オオチャバネセセリ、はねる

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昨日、紹介したディフューザーの写真作例を一つ。

アジサイの植え込みに隠れていたタイワンクツワムシのオス。

日陰だったのでストロボを使用。レンズは15ミリ魚眼レンズ。

まずは内蔵ストロボをそのまま発光させ撮影。ストロボの設定はオート(-1補正)。

IMG_7624.jpg
被写体までの距離が短いので、レンズの影が画面下に強く出てしまった。

次に、エツミのディフューザーをゴムバンドで発光部に被せて撮影。

IMG_7625.jpg
画面下の影が消え、すっきりとした。

このようにくっきりと昆虫の姿がわかる写真は、図鑑本などには向いている。

しかし、現場の実際の雰囲気は上の写真とはかなり違う。

本作りの仕事では、どういうメッセージを写真に盛り込むのかが問われる。

テーマによっては図鑑的写真では無く、現場の雰囲気や撮影者の意図を

ねらい通りに表現したい。

そこで次に、現場の光の状況を考慮しストロボを弱めに加減して撮影してみた。

IMG_7623.jpg
アジサイの植え込みに差し込む木洩れ日を重視して、そこをキーポイントとし、

タイワンクツワムシの体が不自然に浮き上がること無く、しかし、まったく影に潰れて

しまわない程度にストロボ光をあてている。

こうして見ると、一番下の写真は、タイワンクツワムシの日中において落ち着ける場所が

薄暗い条件であること、が伝わるのではないかと思う。

ただしタイワンクツワムシの体のディテールはわからないから、それを表現する別カット

が必要になる。


さてさて、ストロボの使い方で、もう一つ。

ストロボをE-TTLなどカメラと連携したオート機能で使うとき、

大抵はプリ発光といって、本番の光照射の前に明るさを計測する発光がある。

このプリ発光に機敏に反応する昆虫も多く、オオチャバネセセリで実験してみた。

オオチャバネセセリはシャッターを押した瞬間、ストロボのプリ発光に驚いて

前翅を上下に動かすことが多い↓。

IMG_8013.jpg
あるいはもっと驚いてか、激しくはばたくことも↓。

IMG_8023.jpg
しかし、3回目くらいになると落ち着いてか、じっと構えたままの姿になる↓。

ストロボ光に慣れたのだろう。

IMG_8012.jpg
そうかと思えば、しかし4回目以降、また驚き始め、

ついにはプリ発光に危機感を覚えたか、飛び立ってしまう。

IMG_8024.jpg
プリ発光に敏感なのは、アブ、ハエ類などもそうだが、

このあとイチモンジセセリで試してみたら、まったく反応しなかった。

個体差もあるのだろう。


( 写真全て: EOS-7D  EF-S 60ミリマクロレンズ、
                
                       下段4カットのみ スピードライト430EXⅡ使用 )
















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