度も配慮して、写真画面にはゆとりを持たせることが多いからだ。例えば教科書や子供向け雑誌などでは、写真を丸抜きで使うこともある。

さらに言えば、下の写真のように少し倍率は低めで撮影しておき、あとでトリミングした方が、被写界深度も深いから、図鑑的な用途には向いている。
仕事で使われる昆虫写真は、ほとんどが図鑑的に扱われるので、芸術的なボケ味などを活かすことはきわめて少ない。

さて、今回の撮影で使用したカメラはオリンパスE-520。

高倍率撮影のときにはファインダーがとても暗くなるので、フォーカス合わせには苦労するが、
こういうときにはライブビュー機能がたいへん役に立つ。というか、高倍率での正確なフォーカス合わせにはライブビューを使うべきである。

E-520ではダブルレリーズが使えないので(理由はE-3用のしか手持ちがないため)、
まずフォーカス合わせはレンズの絞りを解放にしておき、
シャッターを切る直前にベローズの絞込みレバーで絞り込むという操作をした。

E-520の専用USBリモートケーブルもまだ無いので、シャッターは2秒セルフタイマーで切った。

ライブビューの凄いところは、絞り込んだあともちゃんとモニター画像が映ることだ。
もちろん絞り込めばレンズを通る光量も減少し暗くなるので、モニター画像は白黒になってしまうが、ちゃんとモニター上で画面確認をした上でシャッターを切れるのは安心できる。

ファインダーの優れたE-3を使うにしても、今回のような高倍率接写撮影では、
やはりライブビューの機能は絶対欠かせない。

さて、前にも書いたことがあるが、
このような高倍率撮影をすると、通常撮影では確認できないようなゴミの写り込みが目立つ。

これは優れたダストリダクションシステム機能を持つフォーサーズカメラにおいてでも起こる現象であり、
なぜ高倍率時にゴミが際立ってしまうのか、その原因はわかっていない。

じつは、20ミリマクロで撮影した上の写真をよ~く見てもらうと、黒くぼけたゴミの写り込みがいくつかあるのがわかる。

38ミリマクロで撮影した下の写真にもゴミがあったが、こちらはフォトショップ上で修正してある。

今回のような高倍率撮影では、レンズワークだけでなく、照明の工夫も大事であり、写真の出来映えを左右するのも照明しだい、とさえ言えるだろう。

さいごに、卵上部から撮影したカットを紹介しておこう。
これもマクロ20ミリで撮影し、なおかつトリミングとゴミ処理をフォトショップ上で行っている。

W2276574.jpg





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