2009年10月アーカイブ


カメムシ

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午前9時25分、宮崎空港着。

空港近くの駐車場は一日、200円。送迎車の運転手は無言でたいそう愛想悪いが、

まあ安いのだから文句言う必要もあるまい、と思った。

昨日は午前中、新宿の某出版社を訪れたあと、新宿御苑を初めて歩いてみた。

期待していたアカスジキンカメムシ幼虫にもすぐ会えた。

L13025543.jpg関東ではアカスジキンカメムシが多い。

一昨日歩いた所沢市の雑木林でも4匹の幼虫を見つけることができた。

一方、宮崎に来てから3年目を迎えるが、まだ一度もアカスジキンカメムシを見ていない。

JX313429.jpgジョロウグモの卵が、捕食されていた。

JX3033612.jpg卵のうは偽装されていたにも関わらず、鳥の目を欺くことは叶わなかったようだ。

垂れ下がった糸束の先に偽装工作の痕跡がある。

犯人はシジュウカラあたりだろうか。


宮崎のうちに戻ってみれば、部屋のカーテンでイチモンジカメムシが出迎えてくれた。

JX313374.jpg




上京

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明日から東京。

ここ一ヶ月ほどは落ち着かない日々だった。

家族にもだいぶ恨まれたかもしれない。

今回、東京での滞在日数も短いので、ぎっしりと予定を組んだ。

懐かしいフィールドを編集者の方と一緒に歩く予定も入っている。

なんとか天候は良いようだ。それが何より。

というわけで、ブログ更新はしばらく、お休みします。


中学に通う子供のクラスは新型インフルエンザのために学級閉鎖になった。

普段なら野球部の練習であまり会話をする時間もないが、

今日は久しぶりに一日中、一緒に過ごした。

アサガオの網に絡まったツル茎を、彼は1時間かけて綺麗にはずしてくれた。

ようやくアサガオの棚の片付けが完了できたのであった。





へっぴりむし

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昨日は三股町立図書館で講演を行った。

外は雨が断続的に降っていた。

L1252531.jpg三股町立図書館は天井の高い大きな空間で、本棚がなければそのまま室内競技場にでも

なりそうなほど。本棚の高さも低く抑えているので、明るく広々とした空間は心地良い。

幼児コーナーもかなり充実しており、お子さん連れのお母さんの姿も多い。

演目はこれまで数多く行ってきた講演のものと同じ「虫のふしぎさがし」としたが、

写真はほとんどを刷新し、内容も新しく組み直してみた。点数は130点ほど。

会場は図書館のほぼ中央、カウンター近くのスペースを利用。

図書館は通常業務なので、本を探しに来た方々も遠巻きに

ちらり、ちらりと見ていらっしゃったようだ。


講演の最初に、今の時期の昆虫の様子を簡単に紹介したが、

そのなかでヤママユも取り上げてみた。

ヤママユの発生ピークはすでに過ぎているが、去年のちょうど今ごろ新鮮なメスを

庭で撮影してあった。それに加えて、まだ羽化しない繭がうちに一個あったので、

それも皆さんに見ていただき、ヤママユの話も盛り込んだのであった。

さて、講演から戻ったその夜の午後8時過ぎころ。

玄関の門灯に、大きなヤママユのメスが飛来していることに気付いた。

飛来してすぐだったので、落ち着きなくはばたき続けていた。

急いでカメラを引っさげて戻ってみれば、すでに暗闇の中へと姿を消していた。

うしろ翅の一部が欠けていたが、それほど傷んでもいない個体だった。

気になっていたヤママユがうちの門灯に飛来したことには、偶然以上の因縁を感じて、

少し驚いた。


門灯にはアオクサカメムシも数匹来ていた。

ふと思い出して、飼育していたツヤアオカメムシを放す前に撮影しておいた。

このツヤアオカメムシはヒノキの球果で幼虫を見つけずいぶんと前に飼育下で羽化した。

JX263241回転1.jpg腹面の生殖節を見れば、メスであることがわかる。

JX263225のコピー2.jpg赤い矢印で示した辺りが臭いの蒸発域であり、

臭腺の開口部は中脚の付け根近くにある↓

JX263260のコピー.jpgくさい臭いはお尻から出すのではない。

脚の付け根あたりに臭腺があることは、案外、知らない方が多いのではないだろうか。

カメムシによっては臭いを放出したあと、翅を扇風機のように使って臭いを広く拡散させる

行動も見られる。

何度も何度も言ってきたし、書いたかもしれないが、

私はカメムシの臭いが好きである。それは初めて嗅いだ小学生の頃からであり、

この臭いの好みは生得的なものかもしれない。

もっともカメムシの臭いと言っても、種類によってかなり違いがある。

違いはあっても、ともかく独特なカメムシ臭という特徴は共通している。


( 写真上/  E-P1    M.ZUIKO D17ミリ  )

( 写真中、下/     E-620  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )



褐色型

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久しぶりに雨。しかし、降り方は弱く昼前には止んだ。

犬の散歩中、路面にハラビロカマキリが佇んでいた。褐色型だ。

褐色型に遭遇したのは、今年の秋になって2度目。

拾う前にチョロがガブリと噛み付いた。

カマキリだから匂いをかぐだけで躊躇するかと油断していた。

あわててすぐに制止したから、ハラビロカマキリは無事だったが少々ダメージを受けたようだ。

動きがぎこちない。
W2248087.jpgもはや威嚇する元気もないようだ。

ハラビロカマキリは通常、緑色のものがほとんどで褐色型は少ない。

黄色味の強い、黄緑色型も少ないながら見られる。

褐色型も黄緑色型も、眼だけは緑色をしている。

そこがちょっと不思議な気がして面白い。

( 写真/  E-520   ZUIKO D50ミリマクロ )



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朝陽を浴びて、庭先に顔面模様が浮き上がった。

W2238060.jpgもしかして、他の時間帯だと見落としていたかもしれない。

顔面に見えるこの網糸は、ジョロウグモの巣網である。

目や口にあたる穴開き箇所は、大物の獲物でもかかった痕跡であろうか。

ジョロウグモからすれば、早いとこ修復しておきたいのではないか、と思えた。



図書館まつり

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三股町立図書館では、図書館祭りということで今月25日に、

私の講演や朗読会などが催される。

これに伴い今月16日から11月1日まで、写真展示も行っている。

写真展は、「みまたんえき」で夏に展示したものと内容は一緒だが、

今回は中学生の山元修成君の標本も一緒に展示している。

L12024911.jpg
L12024872.jpgさて、この写真展も11月1日で終了すると写真パネル数十点がうちに戻ってくることになる。

そうなると戻ってきた写真パネルの置き場所が、、、、、、、。

パネルサイズはA2がもっとも多く、A1サイズも数点あって、これらを納めるケースは、

A1の段ボール数個分となる。いづれは、倉庫を拵えなければいけないが、

できるなら、引き続き他の会場での展示が決まれば良いなあと、勝手なことを考えている。


今朝、動物写真家、前川貴行さんの著書『動物を撮る!』(雷鳥社)が届いた。

動物を撮る!前川貴行.jpg

前川さんは私より10歳ほど若い、気鋭の動物写真家。

今年の5月に上京したおり、ご本人にお会いして昆虫写真についてのインタビューを

受けた。そのときの記事がコラムページ「昆虫写真の世界」として掲載されている。

前川さんの写真展が東京、品川のキャノンギャラリーSで今月29日まで開催中だから

興味ある方は、会場に行かれてみてはいかがだろうか。

私は28日の午前中、会場に行く予定。

前川さんは背も高く、いかにも頑丈そうな体格であり、極寒の地で野生動物を撮影する姿が

眼に浮かぶ。

渋谷の東京写真学園で取材を終えたあと、別れ際に前川さんは両手で握手をしてくださった。

そのごつい手の感触に、私などは圧倒される思いがした。

「熱いヒトやのう!」



今日は夕焼けが綺麗だった。

L1212522.jpg( 写真全て/  E-P1 M.ZUIKO D 17ミリ )


芋虫

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朝は仕事に取り掛かる前に、草刈りなど少し庭の手入れをする。

毎日ではないが、こうして小刻みでもやっておかないと、

庭や敷地はすぐに荒れ放題となる。荒れる、といってもそれはどう認識するかで、

人それぞれではあるけれど、、、、。

さて、今夏はさまざまな昆虫観察ができた庭の小さなクヌギ。

人の背丈ほどになったが、まだヒョロヒョロの幼木である。

枝がいびつに伸びているので、思い切って剪定してみた。

根元ではコウモリガの羽化殻が残っていた。

バッサバッサ切り落としていた枝には、でっかい芋虫が2匹ついていた。

JX2030122.jpg独特のポーズは、まるでお祈りしているようだ。

この芋虫はスズメガ科のクチバスズメ幼虫。お尻に生えた槍のような突起も特徴の一つ。

手にとってみたが、これはまだ小さいほうだ。

JX2030201.jpgクヌギの葉をモリモリ食って、さらに大きく成長する。

成熟した幼虫はけっこうでっかい芋虫となる。体長は10センチを超えるだろう。

さて、本種を眺めていて、漫画「とりぱん」に登場していた一コマを思い出した。

「とりぱん」第3巻の18ページ、「イキのいい奴」に描かれている芋虫の絵は、

あきらかにスズメガ科の幼虫であろう。お尻に槍のような尻尾までついている。

しかし、作者はこれを「ヤママユガの幼虫」とし、さらに昔テグスをとったことから

「別名、てんぐす」とも言うと付け加えている。

で、19ページの「バクチク」という4コマでは、

クリの木から、問題の幼虫がボタ、ボタと落ちる様子も描かれている。

クリの木で大発生する幼虫、そして昔、テグスをとった、という話の内容からすれば、

問題の幼虫はヤママユガではなく、クスサンの幼虫であろうと思われる。

それと漫画のなかでは、幼虫の体長が約15センチとあるが、ヤママユガも

クスサンもそれほどまで大きくはない。幼虫は体が伸びるからけっこう長くなるが、

それでも15センチというのは、ちょっと大き過ぎる。

ところが、クチバスズメ幼虫の成熟幼虫なら、体をグイ~んと伸ばせば15センチには

なると思う。

「とりぱん」を読んでいて、このヤママユガ幼虫の話ではズッコケてしまった。

あえて創作したのか、勘違いがあるのか?そこのところは、ようわからない。


霧島山は今日もよく眺望できた。

JX203043.jpg( 写真上、中/ E-620  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

( 写真下/  E-620  ZUIKO D 50-200ミリズーム )



推理

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昨日、庭に降り立ったチョウゲンボウの掴んでいた獲物はなんであったのか?

しまった!すぐに見ておくべきだった、そう思いながら、

チョウゲンボウが飛び立ったあたりの地面を今朝になってから調べてみた。

すると一枚だけ、羽が残されていた。

JX192952.jpg羽軸の長さは3センチ程度。

どうやらスズメではないようだが、ハンドブック「野鳥の羽」(文一総合出版)を参照しても

よくわからない。

今日も田んぼの上空でホバリングしているチョウゲンボウの姿があった。

うちの庭からだと、チョウゲンボウの停止位置が目線の高さとなる。

2,3回、田んぼへ急降下していたが、獲物を捕らえたのだろうか?


朝焼けの霧島山をしばらく眺めながら、ふと北東の方角を見やれば、

面白い形の雲が林の上空を通過中だった。

JX1929121.jpgまるで林の輪郭をなぞったような雲が揺れている。

それもしかし、束の間だった。

風は強く、雲はあっという間に流れて消えて行った。

( 写真上/  E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ )
( 写真下/  E-620 ZUIKO D50-200ミリズーム )


以前からずっと気になっていた、パソコンデスクやその周辺の造作を改善してみた。

室内作業の仕事はまだまだ続くが、一段落ついたので

その合間にやっておこうというわけである。

パソコンのモニターが近過ぎて眼が疲れることの改善。

辞書など手元に置いておきたい本やメモパッド用の小さな棚を窓際に設置すること、など。

工作材料は前もって揃えておいた。木材など材料費は1000円ちょっとで済む。

電動ノコで裁断して、あとは木ネジで固定するだけ。L型金具などはジャンク箱から調達。

パソコンデスクは奥行きを19センチ拡げて、モニターをキーボードから離すことができた。

縦長の窓枠には棚を数段拵えて、収納スペースを増やした。

ちょっとしたことだが、これだけでも仕事が格段にやり易くなった。

いかに忙しくとも、こういう改良工作は時間を惜しまずやってくべきだと、つくづく思った。


霧島山の夕暮れ

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JX1828911.jpgふとトイレの窓から外を見やると、一羽のタカが舞い上がった。

そのタカは、チョウゲンボウである。

脚には獲物がぶら下がっていたが、スズメなのかネズミなのか、よくわからなかった。

へえ~、チョウゲンボウがわが家の庭に舞い降りたか、と、ちょっといい気分になった。


東京から今の住居に引っ越すにあたって、気になっていたことがある。

それはこうして、住居がどっぷりと自然の営みの渦中にあることで、

はたしてこれまで通りに仕事ができるだろうか?という懸念だった。

どこか安心して、のほほん、とした生活リズムに陥るのではないか、という心配である。

恵まれすぎて、見えなくなるものがあるのではないか?という危惧である。


地域の方々と打ち解け、受け入れられるには、どうすればいいのか。

どうにも、自分が浮いた存在に見えてしまう。

( 写真/    E-620  ZUIKO D 50-200ミリズーム  )





キチョウ

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今日も、朝からほとんど部屋にこもって仕事。

それでも息抜きをかねて、刈り草を集めて燃やしたり、庭仕事も少しはやっておく。

昼食前、庭の千日紅にキチョウが来ていた。

とくに必要のある写真でもないが、撮影の練習と思ってカメラを向けてみた。

IMG_2152.jpg毎日欠かさずとまではいかないが、できるだけカメラを手にして、

いろいろな条件下で撮影の予行練習はしておいた方がいい。

カメラの調子をみておくことにもなる。

最近、出番の少ないEOS-5Dだが、スタジオ専用カメラとはいえ、

庭程度なら外に持ち出すこともある。ストラップは付けていないので、あちこち歩き回るのは

辛い。

パソコンで撮影画面を確認してみると、ゴミが画面中央近くに見つかった。

できるだけ使いたくない理由とは、やはりゴミ問題が大きい。


一方、オリンパスのカメラを使っていて、ゴミの問題がストレスになることは、

殆んどない、と言っていい。

しかし、先月のことE-520の撮影画像にけっこう大きなゴミが写り込んでいることに

気付いた。少し以前から発生していたのだが、気付くのが遅かった。

そこで、キャノンのクリーニングキットを使って、撮像素子の掃除をしてみた。

オリンパスの優秀なダストリダクションでも、落ちないゴミが付着することがあるようだ。

しかし、そういったケースはたいへん稀であることには違いない。

( 写真/   EOS-5D  EF100ミリマクロ )




アシタバとキアゲハ

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ともかく凄い数だった。

写真ではその一部しか表現できないが、アシタバのどこもかしこもキアゲハの幼虫だらけ。

JX1523982.jpg産み付けられた卵の数たるや、それはもっと凄い数だったのだろう。

その卵だらけの状況も見ておきたかったと、悔やまれる。

幼虫の数をカウントしてみようかとも思ったが、あまりの多さに止めてしまった。

100匹以上は間違いなくいるだろう。

ここのアシタバは畑の隅っこに植えられていて、毎年、キアゲハが育っている。

キアゲハの幼虫期を見たければ、よほど端境期でないかぎりここに来れば空振りはしない。

アシタバは二株並んでおり、花茎が立ち上がっているので、高さは2メートル以上もある。

L1152468.jpgキアゲハ幼虫は葉っぱよりか、花が終わったころの果実を好んで喰う。

このアシタバに接しているお隣のミカンも、半分は丸坊主状態で、こちらにはアゲハの

幼虫が多い。

アシタバもミカンも、ここでは農薬を浴びることはない。

その理由は、この場所の畑は農家の方が自家用に耕作しているのであって、

自家用農園では、農薬は使ったとしてもごくわずかである。

さて、キアゲハ幼虫のほとんどが、すでに終令幼虫である。

これだけ幼虫が多ければ、蛹を見つけるのも簡単ではないだろうか。

犬の散歩コースの一つだが、蛹の時期が楽しみになってきた。


( 写真上/ E-620 ZUIKO D 50ミリマクロ )
( 写真下/ E-P1  M.ZUIKO D 14-42ミリズーム )







先の記事で取り上げる予定だった写真がこれ↓

JX142298.jpgクロゴキブリの登場で、記事の内容があらぬ方向へと逸れてしまった。

さて、オオカマキリの卵のうも、ちらほら見かけるようになった。

さすがにどのオオカマキリも、体に汚れや、傷が目立つようになった。

もうヨレヨレになった者もいる。

路上に腹ばいになって、目の前のオオカマキリを見ていると、

春のころの一斉ふ化の様子を想い起こす。あれから4~5ヶ月。

よくぞここまで、生き延びたなあ~、と感慨深くなる。

クモに喰われ、鳥についばまれ、あっという間に次々と死んでいった兄弟たち。

こうして一匹のオオカマキリに出会うということは、

成長を遂げることなく死んでいった兄弟が、100匹以上はいた、ということであろうか。


( 写真/ E-620  ZUIKO D 14-54ミリズーム )




運命

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庭のサンショには、アゲハの幼虫が3匹ついている。

今朝見たところでは、1匹が4令で、他の2匹が3令だった。

今やっている仕事で必要になった写真の1カットが、どうしても見当たらない。

それが3令のアゲハ幼虫の写真。昔撮ったポジ写真があるはずだがポジ写真のストックは

かなり乱れてしまい、もはや見つけ出すのは不可能と思えた。

そこで庭のサンショを眺めてちょっと一安心した。すぐにも撮影できるではないか。

3令幼虫は2匹いるが、1匹は脱皮が近いようだ。

そこでその個体をひとまず撮影しておいた。撮影にも都合の良い場所に止まっていた。

もう一匹は葉っぱの具合がおかしいので写真には使えない。

さて、午後になってから再びサンショを覗いてみて、驚いた。

なんと3令幼虫の一匹が、ハナグモの餌食になっていた↓

JX142259.jpgしかもさらに、今朝撮影したもう片方の3令幼虫は、すでに4令へと脱皮を済ませていた↓

JX142267.jpgやはり朝のうちに撮影しておいたのが正解であった。

もっとも私の見立てでは、こんなに早く脱皮するとは思ってもいなかったのだが、、、、、。


昆虫写真の中でも、図鑑的に見せるための写真は仕事上たまにだが、注文がくる。

そういう図鑑的な写真の場合、とくに成長の段階をきちんとおさえる撮影では、

飼育が必要となる。でなければ、上記のようなアクシデントを避けることができない。

だから飼育もしなければならないのだが、

自然観察者の立場から言えば、先のアクシデントを観察するほうが、断然、面白いし、

多くの方に伝えたい自然情報としても、そんな生活の生業のほうを優先したい気持ちが強い。

ときおり、図鑑的な写真を一切、切り捨てたい気持ちに駆られることもあるには、あるが、、

、、、、、、と、ここまで書いていて、ふと首筋に違和感を感じた、、、、、、。


なにやら、くすぐったいのだ。

何だ!?と手を首筋にもっていくと、パタリと足元に黒い物体が落っこちた。

よく見れば、いや!よく見なくても一目でわかるが、

大きなクロゴキブリ、だった。

いつの間にやら私の体を這い登っていたのだ。

こんなこと、嫁さんの身の上にでも生じたら、たいへんな騒ぎになるところだった。

そう思った瞬間、スリッパで素早くそのクロゴキブリを踏み潰してしまった。

しかし、少しだけ後悔した。

クロゴキブリも一度は飼育して、その成長ぶりを撮影しておかねば、と

何度も思ったことがある。ねば、、、というのには、所詮無理があるわけだが。



( 写真/ E-620 ZUIKO D35ミリマクロ+1.4倍テレコン )


手づかみ

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午前8時すぎ。 うちの林を抜けて、下の谷津田に降りてみる。

L1132341.jpg林の縁のところで、足元からクロコノマチョウが飛び出した。

そのまま飛び去るかと思えば、すぐ下草に潜りこむ。

隠れている様子をのぞきこむと、さらにもがくようにして深く潜行した。

それならば、と摘み上げてみた。

L11323302.jpgこのとき、クロコノマチョウの摘み方にはコツが要る。

逃げられず、さりとて傷つけず、、、、。        そして肝心なことは、

翅を自由にはばたくことができるだけの緩さかげん、 である。

まあ、ちょっと卑怯なやり方だが、前翅表にある眼状模様を見てみようというスケベ心が

おきたのである。

L11323311.jpg思惑通り、クロコノマは逃げようともがいて翅をパタパタパタ、と何度も開閉する。

ほんとうは開閉ではなく、力強くはばたいているのだが、打ち下ろしたはずの翅は

私の指に遮られて浮力を得ることができない。一瞬だけ、展翅状態となる。

クロコノマが必死になっている隙に、こちらは左手でカメラを操作する。

左手でカメラを構えシャッターボタンを押すという離れ業ができるのも、

小型軽量、E-P1のおかげである。


谷津田の一番奥まで歩き、再びうちの林の下まで戻ってみれば、

三人のおばあちゃんが畦道に座っておしゃべりしていた。

これから稲刈りをするそうだ。稲刈り機が来るのを待っているらしい。

皆さん初対面だったので挨拶をしたら、

うちの子供たちのことは見たことがあるよ、という。

しばらく話込んでいるうちに、田んぼの反対側に軽トラがやって来た。

いつもタオルの鉢巻をしている同じ地区のおじいさんだ。

「あの方は前にもお話したことがあるけど、お名前はなんと言いましたっけ?」と私。

「ああ、あんじいさんは、Nさんだよ。

知らんひとにはよ、ランニングじいちゃん、と言うとるけどな。

夏でも冬でも、いっつもランニング姿じゃけなあ、、アハハハハハ、、、、。」

私は大声で、田んぼの向こうに降り立ったランニングじいちゃんに挨拶した。


さて、お隣のクリ畑を歩いてうちに戻った。

ふと足元を見れば、毬栗が落ちている。

毬を踏みつけて中の栗を拾い上げてみた。  おお!これは、っかい!!

L1132369.jpg
( 写真全て/  E-P1 M.ZUIKO D 17-42ミリズーム  )



イヌビワの葉表に、イシガケチョウの幼虫がデ~ん、と構えている。

ここはうちの庭の片隅。

JX1217904.jpg頭を上にして、体軸は地面に対して垂直となっている。

つまり、イヌビワの葉は垂直に垂れているわけだ。

葉っぱがこうして垂れている理由はこうだ。

JX1217943.jpg葉っぱをめくって裏側を見れば、主脈の付け根近くが、えぐるようにかじられている。

かじったのはもちろんイシガケチョウの幼虫。

かじられた部位は葉っぱを支える力を失い、そこからクタンと折れ曲がってしまう。

大きく折れ曲がるのは、幼虫の体重が掛かっているせいでもある。

では、なぜそのようなことをするのか?

して、幼虫はお尻をピンっと浮き上げている。

JX1217982.jpg尻を突き上げている理由はなんじゃろ?と考えても、これもよくわからない。

別の角度から見てみると、幼虫の頭の角がこうして目立つ。

JX1218011.jpg目立つというか、なんか棘みたいに見える。ちょっと怪しい気配がする。

でも、ギリギリ幼虫の顔は隠れていて、見えない。恥ずかしがり屋か?

お尻をツンツン突いて、頭を上げてもらった。

JX111609.jpg角の色彩は顔まで長くつながり、大きな棘にも見える。



( 写真/ ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン、ストロボB3000S使用 ) 









午前5時45分、草刈り機(ビーバー)を車に積み込んで出発。

今日は梶山小学校、学校林の下草刈り作業。春と秋の、2回行う。

外の空気はとても冷たい。集会場に集合した皆さんは、寒そうに腕を組んでいる。

さすがに半袖の格好は私一人だけだ。

いざ、山に登ってから草刈り機が始動しない。焦る。

バッテリーの電圧が低いのだ。エンジンは、クスン!と一声上げるだけでびくともしない。

この間充電したばかりだから、どうやら電池の寿命が尽きたのだろう。

急いで山を下り、鎌を取って戻る。上り下りだけでも息が切れる。

下刈り作業は予定よりか早めに終了。

うちに戻って、洗濯、台所の洗い物を済ませ、犬の散歩に出る。

ハンミョウが目の高さのササの葉で、まだ眠っていた。

JX1113331.jpgハンミョウの体には夜露が付いている。日陰だから目覚めも遅い。



そういえば、昨日の夕方。

ねぐらについた、キタテハを見た。

JX1012176.jpg場所は、肥育用トウモロコシ畑の端っこである。

JX1012225.jpgキタテハは枯れた部分をあえて選んで止まったのだろうか?

数歩進んだところで、タテハモドキも見つけた。綺麗な秋型だ。

JX1012334.jpgキタテハは、葉っぱの下側にぶら下がる傾向が強いが、

タテハモドキは葉っぱの上でも下でもと、止まり場へのこだわりは少ないように感じる。

だから、ねぐらについた姿は、タテハモドキの方がよく目につく。

昨日、私を呼び止めたおじいちゃんが言っていたチョウを、

私が「タテハモドキですね。」ときっぱり断定したのは、そういう理由からだった。


飼い犬のチョロが口をつけようとして、躊躇したのはオオスズメバチの死骸だった。

やはり、ヤバイ!!とか、感じたのだろうか。

JX1112832.jpgこのオオスズメバチは寿命が尽きて死んだのか、それとも事故死だろうか?

手にとって眺めてみたが、外傷はどこにも見当たらない。

オオスズメバチとしては、小柄な体である。もっとよく見ておきたいので、持ち帰った。


チョロはバッタ類をとても好んで食べる。

エンマコオロギ、トノサマバッタ、ショウリョウバッタ、タイワンクツワムシなどは、

クチャクチャクチャと、満足そうに平らげる。

味に好みがあるのだろうか、イナゴ類は食べない。ツチイナゴも食べない。

カマキリも避ける。避けるけれど、食べることもある。元気なカマキリが苦手なようだ。

弱ったカマキリなら食べる。

スズメバチを避けるのはなぜか?そもそも犬の視覚に、ハチの警告色など区別できるの

だろうか?


( 写真全て/  E-620 ZUIKO D 50ミリマクロ )




散歩コースのチョウ

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午前5時起床。

長男の朝食と弁当を作る。長男は中学校野球部の練習で土日の休みもない。

洗濯は、2回。

次男に朝食を用意して、洗濯物を干し終えてから、犬の散歩に出る。

駐車場を出るとき庭のススキ原に、ツマグロキチョウが見えた。

まだねぐらについたままだ。

JX1011583.jpg近所の田んぼでは、朝早くから稲刈り作業。

「新開さ~ん!」と、稲束を抱えたおじいさんから、呼び止められた。

「今朝、稲に枯れ葉みたいなチョウが、いてな。びっくりしたわ。」

「ああ、それはタテハモドキという、チョウだと思いますよ。」

「あんなのは、はじめて見たわ。あんなのがおるんじゃねえ。」

ソバ畑にはたくさんの虫が訪れていた。

ヤクシマルリシジミ、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、ベニシジミ、、、、、、、、、、、、

そして、ウラナミシジミも。

JX1011792.jpg犬の散歩は、日々の自然観察として欠かせない時間だが、

今日はあまりゆとりがない。戻りかけて、落ち柿に来ていたでっかいクロコノマチョウを

蹴散らしてしまった。クロコノマが来ていることは予想していたのだが、枯れ葉に紛れて

見落としてしまった。

ムラサキシジミが俊敏に舞う。目の前でピタリと止まったので、そっと近づいてみた。

JX1011911.jpgムラサキシジミのメスは翅を屋根型に開いて、朝陽を浴び始めた。

( 写真全て/ E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ )


『南九州の樹木図鑑』
(南方新社)

昆虫を知りたければ、植物を知るべし。

東京で暮らしていたころ身近にあった植物の顔ぶれと、

ここ宮崎に来てから身の回りに生えている植物の顔ぶれとは、かなり違っている。

当たり前のことだが、困ることが多くなった。

こういうときは、地方書の図鑑が役に立つ。地域を限定して種類数を絞り込んでいるから

、名前調べの当たりを付け易い。

今日は都城市の書店でたまたま、この一冊を見つけて購入した。樹木のみ200種が掲載

されており、葉っぱの形と生え方に着目している点で、使い易いと思えた。

南方新社の「昆虫図鑑 採集と標本の作り方」の改訂増補版もすでに出ているはずだが、

ここの書店には旧版しか置いてなかった。旧版もたいへん役に立つ図鑑だが、

改訂増補版はさらに種類数が増えているので、是非、欲しい。


ついでに、とりのなん子さんの漫画「とりぱん」を7巻までまとめ買いした。









庭の虫、観察

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いよいよお尻に火がつき始めた。

部屋にこもって、写真データやポジ写真を引っ掻き回す時間に忙殺されている。

とは言っても、庭や林の手入れなど、まったく捨て置くわけにもいかないので、

小刻みに時間を割いて、そういう作業も行いながら、犬の散歩なども手短に済ませる。

データ転送など、ちょっとした空き時間に、敷地内を歩いてみるのも気分転換になる。

さて、玄関先の草地ではマダラバッタが。こやつは低く敏捷に飛ぶ。

JX0911055.jpg反対側のススキ原にはコカマキリがいた。

コカマキリを摘んでみようとすると、ポロリと落ちて、死にまねをする。

JX0911224.jpg前脚を体にぴったり畳んで、でんぐり返る。中脚、後ろ脚まで、全部を畳めば、もっと

完璧なのだが、どうやらこの個体は何度やってもここまでの芝居?しかできない。

ヒメカマキリだと、ピョン!とわざとらしくでんぐり返って、脚をすべてピッタリ縮める。

ヒメカマキリの演技力はたいしたものだが、カマキリ目で死にまねする種類はヒメカマキリと

このコカマキリのみではないだろうか。ヒナカマキリはどうだったか?

コカマキリの死にまねを見届けてから、千日紅の花壇を眺めていたら、

なんと、ルリウラナミシジミのメスが吸蜜していた。

JX0911242.jpgルリウラナミシジミは本来、八重山諸島が定着北限だが、今年の秋は鹿児島県から宮崎県

にかけてかなり広く、発生しているようだ。日南海岸の方へ出向けば、けっこうたくさん

見られると聞いていたが、うちの庭にまで飛来するからには、三股町や都城市にもすでに

広がっているのだろう。

夕方の犬の散歩も省くわけにはいかない。

午後5時になれば、犬は散歩に連れていけとばかりに切なく吠え出す。

空を見上げれば、鱗雲が綺麗だった。

近所の柿の木には、ときにカラス軍団がやって来る。

その様子を撮影しておきたいが、これはなかなか難しい。

遠く離れて狙う場所がないからだ。つまり接近するしかない。

それでは当然だが、たちまち警戒されあっという間に飛び去ってしまう。

JX0911371.jpg
( 写真上3枚/ E-620 ZUIKO D 50ミリマクロ+2倍テレコン、

 ストロボ、サンパックB3000S使用 )

( 写真下のみ/ E-620 ZUIKO D 50ミリマクロ )



今朝の霧島山

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今朝は久しぶりに霧島山の山容が拝めた。

JX0809711.jpg秋晴れの日でも雲に隠れている日が多かったが、台風一過の今朝は高千穂岳のツンと

尖った山頂までくっきりと見える。

朝陽を浴びる、ってのは、やはり気持ちが良いものだ。

JX0809272.jpg林の中のジョロウグモも輝いている。

空にはお月さん、

JX0807783.jpgそしてお月さんには、ススキが似合う。

JX0807614.jpgススキの花穂も、あちこちでにぎやかになってきた。


( 写真全て/ E-620  ZUIKO D 50-200ミリズーム/ 月の写真のみトリミング )






頭はどちら?

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台風18号の影響で風雨が強まり、子供たちの学校も正午過ぎには休校となった。

しかし、夕方にもなると雨脚も弱まり、風もたいして吹いてはいない。


さて、昨日のハリガネムシの記事の中で、ハリガネムシの頭と尻の写真を

漏らしていた。

ハリガネムシの体を良く見ると、頭部の方は先細りになっていて、

先端部は色素が抜けて白くなっている。

JX0607072.jpgそして、お尻の方は、わずかに棍棒状に膨らんでおり、頭と尻の違いは肉眼でもよくわかる↓

JX0607063.jpg仕事部屋の撮影台上に置かれた水槽内で、ハリガネムシ3匹がクネクネと揺らいでいる。

今朝は、嫁さんを呼んでその様子を見てもらった。

「なにイ~!!これ~!!」

「これはねえ、カマキリのお腹から出てきたハリガネムシで、類線虫類といってね、、、、」

「ハリガネムシって、寄生虫でしょ!!寄生虫は寄生虫でしょう~!!」

「そうなんだけど、ちゃんとした生きものだよ。線虫類というのは地球上の無脊椎動物では

もっとも種類数が多く、しかもあらゆる環境に住んでいて、、、、、、、、、」

「私は長いものは嫌いなんだから~!気持ち悪ウ~!!わあ~、気持ち悪ウ~!!」

思った通りの反応だった。

たしかに気持ち悪い、というのが正常な反応であろう。

さて、丸一日、水槽内に入れていたハリガネムシ達を外の睡蓮鉢に移しておいた。

睡蓮鉢には藻類や水生植物が繁茂しているから、おそらくはハリガネムシの栄養摂取も

ここで賄えるのではないだろうか。

ただ、そこから先のハリガネムシ達の生涯について、どこまで追跡できるのかは、

まるで検討がつかないでいる。






水辺に集うカマキリ

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一昨日、ハリガネムシを見たことが気になって仕方が無い。

おそらく、今日あたりもカマキリが水辺に来ているのではないか?

ハリガネムシは、夏~秋にかけてのこの時期が旬なのだ。

さっそく近所の公園に再び出掛けてみた。

この公園にはコンクリートで固めた大きな人口池があるが、

ところどころに雨水の水溜まりがあるだけ。シオカラトンボやオオシオカラトンボのオスが

なわばりを張っており、ときおりギンヤンマのオスも偵察にやってくる。

その水溜りもたいへん浅くて、運動靴でも平気で歩ける。

ともかくコンクリートの平らな池の底は広場になっており、そこにカマキリがいれば

一目瞭然。たいへん目立つのである。

池の底に降り立って、数歩歩いたところでハラビロカマキリの死骸が一つあった。

水に浸っている。そしてなんとそのすぐ傍らにハリガネムシがいた。

ハリガネムシは死んだハラビロカマキリから出てきたのであろう。しかし、

ハリガネムシも死んでいるようでカチカチに硬直していた。なぜ死んだのか?

広い池を歩いて見ていくと他にもハラビロカマキリが4匹、そしてオオカマキリが

一匹いた。どの個体も水辺へとやってきたのだろう。

ハラビロカマキリの一匹を捕らえて、お腹を摘んでみた。

親指と人差し指で揉むようにしてみると、体内に潜んでいる固いハリガネムシの輪郭が

感触でわかる。そうしてしばらく揉んでいると、お尻のほうからムニュ~と、

ハリガネムシのお出ましだ。

JX060601.jpgとりあえず最初に見つけたカマキリは皆、ケースに回収しておいた。

ハラビロカマキリ4匹とオオカマキリ1匹の計、5匹だ。

そうしてしばらく先ほどお出ましになったハリガネムシを撮影したり眺めているうちに、

ふと池の向こうを見やれば、なんとまたもやハラビロカマキリが歩いている。

いつの間にやってきたのだろう。

水紋を描きながら、水の中を歩く姿がなんとも印象的である。

JX0606395.jpgそれはどう見ても、催眠術に掛かってフラフラしているのではないかと想像したくなる光景

ではないだろうか。

このハラビロカマキリを撮影しているうちに、また別の場所ではオオカマキリがヨタヨタと

水たまりの中を歩いていた。

結局、ハラビロカマキリは7匹、オオカマキリは2匹を、池の中で見たわけである。

これは偶然、池の近くに来たもの、というよりか、やはりカマキリ達は池に吸い寄せられる

ようにしてやって来た、と考えるほうが自然のような気がする。

さて、回収したカマキリをうちに持ち帰り、お腹のマッサージをしてみると、

オオカマキリ2匹からと、ハラビロカマキリ一匹から、それぞれハリガネムシが出てきた。

JX0607141.jpg3匹のハリガネムシは体色がすべて異なっている。

一番色が濃い個体には、白いまばら模様があり、他は薄いベージュ色と茶色のモノトーン。

同じ水槽に入れてみたら、たちまち写真のごとくグチャグチャに絡まってしまった。

しばらく放置しておくと、ほぐれてそれぞれが活発にうごめいている。

JX0607342.jpgJX0607381.jpgユラ、ユラ、ユラ、、、、、、と、

狭い水槽の底でうごめくハリガネムシ。ま、ちょっとこれは不気味ではある。


ハリガネムシは、類線形動物門、ハリガネムシ目というグループに分類されていて、

世界に280種もいるそうだ。

ハリガネムシの幼虫は淡水性で、卵からふ化したあと水底を這う。

その幼虫がユスリカやカゲロウの幼虫に食べられると、幼虫は袋に包まれ保護される。

ユスリカやカゲロウが成虫となってやがてカマキリに食べられると、カマキリの体のなかで

生育し、写真のようなハリガネムシ成体となる。

ハリガネムシはカマキリの体の外へと出ると、小川や池のなかで暮らす

(平凡社『日本動物大百科・7巻』より)。

水中生活へ戻るためには、カマキリが水辺へと行ってもらわなければ困るのである。

ハリガネムシは雌雄異体だそうだ。オスとメスが交尾して翌春、産卵するという。

おそらく交尾は、水辺に到達できた直後に行うのではないだろうか。

そのほうがオスとメスの遭遇率は高いだろうと思える。

水槽に入れたハリガネムシは水中で越冬するということだが、

どうやって冬ごしさせればいいのか検討もつかない。

それにこの3匹のハリガネムシのどれがメスでどれがオスなのかもわからない。

全部、オスかもしれないし、全部、メスかもしれない。

あるいは別種だったりして、、、、、。

とりあえずは庭に置いてある睡蓮鉢に移しておこうと思う。

ハリガネムシの繁殖を願うならば、さらにカマキリを捕らえてきて、

ハリガネムシを増員しておかねばならないだろう。



炭火焼き

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昨日は子供の小学校で運動会。

だから夕食は少し手を抜いて、庭でバーベキューとした。

炭火を起こすのは私の役目。

シオカラトンボの産卵撮影はできなかったが、それはそれ。

私は焼肉のタレというのが大嫌い。

私以外の家族は好んで使うけれど、それはそれ。

私は塩、胡椒でじゅうぶん。そして、できれば海産物が嬉しい。海老とかイカとか。

サザエの壷焼きとか、、、。

L10422192.jpgチョロも、昨夜はバーベキューのおこぼれをいただく。手羽先の骨をバリバリ。

L10422231.jpg
夕餉の灯りは居間の照明を使う。

満月はあと少しのところで隠れている。


まだ片付けていないアサガオの棚が気になる。



(写真/ E-P1  M.ZUIKO D 17ミリ )













催眠誘導か!?

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シオカラトンボの産卵行動を撮影に出向いてみたのだが、シオカラのメスは一匹もいない。

仕方が無いので戻ろうとしていたときだ。

ハラビロカマキリが水溜りにうずくまっている。妙な光景である。

これは何か理由があるに違いない。

そこでハラビロカマキリをチョンチョンと突いてみた。

「オイ!元気ないぞ!」

すると逃げようとするだけの元気はあった。すたこらと走る。

が、やがてまた水辺にうずくまる。

「うん!?これはおかしい」  さらにチョンチョンとちょっかいを出してみる。

カマキリはでんぐり返ったが、そのとき!!

W20479063.jpg カマキリのお尻からハリガネムシがニュルニュル、リ~、と出てきた。

出てくる速度は思ったより速い。

なるほどなあ!と思った。

ハラビロカマキリが水溜りにうずくまっていたのは、自らの意思ではなかったのだろう。

体内に寄生していたハリガネムシに、誘導されていたに違いない。

ハリガネムシにマインドコントロールされて、ハラビロカマキリはフラフラとここの水溜りに

連れてこられたのだ。

ハリガネムシは水中へとお出ましになるタイミングを計っていたのだろう。

ところが宿主のカマキリに危険が迫った。人間という天敵の攻撃を受け始めた。

カマキリと運命を共にしては元も子もない。考えている時間は無い!早く脱出せねば!

W20479122.jpgハリガネムシの寄生生活は複雑のようである。いつかはその全貌を見届けたいとも思う。


さて、でっかいハリガネムシが抜け出たハラビロカマキリはどうなるだろうか。

さらにチョンチョン、パンチをくらわせていると、

何糞!!とばかりに威嚇ポーズをとった。

W20479241.jpg
( 写真/ E-520 ZUIKO D 50-200ミリズーム ) 











明日、5日からJR三股町駅、「みまたんえき」で主に蝶を中心とした昆虫標本の展示が

始まる。

標本は都城市在住の中学生、山元修成君が小学校1年生の頃から収集してきたもの。

展示の準備に私も少しだけ顔を出したのだが、小学生時代の標本もたいへん綺麗な

出来映えに驚いた。

L10321891.jpg(写真/ E-P1  M.ZUIKO D 17-42ミリズーム )


ジョロウグモ

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玄関の軒下で、ジョロウグモが脱皮を終えたところだった。

まるでタコの日干しみたいだ。

W2037364.jpgジョロウグモは家壁や庭木にも、たくさん巣網を張っている。

いくらでもいるからと気を抜いていると、脱皮シーンが撮影できない。

このジョロウグモが脱皮したのは午前8時前後かと思われる。

( 写真/ E-520 ZUIKO D 50ミリマクロ )


オオカマキリ

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庭のアサガオの棚をそろそろ取り壊そうかと思っている。

猛暑の日射しを遮り、すだれの役目を果たしてくれたが、もう秋も本番。

いっぱい種をつけたアサガオの蔓を見上げていると、オオカマキリと目が合った。

お腹がでっぷりと太ったメスである。

手を差し伸べてみたら、ポ~ンと地面に降り立った。

近寄るとこちらを睨んで威嚇し始めた。お!気が強いな。

JX030328.jpg前脚の鎌をボクサーのごとく構えること。

翅を縦に開くこと。

腹部を大きく反らすこと。

そして口器の赤い部分を誇示すること。

オオカマキリ得意のお怒りポーズだ。

JX030318.jpg前脚の付け根あたりにある濃青色の飾りは、まるで刺青のようでもあって、

凄みを感じる。

( 写真/ E-620 ZUIKO D35ミリマクロ+1.4倍テレコン )







表と裏

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買ったのは22年前だと思う。ソニーの防水ラジオ「SPORTS」。

新宿のヨドバシカメラ?いや池袋のビッグカメラで買い求めたはずだ。

家で仕事をしているときにはいつも、このラジオを愛用してきた。

スピーカーの径が大きいので、音質も良い。

宮崎に来てから、ラジオの置き場所は台所になって嫁さんが聴くことが多くなった。

ところが先月あたりから、選局ダイヤルのカバー部分がとれて、チューニングが思うように

できなくなった。ドライバーをダイヤルの軸に差込み、強引にねじればなんとか聴きたい

局をとらえることができる。できるが、コツが要る。たいへんまどろっこしい。

JX0202152.jpg修理できないものかと裏蓋を開けてみた。

JX0202171.jpg防水・防塵仕様だけあって、ホコリがほとんど入っていない。中は意外と綺麗だ。

写真画面左に見える白い円形板が選局調整部。

外部選局ダイアルの軸からつながったワイヤーが滑車を介してこの選局調整部を

回転させる仕組みだ。

微量に回転させるため、ワイヤーと滑車の組み合わせが必要なわけだ。

滑車とワイヤーを取り出し、壊れた原因を調べてみれば、選局ダイヤルの軸受けが

疲労して折れていた。5ミリ長のプラスチック芯材だ。金属材なら長持ちしたのでは?

これを修理をするのはかなりたいへんそうだ。いや無理と思える。


そこで思い切って裏蓋に5円玉ほどの穴を開けてみた。

JX020246.jpgこれでもう防水・防塵ではなくなったが、白い円盤の部分をゆっくりと回せば、選局が

できる。

選局の不便さを除けば、このラジオはまだまだ使える。

しかし、選局ダイヤルの軸が折れたことは、長い年月使い込んだ結果であるし、

他のパーツでもまたいづれ不具合が出るかもしれない。今回、大穴を開けるという手荒い

手術も施したことだし、、、、、、。

 ということで、結局、2台目のラジオも購入した。その新しいラジオを台所へ、

そして穴あきラジオを私の仕事場専用とすることにした。


さて、近所のニンジン畑にキアゲハの幼虫がたくさんついていたのは先月のこと。

ニンジンを植えたおばあちゃんの顔を思い出しながら、幼虫を数匹回収しておいた。

その幼虫から育ったキアゲハが数日前から羽化し始めている。

JX020172_2.jpg裏側はこちら↓

JX020181_1.jpg
キアゲハの写真と、ラジオの写真は同じセットで撮影したもの。

白バック撮影用のセット台は、最大でラジオの大きさあたりが限界のコンパクトな造り。

ラジオは横幅15センチ、高さ10センチ。まあ、国内の昆虫ならほとんどがこの枠内で

撮影可能である。

白の素材は堀内カラーの「カラペ」ホワイト。トランプ用の合成紙で丈夫な上に洗剤で

汚れを落とせる。

(写真全て/ E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ  スタジオ用ストロボ ) 



黄色いストロー

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W2017184.jpg
ゴマダラチョウが口吻をブスリと刺しているのは、コウモリガ幼虫が作ったパッド。

パッドは、糞を捨てる排出口を覆い隠すためのもの。この糞排出口は将来、蛹が頭で突き

破って羽化するときの支持台にもなる。

パッドには樹液が染み出ている。樹液はコウモリガ幼虫が樹内で摂食活動をしている

ためだろう。この細い幹のクヌギはわが家の庭にぽつんと生えている。

もう夏は終わったはずだが、このところの蒸し暑さは梅雨並みである。

樹液を無心に吸うゴマダラチョウはメスのようだ。パンパンに膨らんだお腹には

ぎっしりと成熟卵が詰まっているのだろう。

W2017171.jpgゴマダラチョウのストローは黄色。スミナガシのは赤色。

さすがにスミナガシ成虫の時期はもう終わったか。

食事に夢中になっているためか、近くにレンズを構えても全然平気。

この撮影の前には、犬小屋近くの地面でストローを伸ばす、イシガケチョウを撮影していた

ばかり。イシガケチョウはオス、メスの2匹が舞い降りていた。どうやら犬のおしっこの匂い

に惹かれたと見える。

イシガケチョウの方は、かなり人の動きに敏感でなかなか近寄れず撮影には時間が

掛かった。


( 写真/ E-520  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )