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昨日、池の裏側に通じる道のことを書いた。

池は沢から流れ込む水を溜めている。

沢から流れ出る砂が堆積し抽水植物が繁茂している。水辺は浅く長靴で歩ける。

池で水生生物を観察したり採集するには、沢水の流れ込む池の裏に入るのがいい。

L11749981.jpgところがそこへ至る道はササ藪で埋もれており、たいへん歩きづらい。

そこで今朝は道を切り拓いてみた。

道具は、ノコギリとナタだ。

道を塞いでいるのはほとんどが、メダケとホテイチク。

メダケは筆のごとく頂上部に少しだけ枝葉がついているだけなので、刈っても扱い易い。

厄介なのがホテイチクの方だ。幹の下部から長い二又の枝が多数生えているからだ。

しかもこの枝が硬く弾力があるので、うっかりするとしなって顔面を打たれることもある。

ヘタをすると目を突き刺しかねず、危ない。

したがってホテイチクを刈るときは、まず枝をナタでもってできるだけ払っておく。

L11749922.jpgメダケもホテイチクも、根っこから切り倒したあとは1メートル程度の長さに細切れにする。

それらを順次、邪魔にならない場所に積み上げておく。こう書くとなんとも単純な作業ではあ

るが、細かい神経も使う。量もあるからけっこう体力も要る。

ホテイチクの枝を払うときには、枝の付け根を残さないように正確に丁寧にナタを入れる。

そうしないと、刈り残った付け根部分が鋭い鉤となって、あとで運搬する際など

手に怪我をする危険性があるからだ。また、幹を短く切断するのもできるだけノコギリを

使う。メダケの場合はナタでスパッと切ったほうが速いのだが、ナタで斜めにつけた切断面

があとあと、やはり思わぬ怪我につながるからである。

ナタを使うからには、当然ながら基本的な注意が必要だ。

ナタで思い出すのが、動物写真家の横塚眞己人さん

横塚さんの著書「追いかけて、イリオモテヤマネコ」(宝島社)のなかで、

ナタの手元が狂って、ご自分の膝をパックリ割ってしまったくだりがある。

それも西表島の密林の中での出来事。病院もなければ駆け込む民家もない。

幸い切り口が綺麗だったので、横塚さんはタオルできつく縛り山中でビバークし、

次の日には傷口がピッタリくっついて、歩けたそうだ。

大事にならなくて良かったけれど、想像するだけでも膝のあたりがヅキヅキしてきそうな話だ。

山仕事をしていると怪我は絶えない。しかし、怪我してもできるだけ軽く済むように

あらゆる危険性を想定して、慎重に作業を行うしかない。

今朝は2時間ほどかかってようやく池の裏までの道を拓いた。

道幅は軽トラが余裕で通れるほどある。そしてこの道が奥のほうでうちの斜面林から大きく

カーブを描いている道と繋がっていることもわかった。

これまであまりにも藪が濃く、見通せなかった地形の部分がしだいにわかってきた。

2時間の作業を終えると背中が汗でびっしょりとなった。

うちに戻って下着とシャツを替えた。

さて、本日も池で網を入れてみたり、しばらく観察もしてみた。

またその話などは近いうちに書いてみたい。









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