クヌギ林

| | トラックバック(0)
うちから歩いて10数分の場所だから1キロ前後の距離だと思う。

以前から西の方向に見えるクヌギ林が気になっていた。

周りのスギ植林を押しのけるように茶色の樹林が丸く浮き上がっている。

今日、初めて林を訪れてみて、もともとここもスギ植林だったことがわかった。

クヌギの樹齢は10年~20年の若い樹ばかりだが、林床には規則正しくスギの枯れ株が

並んでいる。枯れ株はかなり古く、赤腐れした朽木である。

探せば見つかるだろうと思っていたヤママユの空繭も、越冬卵もあった。

L12136082.jpg
JX2159551.jpgヤママユの卵の表面には黒い紋様がある。

この黒い紋様は水につけてしばらく擦ってみれば、ほぼ綺麗に落ちてしまう。

卵のほんとうの姿は、純白なのだ。

母蛾が産卵するとき、分泌液を卵にまぶす。その分泌液は卵が枝にしっかりと固着する

ための接着剤になる。長い冬越しの間に卵が枝からはずれたら、まず命は無い。

春になってふ化した幼虫がクヌギの若葉に辿りつける可能性がゼロに近くなるからだ。

卵が枝からはずれないよう、分泌液は命綱として役立っているのだろう。

分泌液は最初、無色透明なのだが時間が経るにつれ黒化する。

試しに産卵直後の卵を密閉容器に入れておくと、卵は白いままだったことがある。

どうやら分泌液は空気中の成分の何かに一定条件で触れていないと黒化しないようである。

そのあたりの詳しい化学的変化について、何か研究がなされているのだろうか?


« おねっこ祭り、準備       神社で自然観察 »