タイムカプセル

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コナラシギゾウムシが歩いていた。

もちろんうちの林である。

X22481545.jpgとんでもなく欲張りなストローだ。ちょこまかと、どこを目指すのか一心に歩いていく。

彼女(おそらく)は、この春、地中に埋もれた繭部屋というカプセルから出てきたのである。

そのカプセルは1年前の秋か、あるいは2年前か、もしかしたら3年前に、

土中に埋められたものだ。

3年前だとすれば、私がこのうちにやってくる前の年ということになる。

土中深くのカプセルの中で、彼女らはなぜに長く眠りこけてしまうのだろうか?

そして、今の彼女がコナラの団栗に産卵するのはずっと先の9月のことである。

これから4ヶ月以上もの間、いったい何処で、何をして暮らしていくのだろう?

自分が育ったコナラの木から、遠くはなれたコナラへと長い旅にでも出るのだろうか?


( 写真/  E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+2倍テレコン )





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