運命

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庭のサンショには、アゲハの幼虫が3匹ついている。

今朝見たところでは、1匹が4令で、他の2匹が3令だった。

今やっている仕事で必要になった写真の1カットが、どうしても見当たらない。

それが3令のアゲハ幼虫の写真。昔撮ったポジ写真があるはずだがポジ写真のストックは

かなり乱れてしまい、もはや見つけ出すのは不可能と思えた。

そこで庭のサンショを眺めてちょっと一安心した。すぐにも撮影できるではないか。

3令幼虫は2匹いるが、1匹は脱皮が近いようだ。

そこでその個体をひとまず撮影しておいた。撮影にも都合の良い場所に止まっていた。

もう一匹は葉っぱの具合がおかしいので写真には使えない。

さて、午後になってから再びサンショを覗いてみて、驚いた。

なんと3令幼虫の一匹が、ハナグモの餌食になっていた↓

JX142259.jpgしかもさらに、今朝撮影したもう片方の3令幼虫は、すでに4令へと脱皮を済ませていた↓

JX142267.jpgやはり朝のうちに撮影しておいたのが正解であった。

もっとも私の見立てでは、こんなに早く脱皮するとは思ってもいなかったのだが、、、、、。


昆虫写真の中でも、図鑑的に見せるための写真は仕事上たまにだが、注文がくる。

そういう図鑑的な写真の場合、とくに成長の段階をきちんとおさえる撮影では、

飼育が必要となる。でなければ、上記のようなアクシデントを避けることができない。

だから飼育もしなければならないのだが、

自然観察者の立場から言えば、先のアクシデントを観察するほうが、断然、面白いし、

多くの方に伝えたい自然情報としても、そんな生活の生業のほうを優先したい気持ちが強い。

ときおり、図鑑的な写真を一切、切り捨てたい気持ちに駆られることもあるには、あるが、、

、、、、、、と、ここまで書いていて、ふと首筋に違和感を感じた、、、、、、。


なにやら、くすぐったいのだ。

何だ!?と手を首筋にもっていくと、パタリと足元に黒い物体が落っこちた。

よく見れば、いや!よく見なくても一目でわかるが、

大きなクロゴキブリ、だった。

いつの間にやら私の体を這い登っていたのだ。

こんなこと、嫁さんの身の上にでも生じたら、たいへんな騒ぎになるところだった。

そう思った瞬間、スリッパで素早くそのクロゴキブリを踏み潰してしまった。

しかし、少しだけ後悔した。

クロゴキブリも一度は飼育して、その成長ぶりを撮影しておかねば、と

何度も思ったことがある。ねば、、、というのには、所詮無理があるわけだが。



( 写真/ E-620 ZUIKO D35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

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