昆虫写真家の鈴木知之さんの、『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』(文一総合出版社)が届いた。
本書は、朽木という環境に関わる昆虫やその他の生きものをグループ別に解説したガイドブック。
このガイドブックを見てまず思ったことは、私には到底まねのできない仕事だということ。
昆虫各種の幼生期を丁寧に掘り下げて紹介しているが、
これだけの種類数を揃えるには野外観察のみならず、飼育観察も重要であり、
飼育の手間やその観察の持続というものは並の努力でできるものではない。
飼育の苦手な私などは早々に投げ出してしまいそうな仕事である。
しかし、鈴木さんがコツコツと地道に観察と撮影をなさったその成果は、
今後、野外に出ておこなう朽木に関わる観察を、一層興味深く、
そして面白い世界へと導いてくれることは間違いない。
これまで野外観察のなかで疑問に思っていたわだかまりの数々が、
本書をざっとめくっただけでも次々と解決できたくらいだ。
さらにじっくり読み込んでいけば、野外観察力も格段に向上するであろうと思う。