手づかみ

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午前8時すぎ。 うちの林を抜けて、下の谷津田に降りてみる。

L1132341.jpg林の縁のところで、足元からクロコノマチョウが飛び出した。

そのまま飛び去るかと思えば、すぐ下草に潜りこむ。

隠れている様子をのぞきこむと、さらにもがくようにして深く潜行した。

それならば、と摘み上げてみた。

L11323302.jpgこのとき、クロコノマチョウの摘み方にはコツが要る。

逃げられず、さりとて傷つけず、、、、。        そして肝心なことは、

翅を自由にはばたくことができるだけの緩さかげん、 である。

まあ、ちょっと卑怯なやり方だが、前翅表にある眼状模様を見てみようというスケベ心が

おきたのである。

L11323311.jpg思惑通り、クロコノマは逃げようともがいて翅をパタパタパタ、と何度も開閉する。

ほんとうは開閉ではなく、力強くはばたいているのだが、打ち下ろしたはずの翅は

私の指に遮られて浮力を得ることができない。一瞬だけ、展翅状態となる。

クロコノマが必死になっている隙に、こちらは左手でカメラを操作する。

左手でカメラを構えシャッターボタンを押すという離れ業ができるのも、

小型軽量、E-P1のおかげである。


谷津田の一番奥まで歩き、再びうちの林の下まで戻ってみれば、

三人のおばあちゃんが畦道に座っておしゃべりしていた。

これから稲刈りをするそうだ。稲刈り機が来るのを待っているらしい。

皆さん初対面だったので挨拶をしたら、

うちの子供たちのことは見たことがあるよ、という。

しばらく話込んでいるうちに、田んぼの反対側に軽トラがやって来た。

いつもタオルの鉢巻をしている同じ地区のおじいさんだ。

「あの方は前にもお話したことがあるけど、お名前はなんと言いましたっけ?」と私。

「ああ、あんじいさんは、Nさんだよ。

知らんひとにはよ、ランニングじいちゃん、と言うとるけどな。

夏でも冬でも、いっつもランニング姿じゃけなあ、、アハハハハハ、、、、。」

私は大声で、田んぼの向こうに降り立ったランニングじいちゃんに挨拶した。


さて、お隣のクリ畑を歩いてうちに戻った。

ふと足元を見れば、毬栗が落ちている。

毬を踏みつけて中の栗を拾い上げてみた。  おお!これは、っかい!!

L1132369.jpg
( 写真全て/  E-P1 M.ZUIKO D 17-42ミリズーム  )


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