成虫が先か、幼虫が先か。

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蛾の種類はたいへん多いため、手頃な図鑑というものが無い。

展翅標本写真だけが並んでいる従来の図鑑では、あまり実用的ではない。

実用的というのは、野外で手軽に調べたいという時のこと。

ま、手軽に調べるということだと、正確さを欠くという危険性も孕んではいる。

昆虫の正確な同定をするには、やはり標本が必要なのだ。

しかし、

できれば自分が出会った蛾の、その場での姿から、ざっとどの科のグループに

入るかを絞り込めるような図鑑など欲しいと思う。

さて、仮にそういう図鑑があったとして、もう一つ望む点は、

幼虫期の写真も載っていて欲しいということ。

幼虫はよく見かけるけれど、成虫にはいっこうに出会えないという蛾も多い。

その反対に、成虫はよく灯りにくるけれど、幼虫は見たことがない、

という蛾も多い。

さて、今日は庭のクヌギでオオウスベニトガリメイガを、数匹見かけた。


W20817215.jpg( 写真/ E-520  シグマ105ミリマクロ サンパックB3000S )

このオオウスベニトガリメイガもよく見る蛾だが、

写真の個体のように新鮮だと紋様もはっきりしていて、特徴を掴み易い。

独特な静止ポーズも同定に役立つ。

しかし、それでも鱗粉が落ちてしまった個体などは、同定が難しく厄介だ。

雑木林のササを刈りながら少し歩いてみれば(今日はたいへん暑かった)、

サラサリンガのこれまた新鮮な個体が静止していた。

X30828632.jpg( 写真/ E-3  ズイコーD 35ミリマクロ+1.4倍テレコン サンパックB3000S +ハクバデジタルスレーブストロボ )

この蛾などは、一度見たら二度と忘れることもないだろう。

どうやらうちの林で育ったものと思われる。

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