2011年4月アーカイブ


虫のたまごを撮る

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先日、産卵の現場を目撃し持ち帰ったタテハモドキの卵がうちに2個ある。

三日目となって卵の様子に変化が現れ始めた。あと数日でふ化するだろうか。

タテハモドキ卵MP.JPGさて、上の写真はキャノンのマクロレンズMP-E65ミリ、とEOS-7Dの組み合わせで

倍率は最大にして撮影したもの。トリミングはしていない。F値は5.6。

35ミリ判換算で、倍率は8倍。

こういう撮影では深度合成が効果的で私もよく使うようになった。上のは単写真。



次の写真はオリンパスのM.40-150ミリにRAYNOXのクローズアップレンズを取り付け

カメラはE-PL1Sの組み合わせで最望遠側にして撮影したもの。

タテハモドキ卵OM.jpg40-150ミリ+クローズアップレンズでの最大倍率は、35ミリ判換算で約7倍。

F値は22。けっこうな倍率が稼げる。

上の2枚の写真はライティング条件が違うので比較するのも何だが、

ピクセル等倍で見比べてみると、画質ではキャノンの65ミリマクロの方が上。

しかし、深度の深さでは下の写真のほうが勝っている。


次に仕事部屋のすぐ外に出て、スイバからベニシジミの卵を見つけてきた。

これも拡大撮影してみた。

まずは、M.40-150ミリにRAYNOXのクローズアップレンズで撮影↓。

ベニシジミOM.jpg
次に、レンズをM.14-42ミリの前球はずしの最大倍率で撮影↓。F値はいづれも22。

ベニシジミ卵前はずし.jpgM.14-42ミリの前球はずしの最大倍率は35ミリ判換算で約4倍であるから、

ベニシジミの卵くらいの大きさだとやはり倍率が物足りない。

マイクロフォーサーズ用の2倍テレコンでも発売されればいいのだが、、、、、、。、



1ミリ程度の被写体をある程度の大きさで撮影したいとき、

撮影倍率が7~8倍以上は必要である。しかし、このくらいの高倍率接写となると、

手持ちでは歩留まりがかなり低くなる。

その上に照明もそれなりに工夫しないとシャープな写真には仕上がらない。

小さな昆虫を撮影する場合、屋外でなおかつ手持ち撮影となると、

先のM.14-42ミリの前球はずしなど、倍率にして4倍あたりが体力的にも限界と

見ておいていいだろう。いや実際、高倍率接写はけっこう体力を消耗する。

機材を工夫し8倍程度の接写を手持ちでこなせるようになったとしても、

これを長時間持続するのはかなり疲れるのである。疲れが溜まると撮影もどんどん

失敗を重ねる。何の結果も出せず、嫌になってしまうこともあるだろう。

したがって高倍率接写は室内にも持ち込める卵とか、屋外でなら固定がきちんとできる

ような条件などの下で行われることが多くなる。

カメラも被写体もしっかりと固定できるような仕組みを工夫することが大事。


今日初めて使った、M.40-150ミリ+RAYNOXのクローズアップレンズ、

というのは、オリンパスのコンバージョンレンズのセットが先日届き、

これをいじっているうちに、マクロコンバーターをうまく利用できそうに思えたからだ。

届いたばかりのマクロコンバーターをさっそく分解しレンズをはずして、

そこへRAYNOXのクローズアップレンズをステップダウンリングを介して固定してみた。

こうすることで、RAYNOXのクローズアップレンズがワンタッチで

M.40-150ミリに取り付けることができるようになった。

簡単に高倍率撮影する方法というのをちょっと試してみたのだが、

こうやってオリンパスのマイクロフォーサーズカメラは、特定の目的に絞り込み

その小型軽量のメリットを活かせるように使うことが多い。

① 超接写撮影用として、

② 水中ハウジング専用として、

③ 遠隔操作用として、

そしていつも持ち歩き、風景などのスナップ撮影にも活躍する。

ただし動きの速い昆虫を追い撮りするときにはやはり、一眼レフカメラには適わない。





今朝の虫

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朝一番に林を歩いてうちに戻ろうとしたら、足元に小さな蛾がいた。

私ですら一瞬、枯れクズか何かだろと通り過ぎるところだった。体長は5ミリ前後。

センダンヒメハマキ.JPGしかし近づいてよく見れば、綺麗な模様が特徴的だ。

本種はハマキガ科の センダンヒメハマキ

特徴があるのですぐに種名が判るかと思えたが、けっこう時間が掛かってしまった。

仕事部屋のすぐ横で咲いているコデマリには、

ベニカミキリ が来ていた。

ベニカミキリ正面.JPG
※ 下線の植物名は当初、ユキヤナギとしておりましたが、コデマリではとの

  御指摘いただき訂正しました。御指摘いただいた方にお礼申し上げます。




うちの林の虫たち

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毎朝、うちの林を歩く。

いつも時間を掛けるわけではないが、

狭い林でもが足を止めれば1時間はあっという間に過ぎる。

クヌギカメムシは5令の終令幼虫となっていた。

歌舞伎役者の化粧を思わせる、この派手な模様がいい。

クヌギカメムシ.JPGホソオビヒゲナガは普通種だが、メスを撮影した記憶がない。

今日の対面は新鮮であった。

ホソオビヒゲナガ2.JPGおとなしいので横からも。

ホソオビヒゲナガガ1.JPGガの多くが葉っぱに張り付くようにペタリと止まるのに対して、

脚をふんばった姿勢がいい。

庭のサクラそして隣のクリ林では、リンゴコブガの幼虫がやたらと多い。

ガの幼虫でもう一つ。サラサリンガもクヌギ、アラカシ、コナラにずいぶんと多い。

これまで気付かなかっただけかもしれないが、ともかく多い。

今日は発注していたカメラマンベストが届いた。

折り畳むと背中のポーチに納まるという、ハクバの製品。

冬場には使わないが、汗ばむ季節にはカメラマンベストが有り難い。

ほんとうに今日は暑かった。

こういう日は久しぶりにビールが飲みたくなる。ビールはやはりエビス。



東日本大震災の復興支援ということで、復興支援ポストカードが作成されました。

ポストカードの売り上げは全て日本赤十字社を通して被災地に寄付されます。

東京・ニューヨーク・北京・ロンドン連動チャリティ企画となっており、

ポストカードはそれぞれの都市で販売されるそうです。

私も企画に参加しております(昆虫写真です)。

東京では、T.I.P(Tokyo Institute Photography) で、

       4月21日~9月30日

       リコーフォトギャラリーRING CUBE で、

       5月1日~9月30日

       それぞれの期間、販売され、販売価格は1枚、200円です。

京橋、銀座方面にお出かけの方は、是非上記のギャラリーにお立ち寄り下さい。

細目のクヌギ.JPG


フィールドを歩くとき、どこで足を止めるかそのタイミングで出会う虫も決まる。

今日は普段なら素通りする場所で足を止めてみた(三股町)。

いやとくに何があったというわけではないが、影になっている崖のあたりが、

ちょっと気になっただけのこと。

それで何となくジーッと影のあたりを見つめていたら、たしかに何かがいた。

近寄ってみれば、羽化したてのアオスジアゲハだった。

アオスジアゲハ羽化1.JPGタブノキのひこばえに越冬蛹があって、その蛹が羽化したのだ。

強風に煽られて翅がユラユラしているところを見れば、まだ羽化直後のようだ。

レンズを変えて撮影してみれば、雰囲気がまたく別になる。


アオスジアゲハ羽化2.JPGさて、このあと薄暗い林のなかで、ワカバグモの♂に目がいった。

そのワカバグモに近寄ってみると、すぐ近くにヒゲナガガの一種がいて気になった。

そうやって立ち止まり、2メートル四方の場所に留まっていると、

初めて見る花があった。これは何だろう?目線が次々と移っていく。

IMG_0048.JPGあとで調べてみると、キバナチゴユリらしい。

IMG_0040.JPGキバナチゴユリは分布が限られているようだが、なんとも可愛い花である。

ああ、ちょっと蛇足だが、

今月のはじめ頃、ムカシトンボの撮影中に水没してしまったオリンパスのストロボ

FL-36Rがなぜか復活して、今では仕事に使っている。

水没.JPG水没したストロボを修理に出す気分ではなかったが、これまでどおりに稼動してくれるので

助かっている。



タテハモドキの卵

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昨日、タチイヌノフグリに産卵されたタテハモドキの卵を撮影しておいた。

タテハモドキ卵深度合成.JPG上の写真の横幅実寸は、約7ミリだから、卵がいかに小さいかわかるだろう。

さらに倍率を上げて卵そのものの表情を捉えたのが下の写真。

タテハモドキたまごアップ.JPGタテハモドキの食草としてタチイヌノフグリが記録にあるかどうかわからないが、

オオイヌノフグリではうまく育たないようだ。

タテハモドキの食草の主なものは、キツネノマゴ科のオギノツメや、

クマツヅラ科のイワダレソウで、イワダレソウは海浜に生えている。

オギノツメは休耕田や水田地帯に生えているが、昨日の産卵場所は乾燥した草地で、

かつては資材置き場であったと思われる空き地。

オギノツメを探してみたが見つからず、環境としても生えていそうにない場所だった。

キタテハの産卵行動を観察した経験では、食草カナムグラの群落の周辺で、

カナムグラ以外の様々な植物に産卵していたことがある。

今回のタテハモドキの産卵行動も、近くにオギノツメが生えていたからかもしれないし、

あるいはそうでないかもしれない。

さて、それはともかくタテハモドキの卵2コがふ化したときのために、オギノツメを

探しておかねば。

一応試してはみるが、タチイヌノフグリはおそらく食べないだろう、、、、と、思う。

※ 最近、グランドカバーとしてあちこちで植栽されているヒメイワダレソウが、

タテハモドキの食草になっている、との情報をいただきました。

そういった人工植栽でタテハモドキが繁殖していることもあるようなので、

公園、道路沿い、あるいは街中などでも気をつけてみたいと思います。

情報を寄せていただいた方にお礼申し上げます。





オドリコソウをさっそく探しに出掛けてみた。

するとうちから車で3分も走らないうちに、群落が見つかった。

オドリコソウ群落2.JPG道路沿いのクヌギ林に群落はあったが、いつも素通りして気付かなかった。

車で移動しているとこういう見落としが多い。

オドリコソウ群落3.JPGここの群落には白花の株もかなり混じっていた。

オドリコソウ白花.JPGオドリコソウに見とれていると、クロセセリがいきなりやって来て目の前に着地した。

羽化したばかりの新鮮な個体だ。

クロセセリとフキ.JPG心当たりの場所を他にも数箇所回ってみたが、オドリコソウはまったく見つからなかった。

クヌギ林萌芽.JPG気温はずいぶんと高い。午後1時50分ころ、明るい草地でタテハモドキのメスが

産卵していた。

4回産卵を確認できたが、産みつけた草はいづれもタチイヌノフグリだった。




朝日新聞出版、月刊「ジュニアエラ」(junior AERA)の5月号から、

「昆虫バンザイ」という私の記事の連載が始まりました。



興味ある方は是非、本誌を読んでみて下さい。

毎月15日発売で、定価480円。


虫はその姿を見ているだけでも楽しいけれど、

虫たちがどうやって毎日を暮らしているのか、そこまで掘り下げてみると、

もっと面白いよ!!という内容です。百聞は一見に如かず。

ジュニアエラお知らせ.JPGヤマトシジミ、今夜のねぐらです。4月25日。


この道でこれまで人に出会ったことがない。この辺りは三股町、梶山地区。

いや三股町の私が好んで訪れる場所では、農家の方ですら滅多に会わない。

クヌギみち.JPGこの道はクヌギが2列に行儀良く長く並んでいるので、クヌギ道と勝手に呼んでいる。

道の一番奥は畑で行き止まり。そこから元へ引き返すとオドリコソウが咲いていた。

「へえ~!?こんなとこに。」

オドリコソウ1.JPG「オドリコソウが見たいのですが。」と問われて、私の記憶にあった花の場所は一箇所。

「めがね橋に抜ける道の手前、畑の角っこに生えている場所ありますけど。」

そういえばオドリコソウは珍しい花でないにも関わらず、意外と出会っていない。

昔はもっとあちこちに咲いていたと思う。今日は三股町で2箇所目を見つけたわけだが、

まさかそんなに少ないわけがないだろうと思いたい。もっと大きな群落を見つけたくなった。

上米公園は昨日、スミナガシやアオバセセリの観察をしたいという方達を案内したばかり

だが、今日は天気が良いので再び訪れてみた。

クリの葉ではゴマダラオトシブミがゆりかご作りを始めている。

ゴマダラオトシブミ初仕事.JPG完成したゆりかごが見つからないから、今日が初仕事だろうか?

1メートルほどの小さなエノキが道沿いに生えていた。

葉の上にゴマダラチョウ幼虫の抜け殻があった。

ゴマダラぬけがら.JPGなるほどすぐ近くに太った幼虫がいた。

ゴマダラつまむ.JPG葉は真下に向いて垂れて、まるで体重計。

一匹いるならもう一匹くらいいてもおかしくはないよな、そう思いながら奥を覗くと


セカセカ歩いて葉っぱにご帰還中のがいた。

                                     「よオ!!」

ゴマダラかお.JPG君らが蛹になるころ、また来てみるよ。おぼえていればね。




ハナガガシ

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午前中は都城市山之口町、枡安森林公園にて来月予定している観察会の

下見を行った。枡安森林公園は昔、牧場であったそうだが今は林が茂っていて

牧場がかつて広がっていたとはとても思えない。

しかし林の中を歩いていると、コンクリートの貯水槽、餌受けなどが転がっているので、

なるほど牧場のなごりであるのかと、納得できる程度である。

オオシマザクラでは春になると、ムネアカアワフキが多く見られる。

写真はメス。ここでは毎年確実に本種を観察できるのが嬉しい。

ムネアカアワフキ.jpg下見を終えて午後からは、嫁さんを連れて西都市の都萬神社(つまじんじゃ)に行った。

都万神社とも書くが、ここの境内にはたいへん稀なハナガガシがたくさん植わっている。

ハナガガシ(Quercus hondae)は別名サツマガシともいうが、

四国は愛媛、高知、九州では長崎、熊本、宮崎という限られた暖地に生えている樹木。

最初は「花がかし」とはなんだろう?と思っていたら、「葉長樫」と書くのであった。

つまり葉っぱが細長いという特徴がある。

こういうカシ類は初めて見るので、神社境内を少し歩いただけですぐにわかった。

ハナガガシ2.jpg花は咲き終わっており若葉が目立つ。

ハナガガシ1.jpgドングリは3個拾えたが、殻斗は傷みがひどく撮影できなかった。

ドングリの撮影は秋に出直したい。

神社の中を流れる小川は轟々と勢いがあって、水量が多かった。

宮崎県は冬からずっと雨が少なく、水不足が深刻な問題になりそうだが、

ここの水量を見ていると不思議な気がした。どこからか湧き出ているようだ。




ダイコンとアゲハ

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長男の高校で参観とPTA総会があり、わたしは学活参観にだけ出向いてみた。

クラスの中で父親が来ていたのは私を含め3名だけだった。

将来の進路、高校での受験勉強のやり方とか、退屈な話ばかりだった。

子供たちもどこまで真剣に聞いていただろうか。

長男の通う高校がどういう環境にあって、どういう教室で勉学に励むのか、

クラスメイトの顔ぶれとか一度は見ておこうと思ったので、目的は達した。

高校一年生の段階でクラス37名中、35名が大学進学を希望しているそうだ。

うちの長男も大学進学を考えているようだが、

まだまだ自分のやりたいことなど、まったく見えていないと思う。



学校から戻って昼食の準備をしようかと窓の外を覗いたら、

ダイコンの花にアゲハが来ていた。

あげは大根.JPG春型のアゲハは可愛い。一番好きな蝶を決めるのは難しいが、

案外、私はこのアゲハの春型が一番かもしれない。

うちの林にクヌギカメムシの4令幼虫もいた。

萌芽更新で伐採したクヌギのひこばえで吸汁していた。

くぬぎかめむし4令.JPG仕事部屋の外にコンクリートの土台が前からあったが、基礎がきちんとできておらず、

外縁が傾いていた。ここに小屋などを建てるにしても基礎が狂っているし軟弱なので

先日、思い切ってコンクリート土台を壊すことにした。

まずは外縁のブロックを全部崩しておいた。ブロックの残骸がかなりの量になったので、

仮り置き場へと移動する作業を片付けておいた。

一輪車で何回往復すれば済むだろうかと気が重かったが、コツコツやってみると

いつの間にか終了できていた。

ブロック屑.JPG



クヌギ

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先日、植木市で買ったクヌギの苗木を敷地内のあちこちに植えている。

まだ数本残っているが、植える場所には注意が必要だ。

特に西側で、こちらの方角には畑が接している。

今、でっかいクヌギが西側には一本あって、隣の畑に影を落とす。

クヌギの影.JPGクヌギは芽吹いたばかりでちょうど雄花を散らし始めたところ。

葉が茂るのはまだ先のこととはいえ、いづれ駆け足で大きな影になる。

今、畑で作業している方はこのクヌギについて何も文句はおっしゃらず助かっているが、

以前、別の方からは切らせて欲しいと言われたことがあった。

このクヌギはわが家に降り注ぐ真夏の日照りを遮ってくれる大事な楯であり、

猛暑から私たち家族を救ってくれる守護神みたいな存在なのである。

だからといって、もちろんこれ以上西側のこの並びにクヌギを植えるつもりはない。

クヌギが増えたら農家の方にとってはますます迷惑な存在に違いないだろう。

オオイシアブが庭先でコガネムシの一種を捕らえて吸血していた。

オオイシアブの食事.JPGさて、今日の写真は数日前と昨日に撮影したもの。

今日は朝から原稿の仕上げとチェックをしていたのだが、

窓の外からツツドリの囀りが聞こえてきた。午前10時過ぎ頃。

ずいぶん近いので思わずラジオを消して窓に駆け寄ってみた。するとうちの林のコナラの

梢にツツドリの姿があった。20メートルほど先だろうか。

網戸越しに双眼鏡を構えたのだが、ツツドリは私の動きに気付いたようで

慌てて場所を移動したが、むしろ移動先の方が姿がよく見えた。

鳥にアンテナをもっと張っていたなら、これまで気付かなかったような種類も

うちの林に出入りしているのだろうなあ、と今日はあらためて感じた。


今夜は公民館で俵踊りの練習があった。

集まった人数は少なかったが、おかげで踊りの振りのおさらいと稽古を

たっぷりつけてもらえた。これまでは人がやっているのを見よう見まねで追いかけて

きたが、細かい振りをいい加減に覚えていた。



このブログをたまに読んでいただいている方から、

「イモムシの写真が出ていると、そこはちょっと抵抗がありますけど。」という

コメントを直に聞くと、それもそうかもしれないと思い、

ゴキブリでも言われたことがあるが、

先日はそのこともあって、サラサリンガ幼虫写真をアップする予定だったが

躊躇してしまった。気味悪いかどうかは個人差が大きいとはいえ。

もっとも私でさえ、じつは中学1年生まで例えばアゲハ幼虫が気色悪かった。

近づくのも嫌なら触るなんてとんでもない、と。

イモムシはヘビと同じく苦手だったのだ。

まあそんな私がアゲハ幼虫を捕まえ(恐る恐る割り箸でだが)飼育したのは

理科の宿題をこなすという不純な理由からであった。ただの点数稼ぎである。

それでもアゲハを初めて飼育した結果、気色悪さを克服してしまったのだから、

あのときの理科の先生に少しは感謝しなければならないだろう。

宿題のテーマは何でも良かったのだが、

蝶の世界に興味が芽生え始めていたころでもあり、

なんとその当時住んでいた貸家は刑務所のすぐ隣だったのである。

家のまん前には高くそびえる無機質なコンクリートの壁が延々と続いていたのである。

刑務所とアゲハの関係は密接であった。

なぜかと言えば、

高い塀の外周には全部ではないが、カラタチが植えられていたのである。

塀の脇の細い道を歩いていると、カラタチの鋭い棘に触れそうで嫌だったが、

なるほど脱獄を防ぐ対策なのかと自分なりに納得していた。

さりとて脱獄しようと必死になっている者にとって、カラタチの棘などは脅威に

すらならんだろうと少し考えればわかることだったが、そういう考えには至らず

とにかく刑務所だから仕方無いと割り切っていた。

しかし時期ともなればカラタチは白い花を咲かせ、新芽は朝陽に透けて美しく輝いた。

そのカラタチはアゲハの天国にもなっていた。アゲハ幼虫はいくらでもいたのである。

刑務所のおかげでカラタチという植物とお近づきになれたのだ。


先日、都城市のある小学校の児童館(学童保育とか呼び方はいろいろ)2箇所に

ヤママユの卵をプレゼントした。プレゼントというか、ただのお節介かもしれない。

児童館の一つは街のど真ん中にあって子供達は日頃から自然体験が薄いようであった。

ケースに入れたヤママユの卵を見せて説明しても反応は鈍かった。

ヤママユふ化準備.JPG卵は上の写真のごとく台紙に木工用ボンドで貼り付けておいた。

こうしておけばどの卵がいつふ化したのか記録をとり易いし、ケース内であちこち

ころがったりしない。そのケースにコナラの芽吹きした小枝を入れておく。

いつ何時、ふ化しても餌に困ることがないようにという配慮だ。

まあそういう細々した説明を子供たちに語っても伝わっていないことは明らかだった。

だって、卵を見てもそれが生き物には見えないだろうから。

「おじちゃん、ババ抜きしよう。ジジ抜きでもいいよ。」とすり寄ってくる女の子。

「ベーゴマのひも巻いてえ~」と何度もやってくる男の子。

私はそこらのオッサンなのであった。それもたしかだろう。

コナラの小枝を林道脇で物色していたとき、ウスタビガの1令幼虫を2匹見つけたので、

一匹づつをおまけに添えておいた。

小さくて真っ黒な1令幼虫も、やはり子供達にはほとんど目に入らなかったようだ。

しかし、そのウスタビガ1令幼虫が数日後脱皮して緑色に変身してから、

子供達の反応があったと、昨日の夜電話で聞いて少し嬉しくなった。

昆虫の飼育を通して生き物のふしぎに触れる。そういう機会は得がたいかもしれない。



花と虫、虫と花

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庭木のツツジは種名が定かでないが、花の盛りも終わりかけてようやく、

ナガサキアゲハのオスがやって来た。

ナガサキアゲハ.JPGそれにしても訪花する虫の姿が例年よりか少ないと感じる。

庭木のニシキギの花は今が盛りだが、こちらも虫の姿がたいへん薄い。

例年ならハエ、アブやハチ類がたくさん群れているのだがほとんど来ていない。

それでも今日は期待していたアシナガバチが来ていた。キアシナガバチ女王だ。

キアシナガバチ.JPGよく見れば腹部に特徴のある斑紋があった(画面矢印先)。

個体識別.jpgこのキアシナガバチ女王を「ホクロ」とでも名付けようか。

できればうちの庭木のどこかで営巣してもらいたいものだ。



レンゲ畑も花盛りだがここでじっくり撮影する時間のゆとりがないのは残念だ。

それは毎年のことでもあるが、今日は夕方の犬の散歩のついでにセイヨウミツバチを

撮っておいた。ついでの時間も貴重である。

セイヨウミツバチとレンゲ.JPG
さて、昨日は一日中、寝込んでいて何もできなかった。

北風が猛烈に吹き荒れ、気温も低かったので外に出る気力もなかったが、

一日中、横たわっているというのもツライ。

深夜2時半に腹痛で目覚めてから一睡もできず、朝になってからヒドイ下痢が続いた。

体がゾクゾク寒気がしたからどうやら風邪ではないか?と思ったが熱はない。

頭痛と下腹部の痛みがとれず仕事にならなかった。これでは寝ているしかない、

と思ったが横になっても眠れず、回復するまで時間が掛かったのはそのせいだろう。

昨夜、熱めの風呂に入ったあと体がすっきりして熟睡でき今朝にはほぼ回復した。

しかし今月の3日の夜にも頭痛と発熱で体調を崩しており、こんなことがあっては

いけないはずだから少し気になる。



アミダテントウ

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今日は午後から西風が強く吹き荒れた。

そのせいで昨日拵えたナガメの飼育網部屋が強風に煽られて倒れてしまった。

ナガメのほとんどが逃げてしまったが、網部屋はすぐに補修しておいた。

今日の我が家.jpgさて、わが家においてまず田舎暮らしを感じることといえば、

のどかな風景、そして、

水道の給水区域からはずれ、生活水は全て井戸水で賄うことであるだろう。

毎朝のように牛糞、豚糞のかぐわしい香りが漂ってくることなど、

いわゆる「田舎の香水」というのもあるにはあるが、さして生活に影響はない。

井戸水の良し悪しはこれまでに何度も書いてきたが、とくに困ったこととして、

電気温水器の老朽化のことがあった。新規に温水器を取り替えようとすると

井戸水の水質が問題となり、それは不可ということになっていたのだ。

ところが昨夏、日立から井戸水対応の新しい機種が出たという情報が入り、

温水器の付け替えができることになった。そこでさっそく業者に発注したのである。

今は温水器ではなく、エコキュートという。エコ給湯?。

温水器と違って、エアコンの室外機みたいなのがセットになっている。

お湯を作るときに二酸化炭素も利用し、そのぶん電気代が節約できるらしい。

ともかくまずは風呂場のすぐ外壁の下にエコキュートの設置用土台を作ってもらったのが

今日のこと。

これくらいなら自分でもできそうに思えたが、コンクリートを練る機械がないと

けっこうシンドイ作業になる。やはりここは業者にやってもらうほうがはるかに早い。

土台.jpgこれまで使ってきた温水器は風呂場から相当離れた場所にあって、給湯の熱効率は

たいへん悪かったと言える。なんでこんな場所に温水器を設置したのかなあ?と

業者の方も首をひねる。

エコキュートの機器が届くのは来月半ば。機材調達に時間が掛かるのも大震災の影響が

あるようだ。しかし設置工事はほぼ一日で完了できるようだ。


室内飼育していたヤママユとウスタビガの幼虫をすべて外のコナラに移して、

袋かけ飼育とした。たくさんの幼虫を部屋の中で飼うのは無理がある。

餌換えもけっこうな手間隙がいる。例年なら亜終令までは室内飼育をしてきたのだが、

今年はいろいろ忙しくてその世話の余裕がない。

袋かけする枝を物色していたら、アミダテントウの可愛い姿があった。コナラの葉うら。

アミダテントウ.JPGアミダテントウは体長4ミリほどの小さな体だが、キジラミ類やアオバハゴロモ幼虫などを

捕食するらしい。珍しいテントウムシではないが、だからといってどこを探せば見つかる

という確証もない。こういう機会には一期一会の想いで撮影しておきたい。

今日は残念ながら風が強くて、思い通りの構図で撮影できずあっさり逃げられてしまった。



庭のボケには春になると夥しいアブラムシがコロニーを作る。

昨年はこのアブラムシにナナホシテントウが何匹も群がっていた。

ところが今年はナナホシの姿はなく、ナミテントウが群れていた。

しばらくナミテントウの様子を観察していたのだが、そのうちに

ヤママユのふ化幼虫が現れるようになった。ボケの幹を見るとヤママユの卵が

まとめて産みつけられていた。カリンがヤママユの食樹リストにあるから、

ボケを食べてもおかしくはない。

ボケくヤママユ.JPGさてこの春、うちの周辺ではナナホシテントウがたいへん多い。ちょっと異常なほど多い。

カラスノエンドウに群れるエンドウヒゲナガアブラムシがやたらと大発生していることと

関連もあるだろうと思う。

ナノハナにもナナホシテントウが例年より多く見られる。

そのナノハナにテントウムシと似た姿のナガメが多い。卵のふ化を撮影したいので

うちの庭のナノハナを網部屋で囲い、そこへナガメを放飼することにした。

ナノハナも花盛りを終えてどんどん刈られ始めたからだ。




長い名前だが、アオバ、アリ型、ハネカクシ、と区切って憶えよう。

アオバは前翅の渋い金属光沢。ちょっと体型がアリに似ているので、アリ型。

今の時期、田んぼの畦道に多いのは、おそらく皆、新成虫ではなかろうか?※

どれも新鮮で綺麗な体である。

アオバアリガタハネカクシ.JPG透明なうしろ翅は小さく小さく折りたたまれているが、それがまるで合体ロボみたく、

ガシャーン!!カキーン!!とカッコ良く広がるのである。それで、ハネカクシ。

ともかく変身ロボのその様子を撮影するのが私の使命である。

※ アオバアリガタハネカクシは成虫越冬です。




芽吹きの賑わい

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一本だけ植えてあるヤマビワが芽吹いた。

ヤマビワ芽吹き.JPGヤマビワは常緑樹だが、うちのは高さ60センチ程度で小さい。

そのせいだろうか、葉っぱは2月ころから元気が無くなり全て萎れて落ちてしまった。

それでもしばらくすると若芽が膨らんできた。

今日は久しぶりに朝から雨。雨量は少なかったがこのお湿りはアリガタイ。


WW150185.jpg畑では牧草の植え付けの準備が進んでいる。

野外で見つけたウスタビガの1令幼虫は回収して飼育している。

その1令幼虫たちが次々と2令へと脱皮している。

今日は3匹が脱皮した。真っ黒な体から、鮮やかな黄色へと衣替えする。

ウスタビガ2令幼虫.JPG脱皮してしばらく休んでから、脱いだ殻を食べる。

見ているとおいしそうに食べているように感じる。



ヤナギの虫

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昨年の春、ヤナギハムシの産卵を撮影した日南市のフィールドに行ってみた。

NHK出版「里山の昆虫ハンドブック」に載せてあるヤナギハムシの写真(p67)は、

撮影当日、曇天で条件が悪かった。それも気になっていたので快晴の今日、

ふたたび訪れたのである。

交尾しているヤナギハムシが2組いた。ヤナギハムシの体はあらためて見ると、

前胸部の渋い金属光沢がなんともいい。

ヤナギハムシ.JPGナミテントウの紅型を細長くしたような姿はどこか毒々しい。

梢ではカメノコテントウも歩いていた。

カメノコテントウ♀.JPGヤナギの枯れた下枝にはあちこちにカメノコテントウの卵塊が産み付けられていた。

カメノコテントウ卵塊.JPG敢えてこういう場所を選んで産卵する理由とは何だろうか?

ふ化した幼虫たちが、餌であるヤナギハムシ幼虫がいる場所まで到達するには、

やたらと長い距離の道のりがある。可愛い子には旅をさせよう、という親心か?

ま、そんなわけは無いのだろうが、わざわざ枯れ枝の先っこに集中して産卵する

習性はたいへん興味深い。

ヤナギの葉では、セグロシャチホコの幼虫も見つかった。

セグロシャチホコ幼虫.JPGこの幼虫の姿も毒々しい。

ヤナギとは書いたが、何ヤナギかは確認できていない。ヤナギ類の判別は難しい。

それでも直感的にはヤナギの仲間だとわかる。




植木市で買ったクヌギ苗木の植え付けの続きをやる。今日は6本。

まだ8本残っている。少しは鉢植えも作っておこうかと思う。

ヒメウラナミジャノメが跳ねるように数匹、舞っていた。

下画面は隣の敷地。うちの敷地は左隅の斜面部分とずっと奥の方。

隣の土地にはコナラが多く植えられており、さらに右下段にはクリ林がある。

今は銀緑色の芽吹きが目にまぶしい。

芽吹き20110413.JPGさて、ずっと観察してきたクロヒカゲ幼虫が今朝のこと、脱皮して終令となっていた。

クロヒカゲ終令かお.jpg





養蜂

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初めて熊本市を訪れてみた。

阿蘇山にはよく通っているが、熊本市には行ったことがない。

ある仕事で風景を撮影することになったので、その撮影ポイントを巡ってみた。

あらかじめ地図とグーグルアースの衛星写真で下調べをしてポイントを

何箇所か絞っておいたが、実際に訪れるのはワクワクする。

3箇所目は高台にあったが、ナノハナが傾斜地に広がっていた。

田原ナノハナ畑.JPGナノハナ畑の中に植えられている木は、全部、イチョウだった。

春はアブラナの菜種油、秋はギンナン、を収穫できる。

車を止めて歩いてみれば、養蜂箱が置かれてあった。なるほど、蜂蜜の収穫もある。

養蜂箱.jpg他の場所のも合わせて40箱はあった。ちょうど昼過ぎころで、蜂箱の前では働き蜂が

ワンワンにぎやかに舞っていた。これを「まどい」とも呼んでいる。

さすがに箱の行列の前を進んでいく勇気はない。

まどい.jpg熊本市の北の端から南までロケハンと撮影をしながら移動した。

ほぼ一本道を南下し、枝道に入るのはわずかな距離だったが、ずいぶんと時間が掛かり

けっこう疲れてしまった。車の運転が長いのは堪える。

高速のサービスエリアで熊本みやげに、お菓子やら酒の肴やら朝ごはんのおかず、などと

いろいろ買い物をしてから帰った。





トビモンオオエダシャクの幼虫は先日ふ化したばかり。

その後の様子を、エノキ、サクラ、ヤシャブシの順番で見て回った。

みんな順調に葉っぱを食っているだろうか。

体長2ミリ程度と小さい幼虫にも関わらず、

丸く空いた食痕を手がかりに探すとすぐに見つかった。

さらに幼虫のほとんどは葉先や縁に直立した姿勢でいるので、よく目立つ。

皆元気にモリモリ葉っぱを食べているようだ。

トビモンオオエダシャク幼虫そのご.JPGふ化幼虫のすべてを野外の木に放したのだが、さすがに心配になって数匹を回収した。

片っ端から天敵にやられて消えてしまうことも有り得る。

さいごに覗いたヤシャブシの葉に小さな甲虫のシルエットが透けて見えた。

そっと枝ごと引き寄せてみれば、ベニホシハマキチョッキリだった。


左手で枝を支え右手でカメラを構えて撮影しようとしたが、チョッキリは上空へと飛んで

逃げてしまった。

EOSー7DにマクロEF100ミリISレンズという態勢では、片手撮影はかなりキツイ。

手間取っているうちにチョッキリの警戒心を惹き起こしてしまったのだろう。

どうやら隣のカエデの上部に着地したようなので、脚立を立てて探したり捕虫網で

スイーピングしたり、未練がましくチョッキリの姿を追ってみたが見つからなかった。

しかしどうーしても諦めきれない。こういうときは一旦身を退いて、待つのがいい。

3時間ほど経ってから再び、同じヤシャブシの梢を丁寧に探してみた。

一度訪れた場所ならきっとまた来るだろうと思えたからだ。

案の定、巻いた葉の中にじっと潜んでいるチョッキリがいてくれた。

ベニホシハマキチョッキリ2.JPGベニホシハマキチョッキリの体長は6ミリ程度。

小さいけれどこの美麗な姿には目も眩む。





3月10日に宮崎市で見つけたカギバガ科の幼虫だが、

昨夜のこと成虫が無事に羽化した。

図鑑で調べたところ、オオギンモンカギバ と判明。

本種はこれまでのところ餌植物(食樹)が不明とされていた※が、

イスノキの葉で幼虫が見つかり飼育羽化できたことから、

オオギンモンカギバの食樹の一つはイスノキであることがわかった。

田野産オオギンモンカギバ.JPG※ オオギンモンカギバの食草については、昨年すでに解明されて発表されている、

との御指摘をいただいた。まだその記載記事を確認できていないが、

少なくとも下線箇所は誤りであった。

ここに訂正して、御指摘をいただいた方にお礼申し上げます。






春のチョウとガ

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ツマキチョウ♀吸蜜.JPG
ツマキチョウの姿が多くなった。とりわけムラサキケマンの花を好んで訪れる。写真はメス。

アオスジアゲハ春一番.JPGウシハコベで吸蜜するアオスジアゲハ。ナズナ、オオイヌノフグリを訪れたあと

グミの花で長いこと吸蜜していた。グミの花にはナミアゲハもやって来た。

ナミアゲハぐみ吸蜜.JPGグミの花数は物凄く多いが、ミツバチの姿が全くない。ハチで来ていたのはクマバチが

一匹のみ。

今日はずっと家の周辺を歩いていた。火山灰の影響も無いとは言えないだろうが、

春の虫はどんどん増えてきた。コアオハナムグリ、クロボシツツハムシ、トビサルハムシ、

ムナキツツハムシ、、、甲虫類の顔ぶれもにぎわってきた。




ふ化ラッシュ

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今朝は松山で採集したトビモンオオエダシャクの卵が一斉にふ化した。

トビモンオオエダシャクふ化幼虫.jpgふ化幼虫の体長はせいぜい2ミリ程度。それでもしっかりと尺取歩きをしている。

物凄い数なので、庭のサクラ、ヤシャブシ、エノキ、と3本の木に振り分けて放飼することに

した。数は多いけれど、終令まで育つのはごくわずかだろうとは思う。

ヤママユのふ化も続いているが、その幼虫たちが落ち着いている梢には

セグロアシナガバチが来ていた。

セグロアシナガバチ.JPGいやだからといって心配することもないだろう。

今の時期のアシナガバチは、皆女王バチだ。

彼女らはまだ巣を作っていない。子育てはまだ先の話だ。

したがって彼女らの餌は主に、花蜜であろうかと思う。

ヤママユ幼虫などイモムシ類を肉団子にすることは、まだないかと思われる。


 下線の箇所については私の認識不足でした。

巣作りはまだ先のことでも、女王は卵巣を発達させるための栄養が必要で、

そのためにもイモムシ類をよく狩る、ということです。

歯切れの悪い表現をしたのは憶測が混じっていたからですね。

ですから、ヤママユの幼虫にとってアシナガバチはやはり脅威であり、

「心配することもないだろう」とは言えません。とんでもない話です。

もっとも敢えてふ化幼虫を放ったのはどんな天敵がやって来るかを観察するためでした。

これからはアシナガチの行動を丁寧に見ておく必要があります。

今回、私の誤解を指摘くださった方に、ここに訂正してお礼を申し上げます。







芽吹きと昆虫

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昨日はウスタビガのふ化を紹介したが、じつは同じタイミングでヤママユのふ化も

始まっている。

ヤママユふ化幼虫0408.JPG写真のヤママユ幼虫はふ化して3日目。コナラの若葉には幼虫が齧った痕が見える。

葉っぱを食べて肥えたぶん体毛の間隔が広くなってイモムシっぽくなる。

ふ化直後はウスタビガ同様、毛虫の姿をしている。

庭の片隅にあるアカメガシワの枝をヤママユのふ化幼虫が数匹歩いていた。

アレッ?と不思議に思ったが、どうやら母蛾が誤産卵をしたようだ。卵殻がかたまって

着いていた。そのままではふ化幼虫たちは餌にありつけず飢えて死んでしまう。

さっそく筆を使ってコナラの芽吹きへと移住させた。


クリの芽吹きも始まった。それに伴いクリオオアブラムシのふ化幼虫たちが新梢へと

群れで移動している。

クリオオアブラムシ0408.JPGメダケのクロヒカゲ幼虫はモリモリ葉っぱを食べる日々を送り、体が肥えてきた。

人間と違って肥えるのは体だけで、頭部は脱皮するまで大きさが変わらない。

頭でっかちだった体型からこんどはどこに頭があるの?という姿になる。

今朝は葉っぱを食べ過ぎたせいで、顔が覗いて見えていた。

クロヒカゲ0408顔.JPG








一生懸命、冬の間に探したつもりだったが、見落としがあった。

見落としがあったに違いない、とは心の隅で感じていたが、それが適中した。

ウスタビガの越冬卵を見つけることができなかったのだ。しかし、、、、

うちの林のすぐ隣にあるコナラ小木で、ウスタビガのふ化幼虫が5匹見つかった。

コナラの芽吹きと絶妙なタイミングでふ化している。

ウスタビガふ化幼虫.JPG幼虫の様子から今日の午前中から正午過ぎ辺りにふ化したのは、間違いない。

このコナラ小木では去年の秋にウスタビガのメスが繭から羽化しており、

そのメスが卵を残していったのではないか、そう思ってしつこく卵を探したのであった。

メスの羽化予定日には東京に出張中で、成虫の姿を見ることができなかった。

羽化したメスのもとにオスが飛来し、交尾が成立したことは想像するまでもない。

ふ化幼虫がいるからには必ず卵が近くにあるわけで、さっそく覗き込んでみれば、あった。

写真下の矢印先。遠目には幹のコブに見えてうま~く溶け込んでいる。

ウスタビガ卵殻.jpgウスタビガはヤママユガ科の仲間だが、私はこの仲間には特別思い入れが強い。

それは私の処女出版が『ヤママユガ観察事典』(偕成社)でもあるからだ。

前にも書いたかもしれないが、『ヤママユガ観察事典』の企画は私の意志ではなく、

出版社側からの要望であり、私が最初に持ち込んだ企画はウスタビガの本であった。

しかし、昆虫の中で名が通っているのはヤママユであり、野蚕飼育という点でも

人との関わりがあるヤママユを主人公に本を作るべし、というのが順序としても

納得できる話ではあった。当時、私はウスタビガの魅力にあまりにも囚われていたため、

そういう冷静な判断ができなかったが、編集者の方から諭されてすぐにヤママユの取材、

撮影を主力に出直す決心をしたのであった。本作りとは何か?私にはその思考が

足りなかったのだろう。

もちろんヤママユの撮影もそれまでにかなり行っていたのだが、本にまとめるとなると

あまりにも内容が貧弱すぎた。そこで一年間をかけて、ヤママユに絞り込んで撮影を

一から行ったのである。ちょうど長男が産まれて、子育てにも忙しくなった時期だ。

ヤママユガ科へのこだわりから、蛾全般への興味もさらに拡がったと思う。

さて、夕方、犬の散歩のおり、スジモンヒトリに出会った。

スジモンヒトリ.JPG「やあ~!!」  思わず声を掛けたくなる。


先日から桜島の撮影に来てた武田晋一さんが、わざわざ私の家まで寄って下さった。

三股駅の「よかもんや」で昼食を一緒にとった。サバ煮定食が500円。

武田さんが今年の3月に出された『水と地球の研究ノート(全5巻)』(偕成社)。

このシリーズは構成が素晴らしく、もちろん写真も優れているが、

写真本を前面に出すことなく、写真は控え目にして読者が水をキーワードに自然現象を

理解できるように懇切丁寧にまとめられている。

私の感想をここで書くよりか、武田さんご本人が御自身のブログで本の制作について

熱く語られているので、そちらを読んでいただくのが良いだろうと思う。



クモの卵のう

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病院という所はあまり行きたくないものだと以前は思っていたが、

2年前から嫌でも定期的に通う身になってみると、さほど嫌でもなくなってきた。

検査は半年ごとだから年に2回だけ。

とはいえ、2時間半も病院に拘束される。ので、ひたすら読書に耽る。

病院を出てから長男の学生服(高校に入学で新調)を受け取って戻れば、もう昼だった。

昼食後、ナガコガネグモの卵のうを探し歩いた。

ナガコガネグモ卵のう.JPG日当りの良い林縁の藪で5個ほど見つかった。中にはまだ子グモたちが出嚢の日

を待っていた。ナガコガネグモの卵のうを支えていた植物の葉や茎は長い冬の間に

枯れて萎れてしまう。ので、卵のうがむき出しになって目立つか、逆にボロボロの

枯れ葉に紛れて目立たないか、いろいろである。

目が馴れてくると狭い範囲で次々と見つかる。

ついでに見つかったクモの卵のうは、センショウグモのものだろうか。たいへん小さい。

クモの卵のう.JPGナガコガネグモ卵のう探しで、アマガエルの姿もあった。

アマガエル.JPG鮮やかな緑色が目を惹く。折りたたんだ4本の足が体にピタリと密着している。

体のシルエットの凹凸をできるだけ無くし、達磨さん型の体型になろうとする生き物は

昆虫にも多い。

このアマガエル、じっとして葉っぱに成りきろうとしているのだろう、と想像したい。



今日は敷地内で掃き集めた火山灰を町指定の集積場所まで運んだ。

火山灰は2月27日にドカ灰が降ってからのものだから、かなりの量があった。

一袋5キロ程度のビニール詰めが全部で200個以上。

02P4050001.jpg草地の庭などまだまだ火山灰は残っているが、それらはまた少しづつ掃き集める予定。

今回はビニール袋を使ったがこれは集積場所で破って中身を出す手間が掛かった。

次回からは土嚢袋を使おうと思う。土嚢袋なら繰り返し使えるし、中身を出すのも簡単。

そのまま置いておけば、土嚢として役立つこともあるだろう。

集積場所まで3往復したが、高台にあってその辺りには茶畑が多い。

01P4050005.jpg軽トラは以前から欲しかったが、やはりこれは田舎暮らしにはうってつけの車だと思う。

軽トラならどこに駐車していても怪しまれる心配もいらない。

仕事をする上で、これはけっこう大事なポイントとなる。

高価なRV車などはカッコいいかもしれないが、田舎では警戒されるものだ。

乗用車とは別個に、軽トラの中古を探してみるのもいいかもしれない。





ツマキチョウ

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昨夜は発熱も頭痛も治まり、今朝はすっきりと目覚めた。

ツマキチョウのオスが庭を飛んでいたので、しばらく追跡してみた。

うちの斜面林を駆け下りたり、駆け登ったり。

ゆっくり舞うツマキチョウでも少し距離をおいて尾行するのはたいへん。

20分程度の飛翔の間、一度も吸蜜せず、モンシロチョウやスジグロシロチョウを

追いかけたり、逆に追われたりしていた。最後はスジグロシロチョウに追い立てられ、

一気に舞い上がって姿を見失ってしまった。

ツマキチョウ.JPG毎年、樹液をたくさん出すハルニレの芽吹きも賑やかになった。

ハルニレ芽吹き.JPGベニシジミはすでに翅の痛んだ個体もチラホラ見かけるようになった。

ベニシジミぼろ.JPG先日、右腕の不調があってストロボをポロリと落としたりしたが、

これは数日前にボウリングをして腕および指関節などを痛めたのが原因と思われる。

ボウリングをやった当日は何ともなかったが、3、4日してから右腕が痛み出した。

時間差があったので最初はボウリングのことに思いが至らなかった。

腕の痺れや物を落っことすなどの症状は、脳梗塞の疑いもあるので一瞬不安になった。

そういう心配もときにはしておく必要があるだろう。

ボーリングは20歳代の頃に2回きりしかやったことがないが、子ども会の催しに

嫁さんから出るように命令されたので、仕方無くやった。






NPO法人「こじいの森・こどもの時間」主催の観察会があった。

今回の場所は宮崎市、加江田渓谷。

片道約2キロのコースを往復したが、曇っていて気温が低めだった。

WW030723.jpg上の写真は広河原休憩所で昼食中。この場所ではカジカガエルの卵や

ヘビトンボの幼虫、アメンボ類の観察ができた。

気温が低いこともあって活動する昆虫はほとんど見かけない。

コース入り口近くにミヤコグサが咲いていた。

WW030012.jpg集合は午前10時。私は早めに着いたので見つけた虫を撮影して待った。

トラフコメツキは春早くから活動し、よく飛んでいる。

XA034504.jpg気温は低い中、オオスズメバチ女王が飛んでいたり、コマルハナバチがソメイヨシノで

吸蜜していた。

観察会が始まる直前、小雨が降りだしたかと思えば、これがパウダー状の降灰だった。

今朝、またもや新燃岳が噴火したそうだ。噴煙は3000メートルまで上がったようだ。

観察会を終えて解散するころ、急に頭痛がしてきた。寒気がする。

おみやげに和菓子の「日高」で「なんじゃこら大福」と「なんじゃこらシュー」を

買って帰るも、頭痛がどんどんひどくなって、家に戻るとそのまま毛布を被って横になった。

熱が出てきてゾクゾクするのは、どうやら風邪のようだ。

しかし、風邪で熱出すのはじつに8年ぶりのこと。

熱い緑茶をすすり、「なんじゃこら大福」を食べてしばらく横になっていたら、

熱は下がったようで、かなり楽になった。

昨日、灰の除去作業をマスクしないで行ったのが、いけなかったと思う。

喉が痛くなったのは言うまでもない。作業につい夢中になり、息苦しいからとマスクを

しないのは体に良くない。次回からは気をつけたい。

横になっているうちに図書館から借りた映画DVD「シザーハンズ」を観た。

この映画は20年前に石垣島のホテルで嫁さんと観たことがある。

人造人間エドワードの悲しい物語だ。舞台となった住宅地は本物ということだが、

明るいだけでなんとも無味乾燥な家が並ぶ不気味な光景だ。

嫁さんが図書館から借りてきたのだが、涙、涙、、、、で観ていたようだ。





菜亀

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ヒメナガメ.JPGヒメナガメ(上写真)とナガメ(下写真)は、うちの近所ではほぼ同じ割合で見られる。

ナガメ.JPG今朝、庭にやって来たチョウは、ツマキチョウ♂、ミヤマカラスアゲハ、

そしてナミアゲハ。ボケの花はもう終わりかけているが、さかんに吸蜜していた。

ナミアゲハとボケ.JPG

コミミズク幼虫の羽化には間に合わなかった。どうやら今朝、羽化したのは間違いない。

新成虫の姿はまだ初々しい。

コミミズク新成虫.jpgわが家の敷地内に積もった火山灰は、その一部をビニール袋に詰めてきたが、

いよいよ来週には集積場所まで運ぶことになった。

知り合いの方から軽トラを借りることにしたからで、やはりこれがないと話にならない。

これまで役場からは全く回収に来てくれないので、自力で運搬するしかない。

運び出しの日程が決まったので、やり残していた庭の火山灰の回収作業もやった。

草地に積もった灰はブラシを使って丁寧に回収するしかない。これはかなり厄介だ。

掃いても掃いても火山灰の層は無くならず、厚く積もっているのがよくわかる。

搬出の日までにあとどのくらい回収できるかだが、やれるだけビニール詰めしておきたい。

灰を詰めたビニール袋はすでに100個を超えている。




都城市に隣接する鹿児島県、曽於市に出かけてみた。

雑事を片付けていて家を出るのが遅くなったので、

ムカシトンボの発生状況だけでも見ておくつもりだった。

昨年の大雨で土砂崩れや陥没の被害が各地に多く、今日出かけた渓流も

つい先日まで復旧工事のため通行止めになっていた。まだ、工事の片付け作業が

一ヶ月ほど掛かると役場からは聞いていた。

なるほど現場に到着してみると、避難壕がまだ残っていた。

復旧工事の作業は危険も伴う。こういう避難壕も設置しておく必要があるようだ。

避難壕.JPG川床もだいぶ荒れていたので、ムカシトンボのヤゴも影響を受けたかもしれない。

昨年、羽化ポイントとして目をつけた同じ場所でヤゴの羽化殻を探してみることにした。

すると5分も経ないうちにヤツデの幹で定位しているヤゴがいた。

午前10時38分。

ヤゴ定位.JPGまるで死んでいるかのように固まっている。

死んでいる可能性も考えて他の場所の探索を続けたが、ようやく羽化殻を一個発見。

まだ羽化時期に入ったばかりなのか、それともヤゴそのものが少ないのか、

何とも判断のつけようがない。

最初に見つけたヤゴの定位していた場所は、昨年の3月に羽化個体を撮影した地点から

15メートルしか離れていない。

午前11時09分、ムカシトンボの羽化が始まった。

殻が割れる瞬間は見落としたが、ほぼ羽化の最初から立ち会うことができた。

ムカシトンボの羽化時刻としては遅い方ではないだろうか。

ムカシトンボ羽化4.JPG日が高いので森の天井から陽射しがこぼれてくる。

ムカシトンボ羽化1.JPG羽化がほぼ完了したのは、午後2時過ぎ。

今日は昼食を食べ損ねた。しかしこれで明日に予定していた羽化撮影はしなくて済む。

ムカシトンボの発生状況をもう少し見ておきたいところだが、他の仕事がある。

水没ストロボ.JPGさて、ムカシトンボの羽化撮影中、手に持ったストロボをツルンと滑らせてしまい、

落っことしてしまった。落ちていく過程がまるでスローモーションのように目に焼きついた。

ストロボは見事に川の中に水没。それでも電源のパイロットランプは点灯したままだった。

回路は活きているのだろう。

川まで降りて行ってストロボを回収し、電池を抜いてから水をできる限り振り切ってから

日当りのいい石の上で乾かした。

水は本体内部まで侵入していると思われるので、完全に乾燥させるため解体しようと

したが、ネジ頭が特殊な星型でそのサイズに会うドライバーが手元にない。

電源は入るが連続発光したりして正常に作動しなくなった。

水没したストロボはオリンパスFL-36R。

今回、撮影そのものには支障がなかったので幸いだった。

どうも先日から右腕が少し痛む。それでか、ちょっとした物を掴んだおり、ポロリと

落とすことが今朝も2回あった。水没事故も右手の調子が悪いせいだろうと思う。