2010年1月アーカイブ


ごちそうさん!

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昨日に続いて今日も快晴。大気がとても澄んでいて、霧島山が朝焼けに染まる。

JX2767742.jpg早朝はかなり冷え込んだ。この冬一番の低温だったようだ。

日中は気温がどんどん上がって、飛翔する虫の姿がよく目立つ。

餌台によくやってくるジョウビタキのオスは、その虫たちを空中で見事に捕らえていた。

暖かいせいでカナヘビの真新しいはやにえも立っていた。

JX2767901.jpgカナヘビの頭部は食べられて無くなっている。

庭で土に鍬を入れてみた。朽木置き場の地面に生えているササや草を根こそぎ

駆除したかったからだ。30センチくらいまで鍬を入れて、ササの根をできるかぎり

掘り出しては抜き取った。これが済むと地面を整地してから朽木を積みなおす

つもりだ。

鍬が土を打つ音を聞きつけたか、モズのメスがさっそくやって来た。

私の足元をじっと覗き込んでいる。そこで朽木置き場から少し離れてみた。

しばらくしてモズは地面に降り立ち、すばやく何かを摘み取った。

IMG_06821.jpgモズが捕らえたのは、土中で眠っていたクリイロコガネの新成虫だ。

獲物を飲み込むところを撮影したかったが、さすがに私が近い場所にいるので

気になったのか、高所へ移動してからたいらげてしまった。


ときおり、カワラヒワの群れもうちの林に飛来する。

しかし、いつも高い梢に留まるだけで、低いところには降りてこない。

昨年はヒマワリの種を餌台に置いてみたりしたが、一度も来ていない。

IMG_0908.jpgそういえば、このカワラヒワの止まっている柿の木の近くで、昨日、ホンドギツネを見た。

昼間見るのは初めてだった。私の足音に驚いて、軽やかに跳ねて藪の中へと姿を消した。

このあたりはうちの家から100メートル足らずだが、昨年の11月の夜にも目撃している。




近所の方の山仕事を撮影しに行った。

伐採したクヌギを切断し、シイタケのホダ木を用意する作業だ。

クヌギ林に訪れてみれば、すでにチェンソーのうなる音が聞こえていた。

W22609035.jpgチェンソーを扱う場合、前掛けは必須だと伺った。オイルが飛び散るからである。

他にも山仕事のことではいろいろと教わることが多い。

ここのクヌギ林は綺麗に整備されており、樹齢も20年~30年程度という。

W22608876.jpg

環境の雰囲気からしても昆虫が多いのではないかと感じた。

作業が一段落してからご自宅の裏山に拵えてある炭焼き窯を見せてもらった。

W22609222.jpg上の写真は窯の内部。窯全体は粘土だけだとひび割れてしまうそうだ。粘土とある土を

混ぜると良いらしい。しかし、混ぜる割合とか、実際にやるとなると細かいところで悩むことも

多そうだ。

窯の造りもなかなか手強そうだが、さて炭焼きの本番そのものは、かなりの熟練を要する。

もしも本気で炭焼きをやるなら、どこかに弟子入りでもすべきかもしれない。

また、窯内部の容積もほどほどの大きさにしておかないと、そこに入れる薪材の供給が

間に合わないことになる。雑木林の山をいくつかは持っていないと、、、、、、、。

50年も前に遡れば、今私が住んでいるこの辺りのスギ植林はすべてがクヌギ林であった

という。むしろスギ林は珍しいかったらしい。もはやその光景を頭に描くのも困難であるが、

薪材の供給量は充分あったのだろう。

現在のスギ植林のほとんどは管理もされず、荒れる一方だ。よく言われるように

日本の林業は衰退の一途、というかまさに死んだも同然。

W22609251.jpg今朝、クヌギとアカメガシワの伐採枝を整理した↑ これらの材は炭焼きではなく、

クマバチの営巣用の材として高所に設置するためのもの。

うちの林内でもクマバチの営巣が見られるが、少しでも多く、そして観察条件の良い

場所で営巣してもらおうというわけだ。

クマバチにこだわるのは、ヒラズゲンセイを見てみたいからでもある。










脱皮殻、卵殻、繭、古巣、、、などなど。

昆虫が野外に残した物件はたくさんあるが、これらを特に収集してきたわけではない。

なんとなく面白く思えたり、捨て置くのも勿体無い気がしたり、

あるいは本を作るとき必要に迫られて撮影し、そのまま保管していたりと、

知らず知らずに溜まってしまったのである。

そんな物件が整理もされずにゴチャゴチャ箱に詰めてあった。

先日、標本箱のチェックをした際にこの物件箱も何とかせねば、と思い立った。

そこで、いくつか選んで標本箱に並べてみることにした。

収集物も、整理して綺麗に展示しておかないと何の意味も為さない。

とりあえず標本箱2個に収めてみることにして、物件を選び出してみた。

JX2567622.jpg上の写真は選び出し途中の物件を並べてみたところ。

きちんと収集データのついたものと、そうでないものも混じっている。

古いものは1970年代のもあった。モズのはやにえまで入っていた。

たくさんある物件から選び出すだけでもけっこう時間が掛かる。

一つの箱には主に抜け殻だけを集め、もう一つには繭を中心に、古巣などで構成する。

JX2567641.jpg

抜け殻にはヤママユ幼虫の頭殻のように、5段階のステージが揃ったものもある。

そういう場合は台紙にステージ順に並べたい。

今回使う標本箱にはポリフォームやコルクの敷きがないので、針刺しはできない。

物件ひとつひとつの固定法を工夫しながら、接着剤で貼り付けることにした。

この方法だと、レイアウトの微調整をあらかじめきっちり出しておかないといけない。

なかなか厄介な作業ではあるが、苦労して完成した箱は大事に扱うことになるだろう。

人によってはこうしたコレクションを「自然の宝物」とも思えるのだ。





折れた針

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うちの林で落ち葉かきをした。

落ち葉かきは、「くずはき」とか「くずかき」などとも言うが、今日は林内の道のみを

掃いてみた。落ち葉は堆肥として利用しているが、まともに林全部の落ち葉かきをしても、

我が家の狭い菜園では使いきれない。堆肥の囲い場所も、あちこちに設置しないと

大量の落ち葉をさばききれない。

落ち葉を掃いていると、ノコギリクワガタの頭部が出てきた。

JX2467511.jpg「おお、君はもしかしたら昨年の夏に撮影したかもしれんなあ~。」

次には、オオスズメバチが落ち葉の下からころがり出てきた。

JX2467244.jpg「あんたは、どうして死んだのよ?

寿命かい。 病気かい。 それとも、鳥に襲われたのかい?」

地面にはいつくばってよ~く見てみれば、

お尻から毒針が突き出していた。

しかし、その針の先端は折れている。

JX2467422.jpg針が折れた理由は想像するしかないが、死んでのち、乾燥して脆くなったためであろうか。

ちょっとイタズラ心でこのオオスズメバチの死骸をモズのよく使う止まり木の下に置いてみた。

モズのメスはしばらくしてこのオオスズメバチに気付き、何度もくわえては地面に落とし、

一気に飲み込めないせいかしばらく持て余していた。

アジサイの枝又に刺し込むことも試みていたがうまくいかず、

そのうちプイッと林の奥へと持ち去ってしまった。


今日も、モズ

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餌台にやって来る顔ぶれは、メジロ、シロハラ、ジョウビタキ、たま~にヒヨドリと、

この4種類でしかない。餌台を設置してから日が浅いから、種類は少ない。

餌台近くの地面をスコップで堀り起こしておくと、モズもよくやって来るようになる。

最初はジョウビタキを誘うつもりだったが、モズのメスがこの場所を気に入ったようだ。

IMG_0740.jpgジョウビタキは餌台のパン屑が気に入ったらしい。地面で虫を見つけるより、パンの方が

余程おいしいのだろうか?その点、モズは餌台に止まることがあっても、パン屑やリンゴに

は見向きもしない。モズもごく稀に木の実を食べることもあるそうだが、ほぼ100%肉食だ。

掘り起こされた地面の中から、ミミズやコガネムシ類、ハサミムシなどをついばんでは

満足そうに平らげる。コガネムシの大きな幼虫などはときおり遠くの枝先へと運ぶ。

はやにえに立てているのだろうか。

ジョウビタキが虫を捕らえたところの撮影は、作戦を考え直さないといけない。

とりあえずは、モズの捕食シーンと、そしてペレットの吐き出しを撮影しておくつもりだ。

モズのくらしぶりを眺めていると、他の生きものの様子もいろいろと見えてくる。

モズの目を通して、虫や小動物のことを見てみるのも面白い。

(写真/ EOSキッスデジタルN EF400ミリ )






百舌鳥

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先日、庭の餌台を作り直してしてみた。

するとさっそくメジロやヒヨドリ、シロハラなどがやって来るようになった。

IMG_06651.jpgシロハラは他の鳥たちが地面にこぼしたパン屑を漁っていることが多い。

しかし、時間帯によってはこうして餌台で食べていくこともある。

ジョウビタキはオスの姿を見ることのほうが多く、たまにメスもやって来る。

お互い30センチほどの距離を隔ててしばらく睨み合いをしているが、とくに争うようなことは

なく、どちらかが他方を追い払うようなこともない。

IMG_05873.jpg
IMG_05882.jpg
餌台のにぎわいが気になるのか、モズのメスもたびたび姿を現した。

W2220793.jpg今日の写真で、最下段のモズのみ、E-520に、50-200ミリズーム+2倍テレコン。

他はすべて、キャノンEOSキッスデジタルNに、EF400ミリを使用した。



鹿児島の和菓子と言えば、「かるかん」。私はこの和菓子が大好きで、あれば手が出てしまう。

L1214880.jpg昨日は鹿児島の講演のあと、おみやげにいただいた。私は酒飲みではあるが甘党でもある。

つまり両党使い?いやともかく鹿児島名産の食べ物は数多い。昨日は時間がなかったので

桜島SAに立ち寄り、おみやげをいろいろ買って帰った。

今夜の夕餉は黒豚豚骨ラーメン。子供達は麺類ならなんでも喜ぶ。

近所の出店で買い求めた「丸岡ギョーザ」も焼いて、どっぷりと外食気分に浸る。

ときにはこういう手抜きもいい。

もっとも私はギョーザは食べない。嫌いではないが、別に食べなくてもいい。子どもたちは

分け前が増えて喜ぶが、そんな喜ぶ顔を見たいからでもない。いつの日かギョーザを避ける

ようになったが、その理由はとくにはない。

さて、今日は松山の実家に頼んでおいた即席ラーメンが届いた。

L1214874.jpg私は明星の「チャルメラ」一筋であったが、友人がこのラーメンが美味しいと言うので

試してみたら、たしかに旨かった。「金ちゃんラーメン」は徳島製粉の商品でかなり昔から

出回っている。松山ではテレビのコマーシャルでもよく流れていたが、松山に住んでいる

あいだに食べたことは一度も無かった。即席ラーメンは「チャルメラ」、とわが家では決まって

いたからだ。

食生活上の好みは親の影響を強く受ける。そうでない場合もあるだろうが、私自身、

振り返ってみると味へのこだわりを親からずいぶんと受け継いでいることに気付く。


おさらい

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昨日、シオカラトンボのヤゴではないか?と思っていたのは私の早とちり。

トンボに詳しい方からすぐに写真のヤゴはオオシオカラトンボと指摘していただいた。

あらためて図鑑のヤゴ検索図を見てみれば、腹部に背棘があるかないか、という

大きな特徴でもって、シオカラトンボではないことは明らかであった。

もっともこの背棘の有無は、泥を被った自然状態の姿では見えにくい。

泥被りのままだと、素人にはシオカラとオオシオカラの判別はほとんどつかない。

その背棘とは、下の写真の矢印先の部分に生えている。

JX206698トtリミングのコピー.jpg棘は腹部第4節~7節にあって、背面正中線上に一列に並んでいる。

JX2067161.jpg水生昆虫の世界にはこれまでほとんど気持ちが向かなかった。

仕事の上ではたいへん支障が多かったが、私の幼少期の体験なども影響しているのか、

水辺にはなにかしら恐怖感があって、そこに棲む生き物に興味があまり抱けなかった。

私の場合はそういう好き嫌いを仕事に持ち込むことがあって、自分でもこれは問題だと

思い続けてきた。

しかし、宮崎に来てからガラリと状況が一変した。

水環境に少しづつ目を向けるようになっている。

まあ、普通種のシオカラトンボでつまづいているくらいだから、

トンボについてはまさにズブの素人同然と告白しておこう。


さて、今日は鹿児島市で講演を行ってきた。

市内に到着したのがちょうど正午だったので、いろいろ迷ったが去年、嫁さんと行った

ラーメン屋に決めた。「のり一」というけっこう人気のあるラーメン屋で、

この店では塩ラーメンの中、と大だけのメニュー。ゆで卵、おにぎり、めし、もあるが

他に卵かけご飯、といのもメニューにあって驚いた。

中で300円、大で400円。ええ!?と思う値段。  私は中を選んだ。

大でもいけそうだったが後に講演を控えていたので軽めにしたほうが良いかと思った。

あっさりしたスープが売り物で、汁は全部飲みほしてしまう程、ともかく旨い!

こってりの豚骨スープが本場かもしれないが、私は最近そういうコッテリが苦手に

なってきた。「のり一」の塩ラーメンはまた食べたい!と思わせる魅力がある。

満足感に浸りながら市内中心部にある県民交流センターの会場へと向かった。

今回の講演は、「鹿児島市小中高校司書補部会」の研修会。

聴講なさったのは約130人で皆さん、女性。会場に入るとこれまでの講演会場とは

いくぶん雰囲気が違っていて、少し緊張した。

講演は楽しくお話ができた。私が楽しくても聴講者の方が退屈したのではいけないが、

私の楽しい気分が少しは伝わったのではないか、とは思う。


今回の講演をきっかけに、鹿児島県内でもあちこちに出掛けてみたい。

温泉も多いので温泉巡りと講演会を併せてできれば、などと虫のイイことを企んでいる。



ヤゴ掬い

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近所の田園地帯を流れる用水路に網を入れてみた。

明るく広々とした環境だからシオカラトンボのヤゴはいくらでも掬えるだろう、

と思っていたら意外と少ない。たいして時間をかけていないせいでもあるが、

ツボを外さなければたいした時間を掛ける必要もないはずだ。

一昨日は地区で一斉に畦の野焼きをしたばかりなので、気をつけないと体中が真っ黒になる。

ちょっとしたツボに当たった。

ハグロトンボとシオカラトンボ(これはオオシオカラトンボと後で判明)

のヤゴが一掬いでワサワサと入った。どれも若いヤゴだ。

JX196651.jpgもっともシオカラトンボの方は、これが絶対間違いなくシオカラトンボであるかどうか、

確証はない。状況から判断しているだけである(この判断はあとで間違いとわかった)。

写真は一番大きかったヤゴ。体長は16ミリ。体は泥を被っていたので掃除してある。

一方、わが家の玄関先にある直径30センチほどの手水の水溜りを掬ってみると、

ここにも似たようなヤゴがたくさん入っていた。

しかし、このヤゴたちはシオカラトンボではなく、オオシオカラトンボではないだろうか?

と推測している。手水は植え込みに囲まれた閉鎖空間でもあるし、わが家そのものが

林の縁に位置しているからだ。さて、どうだろうか?

写真のヤゴは、背棘があるので、オオシオカラトンボ

というご指摘を受けた。

なるほどよくみると腹部背面に小さな棘が見える。

ご教示いただいた方にお礼申し上げます。




明日は、お隣の鹿児島県で講演の予定。さて、昼食はラーメンにするべきかどうか。



身近な葉虫とは

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わが家の林ではササ刈りが進み、全面積の三分の一は刈り終えたと思っている。

思っているだけで、実際に計ってみたわけではない。

そんな感じかなあ、というある程度の達成感だけはある。

冬の間に綺麗に刈り取っても、春にはニョキニョキとタケノコが

あちこちから無数に顔を出してくる。これを片っ端からはねておかないと、

あっという間に元の木阿弥になってしまう。

昨日は、私が独りでコツコツやっているのを見かねたのか、

嫁さんが手伝いにやってきた。

さて、ササと一口には言うけれど、いろいろ種類がある。

背丈が高く、もっとも厄介なのが、ホテイチクメダケの2種類だ。

この2種類が優先種となって林のなかを埋め尽くしている。

ホテイチクは、厳密にはマダケ属であり、ササではなく、タケ類になる。

そして、メダケはササ類であって、こちらがいわゆるササ。和名は紛らわしい。

背の低いネザサも生えているがこちらはきわめて少なく、刈る必要もない。

タケのホテイチクとササのメダケが主に藪となって密生しているのだが、

面倒なのでこれをササ藪と呼んでいる。量としてはメダケの方が圧倒的に多い

から、ササ藪と言ってもよいだろう。

ホテイチクは、低いところから細かく枝が出ていて刈り取るときも厄介だ。

刈った後すぐに枝を払わないと、枝がかさばって仕方が無い。

鋸で切ったあと、ナタに持ち替えて枝打ちをすることになり、作業が煩雑になる。

その点、ササのメダケは頭頂部にしか枝葉がないので扱いやすい。

前にも紹介したと思うが、冬の間もこのメダケやホテイチクの葉っぱには

タケトゲハムシが多くついている。

白く透けた長方形の食痕と黒いシルエットで、よく目立つ。

JX1866221.jpgタケトゲハムシは必ず葉の裏側に貼り付くようにして静止している。

たいへんおとなしく、歩いている姿を見かけることはまず無い。したがって、撮影も簡単に

できる。とまっている葉を摘んでも、ゆすっても、驚いて落ちたりはしない。

寒さのせいもあるかもしれないが、夏場でも比較的おとなしい虫である。

JX1866043.jpgホテイチクのほうが一株当たりの葉っぱの数も多いせいかこちらに集中して見られる。

そんなタケトゲハムシを眺めていたら、ヨツモンカメノコハムシも葉うらに潜んでいた。

JX1866152.jpg本種はサツマイモやアサガオ、ノアサガオなどの葉を食し、タケやササの葉は食べない。

常緑のホテイチクは、隠れ家として好都合な場所だったのだろう。

ヨツモンカメノコハムシはクロウリハムシなどと同じように、室内にもよく紛れ込んでいる。

クロウリハムシほどに、このヨツモンカメノコハムシもたいへん数が多い。



調査中なり!

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今日は都城市、安久児童館の子供達と昆虫観察会に出掛けた。

場所は同市の「神柱公園」。以前にも紹介した街中の公園である。

L1164849.jpg次々と虫が見つかる、というような観察会ではない。子どもたちがどんな具合に

興味を持続させてくれるか、少し気掛かりだった。

しかし、公園の中を歩いてみれば、子どもたちはそれぞれが樹によじ登ったり、

幹の表面をなめるようにして観察を始め、

「しんかい、さあ~ん、コレなんですかあ~!」

「しんかい たかし、さあ~ん!きてえ~!なんかすごいよ!」

と、あちこちから呼ばれては駆けつけることとなった。

私が見つける前に、みんなが何かしら探し出してくれるのだ。

地味な昆虫とか、そういうことには関係なく、好奇心を発揮してくれるのが嬉しい。

イスノキの樹皮をめくると、奇妙な幼虫集団が現れた。

これも子ども達の発見だ。

JX1665724.jpgさっそく10倍ルーペで、皆に覗いてもらった。幼虫はたいへん小さく、ルーペがあってはじめ

て、驚きがある。

JX166573.jpgいや、しかし困った!

私も見るのが初めてだ。あとで調べておくから、とは言ったものの、まだ正体は不明のまま。

お尻から伸びている白いブラシのようなものは、ワックスだろうか?

街中の公園だからと侮れない。

今日は他に、キマダラカメムシ、シロヘリクチブトカメムシ、ツヤアオカメムシ、チャバネアオ

カメムシ、クヌギカメムシ卵塊(死骸)、ヨコヅナサシガメ幼虫群、ヒモミノガ、キマワリ幼虫、

フクログモ類、アリグモ、カニムシの一種などなど、観察できた。

前に私が見つけておいたナガサキアゲハ越冬蛹は、残念ながら消失していた。

ある方からご教示いただき、イスノキの幹で見つかったなぞの生きものは、

フサヤスデの一種

昆虫ではなく、ヤスデ類であった。小さいけれど、これで成体のようである。

このフサヤスデ初見の印象は、カツオブシムシ類の幼虫。

てっきり甲虫類の幼虫であろうと、思い込んでしまった。

ご教示いただいた方に、あらためてお礼申し上げます。



裸族とは?

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うちの林に朝一番でやって来るのがメジロ軍団だ。

10~20羽前後だろうか。とっても、にぎやかだ。

何をしきりについばんでいるのかと双眼鏡で覗いてみれば、

カラスザンショウの実であった。

メジロの喧騒につられて、ヒヨドリも馳せ参じる。そこへシロハラも。

さて、今日は鳥の餌台を更新してみた。

L11548403.jpg餌台は竹で、支柱はアカメガシワ。

なぜ餌台を作るのか?とか、それはどんな目的なのか?とか、考えるのはよそう。

こういう工作も楽しければ、居間の窓からときおり鳥たちの姿を間近に見られるのも楽しい。

野生の鳥に給餌するのはけしからん!とか色々言いたい方もおるだろうが、、、、、。、

ま、少なくとも鳥たちが餌に困っているからそれは何とかせねば!なんては、ちっとも

思っていない。

餌台から見たわが家は、約5~6メートル先となる。

L1154841.jpgこれだけの距離があると、部屋のなかでどんな動作をしようが、鳥はへっちゃらだ。


さてさて、昨年からずっと気になっていたのが写真データの整理。

外付けHDDはでっかくて、しかも個々に電源が必要で使いづらかった。値段も安くは無い。

そこで今年から3.5インチ内臓HDDをむき出しのまま、使うことにしてみた。

内臓HDDをパソコンに接続するには、安価なHDDスタンドという装置が一台あればいい。

L11548365.jpg上の写真は新規の内臓HDDのフォーマット作業をしているところ。作動LEDが青く

光っている。HDDの容量は500GBで、価格は4870円。

このやり方だと、データ保存用HDDは最小限の大きさになるので場所をとらない

というメリットがある。で、保管する際、内臓HDDはいかにも軟弱なので、

これを保護ケースに納めてみた。

L11548462.jpgこれが百円ショップのハガキケースにピッタリ納まる。

HDDが中で踊らないようにプチプチのクッション剤を入れておくと安定する↓

L11548471.jpg
もともとこのハガキケースはポジフィルムの保存用にと購入していたものだが、

3.5インチ内臓HDDがぴったし納まるので流用できた。

もっともHDDを裸のままで扱うので、取り扱いは慎重に。



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全国的に寒波に見舞われたようだが、宮崎でも雪が積もった。

積雪は4年ぶりということだが、地元の方に聞いてもかなり稀なことのようだ。

JX1365311.jpgうちのチョロは3歳。今朝の雪は生まれて初めて体験したわけだ。

やはり珍しいのか?しきりと雪を食べていた。

L11347454.jpg雪化粧のおかげで切り倒したクヌギがよくわかる。倒れているクヌギの樹齢は約40年。

まだこのクヌギの枝を全部見終えていないが、昼過ぎ、近所の伐採林に出掛けて

ヤママユの越冬卵を追加しておいた。伐採して積んである細枝はいづれ処分されてしまう。

地面に積み上げられた枝の中から繭殻と卵がいくつか見つかった。

L11347325.jpgせっかくだから午前中に、粉雪をまとったアゲハの越冬蛹など撮影しておいた。

下の写真は、一昨日、ササ刈りをした場所。

L11347553.jpgこれではしばらく山仕事にならないなあ、と思っていたら、

正午頃にはほとんどの場所で雪が溶けてしまった。




昨日は午前中、おねっこ祭りの片付けをしてから、

公民館の広場で反省会。焼肉をつつきながら、ビールを飲んだ。

昼間から飲むビールは効く!かなり出来上がってから、保存会会長さん宅へ流れ、

カラオケ。私はこの段階でダウン。しばらく熟睡していた。

目を覚ましてから、2曲ほど歌った。


さて、今日は朝から雲行きが怪しい。それでも夕方までは降らないだろう、ということで、

林の下刈りを午後から行った。

約2メートル巾で5~6メートル刈り進むのがやっとだった。

刈るというより、こんがらがった枯れササを抜き取り運ぶ、という作業が多い。

うちの雑木林は南向きの斜面林だが、下の方では細長い段が2筋あって、そこは

平坦になっている。平坦だと作業も捗るが、途中で様子を見に来た嫁さんは、

「ええ!!まだこんなに残っているの!

これじゃあ、一生掛かっても終わらないんじゃない。」

と言う。

まあ、それは大袈裟だろう。その気になって、朝からコツコツやれば、

一日でかなりの面積を刈り払うことができるはずだ。

藪の中に埋没するかのように座り込んで休んでいると、

「チャッ!チャッ!チャッ!」と、にぎやかな囀りが近づいてきた。

私が刈り払う音を聞きつけてやって来たのだろう。

ササ薮を上下しながら、何かしら小さな獲物をさかんについばんでいる。

ササを刈り払えば隠れ家を追い立てられたさまざまな生きもの達が動き出す。

ハエ、アブ、ユスリカ類、アリなどの昆虫やヤスデ、ムカデ、クモなど、

けっこうな数の生きものたちが右往左往している。

すぐ目の前まで近寄ってきたウグイスを目で追っていると、

背後の藪からも、もう一羽のウグイスが現れた。

山仕事をすればいろんな鳥達を呼び寄せるlことになる。

常連客はジョウビタキだが、今年は雌雄2羽が入れ替わりでよくやって来る。


山仕事で使う鋸歯は3種類あるが、ササを手早く切り払うときによく使うのが

写真のもの。ノコ刃は替刃があって、年に一回は交換する。

作業手袋も擦り切れるのが早い。長靴も一年で履き潰す。

L1114688.jpg

気持ちよい快晴が続く。

午前中、時間のあるうちに標本箱の防虫剤を新しいものに入れ替えた。

私の所有する標本は数少ないけれど、それでも標本箱全部の入れ替え作業は

けっこう時間をくう。もしも本格的に標本作りをしていたら、もっとたいへんだろう。

それはイヤだなと思いつつ、しかし、標本は知らぬ間に増えている。

そろそろドイツ箱を2,3箱追加せねば、と痛感した。

さて、今日は私の住む田上地区で「おねっこ祭り」が催された。

午後6時、開会の挨拶があってから点火。

点火の役目は、この春に小学1年生となる男の子二人。

JX0964393.jpgそういえばこの年齢の子どもが選ばれる理由を知らない。女の子はいけないのだろうか?

それはともかく、今夜は風がほとんどなく昨年のような厳しい寒さの中で無くて良かった。

竹筒でお燗された焼酎で乾杯となり、しし汁、焼き鳥が美味しい。

L10946092.jpg観客席の防風シートや照明、シシ汁の用意など、会場の設営全般は、

田上地区伝統芸能保存会のメンバーで手分けして行われた。

明日の朝は、片付け作業もある。

今朝の準備作業にしてもそうだったが、

皆さんの会話のほとんどが、傍で聞いていても理解できないでいる。

昨年まではそれが苦痛だったが、

今年はわからないままでも、作業する上では支障無くなったので差ほど気にならない。

まあ、そのうちわかるようになるのだろう。

今年度から、私は支部長の役をすることにもなっているし。







黒筋

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敷地に生えているナナメノキ(ナナミノキ)は、5月ころに、無数の小さな花を咲かせる。

この花はサツマシジミ幼虫の餌となるので、春にはサツマシジミがよく訪れる。

モチノキ科 ナナメノキは、雌雄異株だが、うちの木は実をつけるので雌株である。

ナナメノキはコナラとクヌギに挟まれて生えており、互いに梢が混み合ってきた。

そこでナナメノキの枝を少し剪定してみた。

前にも書いたが、ナナメノキの成長は非常に旺盛であり、萌芽力も抜群である。

毎年、枝を剪定しないとどんどん枝を広げてしまう。

ところがナナメノキの枝は手でも簡単に折れるほどに脆い。鋸を使えば容易に切断できる。

この木で薪割りすると「ななめに割れる」そうで、なるほどそこから名前がついたのだろう。

たくさん枝葉を落としたので、葉っぱの裏表を丹念に見ておいた。

葉裏にはチャタテムシ類の卵塊がたくさんあったが、それ以外には何も見つからない。

と、思っていたらクロスジホソサジヨコバイが一匹、現れた。

L10845771.jpg体長は4ミリ程度だろうか。うっかりするとパチンとはじけるようにジャンプして、逃げてしまう。

ナナメノキのすぐ傍に生えているヤツデの葉うらにも一匹いたが、本種を見るのは久しぶり。





圃場観察

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畑にころがっていた物件。

どうやらこれは、霜対策に使われるものと思われる。

L10744151.jpg透明カップは園芸店で売っているものだが、これを古タイヤに針金できちんと固定してあった。

黒タイヤは太陽熱暖房にもなるし、重しとしても役立つので一石二鳥というわけだ。

牧草畑の片隅には、コンビーフの缶詰を連想するような物件が。

高さは40センチ程度。

L10742987.jpgしげしげと眺めてみれば、なるほど!これはモグラ捕獲器ではないか!

畑にはあちこちにモグラ塚ができている。

塚を辿りながらトンネルの途中にこの器械を埋めておくわけだ。

しかし、ここの農家の方に聞いた話では、ほとんど捕獲できていない、とのこと。

捕獲器の凝った造りが気になってしばらく見とれてしまった。

そして、次は何だかわかるだろうか?

やはり、何かの仕掛け罠!?

L10743056.jpgいやいや、じつはこの不思議なサークルの正体とは、、、、、、、、、、、、、、、、、


L10743145.jpgイネ藁積みの足場なのである。

ここの農家では、ササ筒で作った柱環で藁積みを高床式にしており、

これだと風通しがたいへん良く藁が湿気らず、雨が降ってもすぐ乾くそうである。

かなり手間が掛かっているが、このような丁寧なやり方にとても感動してしまう。

ちょうどご夫婦で藁を積み出している最中だったので、いろいろお話を伺いながら、

写真を撮らさせてもらった。

L10743334.jpg藁束はきちんと放射状に並べて積んであり、パリパリに乾燥している。

L10743573.jpg一山を荷台に積み終えると、これを牛小屋へと運んでいく。

ご自宅の横に並んだ牛舎へも立ち入らせてもらった。その牛舎は昭和初期のころの建造物

だろうか。なかなか雰囲気が良い。

中2階が藁の貯蔵庫となっており、お爺さんが荷台から階上で待ち受ける

おばあさんへと投げ上げる。

牛舎の中は少し薄暗いが、意外と清潔に感じる。すべて木造である。


藁積みの造作や牛舎の造りなど、どれもこれも細かい神経が行き届いていて、

見ているだけでも気持ちがいい。

ご夫婦共、いきなり現れた私に満面の笑顔で応対してくれた。

その笑顔がほんとうに穏やかだった。

ここの農家は、じつはうちから程近い場所にある。しかし、これまで道路から死角になって

おり、いつも通り過ぎていた。

なんだか狐に化かされたような気がするほど、意外な場所である。

いや、いつもいつも車を使って移動するのがいけないのだ。

時間など気にせずに、今度は歩いてみようかと思い始めている。




冬ごし

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クヌギ林だけでなく、常緑樹林の例えばアラカシなどでも、ヤママユの越冬卵は見つかる。

しかし、やはり見通しの良い、明るい落葉樹林の方がはるかに探し易い。

ヤママユの母蛾になったつもりで、産卵し易いであろう場所のクヌギやコナラを絞り込む。

L1044248.jpg母蛾の気持ちに近づけたなら、ほどなく越冬卵が目の前に現れる。

JX0663532.jpgしかし、卵と出会えて喜ぶのはまだ早い。

越冬卵が無精卵か、あるいはすでに寄生を受けてはいないか、そこを確認しておきたい。

外観からだけでは調べようがないので、卵の中を覗いてみるしかない。

こういうときは、薄いカミソリ刃が役に立つ。

左手で卵をしっかりと固定しておき、右手に持ったカミソリ刃で、卵殻の一部を剥ぎ取る。

慎重にやれば大丈夫だ。

JX0663621.jpg上の写真のごとく卵の断面を出すと、、、、、、、、

ホラ、体の出来上がった幼虫が窮屈そうに納まっている。

茶色の頭部が右下に見えるのがわかるだろうか。

ヤママユの卵は8月~10月にかけて枝に産み付けられる。

産み落とされた卵の中では、ほぼ10日間ほどで幼虫の体が出来上がっている。

だから今のこの時期、無事に過ごせた卵の中にはこうして幼虫の姿がある。

残念ながら卵殻の一部を取り除いた卵の中の幼虫を救う手立てを私は知らない。

幼虫は外気に晒され、いづれ乾燥して死んでしまう。

このやり方を残酷だと思う方は、春まで辛抱強く待つしかない。

来春、飼育を楽しみにしている方で、待つ方法を選ぶなら越冬卵をできるだけ数多く

集めるのが得策だろうと思う。





おねっこ祭り

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私が住んでいる三股町、田上地区では今週の土曜日(9日)に

「おねっこ祭り」が行われる。

JX0462982.jpg祭り当日には田んぼの真ん中に設えた竹やぐらに火が灯される。

やぐらの出来映えは地区によって違う。

こちら↓はすぐお隣の地区のもの。

L10442134.jpg裾のところはスギ葉で装飾してあり、灯火台の高さも田上のものより高い。

こちら↓は、竹を多く使ってやぐらを組んでいる。

L10442471.jpg
祭りの本番までに雨で濡れないよう、毎年きちんとビニールカバーを掛ける地区もある↓

L10442015.jpg5つの地区のものを見て回ったが、それぞれ造りが違う。地区ごとにこだわりが

あるようだ。

そのなかでも田上のものは比較的、簡素に出来ている。灯火やぐらの高さも

一番低い。材料として使う真竹も、もっとも少ないだろう。


夕方、少しだけ山仕事を行った。

昨年12月に切り倒したクヌギの枝を払いながら、ついでにヤママユの卵など探してみた。

丸々一本の枝を全て見ることができるが、樹齢40年近いクヌギの付けている枝

の数は半端ではない。太い枝も長い枝も、鋸で短く揃えて切るのでこれは

けっこうくたびれる作業だ。

昨年は2月に大きな手術を受けたので、6月いっぱい位までこういった山仕事は

できなかった。ようやく体調が戻ったのは夏頃だが、やはり山仕事など体を

使う作業を行うとたいへん疲れやすかった。

ところが今年になって本格的に山仕事をやってみると、なんとか以前のように

体の調子が戻ってきたような気がしている。休憩は多いが長時間、動ける。

林にはササ藪で覆われているところが、まだまだ残っている。

春からの撮影にむけて準備をするべきことも多いが、なんとか予定を組んだ場所だけでも

刈り進めておきたいものだ。




山仕事

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JX036279.jpgドドーン!!という鈍い音が南西方向から響いてくる。外にいると軽い揺れを感じるし、

屋内だと窓ガラスがビリビリビリと不気味に唸る。

こんなことが昨年の暮れから、ほぼ毎日のようにある。今日は2回あった。

桜島の噴火活動はこのところ活発のようだが、わが家にもその様子が伝わってくる。

昨年もの凄い爆発音を耳にしたときは、ミサイルがどこかに着弾したのか!?

都城にある工場で爆発事故でもあったか!?と、たいへん驚きうろたえた。

日常生活ではまずあり得ないような巨大音だったから、気が動転するのも当たり前である。

地図を見てみると、うちから直線距離では宮崎市と桜島ではほぼ同じくらい。

これまでは車のボンネットや縁側が降灰で白くなってから、桜島の噴火活動に気付いた。

しかしこのところは、噴火音や地震が頻繁となった。

このような体験は宮崎に引越してから2年半を過ぎてからのこと。

先日、屋根の上に設置する太陽光発電のことを書いたが、

降灰が続くと当然ながら、発電効率が下がってしまうという話を最近、耳にした。

つまり桜島の灰を被る地域では、発電パネルのクリーニングが必要となるわけだ。

こういうメンテナンスを素人がやるのはたいへんなので、本来は設置業者がサービスとして

定期的に行うことになっているそうだが、近所の方の話では一度も実行されたことが

ないらしい。

太陽光発電に関わる問題点にはそういうこともあるのだなあ、と考えさせられた。

今日の写真は、午後5時過ぎ頃の霧島山。

いまのところ霧島山での噴火活動はないが、一昨年は新燃岳で小規模な噴火があった。

今日は一日中、うちの雑木林の手入れ作業に費やした。



かぐや姫

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今日の写真は昨年、12月28日に松山で撮影したもの。

松山の実家の前には竹林があるので、ベニカミキリの新成虫を探してみた。

残念ながらベニカミキリの幼虫はたくさん見つかったが、

新成虫を割り出すことは叶わなかった。

JX2861951.jpg枯れた竹材をカツン!コツン!カツン!コツン!とやっているうちに、畑で働いていた

おばちゃんが不審に思って竹やぶを覗きに来た。

気配を感じてすぐにおばちゃんの前にすっ飛んで行き、事情を説明した。

ええ歳こいたおっさんが、年末の忙しいときに、何しよん?

言葉にはなかったが、おばちゃんの顔にはそう書いてあった。

竹やぶの中は荒れている。土地の持ち主はもう長いことここの管理を放棄しているからだ。

L12840123.jpg竹やぶの竹はどんどん隣の草地に侵食し、昔、私がモズの撮影に励んでいた明るい草むら

は、暗い不気味なやぶとなってふさがっていた。これを見て年月の経過をしみじみと感じた。

いや、松山の町はどこもかしこも変わってしまった。

昔の面影を探す意欲も失せてしまうほどに。

東京に住んでいた頃、松山に帰省すれば様々な撮影スケジュールを組むことができた。

とくに出掛けなくとも実家のすぐ周辺で事足りることも多かった。

しかし、どうやらそれも叶わないところまで来てしまったなあ、というのが実家周辺の

変貌振りを見ての感想だ。少し寂しいが、現実だ。

さて、竹やぶでゴソゴソやっているうちに、次々とヤモリに出会った。

10匹以上はいたかな。

枯れ竹の中は彼らにとっては居心地の良い棲みかのようだ。卵の殻もたくさんあった。

JX2861802.jpg



年賀仕事2.jpg          あけまして おめでとうございます。

         今年も「ひむか昆虫記」をよろしく お願いします。

      年賀状に使った写真は、宮崎県三股町の有水川上流に架かる「梶山橋」です。

      「めがね橋」とも呼ばれています。

      欄干の小窓から朝の渓谷を眺めてみました。


今年は自分の住んでいる町の風景を丁寧に切り取ってみようと思っています。

自分が住む土地、という感覚がようやく持てるようになり、風景写真の記録は

日記を綴るような気持ちで臨めるのではないか、そんな気がします。

 風景といっても自然風景そのものではない、人の手が入った人里風景が中心に

なるかと思います。

 昨年の出版本は『クモのいと』(ポプラ社)でした。

クモの写真絵本は今後も機会があれば第二弾をまとめるつもりでいます。

第二弾の構想はまだこれからですが、人の暮らし、ほかの生きものなどとの関わり、

そういった視点を中心にしてみようか思います。

昆虫の写真絵本も今年はいくつか出す予定です。ご期待下さい。

これまでずっと一般向けの本から遠ざかっていますが、再来年あたりにはちょっと

新展開があるかもしれません。それに向けて今年の撮影は一段と忙しくなりそうです。