ヒラズゲンセイ、ふたたび

| | トラックバック(0)
今朝、ヒラズゲンセイの卵がふ化し始めた。

先日、保育園の桃の木でクマバチの巣を見つけ、それを割り開いてみたら、

トンネルの両端にヒラズゲンセイの疑蛹部屋があったことを書いた。

じつはその疑蛹部屋の一つには、ヒラズゲンセイの卵塊が詰まっていたのである。

L1279998.jpg写真はふ化が近づいた卵群で、卵の数は数百以上はあるだろう。

さて、ふ化した幼虫はたいへん活発に歩き回る。

ヒラズゲンセイ1令幼虫.jpgこうした三爪幼虫(triungulin)を見るのは数年前にヒメカマキリモドキのふ化幼虫を

観察して以来のこと。

ヒラズゲンセイの生態については、手持ちの文献を読み直し、整理しているところだが、

読み返す程に、私の勘違いや記憶の曖昧だったことなどが明らかになってきた。

過去の観察記録などを統合し、整理してみると、推測を交えながらヒラズゲンセイの

生活史の全容がぼんやりながら浮かび上がってくる。

ふ化幼虫がクマバチに乗り移るのは今年の夏の間であろうかと想像するが、

産卵されていたクマバチの巣は2年前に作られた古巣と考えられる。

この古巣を夜間、および越冬期の休息場所として今年生まれのクマバチ新成虫が

使うなら、寄主への乗り移りも可能となるはずだ。

しかし、今回卵を発見できたクマバチの巣は私が幹ごと回収し割り開いてしまった。

知らなかったこととは言え、これでヒラズゲンセイの次なる繁殖を私の手で断ってしまった

ことになる。


今日は午前中は動けず、午後から都城市のヒラズゲンセイ発見地へと赴き、

その周辺をしつこく探索してみた。が、クマバチの古巣がいくつか見つかっただけ。

今日の探索をもってとりあえずヒラズゲンセイの調査から一旦離れることにした。

機会あればアンテナは張っておくが、他にせねばならない観察、撮影が控えている。

« クマバチの巣       梅雨明け »