
ちょうど今の時期は、全国の雑木林で樹液の場所に通う子供たちが大勢いることだろう。
子供たちの主なねらいは、クワガタムシとカブトムシであろうが、それ以外にも
さまざまな昆虫が樹液にはやって来る。その多様な世界をもっと覗き込み、楽しんでもらいたい。
絢爛豪華な姿に目が奪われるのは当然のことだが、一見地味でもユニークな姿のものや、
怪物みたいな昆虫もいる。通常の図鑑では行き当たらない世界を自分の目で発見してほしいものだ。
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』は、樹液という限られた観察ポイントで、昆虫の世界の奥深さ、
広がりを見つめ直す良い機会を与えてくれるだろう。
本書では84種の昆虫が紹介されており、樹液に集まる昆虫のほとんどが網羅されていると言っても
よいだろう。自分が見つけた樹液の出る木には、どのくらいの種類がやってくるのだろうか?などと
いう素朴な観察など本書を参考にしながら、夏休みの自由研究にどうだろう。
「昆虫がアイドルだった昆虫少年がカメラを手にし、そのアイドルの"追っかけ"に転じ、、、、」
というプロフィールの文章も、いかにも森上さんらしい表現で、
森上さんの精力的に撮影なさる姿にピタリと重なる。本書の解説文を読んでいくうちに、
森上節なるものが感じられ、森上さんの昆虫にかける情熱や思い入れが伝わってくる。
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』を作るにあたって、森上さんは関東一円、山梨などを
駆け回られている。そして、じつは昨年の夏、宮崎の私のうちにも数日間、撮影に来られた。
来られた日の1週間くらい前からうちの林の樹液の出が鈍くなりずいぶん気を揉んだのだが、
隣町に見つけておいたポイントの樹液が良好で、森上さんの撮影は快調に進んだようであった。
そのときの写真もずいぶんと本書には盛り込まれており、
私も安堵すると同時にたいへん嬉しくもある。