2009年7月アーカイブ


今朝、実家のカキの木で見つけたイラガの幼虫。

葉っぱをモリモリ食べていたが、まるまる太っていて繭つくりも間近いのだろう。

JX3106402.jpg
( 写真/ E-620 ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

松山の実家の庭ではイラガの真新しい繭がカキの木に多くついており、幼虫期はすでに

終盤に入ったようだ。ずいぶんと早いような気もする。

残った一匹の幼虫を幸いにも見つけることができたようだ。

イラガ幼虫を撮影したあと、松山から八幡浜市へと向かった。

八幡浜からはフェリーで大分県の臼杵港へ渡る。

八幡浜の街で名産の「じゃこ天」をおみやげに買い求め、ついでに昼食をコンビニで調達

した。じゃこ天はやはりこれに限る。酒の肴によし、ご飯のおかずによし、弁当のおかずに

よし。軽く炙って食べるが、揚げたてならそのままガブリとやるのがいい。

フェリー出港の時間も間近だったので、やむなくコンビニに飛び込んだのだが、

そこで「焼きサバ寿司」なる弁当を買ってみた。

L13107541.jpg

出港後、船室で食べてみたが味はそこそこ。昼食としては手頃な量だった。

ま、コンビニの弁当なのだ、多くを望んではいけないだろう。

小4のわが子はコンビニざる蕎麦を食べていたが、どうみても旨そうには思えない。


臼杵港からわが家まで、およそ4時間の道のり。

午後7時ころ、うちに到着した。

キシタアツバ

| | トラックバック(0)
一昨日、昆虫観察会で訪れた都井岬。

ソテツの際に生えていたヤブマオが、ボロボロになるまで虫喰い状態だったのが、

目に止まった。

「おお!これはすごいなあ!どんな虫が犯人だあ!!」

私に付いてきた3人の子どもたちは、一生懸命目をこらしていたが、

「先生!いた!!ほら、ここにも、あそこにも!!」

「うわあ!なんだこりゃあ!!」

「いっぱいいますよ、先生!ぼく採ってあげる」

というようなことで、ヤブマオを暴食していた幼虫軍団の中から蛹になっていた

ものだけをケースに集めてみた。

「先生、これなんですかあ!?」

「ふ~む、これは蛾の仲間の幼虫と蛹だね。正確な名前はすぐにはわからないけど、

蛹から成虫が出たら名前も簡単に調べられるよ。」

その蛹が今朝になって羽化し始めた。

特徴ある翅の紋様から、キシタアツバと同定できた。

JX260599.jpg
( 写真/ E-620  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

体を前後に分かつような分断模様がなんとも良い。

これで翅端に目玉模様でもあれば、さらに魅力的なのだが。


さて、明日から愛媛県、松山市。

今回は里帰りではなく、愛媛県立図書館、そして西条市立図書館での講演出張だ。

仕事とはいえ、夏休みなので小学4年生の子供も連れて行く。

なんだか「子連れ狼」みたいだなあ、などと思うが、10年ほど前に愛媛大昆虫学研究室で

標本撮影の仕事をしたときも、長男を連れて帰ったのを思い出した。

そのときは撮影機材を山のように積んで帰ったが(東京~高知間のフェリーを使った)

今回は講演なので機材は最小限しか持って行かない。

ま、一応カメラは持ってはおくが、カメラから離れた時間も大事にしたい、というか

そういう時間もおおいに必要だ。




朝から断続的に激しい雨が続いた。

L1250572.jpg
( 写真/ E-P1  M.ZUIKO D 14-42ミリズーム )

まるで梅雨本場という感じだ。

昨日、都井岬で子どもたちと一緒に見つけた糞虫では、マグソコガネ類を除くと、

ゴホンダイコクの姿がもっとも多かった。

体長は13ミリと小さいが、立派なツノがあるオスは男の子たちにたいへん人気があった。

JX250566.jpgメスにも小さいが、ツノがある

JX250548.jpg
( 写真/ E-620  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )




都井岬昆虫観察会

| | トラックバック(0)
都城市 安久児童館の行事で、4回目の昆虫観察会を行った。

場所は宮崎県最南端の都井岬。

マイクロバス2台を連ねて、片道約2時間。

L12405077.jpg2、3年生の車両に同乗したのだが、まあみんな元気だ。先生の指導も聞き入れず、

バリバリ、ボリボリ、おやつを食べる、食べる。まるで無法地帯だ。

日頃は余程、学校の先生に管理されているのだろう。その反動も大きいようだ。

都城市から都井岬まで約2時間の道のり。

さすがに疲れた子も多かったと思うが、着いてすぐ私は注意事項を説明したあと、

馬糞をひっくり返してみた。

L12405294.jpg

そして地面に見つかった穴を見てもらった。

「ああ!ここに穴があります。これはね、じつは糞虫が潜んでいる穴ですよ!」

そしてスコップで掘ると、ゴホンダイコクコガネの♀が出てきた。

「ああ!いました。ゴホンダイコクの♀です!!」

ドドッと皆が競うように集まってきた。

「わあ、凄い!!」

「これは♀でツノは小さいけれど、♂のツノは格好良いんだよう!

みんなも♂を探してみて!」

しばらくして興奮しながら♂のゴホンダイコクを手にして駆けて来た子がいた。

「先生!これなんですかあ!やりましたよ、ぼく!!」

「おお、ゴホンダイコクの♂だがね!!よく見つけたね!!みんなにも見せてあげて」

L12405353.jpg馬糞をつついてはゴホンダイコク探しに夢中になる子たち。

L12405411.jpg最初にゴホンダイコクの♂を見つけた男の子は特に活発で、はだしで頑張っていた。

馬糞も手で掴むほど。

歌も好きで将来は歌手になりたいそうだ。NHKのみんなの歌の曲の歌詞もよく

覚えていて、感心した。元気過ぎて、パワー溢れているが、才能ありそうだ。

こんな子は、その才能を伸ばしてあげたいと思うが、学校でははみ出し者に

されているようだ。

そうかもしれない。学校はそういう場所だろう。みんな一緒でないといけない

のだろう。

それはしかし、たいへん危険な発想だと思う。

今日の観察会では私自身が興奮する発見もあったが、

観察会では昆虫撮影をしない、というのが私の取り決めである。

その興奮した虫のことは後日、紹介したいと思う。

( 写真/ E-P1  M.ZUIKO D 17ミリ )


今日は宮崎市、平和台公園で観察会を行った。

主催は「宮崎子ども文庫連絡会」。

集合場所の画面奥に平和台の塔が見える。

L12304963.jpg昨日の記事で「北九州市平尾台自然観察センター」と書くべきところを、

誤って「北九州市平和台自然観察センター」としてしまった。

そのような間違いをしたのは、じつは今日の観察会のことを考えてもいたからだった。

訂正してお詫び申し上げます。

さて、今日は晴天日となり天候にも恵まれた。子どもたちは小学3年生を中心

に36人、そしてお母さん方たち12人と大勢の方が参加してくれた。

L1230502調整1.jpgおともだちの虫網の柄に止まったムシヒキアブの一種。写真では見えないが獲物を抱えて

いる。小川のある明るい草地では皆、のびびと虫を追いかけていた。

L12305002.jpg午前9時半~11時半までの2時間、平和台公園の散策ルートを巡り歩き、

確認できた昆虫の種類数は、全部で65種類だった。

アカメガシワでアカギカメムシの幼虫集団を見つけたが、これには少し驚いた。

3令~4令の幼虫たちだったが、2卵塊程度の規模だろうか。成虫がいないものかと

探してみたが、他にアカギカメムシの姿はなく残念だった。

「成虫は大きくて綺麗な模様してます~!!」と口頭で説明してもこれは通じない。

ま、私の興奮ぶりが参加者の皆さんに伝わったのではないか、と思う。

ハンミョウを採集した子もいて、地面には幼虫の巣穴がけっこう見つかった。

前にも書いたが、宮崎ではまだハンミョウが健在で、あちこちで普通に見られる。

( 写真/ E-P1  M.ZUIKO D 17ミリ )



部分日食

| | トラックバック(0)
昨夜から雨が降り出し、今朝はさらにどしゃぶりとなった。

こんな天気では日食観察はとても無理と思い部屋で仕事をしていたが、

外から嫁さんのえらく興奮した声で飛び出してみた。

JX220261.jpgわずかな時間、雲の切れ目からくっきりと部分日食が見えた。午前11時3分。

JX220259.jpgVixenの日食グラスも用意してあったが、雲がフィルターとなったので、

結局ほとんど使わなかった。

( 写真/ E-620  ZUIKO D 50-200ミリズーム )




昆虫写真展

| | トラックバック(0)

明日、7月23日から開催される二つの昆虫写真展を紹介しておこう。

田中尾園写真展1.jpg
伊藤年一さん写真展2.jpg
昆虫だからか、夏に写真展が開催されることが多い。

へそ曲がりな私は、いっそ冬に撮影した昆虫写真だけで写真展を企画してみた

くなる。ま、それはともかく、今夏は昆虫写真展が多いように思う。

学研のCAPAでもこんな特集を組んでいた。

伊藤年一さんの「地球の小さな仲間たち」は銀座のキャノンサロンで開催され

(7月23日~29日)、8月31日~9月11日までは福岡のキャノンサロンでも引

き続き開催される。

伊藤さんは福岡の会場にも来られるので、福岡の会場には駆けつけるつもり

でいる。8月の末といえば、私も地元の三股町で写真展をやっている最中だ。


北九州市平尾台自然観察センターでは、武田晋一さん、西本晋也さん、

野村芳宏さんの三人展「いきもの写真展」が7月1日~8月30日まで開催中

であり、こちらの会場にも出向いてみたい。

北九州方面へは滅多に行けないので、良い機会かもしれない。


『みまたんえき』

| | トラックバック(0)
JRの最寄駅は日豊本線の「餅原駅(もちばる)」。ここは小さな無人駅だ。

うちから歩いて14分くらいだろうか。

この駅から都城市寄りに一つ先が、「三股駅」。こちらも無人駅。

宮崎駅から三股駅まで、電車の所要時間は約1時間。

駅は三股町のほぼ中心部に近い位置にあるが、駅前の商店は閉店しており、

なんとも寂れた感じは否めない。

L12104901.jpg寂しい通りをてくてく歩いていくと、やがてロータリーが見えてくる。

真っ赤なのぼりが並んだ、新しい駅舎がひときわ目立つ。

L12104882.jpg駅舎の右側には駐車場があって、そこを挟んで物産館『よかもんや』も併設されている。

L12104813.jpg『よかもんや』には地元の農産物を中心に町で生産された加工食品や工芸品などが販売

されており、食堂もあって日替わり定食があるようだ。

さて、来月後半に写真展の会場となるのは、この駅舎の「みまたんえき」だ。

L12104735.jpgプラットフォームに抜け出る通路の左側が、ギャラリーになっている。

つまりここのギャラリーに来られる方は主に、JR電車の利用客と町内バスの乗降客、そして

物産館を訪れてくるお客さん、であろう。



さて、「みまたんえき」ギャラリーは出来たばりで綺麗な施設だ。

L12104804.jpg


先日は急いで写真展の構成を考えた。

自分の写真展などはまだ再来年先あたりにと計画していたので少し手間取ったのだが、

タイトルは『新開孝の写真昆虫記』としてみた。もちろんいづれやろうとしていた

テーマとは別個に考えて組んでみた。

夏休み後半、来場者の大方は小学生など子どもたちを想定してのことだが、

年齢にかかわらず見ごたえのある写真展になると思う。

開催初日には会場で講演も予定している。

詳しい告知はまだできる状況になっていない。こんなのんびりしていて、ほんとうに

お客さんが大勢来てくれるだろうか?無人駅の「みまたんえき」に。

ちょっとどころか、たいへん心配ではある。

( 写真すべて/ E-P1  M.ZUIKO D 17ミリ )



クヌギ

| | トラックバック(0)
先日、うちの林のクヌギ4本を切り倒した。

一番大きなクヌギは根元径で約30センチ、他はそれ以下である。

一本目はチェンソーを使ってみたが、2本目からは手引き鋸を使った。

手引き鋸で切ったほうが早く済み、切断面も綺麗だった。チェンソーはきちんと整備していな

いせいもあってかえって時間が掛かり、それと切断面が焦げてしまう。

JX2102411.jpg一番大きなクヌギは写真のごとく建物の方へと倒れた。枝の張り具合からくる重

量バランスからこうなることは予想できたのだが、枝の頂上は雨樋に触れてしま

い、ヒヤヒヤした。そこまでの樹高はないだろうと目測していたのだが、、、、、、。

アサガオの棚も壊れてしまったが、建物への被害はなかった。

倒れる瞬間はペキ、ペキ、ぺキと数回音がして、一瞬だった。

ほんとうは斜面林の方へ倒すつもりだったが、そのためには斜面側にロープを張

っておく必要があった。

L1210470.jpg思いついてすぐにホームセンターで買ってきた手曲がり鋸。よく切れる。

山仕事の道具はもっと時間をかけて慎重に選ぶべきだろう。近所のホームセンターでは

品数は限られていて、選択の余地がなかった。



林内の3本はどれも枝張りが悪く、見るからに病弱であった。切り倒すのは簡単

だった。伐採したあとに樹液が滲み出て、ヒメジャノメ、クロヒカゲ、カナブン、ムナ

ビロオオキス
イ(『樹液に集まる昆虫ハンドブック』森上信夫さん著を参照)、

ヨツボシケシキスイなどが集まっていた。

L12104602.jpg
切り口が綺麗でないため年輪の計測は正確ではないが、一番大きかったクヌギの年輪を調

べてみると、約22年とわかった。年輪の計測ソフトというのもあるようだが、これを活用する

には綺麗な画像が必要だろうと思う。

今住んでいる我が家が建ったのは14年前のこと。

クヌギはそれより8年前に植えられた計算になる。家が建つ前の地主の方が最近わかった

ので、クヌギを植えた当時のことなど詳しい話を聞けるかもしれない。

現在、うちの土地の周辺にクヌギ林はわずかしかなく、ほとんどがスギの植林になっている

が、以前はクヌギ林が多く、ミヤマクワガタもよく採集できたと聞いたことがある。

20年からそれ以前の当時の様子を知りたいと思う。

うちの林の整備は順調とはいえないが、少しづつ進めてきた。まったく手付かずの領域は

広くあり、ササ藪となって立ち入ることも困難な状態だ。

土地全体の植生や景観をこれからどう形造っていくのか、昔の様子なども参考にして考えて

みたい。もっとも、林の整備が進んだとしても、そのころにはもう、私は立派な老人になって

いるだろう。

( 写真上/ E-620 ZUIKO D 8ミリ魚眼 )

(写真中下/ E-P1  M.ZUIKO D 17ミリ )















ヤマトシジミの卵

| | トラックバック(0)
カタバミの葉っぱを適当にめくってみれば、すぐに見つかる小さな卵。

直径は0.5ミリ、高さは0.24ミリ。

JX2002171.jpg
( 写真/ E-620 ZUIKO 20ミリマクロ+オートベローズ )

肉眼で見るかぎりではただの白い粒だが、こうして拡大してみると微細な彫刻模様が

あるのがわかる。

すぐに見つかった4個の卵のうち、2個は潰れていた。

JX2002152.jpg潰れた原因は卵自体の不具合なのか、外因(例えばダニなど)によるものなのだろうか?

下の写真は、5日前に撮影したヤマトシジミの成虫。

普段はあまりにも目に付くチョウなので、しっかりと眺める機会が少ない。

W2153332.jpg
( 写真/ E-520  ZUIKO D 50ミリマクロ )




ふと飼育ケースを見れば、タイワンオオテントウダマシが歩いている。

しまった!蛹を見落としたか!

JX1901753.jpg

本種の幼虫を見つけたのは2週間前の7月5日のこと。

場所は宮崎県、西都市の下三財。西都市は西都原古墳群で有名だが、

下三財や平群のあたりは3年前に移転先の物件を見て回ったことがある場所だ。

西都原古墳群を巡ったときには、宮崎に住んでみたいという気持ちがますます

強まったことも懐かしい。

それはともかく、2週間前は西米良にオオムラサキを見に行った帰り、下三財のあ

る場所へと宮崎昆虫同好会の方に案内してもらった。

そこに積まれてあった朽木上を徘徊する本種の幼虫を見つけたのであった。

JX1901802.jpg幼虫は朽木上をすばやく歩いていた。2匹を採集して持ち帰り、朽木と一緒に飼育

ケースに入れておいたのだ。おそらく菌類を食べるのであろうと思う。

今日、羽化した成虫に気付いたのだが、もう一匹はまだ幼虫のままである。

今度こそ蛹化には気をつけておきたい。

幼虫はひっくり返すと、体を柔軟に曲げて起き上がろうとする。





JX1901811.jpg
( 写真3枚とも/ E-620  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

タイワンオオテントウダマシは、対馬とそれ以外の国内では、宮崎県南那珂郡北郷町

(1981)、と宮崎市高岡町内ノ八重(2007)でしか記録されていない(宮崎昆虫同好会、

会誌「タテハモドキ(43)」から)。

そして北諸県郡三股町の私の庭でも2007年の5月に本種を撮影しており、「昆虫ある

記」でも紹介したことがある。うちの庭にもいるくらいだから、宮崎県内にはもっと生息地

が見つかるものと思う。朽木を丹念にさがせば、まだ幼虫も見つかるだろう。

ササコナフキツノアブラムシは文字通り、ササ類の葉っぱに群れてつくアブラムシ。

白い粉をふいた集団がびっしりとササの葉うらについており、なんじゃこれは!

と驚いた方も多いことだろう。。

W21835283.jpg
(  写真/ E-520  ZUIKO D35ミリマクロ+1.4倍テレコン )


このアブラムシは普通に見られるが、発生場所は局所に偏る傾向があって、

いざ探すとなるとあちこちにいくらでもいるアブラムシでもない。

先日、近所の林縁でかなりまとまって発生していることに気付き、しばらく通ってみることに

した。白く目立つコロニーではあるが、葉うらに隠れているのでうっかり見過ごすことも

多い。今回はツンツンと舞うゴイシシジミのおかげで発見することができた。

P7160370.jpg
( 写真/ E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ )

ゴイシシジミはアブラムシの群れの近くに卵を産みつける。

JX1900992.jpg
( 写真/ E-620  ZUIKO 20ミリマクロ オートベローズ )

学研の幼虫図鑑によれば、ゴイシシジミ卵の直径は0.35ミリ、高さ0.15ミリとなっている。

たしかに小さい卵だ。卵の天井は平坦であり特徴的だが、他のシジミチョウの卵に比べた

ら単調で面白くない。しかし写真の卵はアブラムシの粉をまとっているから、卵のほんとう

の姿はもっと綺麗なのかもしれない。撮影するなら産卵直後に行うべきなのだろう。


さて、ササコナフキツノアブラムシの群れには、兵隊アブラムシがいることで有名だ。

兵隊アブラムシは群れにやって来る天敵に対して攻撃を加え、群れの防衛に貢献する。

群れの周辺を歩き回り、警戒を怠らないのだ。

そして例えば、ゴイシシジミの卵を発見すると、これを潰そうとしたり、あるいは引き剥がし

て排除しようと努める。次の写真は、兵隊アブラムシがツノを卵の下にあてがい、

てこの原理を使って引き剥がそうとしている場面。

JX1901121.jpgしかし、兵隊の努力は報われることがない。ゴイシシジミの卵は潰れもせず、

ピクリとも動かない。それほど強固にできており、しっかりと葉の表面に接着され

ているのである。

見ていると、次々と兵隊がやって来て攻撃を加えてはあきらめて去っていく。

もちろん兵隊たちの攻撃はいつも無力なわけではない。

天敵の種類によっては卵を潰し、捕食者を撃退する場面も見ることができる。

つまり、ササコナフキツノアブラムシに特化した天敵と、そうではなく兵隊たちに

排除されてしまう捕食者たちの両者がいるわけである。




昆虫の卵など、1ミリかあるいは1ミリに満たない小さなものを撮影するときは、

室内撮影のことが多い。

撮影に使う機材のうちレンズは、オリンパスの昔のOMシステム。

接写システムが充実していたOM時代の機材は、デジタル時代の現在でも活躍する。

オリンパスのベローズと専用マクロレンズを使えば、かなりの高倍率撮影が可能となるからだ。

L1170405.jpgカメラはどのメーカーでも使用可能だが、やはりフォーサーズカメラが倍率も稼げるので良い。

以前使っていたEOSカメラの出番は無くなった。

L1170417.jpg写真では、E-620を使用しているが、いづれはE-P1を使いたいと考えている。

超高倍率撮影となると、ファインダー越しに肉眼でピント合わせするのがかなり難しい。

今ではモニターのライブビューを使うことがほとんどであり、そうなってくるとライブビューのみ

のカメラで良いことになる。

ベローズにE-P1を装着して使う、などとはあまり一般的ではないと思うが、

私がE-P1を購入した一番の動機は、じつはそこなのだ。

かなりひねくれた動機だが、そういった使い道がなければ購入するかどうか、まだ迷ってい

ただろうと思う。

現段階ではフォーサーズアダプターが手に入らないので、ベローズでの使用はまだできな

いのだが、風景撮影でも活用しており、たいへん重宝している。



E-P1を使うもう一つの理由としては、オリンパスのベローズの構造上重いカメラを取り付け

るとその重みでベローズのマウント部分がわずかに歪むのが嫌だからである。

カメラはできるだけ軽量なものがいいわけだ。

以前はEOS1-Dのような重くでっかいカメラをつけて使っていたことがあるが、

そのときはベローズが壊れてしまうのではないかとヒヤヒヤしたものだ。

撮影上、特に支障はないものの、弱々しい造りのベローズを大事に使いたい。

オリンパスのオートベローズは今では入手が困難だろうと思うが、予備にもう一台欲しい。


雲台はジッツオのビデオ用のもので、三脚はスリックの大型三脚。

三脚はスリックのプロフェッショナル デザインⅡという、相当古いタイプで、野鳥カメラマンが

よく使っていた。実際、この三脚を買った当初の目的は600ミリレンズを載せるためだった。

でっかい超望遠レンズを支えることのできる三脚が、ベローズ撮影でも必要なのである。

ストロボの使い方はいろいろだが、基本セットとしてソフトボックス内に納めた発光部2灯を、

ベローズのXレール先端部分に固定してある。

発光部の固定にはスリックのQHD-21という小型雲台がしっかりしていて使い易く納まりも

良い。

高倍率撮影ではレンズ先端から被写体までの距離がたいへん短いので、2灯の発光部だけ

では光の回りが完全ではなく、他に数灯のストロボを配置することが多い。

またこうした高倍率撮影でのシャッター操作は、カメラに触れるだけでもブレとピント移動に

つながるので、必ず延長レリーズケーブルを使用する。

ダブルレリーズケーブルは必須の道具だ。


以上のような細かいことは書かないだろうが、今回の写真も夏休み写真展の展示で使うために

用意したもの。開期まであと一ヶ月。

( 写真/ E-P1  M.ZUIKO D17ミリレンズ )


夏休み後半に開催する写真展では、仕事の現場の雰囲気も紹介することになっている。

写真展の来場者には、展示してある写真をどのようにして、あるいはどんな機材を使って

撮影したのか、興味を持たれる方も多い。

そのような素朴な疑問に対して簡単ではあるがパネル展示にしてみようと考えている。

そこで手始めに、普段カメラザックに詰める最低限の機材を並べてみた。

Y9170893.jpgカメラは、E-520、E-620、E-P1の3台。

今月からE-620、E-P1が新たに加わり、野外で使う機材の軽量化がさらに進んだ。

EーP1は、風景専用に使っており、レンズは17ミリと14-42ミリズームのマイクロフォーサーズ

レンズ2本のみ。フォーサーズレンズを取り付けるアダプターはまだ届いていない。

EーP1を風景専用にしたことで、ズイコーD14-54ミリズームレンズをはずしてみた。

このレンズはたいへん優秀だが、メインカメラ2台はマクロ撮影の状態に保っておきたいので、

しばらく様子を見ながら自宅待機にしてみた。

こうして並べてみると、画面右上のE-620左にある8ミリ魚眼レンズがやけに太く大きい

ことが気に掛かる。マイクロフォーサーズレンズで魚眼レンズを出してくれると、このレンズも

はずすことができて、さらに軽量化できるはずだ。

( 写真/ E-330 ZUIKO D25ミリレンズ )




金盤レコード

| | トラックバック(0)
少年漫画本の付録で、アニメ主題歌のソノシートが入っていることがよくあった。

クニャクニャ曲がるセルロイドのレコード盤で、赤い色をしていた。

『タイガーマスク』や『キャプテンウルトラ』の歌は何度も何度も飽きずに聞いて今でも憶えている。


今朝は少し見上げる位置にあったチュウガタシロカネグモの円網の前で思わず足が止まった。

最初は虹色がわずかにきらめいているだけだったが、

日が高くなるにつれ、にわかに金色の輝きを放ち始めたのであった。

W2163418.jpg
( 写真/ E-520  ZUIKO D 50ミリマクロ )


7月29日(水曜日)に、愛媛県立図書館で、そして30日には西条市立図書館で講演を行う

予定。

愛媛県立図書館講演.jpg今回は実家のある松山市での講演。

九州のなかでも宮崎は高速道路の整備が一番遅れている県なので、

三股町のわが家から松山までの道のりはけっこうある。

車で移動すれば約8時間の旅となる。

宮崎での講演では宮崎に移転してから撮影した最近の写真にこだわって、お話を構成してきたが、

次回、愛媛での講演内容は東京に住んでいた頃の写真を中心に組んでみようかと考えて

いる。もちろん、宮崎での新しい写真も組み入れるつもりだ。


さて、愛媛の地酒にはけっこう美味しい銘柄があるが、

最近になって『森の翠 純米大吟醸』という酒が入手できなくなった。

今年の3月末に酒造会社の篠永酒造が店を閉たためで、これはたいへん残念なことである。

松山に行くとなると楽しみなのが「うどん」。

この「うどん」を食べるということが、これまで26年間の帰省のたびに欠かせない儀式のような

もので、数年前にはうちの実家のすぐ近所にもけっこう旨い店が開店した。

松山と言えば道後温泉があまりにも有名だが、私は小さい頃に入った記憶がかすかにある

程度で、以後小学生から成人になって今に至るまで一度も行ったことはない。

温泉に興味を抱き始めたのは上京してからのことで、世間の温泉ブームにつられて

猿ヶ京温泉などに行ったあたりだろうと思う。


来週は、宮崎市内の平和台公園と、都井岬での昆虫観察会が予定されている。

このように今月は、講演会が3回、観察会が3回と、けっこう慌しい。



樹液ハンドブック表紙.jpg昆虫写真家、森上信夫さんの『樹液に集まる昆虫ハンドブック』(文一総合出版)が、出版された。

ちょうど今の時期は、全国の雑木林で樹液の場所に通う子供たちが大勢いることだろう。

子供たちの主なねらいは、クワガタムシとカブトムシであろうが、それ以外にも

さまざまな昆虫が樹液にはやって来る。その多様な世界をもっと覗き込み、楽しんでもらいたい。

絢爛豪華な姿に目が奪われるのは当然のことだが、一見地味でもユニークな姿のものや、

怪物みたいな昆虫もいる。通常の図鑑では行き当たらない世界を自分の目で発見してほしいものだ。

『樹液に集まる昆虫ハンドブック』樹液という限られた観察ポイントで、昆虫の世界の奥深さ、

広がりを見つめ直す良い機会を与えてくれるだろう。

本書では84種の昆虫が紹介されており、樹液に集まる昆虫のほとんどが網羅されていると言っても

よいだろう。自分が見つけた樹液の出る木には、どのくらいの種類がやってくるのだろうか?などと

いう素朴な観察など本書を参考にしながら、夏休みの自由研究にどうだろう。



「昆虫がアイドルだった昆虫少年がカメラを手にし、そのアイドルの"追っかけ"に転じ、、、、」

というプロフィールの文章も、いかにも森上さんらしい表現で、

森上さんの精力的に撮影なさる姿にピタリと重なる。本書の解説文を読んでいくうちに、

森上節なるものが感じられ、森上さんの昆虫にかける情熱や思い入れが伝わってくる。

『樹液に集まる昆虫ハンドブック』を作るにあたって、森上さんは関東一円、山梨などを

駆け回られている。そして、じつは昨年の夏、宮崎の私のうちにも数日間、撮影に来られた。

来られた日の1週間くらい前からうちの林の樹液の出が鈍くなりずいぶん気を揉んだのだが、

隣町に見つけておいたポイントの樹液が良好で、森上さんの撮影は快調に進んだようであった。

そのときの写真もずいぶんと本書には盛り込まれており、

私も安堵すると同時にたいへん嬉しくもある。


仕事部屋の西側にあるコウゾの剪定をしていたら、

目の前の草むらを跳ねるようにしてギンイチモンジセセリが通り過ぎていった。

JX090328.jpgうちの近所でもまだ見たことがないので、少し意外な気がしたが、おそらくこの田上地区には

あちこちに生息地があるのだろう。

( 写真/ E-3  シグマ105ミリマクロ )


逆転劇?

| | トラックバック(0)
コオニヤンマが死んでいる。

遠目にはそう見えたのだが、、、、、、、、、、、、、、、。

JX0802971.jpg大きなムシヒキアブは、コオニヤンマの上に馬乗りになったまま悠然としている。

コオニヤンマはピクリともしない。おそらくシオヤアブの唾液注入で息絶えたのだろう。

それにしても、獲物の側になったコオニヤンマの方がムシヒキアブよりはるかに大きい。

うちの庭でコオニヤンマがアゲハを捕らえていたことがあるが、本来なら立場が逆になっても

不思議はない。

コオニヤンマは、もしかしたら弱っていたのかもしれないし、ちょっとした油断につけこまれた

のかもしれない。

JX0802962.jpgムシヒキアブは私の動作に敏感に反応して飛び去ってしまった。食事中を邪魔してしまった。

( 写真/  E-3 ZUIKO D 50ミリマクロ )


拾い物

| | トラックバック(0)
今日は雑木林の下草刈り作業をした。

観察路が見えなくなるほど草が伸びてしまったからだ。

それと実生で育っているいくつかの低木を間引いておいた。とくに多いのがメダラ。

先日も書いたが、林のクヌギもアカメガシワも、樹液の出が悪い。

スズメバチの姿が一匹も見えないのだから、これは明らかだ。

私の写真講演を視聴してくれた子供たちの中には、写真で見た樹液のにぎわいを期待して

うちの林に来てくれたこともあった。しかし、カブトムシもクワガタも、

そしてカナブンさえ、一匹もいない。

講演で披露した写真は昨年と一昨年のもので、あのときのような樹液酒場のにぎわいは、

今年はまったく見られない。

いろいろと原因は考えられるが、これぞという主因はわからない。

もっともよく樹液を出していたクヌギの一本は、2年間を通して樹液の出場所が

何ヶ所かに移動し、しかも小刻みに染み出ていた。それぞれの場所で長続きはせず、

もともと不安定な樹液だったのだ。



樹液が出る要因は複雑だが、それでもシロスジカミキリやボクトウガの幼虫が

樹木内部で材部を食べて師管を傷つけることによることが確認されている。

しかし、うちの林ではシロスジカミキリは生息していないので、ボクトウガかミヤマカミキリ

などの幼虫の仕業が考えられる。

アカメガシワでは明らかに、コウモリガ幼虫の仕業であるが、幼虫の活動は確認できても

樹液の浸出が少ないのか、虫の集まりは良くない。

草刈り機を背負って作業をしながら、あまり考え事をするのはよくない。

噴出す汗をぬぐいながら、残すべき草むら、刈り込む高さなどに気を配りながら

慎重に体を動かすことに専念しなければならない。

余談だが、草刈り機のことを、このあたりの地区ではみんな、「ビーバー」と呼ぶ。

ビーバーと声に出していうことは普段ないのだが、地区の方達と協同作業するときは

ビーバーと言えば、それだけでも仲間意識を感じる。引っ越してきて2年目にして

そのビーバーという言い方にようやく馴染んだ。


さて、1時間も作業をやると、さすがに疲れる。エンジンを止めて座り込んでいると、

目の前にクロヒカゲの蛹がころがっていた。

少し前にはヒラタクワガタの死骸も拾っている。

JX080281.jpgヒラタクワガタは、死んで間もないようだが、すでに胸部と腹部はグラグラになっているから

数日前に死んだのは明らかだ。

クロヒカゲの蛹は、草を刈ったために地面に落っこちたのは間違いない。

ともかく草刈りを行えば、かなりの数の昆虫を殺し、棲みかを奪って間接的には死に

至らしめていることだろう。

人里の自然というのはしかし、こうして人が常に管理することで成立しているのであって、

その中でうまく生きていく空間を見つけることができる生き物も大勢いる。

( 写真/ E-3  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )





先月、庭のクヌギで見つけた、けったいな姿の幼虫。その正体はヨツボシテントウであった。

その幼虫たちも成虫へと成長し、このところまったく姿を見かけることはなかった。

今朝、ハラビロカマキリ幼虫のビデオ撮影をしているときに、

クヌギの若葉でムラサキシジミ幼虫が目に入った。

幼虫にはアミメアリがたかっている。

ビデオ撮影がひと段落してから覗いてみれば、なんだか様子がおかしい。

JX0702392.jpgムラサキシジミ幼虫の背中に、ヨツボシテントウ幼虫が乗っているのであった。

しかも、ヨツボシテントウ幼虫は、ムラサキシジミ幼虫の蜜腺のあたりに口を押し付けているので

ある。たくさん通ってきているアミメアリたちは、この蜜腺から出る甘露が目的だが、

ヨツボシテントウ幼虫もまた甘露を舐めとるのであろうか?

そうに違いないと思うのだが、不思議なのはアリたちが、このヨツボシテントウ幼虫にまったく

無関心なことだ。このような場面では、他の昆虫を徹底的に排除しようとするのが普通である。

先月、ヨツボシテントウ幼虫の観察を行った際にも、クロヤマアリがまったく無関心に振舞うので、

そのことがたいへん印象的であった。

ヨツボシテントウ幼虫の体には、アリに対抗すべきなんらかの仕組みがあるのだろう。

JX070270のコピー1.jpgムラサキシジミ幼虫の蜜腺は、上の写真内の矢印先に見える白い乳首のようなもの。

ときおりニュウッと突き出してくる。するとすかさずアリが舐めに来るのである。

( 写真上2枚/ E-3  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

L1070203.jpg
( 写真/   オリンパス E -P1 M ZUIKO D 17ミリED )


今日も30度を越す、夏日。

梅雨明けは来週あたりだろうか。


オオカマキリ

| | トラックバック(0)
オオカマキリ幼虫たちの成長ぶりが、目に付く。

中にはもうすぐ成虫になりそうな、でっかい体の幼虫まで見かけるようになった。

W2063148.jpgビデオ撮影のほうはすっかり頓挫したままだ。

4~5月はまだ体調が完全復帰できておらず、ビデオ撮影の時間がどうしても作れなかった。

体の調子が戻ってきたのは6月に入ってからだ。

今年はもう撮影不可能なシーンも多い。これから撮影するにしても仕事の時間配分は難しい。

やれるだけやってみるしかない。

( 写真/ E-520   ZUIKO D35ミリマクロ+1.4倍テレコン )


キツネの死

| | トラックバック(0)
まるで梅雨明けのような夏日となった。

日射しが厳しく、日中温度は30度を超えていたようだ。

朝は街頭指導で、交差点に30分ほど立っていた。中学校の通学路だ。

三股町には中学校が一校しかないので、校区も広い。

自転車通学の生徒数も多いので、事故もよく発生する。


犬の散歩から戻ってきた嫁さんが、近くの農道でキツネらしき死骸を見たと言う。

目が開いていて、まるで生きているみたいだったというから、急いでその場へ駆けつけてみた。

L10601481.jpgなるほど尻尾が長いので、一目で犬ではないことがわかる。雄のようだ。

L10601422.jpg野生のキツネをこうして間近で見るのは初めてだ。

去年の夏、この現場近くの人家の庭先でキツネが目撃されている。

「綺麗な毛並みのキツネだった」と話に聞いた。

目の前に横たわったキツネの姿は、その話のキツネとダブって見える。同じ個体だろうか?

生前はいたって健康だったのではないかと感じる。

体を裏返しにしてみたが、とくに外傷は見当たらない。付近に血痕などもない。

ここの農道は狭くて曲がくねっている上、車の通行量はきわめて少ない。

車との接触事故死とは考えにくいのだ。

尻尾が跳ね上がった姿勢が気になる。肛門の周りが少し黒く汚れているのは関係あるだろうか。

何か毒物を誤って食べたのか?

すでに死後硬直が始まっていた。

ともかく土の上へ移動させ藁をかけておいた。けっこう重い。

さて、このあとどう対処すべきか。

( 写真/ オリンパス E-P1 M.ZUIKO D 17ミリ  )


オオルリソウ

| | トラックバック(0)
天気情報によれば雷注意報も出ていて、雨になるところだった。

しかし米良に着いてから一時的に降りはしたものの、おおむね昆虫観察には影響ない程度で

目的のオオムラサキも、2~3頭の飛翔を見ることができた。

宮崎のオオムラサキは里山のチョウではなく、深山幽谷のチョウなのであった。

L1050057.jpg
( 写真/ オリンパスEーP1  14-42ミリED )

米良には一昨年の冬に『米良神楽』を見学に来たことがあり、今日で2回目となる。

ともかく谷が深いことと、照葉樹林が多く残っていることなど、自然豊かであると同時に、

山奥での生活の厳しさを感じる場所だ。

オオムラサキの♂がハルニレの樹液に来ていた場所で、オオルリソウを初めて見た。

なんとも控えめな花がたいへん印象的だ。

JX0500192.jpg
JX0500093.jpg
( 写真/  E-3  シグマ105ミリマクロ )

L10500761.jpg
( 写真/ オリンパスEーP1  14-42ミリED )

昆虫観察会

| | トラックバック(0)
昨日は、宮崎市、学園木花台小学校で講演を行った。

うちの子供が通う梶山小学校の全校生徒数の10倍程度の大きな規模の学校だ。

午前中の3時限を使って、3回連続の講演。

校長室でくつろいでいると、部屋の床をサワガニが歩いていた。

「この辺りはサワガニが多いのですよ」と聞いた。

人口集中地区ではあるが、元々そういう環境なのだ。したがって、日々の生活のなかで

昆虫の姿に触れる機会も多いようだ。読み聞かせの会のお母さん達から伺った

お話でもその辺りのことがよくわかった。

45分の授業時間でお話をするのはこれで2回目だが、最初の1時間目は

質問時間の10分を残してうまくおさめることができた。

しかし2時間目、3時間目としだいに余裕がなくなり、ギリギリになってしまった。

総じての感想では、3,4年生の子供たちの反応が一番、元気であったと思う。


で、今日は都城市の安久児童館で、3回目の昆虫観察会。

クヌギの木のある場所まで、総勢30人程度で歩いてみた。

歩いている間に確認できた昆虫は、全部で61種類。

L10400231.jpg
( 写真/ オリンパス E-P1 14-42ミリ )

みんなが期待していたカブトムシはいなかったが、コクワガタの雌雄と、ヒラタクワガタの♀が

見つかった。

観察会の最後のほうで、オガタマノキの生垣でヤクシマルリシジミの産卵を見ることが出来た。

産んだばかりの卵と、若い幼虫が見つかった。これにはたいへん感動した子もいた。

チョウが卵を産む瞬間を、私の実況を聞きながら目の前で見ることができたのだから、、、、。

W2043117.jpg
( 写真/ E-520  ズイコーマクロ20ミリ+オートベローズ ストロボ4灯 

受難

| | トラックバック(0)
すぐ近所のクヌギ林で、ノコギリクワガタとカナブンを見つけた。

ここのクヌギはみな2メートル高の細木ばかり。シイタケのホダ木用に植えられた林だ。

細いクヌギではあるけれど、コウモリガ幼虫の糞排出口がどの木にもあって、

樹液はそこから染み出ている。

JX0299244.jpgうちの林では樹液の出が悪くて、いわゆる樹液酒場がまったく見られない状況が

ここ2ヶ月も続いている。

昨年、一昨年と樹液の出が良かったクヌギの数本が、今年はまったく枯れている。

樹液の出具合というのは、長い期間のなかで観察してみれば山もあれば谷もありで、、

一概に今年はダメなどと即断できるものでもない。ま、しばらく様子を窺うしかない。


さて、ノコギリクワガタを見つけたのは犬の散歩に出たすぐあとのことだったが、

しばらく散歩してから戻って来る途中で、オニヤンマの羽化殻が目に入った。

JX0299482.jpgところがよく見れば、羽化はできずに脱皮直後に死んでいる。

ここまできたのに、なぜ!

JX0299521.jpgほんとうになぜだろうか?  なぜ脱皮が進行途中で止まってしまったのか?

そういえば、先週だか先々週だか、コオニヤンマの羽化失敗を見たばかりだ。

こういうことはセミでもよく見かける現象だ。あと一歩のところで死に至る。

当たり前だが、死はいたるところにあって、死は特別なことではない。

虫のくらしにこだわる日々を続けていると、驚くような生き様を目にする一方、

こうして死んでいく虫の姿を見る機会も多い。

ただしかし、そういう死にいく姿を見て、なぜ死ななければならなかったのか、とか

突き詰めて追求し、それを掘り下げて写真にしていく態度は希薄だったと思う。

( 写真/ E-3 ズイコーD 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )



明日は宮崎市内のある小学校で、虫の授業を行うことになっている。

全学年を対象に、3回にわけてお話を聞いていただく。

授業時間は通常の講演よりか短いので、話しの進め方もいつも通りとはいかない。

さてどうなるだろうか。

ともかくも、朝の通勤時間帯に車を運転すること自体が久しぶりの出来事なのだ。



再生

| | トラックバック(0)
風呂に入ろうとして、脱衣所の洗面台にアシダカグモを見つけた。

わが家にはごく普通に棲んでいるので、小学生の子どももさして驚くでもない。

しかし、なんだか様子がおかしいのだ。

W23030742.jpg右後ろ脚が、やけに短いのである。

W23030751.jpgどうやらこのアシダカグモは何らかの事件に遭遇し、脚を損傷したか

大部分を損失したのであろうと思う。

8本、脚があっても1本欠けるのは大きな痛手には違いないだろう。

だが、クモの体の凄いところは、脱皮に際して少しずつ再生する能力をもっていることだ。

再生するとはいっても、完璧に元通りになるとは限らない。

若い頃に負った傷なら、脱皮の回数も多いから再生の見通しも明るいのかもしれない。


人も若いころに苦労を積んでいるほど、老いて穏やかな人格者になれるのかもしれない。

自分はどうであったろうか?などと、振り返ることも多くなったが、やはり歳とったせいだ。

( 写真/ E-520  ズイコーD 50ミリマクロ  )