羽化不全

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昨日見つけたムカシトンボのヤゴはうちに持ち帰っていた。

ところが今朝になって飼育ケース内で歩き回っていることに気付いた。

どうやら羽化場所を探しているようだ。

そこで庭木の根元に移してやると、すぐさまよじ登り始めた。

昨日まったく落ち着かなかったのとは打って変わって、あっさりと足場を決めた。

しかし空模様は怪しい。今にも雨が降り出しそうだ。

気配を察してまた木を降りるかもしれないと見ていたが、

前脚の踏ん張り具合からして、どうやら定位したように思えた。

地面に腹ばいになって見ていると目の前でヤゴの背中が割れて羽化が始まった。

大急ぎで雨よけのテントシートを用意した。

IMG_2363.jpg羽化は順調に進んでいるように思えたが、一抹の不安もあった。ヤゴをケースに入れて

移動したことが何か悪い影響をもたらしたかもしれない、と。

ヤゴの殻から体半分が抜け出て脚がしっかりするまでは、しばらく頭を下にして休む。

で、じつは上の写真ですでにわかるのだが、

画面手前になる右前翅が通常ならまだ縮んでいるはずが、ヤゴの殻に引っ掛かってしかも

伸び始めている。本来なら小さく折りたたまれた翅が全部抜け出る。

反対側(画面奥)の左翅ではそうなっていた。

脚がしっかりして体を起こす段階になっても完全には起き上がれず、

脚がヤゴ殻に届かないのであった。右前翅がトンボの体を繋ぎ止めてしまったのだ。

むなしい起き上がり運動を数回繰り返して、しだいに疲れてきたようだ。動きが止まった。

やがてこのままの姿勢で力尽きて死ぬだろう。

ダメなのはわかっていたが、引っ掛かっている翅をそっとはずしてみた。

なんとかヤゴ殻から抜け出ることはできたが、右前翅はいびつになりそのまま伸びることは

無い。

左翅は綺麗に伸びたがこのままでは空を飛ぶことはできず、

ムカシトンボにとって飛行できないことは、早晩、死を意味する。


さて、今日は激しい雨の中、都城市の安久児童館に出掛けた。

児童館の排水溝に溜まった土の中からケラを見つけたと聞いていたからだ。

子供達とベーゴマやオセロをしてから、排水溝のフタをはずしてケラを探してみた。

フタは砂利石をコンクリートで厚く固めた重いものだったが、これを5、6枚はずして

土をかき出してみた。するといた!わずかに1匹だが、ケラを捕獲できた。

冬場にはモズのはやにえになったケラは見ていたが、

久しぶりに生きたケラを見て嬉しくなった。

安久児童館の皆さんに感謝!!

そして「ぼくケラ飼っているよ。」と教えてくれた、H.M君、ありがとう!


(写真:EOS-5D  EF100ミリマクロ )








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