受難

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すぐ近所のクヌギ林で、ノコギリクワガタとカナブンを見つけた。

ここのクヌギはみな2メートル高の細木ばかり。シイタケのホダ木用に植えられた林だ。

細いクヌギではあるけれど、コウモリガ幼虫の糞排出口がどの木にもあって、

樹液はそこから染み出ている。

JX0299244.jpgうちの林では樹液の出が悪くて、いわゆる樹液酒場がまったく見られない状況が

ここ2ヶ月も続いている。

昨年、一昨年と樹液の出が良かったクヌギの数本が、今年はまったく枯れている。

樹液の出具合というのは、長い期間のなかで観察してみれば山もあれば谷もありで、、

一概に今年はダメなどと即断できるものでもない。ま、しばらく様子を窺うしかない。


さて、ノコギリクワガタを見つけたのは犬の散歩に出たすぐあとのことだったが、

しばらく散歩してから戻って来る途中で、オニヤンマの羽化殻が目に入った。

JX0299482.jpgところがよく見れば、羽化はできずに脱皮直後に死んでいる。

ここまできたのに、なぜ!

JX0299521.jpgほんとうになぜだろうか?  なぜ脱皮が進行途中で止まってしまったのか?

そういえば、先週だか先々週だか、コオニヤンマの羽化失敗を見たばかりだ。

こういうことはセミでもよく見かける現象だ。あと一歩のところで死に至る。

当たり前だが、死はいたるところにあって、死は特別なことではない。

虫のくらしにこだわる日々を続けていると、驚くような生き様を目にする一方、

こうして死んでいく虫の姿を見る機会も多い。

ただしかし、そういう死にいく姿を見て、なぜ死ななければならなかったのか、とか

突き詰めて追求し、それを掘り下げて写真にしていく態度は希薄だったと思う。

( 写真/ E-3 ズイコーD 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )



明日は宮崎市内のある小学校で、虫の授業を行うことになっている。

全学年を対象に、3回にわけてお話を聞いていただく。

授業時間は通常の講演よりか短いので、話しの進め方もいつも通りとはいかない。

さてどうなるだろうか。

ともかくも、朝の通勤時間帯に車を運転すること自体が久しぶりの出来事なのだ。


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