水辺のいきもの

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本日、愛媛県、松山市から宮崎の自宅に戻った。

今回も仕事ではなかったのでカメラは、オリンパスEP-1だけ。

昨日の午前中、ほんのわずかな時間に自宅横の農業用水路を見てみた。

L11753436.jpg用水路は三面コンクリート護岸で、生きものに関しては何も期待できないような環境に映る。

実際、この水路では水が涸れてしまうことも多く、昨日覗いたときも画面のごとく底面が

わずかに湿っているか、せいぜい浅い水溜りが数箇所見られるだけだった。

しかし、この用水路にしゃがみ込んで目線をうんと低くしてみると、

コンクリートの上をチスイビルが歩いていた。それも1匹や2匹ではなく、かなりの数だ。

チスイビルといえば、水中をヒラヒラと泳ぐ姿しか想像できなかったが、

空中に体を晒して歩く姿は初めて見る気がする。

さらにフナムシの一種だろうか?これも多数が徘徊している。

用水路が生きものたちでにぎわっている。それがどんな姿態であろうとも。

17年前の5月。この用水路では数多くのシオカラトンボが羽化しており、それを撮影した

ことを思い出した。その当時は水がとうとうと流れており、夜になるとコンクリート壁をよじ登り

水面に顔だけを出したシオカラトンボのヤゴが多数いた。

きっと今でもシオカラトンボのヤゴはいるだろう。

そこで湿った落ち葉や石ころが溜まった場所をめくってみた。

やはりヤゴはすぐに見つかった。

L11753613.jpg水溜りなどの石の下や泥のなかからは、ぞくぞくとヤゴは見つかる。

水溜りといってもシオカラトンボヤゴの体がかろうじて水没できる程度の水深であり、

他の場所の多くはヤゴの体が湿り気を保てる程度ギリギリに濡れているだけだ。

用水路でヤゴを拾っているうちに、上流からわずかだが水がゆっくりと流れてきた。

ここの用水路が完全に涸れた状態であるのはどのくらいの期間であろうか?

そういう期間があるにしても、年間を通して水流や湿り気が途切れ途切れながらも

維持される環境であるのだろう。

水がどっぷりと安定してあるような水路ではないが、一見過酷な環境も

ある生きもの達にとってはちゃんと暮らしていける世界であるようだ。

まさに水辺に生きるとは、そういうことなのか、などと思ったりした。

シオカラトンボなどはとくに、ときどき涸れてしまうような危なげな水環境こそが

彼らにとって快適な?住環境の一つと言えるようだ。


松山から戻る道中、

宮崎県、延岡市の北にある北川町の「道の駅」で面白いものを見つけた。

これも水辺のいきものに関わる。

L11853971.jpg萱で編んだものだろうか、高さは16センチほどの「ほたるかご」。

らせん状のかごは巻貝のようだ。底は空いたまま。

かごの下からホタルを入れれば、彼らは上へ上へと登っていくので逃げられない。

捕まえたホタルをこの「ほたるかご」に入れて、ホタルちょうちんにしてみるのも一興。

「ほたるかご」の値段は大きさによってまちまちだが、私が選んだのは262円で、

高いものでも500円程度だった。.





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