18日から東京に滞在。宮崎に戻ったのは昨日、22日の午後だった。
空港から高速道を走り、都城ICを降りたら、料金所の外に消毒マットが敷かれていた。
さて、今年は例年よりか多数の方とお会いすることができた。
普段は孤独な作業をコツコツやっているが、
こうしていろいろな方とお会いして会話をする時間はきわめて貴重である。
東京では出版社に出向くこともあれば、街中で待ち合わせをすることもある。
待ち合わせ場所は新宿や池袋が多い。そこで最近は新宿のホテルをよく利用する。
新宿には新宿御苑があるので、空き時間を使って広大な公園を散策できる。
打ち合わせの仕事はほとんどが午後になるから、午前中は移動かあるいは暇になる。
しかし、今回は天気が崩れて午前中の時間はホテルで原稿を見直したり、加筆したり
する作業をしていた。映画でも観ようか、などとも思ったが贅沢すぎるので止めた。
で、ある出版社に出向いたとき、かなりいや無茶苦茶!珍しい本に出会った。
加藤正世の「蝉の生物学」と「学生の昆虫図説」、の2冊である。
「蝉の生物学」は、1956年に出版。出版社は岩崎書店。
この本はよく知られている名著だが、もう一冊の「学生の昆虫図説」を私は知らなくて、
その表紙の写真にも驚いた。
「学生の昆虫図説」は副題に「私たちの標本室」とあって、いかにも博物学の栄えた時代を
物語っている。標本箱の写真は、表紙にしては雑であるが、これにはわけがある。
標本箱の右下に小さく説明書きがあって、、、、、、
「 石神井の直翅目 石神井小学校5年生 加藤園子
昭和26年 文部省動植物標本コンクール特選作品 」
と、書かれてある。
雑だとは書いたが、じつは小学校5年生の女の子が作った標本箱である。
しかも直翅目に絞った標本箱というのは、この年齢の子供としては、よく出来ている。
いや、出来すぎだと思う。
加藤園子さんは、加藤正世のお嬢さんであったのだろうか?
「学生の昆虫図説」の表紙をめくると大扉には、、、、
おお!と、思わず溜息の出るイラストがあった!
この当時として、出窓などはかなりシャレたなお家という感じがする。
絵のサインを見ると、「Kaori Kato」 とある。
この絵MO加藤正世のお嬢さんか、あるいは奥さんが描いたものであろうか?
打ち合わせの仕事もあって、両書ともじっくりと読むことができなかったのは残念だった。
加藤正世が拵えた長野県茅野市にある私設博物館を以前訪れたことがある。
今は封印されているこの小さな博物館にはあらゆる収集物が詰め込まれていて、
博物学時代の栄華を見る思いがした。海から山に至るまで、加藤の研究欲、好奇心、
洞察力の偉大さを感じずにはいられない、膨大なコレクションの宝庫だった。
「学生の昆虫図説」の大扉、彩色画を見たとき、
私は自分が中学生のころチョウの世界にのめりこんだ、その瞬間のときを再び感じた。
ヘルマン・ヘッセの「少年の日の想い出」という、短編小説を読んだ、その日のことを。
空港から高速道を走り、都城ICを降りたら、料金所の外に消毒マットが敷かれていた。
さて、今年は例年よりか多数の方とお会いすることができた。
普段は孤独な作業をコツコツやっているが、
こうしていろいろな方とお会いして会話をする時間はきわめて貴重である。
東京では出版社に出向くこともあれば、街中で待ち合わせをすることもある。
待ち合わせ場所は新宿や池袋が多い。そこで最近は新宿のホテルをよく利用する。
新宿には新宿御苑があるので、空き時間を使って広大な公園を散策できる。
打ち合わせの仕事はほとんどが午後になるから、午前中は移動かあるいは暇になる。
しかし、今回は天気が崩れて午前中の時間はホテルで原稿を見直したり、加筆したり
する作業をしていた。映画でも観ようか、などとも思ったが贅沢すぎるので止めた。
で、ある出版社に出向いたとき、かなりいや無茶苦茶!珍しい本に出会った。
加藤正世の「蝉の生物学」と「学生の昆虫図説」、の2冊である。
「蝉の生物学」は、1956年に出版。出版社は岩崎書店。
この本はよく知られている名著だが、もう一冊の「学生の昆虫図説」を私は知らなくて、
その表紙の写真にも驚いた。
「学生の昆虫図説」は副題に「私たちの標本室」とあって、いかにも博物学の栄えた時代を
物語っている。標本箱の写真は、表紙にしては雑であるが、これにはわけがある。
標本箱の右下に小さく説明書きがあって、、、、、、
「 石神井の直翅目 石神井小学校5年生 加藤園子
昭和26年 文部省動植物標本コンクール特選作品 」
と、書かれてある。
雑だとは書いたが、じつは小学校5年生の女の子が作った標本箱である。
しかも直翅目に絞った標本箱というのは、この年齢の子供としては、よく出来ている。
いや、出来すぎだと思う。
加藤園子さんは、加藤正世のお嬢さんであったのだろうか?
「学生の昆虫図説」の表紙をめくると大扉には、、、、
おお!と、思わず溜息の出るイラストがあった!
この当時として、出窓などはかなりシャレたなお家という感じがする。
絵のサインを見ると、「Kaori Kato」 とある。
この絵MO加藤正世のお嬢さんか、あるいは奥さんが描いたものであろうか?
打ち合わせの仕事もあって、両書ともじっくりと読むことができなかったのは残念だった。
加藤正世が拵えた長野県茅野市にある私設博物館を以前訪れたことがある。
今は封印されているこの小さな博物館にはあらゆる収集物が詰め込まれていて、
博物学時代の栄華を見る思いがした。海から山に至るまで、加藤の研究欲、好奇心、
洞察力の偉大さを感じずにはいられない、膨大なコレクションの宝庫だった。
「学生の昆虫図説」の大扉、彩色画を見たとき、
私は自分が中学生のころチョウの世界にのめりこんだ、その瞬間のときを再び感じた。
ヘルマン・ヘッセの「少年の日の想い出」という、短編小説を読んだ、その日のことを。