東京都、清瀬市に住んでいたころ、こんな話を聞いたことがある。
「うちの小さな池にね、カマキリが毎日来るのよ。」
「それでね、なんとそのカマキリ、泳いでる金魚を鎌で掬い獲るのよ!!」
沖水川の上流で水中カメラハウジングのテスト撮影をしていた私は、
数年前にご婦人から聞いたこの話をふと思い出した。
川の中から顔を上げてみれば、目の前にオオカマキリがいたのだ。
なんでこんなところに?
ハリガネムシの誘導を受けるにはまだ時期が早過ぎはしないか?いやそでうもないか。
私が接近するとソワソワし始めた。おそらく岸の方へ飛んでにげるのだろう、
そう思っていたが、そうではなかった。
なんと水面に歩み降りていく。
「よせ!!溺れるぞ!」
私の声が届くわけがない。オオカマキリはズンズンと水の中へと進む。
川の流れはけっこうキツイ。
「おい!泳げるのか!?」
大胆なオオカマキリの行動に、思わずカメラの水平も狂ってしまった。
流されているのはたしかだが、泳いでるとももがいているとも、どっちだかよくわからない。
水中カメラハウジングの初撮りがこんなことになろうとは!?
オオカマキリの泳ぎは、まさに「犬かき」。
流されながらも懸命に脚を動かしている。いや、やっぱりもがいているだけなのか?
いい加減、流されたところで、陸に上げてやった。
ヨシの天辺に登ったところで翅を拡げて、ブルルルル~と水を弾き飛ばしていた。
さて、水中カメラハウジングの試し撮りは、うちから車で4分の川で行った。
風景はいいが水生昆虫は貧弱そうであった。しかし、今日は撮影そのものが目的でない。
撮影方法について細かい問題点を検討しておくためのテストである。
真っ先に問題となったのはウェダーであった。
胸まである長靴、これを「バカナガ」とも言うが、なんと右足の方で浸水するのであった。
それも無理はない。このウェダーはもう20年くらい前に購入したもの。
亀裂の一つや二つあってもおかしくはない。
それでも最初は水中に座り込んだりいろいろな姿勢をとるうちに、
胸の開口部から浸水したものと思い込んでいた。
そのうちパンツまで濡れてきて、ことの重大さに気付いた。穴があ~!!
浅い場所で撮影するにしても、カメラを長時間構えたりするので、
水中に肘をついたり座り込んだりするから、胸まであるウェダーでも物足りない。
腹ばいにまでならなくとも、けっこういろんな姿勢をとるには
ウェットスーツやドライスーツ並みの水対策が必要に感じた。
渓流ではそれと水温が低いので、長時間浸かっていると腰や足が冷える。
ここは肝心なところだが、ウェダスーツなるものを武田晋一さんが紹介してくれていた。
ウェダースーツはよいかもしれない。
ともかく穴が開いたウェダーではどうにもならんから、早急に手配しよう。
プルーフ製、水中カメラハウジングは期待通り、浅い水深での撮影に威力を発揮。
20センチ以下の水溜りでもいろいろと試してみた。
浅い水深、いや深くても同じなのだが、泥が堆積した場所では、泥の舞い上がりが生じ
この濁りが消えるまでの時間何もできない。
場合によってはその間に被写体が逃げたりして、濁りが治まっても撮影ができないことも
ありうるだろう。理想的にはカメラだけをそっと水の中に沈めることができればいいのだが。
そしてそのカメラを長時間、固定維持すること。これはたいへん難しい問題である。
今日はレンズを広角ズームのみとして、主に半水中、半陸上という設定で撮影してみた。
水中ストロボも試してみたが、ハウジングにつけたままにしておいても、
それほど邪魔にならず、重さも気にならなかった。INONのS-2000は正解だった。
( 写真: EPL-1 M.ZUIKO DIGITAL 9-18ミリズーム改造、
プルーフ製、特注水中ハウジング使用 )
※連絡は kamakirisan@shinkai.info まで。
「うちの小さな池にね、カマキリが毎日来るのよ。」
「それでね、なんとそのカマキリ、泳いでる金魚を鎌で掬い獲るのよ!!」
沖水川の上流で水中カメラハウジングのテスト撮影をしていた私は、
数年前にご婦人から聞いたこの話をふと思い出した。
川の中から顔を上げてみれば、目の前にオオカマキリがいたのだ。
なんでこんなところに?
ハリガネムシの誘導を受けるにはまだ時期が早過ぎはしないか?いやそでうもないか。
私が接近するとソワソワし始めた。おそらく岸の方へ飛んでにげるのだろう、
そう思っていたが、そうではなかった。
なんと水面に歩み降りていく。
「よせ!!溺れるぞ!」
私の声が届くわけがない。オオカマキリはズンズンと水の中へと進む。
川の流れはけっこうキツイ。
「おい!泳げるのか!?」
大胆なオオカマキリの行動に、思わずカメラの水平も狂ってしまった。
流されているのはたしかだが、泳いでるとももがいているとも、どっちだかよくわからない。
水中カメラハウジングの初撮りがこんなことになろうとは!?
オオカマキリの泳ぎは、まさに「犬かき」。
流されながらも懸命に脚を動かしている。いや、やっぱりもがいているだけなのか?
いい加減、流されたところで、陸に上げてやった。
ヨシの天辺に登ったところで翅を拡げて、ブルルルル~と水を弾き飛ばしていた。
さて、水中カメラハウジングの試し撮りは、うちから車で4分の川で行った。
風景はいいが水生昆虫は貧弱そうであった。しかし、今日は撮影そのものが目的でない。
撮影方法について細かい問題点を検討しておくためのテストである。
真っ先に問題となったのはウェダーであった。
胸まである長靴、これを「バカナガ」とも言うが、なんと右足の方で浸水するのであった。
それも無理はない。このウェダーはもう20年くらい前に購入したもの。
亀裂の一つや二つあってもおかしくはない。
それでも最初は水中に座り込んだりいろいろな姿勢をとるうちに、
胸の開口部から浸水したものと思い込んでいた。
そのうちパンツまで濡れてきて、ことの重大さに気付いた。穴があ~!!
浅い場所で撮影するにしても、カメラを長時間構えたりするので、
水中に肘をついたり座り込んだりするから、胸まであるウェダーでも物足りない。
腹ばいにまでならなくとも、けっこういろんな姿勢をとるには
ウェットスーツやドライスーツ並みの水対策が必要に感じた。
渓流ではそれと水温が低いので、長時間浸かっていると腰や足が冷える。
ここは肝心なところだが、ウェダスーツなるものを武田晋一さんが紹介してくれていた。
ウェダースーツはよいかもしれない。
ともかく穴が開いたウェダーではどうにもならんから、早急に手配しよう。
プルーフ製、水中カメラハウジングは期待通り、浅い水深での撮影に威力を発揮。
20センチ以下の水溜りでもいろいろと試してみた。
浅い水深、いや深くても同じなのだが、泥が堆積した場所では、泥の舞い上がりが生じ
この濁りが消えるまでの時間何もできない。
場合によってはその間に被写体が逃げたりして、濁りが治まっても撮影ができないことも
ありうるだろう。理想的にはカメラだけをそっと水の中に沈めることができればいいのだが。
そしてそのカメラを長時間、固定維持すること。これはたいへん難しい問題である。
今日はレンズを広角ズームのみとして、主に半水中、半陸上という設定で撮影してみた。
水中ストロボも試してみたが、ハウジングにつけたままにしておいても、
それほど邪魔にならず、重さも気にならなかった。INONのS-2000は正解だった。
( 写真: EPL-1 M.ZUIKO DIGITAL 9-18ミリズーム改造、
プルーフ製、特注水中ハウジング使用 )
※連絡は kamakirisan@shinkai.info まで。