お疲れさん!

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冬には雑木林の宝探しという楽しみかたがある。

動く昆虫がめっきり少なくなったぶん、落ち着いて探しものができるというわけだ。

来春の撮影準備もあって、今日はウスタビガの卵を探してみた。

ウスタビガの卵探しは、まず空繭を目指して探し歩けばいいのでとても簡単。

めぼしい場所に出向いてみれば、一本のエノキに空繭が3個ぶらさがっているのが、

すぐに目に入った。

空繭の大きさ、形状からしてメスが入っていた繭だとわかる。

その証拠によく見れば、一個の繭の表面には卵が付着していた。

W21100952.jpg繭に卵が付いていなくても諦めることはない。繭から羽化して出たメスは、交尾したあとに

近くの枝にも産卵することがよくあるからだ。

そこで細枝を引き寄せてみると、あちこちに卵が産み付けられていた。

W21101241.jpg枝や繭に残された卵の数は全部で20個以上もあった。

もちろん、寄生バチにやられていたり、無精卵のことも稀にはあるが、これまでの経験上、

ふ化率はそう低くはないはずだ。

エノキの次にはクリの梢でも空繭が見つかったが、こちらは高すぎて手が出なかった。

今春、ミヤマセセリの産卵行動を撮影したクヌギ林を覗いてみれば、樹は全部伐採されて

いた。シイタケのホダ木にするのだろう。

L11134237.jpgでんぐり返ったクヌギの枝をなめるように観察しておく。もしやヤママユの卵がついているか

もしれないからだが、ヤママユの卵探しはウスタビガよりかさらに簡単。卵が大きいから

2メートルくらい離れた場所でもよく目に付く。

伐採跡ちかくにはシイタケのホダ木が並べてあった。

L11134306.jpgほとんどのホダ木は古く腐っていたが、なぜか一本だけシイタケが生えていた。

旨そう!

L11134355.jpgうちの近所でもシイタケを個人的に栽培する農家の方は多い。自家用のシイタケ

栽培だ。しかし、収穫時期になると盗まれることも少なくない、と聞いている。

最近はそういうことも減ったらしいが、油断は禁物だろう。

うちでも一度だけ下着泥棒の被害を受けている。下着とシイタケでは動機に

隔たりがあるけれど、ともかくのんびりした田舎だからと鍵をかけずに家を

空けたりはできない。

ウスタビガの卵は予定通りに手に入ったので戻る途中、ちょっとイイ感じの場所に

車を泊めてみた。いや、そこが特に写真になるような風景というわけでもないのだが、

なんとなく気分が良くなる空間に惹かれた。

斜面を川のほうに降りてみると、案山子が一体置かれてあった。

L11134513.jpg                      「やあ、お疲れさん!」




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