2011年10月アーカイブ


昨日、紹介した オオシロカラカサタケ幼菌。

今朝には大きな傘を開いていた。

オオシロカラカサタケ朝2.JPG
オオシロカラカサタケ朝1.JPG
傘を上から見ると、乳房みたいだ。Eカップ?いやブラジャーのサイズのことはよく知らない

のだけど。           

このキノコの撮影をしていたら散歩途中のおばちゃんに、

「大きなキノコやけど、なんというの?」と聞かれた。

「へえ~!?はじめてみたあ、めずらしいなあ~」とえらく感心なさっていた。

しかし、オオシロカラカサタケはこの辺りではそれほど珍しくはない。

おそらく私がカメラを向けていた姿に惹かれて興味をいだいたのであり、

目に触れる場所にあっても、目に入っていても、それまでは無関心であったに過ぎない

のではなかったろうか。カメラを構えるけったいなおっさんがいた、

それがきっかけになったということだろう。

こういうことは日常生活のなかではいくらでもあることだろう。

興味を最初から抱いてなければ、例えば虫のことを知りたいなどと常に思っていなければ、

いくら毎日目にしていても、虫は存在しない、という認識に留まってしまうようなことだろう。

私にしても、もっと植物のことを知りたいとあがいていれば、もう少し植物の姿形の

違いに敏感になれるはずであろうし、実際、身近な場所で知らないままに終わっている

植物種が山ほどあるに違いない。

午後5時過ぎ。犬の散歩のときにふたたびオオシロカラカサタケを覗いてみた。

明日の朝にはどういう姿になっているだろうか。

オオシロカラカサタケ夕方.JPG


ここ数日で一気にツワブキの花茎が伸び上がってきた。

ツワブキ花蕾.JPGすぐ近くの畑では、オオシロカラカサタケの幼菌が伸び初めていた。

オオシロカラカサタケ幼菌.JPGこういったキノコ類はすぐに蹴散らされてしまうことがほとんどだ。

食用にならないキノコが邪魔者扱いされるのはじつに悲しい。

せめてこの幼菌が傘を開くまでそっとしておいてほしいと思う。

さて、ずっと観察してきたヤママユの繭だが、6個ある繭全部がまだ羽化していない。

11月に入ってからもメスを見たことがあるがやはりこの時期になっても羽化しないのは

何かあると考えるべきだろう。そこで繭の一つを割り開いてみた。

ヤママユまゆ断面.JPG
中の蛹はオスであったが、腹部を元気にくねらせるので死んではいない。
ヤママユ蛹.JPGしかし、成虫の体が蛹の内部で成長しているようにも見えない。

生きてはいるが体内には寄生バチの幼虫が入っている可能性もあるだろう。

じつは5月だったと思うが、ヤママユ幼虫が育っていたクヌギの梢でコンボウアメバチの

メスを見ている。そのときは寄生産卵を撮影できるのではと、しつこく追い回したのだが

産卵行動は観察できなかった。できなかったけれど、すでに産卵を終えていたかもしれない。

というわけで、6個の繭はこのまま冬を越すのではないかと思われる。

コンボウアメバチの幼虫はある時点で一気に蛹の内部を食い尽くすのだが、

そのタイミングはけっこう先になると思う。

寄生バチ幼虫はヤママユ蛹が成長を止めるような何らかの作用を及ぼしているのだろう。

まあしかし奇跡的にも蛹が羽化するようなことがあれば、この記事もまた訂正せねばなら

ないので、断言はできない。






玄関前に並べた飼育ケース。置き場所がないのでとりあえずここに置いてある。

寒い夜は全部を玄関内に移動させる。

WW293100.jpgこの飼育ケースは主にバッタ類のために工夫したもの。二段式になっているのは、

土の中に卵を産むバッタを飼っているからである。

飼育ケース説明.jpg餌はイネ科植物を水差しにしている。

水差し容器はミニペットボトルや焼酎ワンカップを利用。

この組み合わせには穴あけ作業が必要だが、飼育ケース本体はスチロール樹脂で

できている。スチロール樹脂は割れやすいので工作を施す際には注意が必要。

大きな穴開け作業には、ホールソーが便利。

ホールソー.jpg写真のホールソーは、穴あけサイズが25、32、38、44、51、57、63、ミリと選択可能。

これ考えついた人は偉いなあ、と思う。この商品、いまどき珍しくMADE IN JAPAN。

木工用で廉価だが、薄いスチロール樹脂の穴あけ作業をするぶんには十分使える。

ただし軸ドリルはスチロール樹脂に食いつきが悪いので、あらかじめ径の小さいドリル穴

をあけておく必要がある。四角い大穴は、ルーターを使う。ルーターは細々とした工作には

必須の道具だが、あまり廉価なものはすぐにモーターが焼け付いてしまう。



サツマゴキブリ

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サツマゴキブリを初めて見たのは20年前で、場所は東京都、八丈島であった。

八丈島空港の駐車場に一歩踏み出した路上に死骸がころがっていたのが最初。

そのあと八丈島のあちこちを巡るたびに出会うサツマゴキブリに新鮮な感動を覚えたのも

懐かしい。

さて、今日は雨の中、宮崎市の海岸林に行ってみた。雨ではあったが明るい時刻に

下見だけでもしておきたかった。

一旦うちに戻って、午後6時過ぎ、ふたたび同じ海岸林を訪れてみた。

アカマツやナツグミ、アカメガシワなどの防風林の中を歩いてみた。

久しぶりにサツマゴキブリを見る。昼間は物陰に潜んでいて姿を見ることは無いが、

夜にはあちこちで活動していた。

サツマゴキブリ海岸林.JPG
サツマゴキブリ2.JPG今夜はサツマゴキブリを見に行ったわけではない。

目的は別にあったのだが、いづれ紹介したいと思う。

これまで海岸林を訪れたのはオオテントウの撮影くらいだったが、今後はもう少し

こういった環境にも足を運んでみたいものだ。




土だけ

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歩いて1分掛かるだろうか。うちからすぐそこの場所ではあるが、

ここを訪れるのは犬の散歩でたまに気が向いたときだけ。

きちんと回りの草刈が施され、畑はいつも耕されている。

年中土だけ.jpg黒土の畑。しかしこれまでの4年間、一度も作物が植えられたことはない。

雑草すら生えたことがなく、土だけが黒々と横たわっている。

つまり定期的に耕されているのであるが、その作業を一度も目撃したことがないので、

なおさら不思議に感じる場所でもある。

耕作放棄が全国的に増え続けているなか、ここは作物栽培をしないにもかかわらず

つねに耕されている。この労力とは一体なんだろう?

チカラシバ朝露.jpg黒土の畑の傍らにはチカラシバの穂が朝露に白く輝いていた。

順光で見るぶんには何てこともないのだが、逆の位置から見ると風景が一変する。

夕方の犬の散歩道。

足元から飛び出すタイワンクツワムシを摘んでは腹部を仔細に見てみる。

タイワンクツワ摘む.JPG
なんでかというと、クツワムシネジレバネを期待してのことだが、

はたしてこの時期でいいのかどうか?




一昨日見つけたスミナガシの前蛹は、今朝には脱皮して蛹になっていた。

その後のすスミナガシ蛹.JPG撮影したのは午前10時だが、蛹の様子から推測すると蛹化時刻は午前9時過ぎだと

思える。

もう一つ上にある前蛹も蛹になっていて、そちらはしっかりと色付いていた。

ここの奥にあるツチトリモチのポイントに行ってみた。昨年、見つけた狭い場所だが

照葉樹林の薄暗い林床で密度が濃いのである。

ポイントに踏み込む直前、目の前のカシ(樹種を確認できなかった)にシロスジカミキリの

ものと思われる産卵痕があった。その窪みにヒラタクワガタのメスが見えた。

ヒラタのメスがいて.JPGほう、ヒラタクワガタのメスが樹液に来ていたかと、近づいてみれば、

奥から、大アゴの小さなオスが現れた。

ヒラタクワガタのペア秋.JPGオスはやたらと神経質ですぐに奥へと引き返して穴倉に潜り込んでしまった。

上米公園から場所を替えて、沖水川の河川敷きへ。

トノサマバッタが産卵していた。

産卵するトノサマバッタ.JPG地面を覆っているのは新燃岳の噴火による火山灰で、そこにわずか桜島の火山灰が

ブレンドされている。したがって柔らかい砂地。結局この場所では産卵せすに次々と

場所替えして落ち着き無かった。

一方こちらではオスがとんでもない抱きつきをして、メスは迷惑だろうと思う。

こまったさん1.JPGオスをおんぶしたメスはたいへん無防備で、逃げようとしても得意のジャンプも

飛翔もやりづらい。とくにこの態勢ではバランスがとりづらいだろう。
















先日、12日に紹介したゴマダラチョウの幼虫71匹。

用事があって近くを通ったのでちょっと覗いてみた。

小さなエノキの葉っぱはさらに落ちて、残っている葉はわずか。

それでも葉っぱ一枚に一匹、というナワバリ根性?が強いためか、一枚に複数個体が

寄り添うなどということは決してない。まさに住居不足の状態。

葉っぱにのっかれない幼虫はあちこちの枝で休んでいた。

ごまだら1.JPGまだ3令の幼虫も2匹残っていた↓

3令幼虫ごまだら.JPG今日、あらためて幼虫の数を数えてみたら60匹前後であった。少し減っているが

それも当然のことだろう。

これだけ密度が濃いと寄生率も高くなるだろうと思う。

それでよく見みると、ほとんどの幼虫の体表面には寄生バエの卵が

産み付けられていた。

寄生されたゴマダラ.JPGいづれ地上に降りるときが来ても、公園の花壇でもあり落ち葉がたんまり残されるとは

考えにくい。越冬場所に潜り込めず、命を落とす者も出てくるだろう。

万一、越冬できたとしても寄生バエに冒されている可能性も高い。




三股町、上米公園。去年、越冬蛹がついていた場所からわずか30センチほど離れた

枝にスミナガシの蛹が見つかった。

スミナガシ越冬蛹201110.JPGこの蛹はほぼ私の目線の高さにある。ここから下へ1メートルほど下った位置で

前蛹が一つ、さらに45センチ下った地面に近い場所にも前蛹が一つ、見つかった。

下画面左寄りに頭を下にしてぶらさがった前蛹がわかるだろうか。

スミナガシ前蛹2011.JPG前蛹は振動を感じると体を折り曲げしきりと頭を左右に振っていた。

前蛹顔.JPG今日はスミナガシの蛹を探そうと予定していたわけではなく、いつもの場所を

覗いてみただけのことだった。スミナガシの蛹は高い場所にもつくのだろうが、

これまで私が見つけた場所はせいぜい目線より少し上かほとんどが地上から1メートル

以内の低い位置ばかりである。

公園の奥では森林組合が入ってスギの伐採工事が行われ、運び出しが進んでいた。

これまで暗かった林が急に明るくなっていたし、材の運び出しのために遊歩道の

幅が拡張されている箇所がおおきくうねっていた。

スギを切ったあとはどうするつもりなのだろうか?

暖かい陽射しを受けてキチョウやツマグロキチョウが低く舞っていた。

ツマグロキチョウはとくにはばたき方もゆっくりしており、止まる場所を探しながら

フラフラと飛翔している。

草のあいだをすり抜けるようにしては草陰でときどき休んでいた。

ツマグロキチョウ休息.JPG


秋晴れの日曜日。都城市立東公園で自然観察会を開催した。

ここの公園は二本の川の合流地点を取り囲むように整備されている。

芝生広場が主体となっているが、もっと林を残していればと残念でならない。

都城市東公園.jpg今日は学校の行事と重なってしまい参加者は少なかったが、2時間があっという間に

過ぎてしまった。野外観察をすると時間が経つのが速く感じられる。

ケヤキの幹ではペタリと貼りついた ウスミドリナミシャク がけっこう見つかる。

そのうちの一匹が ヨコヅナサシガメ幼虫 に吸血されていた。

ウスミドリナミシャクVSヨコヅナサシガメ.jpgウスミドリナミシャクは平然としているように見えたが、このあと急に暴れだした。

サシガメの毒が効いてきたのだろう。


任天堂の『花といきもの立体図鑑』 のソフトが昨日届いた。

草花 約1300種、生き物 約700種の立体図鑑だ。

私も昆虫写真を少しだけ提供している。

うちの次男がニンテンドーDS Lite を持っているので2Dでなら見れるかもと思ったが、

カードの形状、大きさも違うのでハード機器に装填することもできない。

やはり新型のニンテンドー3DSでないと閲覧できないわけだ。

次男との会話を横で聞いていた嫁さんが、急に怒りだした。

「立体図鑑を見るためにという口実で3DSを買って、なんて駄目なんだからね!!」

ゲームアレルギーの嫁さんがキイーキイー言うので、せっかくの3DS立体図鑑は

当分の間、見えない場所に隠しておくことにした。



うちの林のクヌギ。

クヌギ樹液の多い.JPGこのクヌギは夏の間、樹液を良く出していた。私の目線の高さから上は7メートル辺りまで

樹液の沁み出す場所は10箇所以上はあっただろうか。

したがって集まってくる昆虫も木全体に分散してしまい、ほとんど写真にはならなかった。

前にも書いたがそれとここへはまったくスズメバチ類が来ていない。

樹液酒場のにぎわいとしては、どこか寂しいものがあった。

今、このクヌギはまだ樹液を出している。主に一箇所だが、クロコノマやクロヒカゲ、

そしてコクワガタ、ヨツボシケシキスイ、フクラスズメなどが来ている。

樹液に集まる虫をねらってハラビロカマキリもまだ頑張っている。

さて、昨夜も樹液を覗いてみた(午後8時半~10時)。

するとヒメクダマキモドキが産卵に訪れている姿が

けっこう多かった。このクヌギ以外にもどうやらクヌギ限定のようだが、クヌギであれば

たいていは3~4匹のヒメクダマキモドキがゆっくりと幹を昇り降りしていた。

ヒメクダマキモドキ産卵2.JPGまず口器で樹皮の割れ目あたりを探り、産卵場所を確認すると産卵管を突き刺す。

ヒメクダマキモドキ産卵1.JPG硬そうな樹皮だが、うまく隙間を見つけるのだろう。産み込まれる卵は薄っぺらい。

冬の樹皮めくりでよく見つかる卵が本種のものだと思う。

樹液近くで待ち伏せしていたハラビロカマキリにとって、動きの緩慢なヒメクダマキモドキは

絶好の獲物だった。

ハラビロひめくだまき喰う.JPG




先月あたりから、桜島の噴火に伴う空振や爆発音が頻発している。

爆発音がうちまでもしっかりと聞こえてくるのだが、

今朝は車が降灰で真っ白になっていた。

さくら島降灰.JPG火山灰は水をぶっかけた程度では落ちない。

しっかりと吸着しているので、雑巾掛けしないと綺麗にならないから厄介だ。

嫁さんのアルトと写真のノート2台を洗車したらずいぶんと時間がかかった。


先日、うちの林でシンジュサンの終令幼虫を3匹見つけた。

ついてた木は以前からセンダンだろうと思っていたのだが、それは誤認であったようだ。

そもそもシンジュサン幼虫がセンダンの葉を食うはずがない。

そこでよくよく木を見直してみたら、ニガキであることがわかった。

このニガキはヒョロヒョロした小木で樹の特徴がわかりづらいこともあった。

これがニガキではなく、キハダだったら喜んでいたところだが。

シンジュサンにがき1.JPGチョウやガはその生活史が比較的よく調べられているので、どの種類がどういった

木や草を食べるかはだいたいわかっている。なのでイモムシを見つけ、そのイモムシの

正体が判明できたなら、イモムシのついていた植物の種類もおよそ検討がつく。

私などはそうやって少しづつ植物のことを覚えてきたが、虫よりか植物のほうに

興味を覚えることもある。

シンジュサンはニガキ以外では、クロガネモチやシンジュノキ(ニワウルシ)、クスノキ

などを食樹とするが、とくに10月の今頃は幼虫が大発生する場合も珍しくない。

そういうときは木が丸坊主になるほど暴食されることもある。

同じヤママユガ科のクスサンでも同じ現象がよく観察されるが、

ウスタビガやヤママユ、オオミズアオなどではそういう大発生の現象はまず無い。


林の観察路をはずれて歩いてみたら、オオカマキリの死骸 を見つけた。

タラノキの棘に引っ掛かっていた。

最初はモズのはやにえかと思ったが、そうでもないかもしれない。

オオカマキリはやにえ病菌.JPG反対側から見れば、棘に翅が突き刺さっていた。

オオカマキリはやにえ11-10-221291.JPG病菌に冒されて死んだオオカマキリがなんらかの拍子に落下して棘に引っ掛かったのか?



テレビ番組の案内ハガキをいただいた。

NHK案内はがき表.jpgアリスイという鳥は、モズの撮影をしていたころ何度か見たことがあるが、

あの長い舌はとても印象的だった。

NHK案内はがき裏.jpg




午後5時過ぎ、犬の散歩中に足元から飛び出したのは、

トノサマバッタ をおんぶした タイワンクツワムシ だった。

トノサマバッタの片想い.JPGバッタ釣りでは黒い木片にも抱きつくトノサマバッタである。

タイワンクツワムシのメスなら木片よりかはリアルな恋相手に見えたことだろう。

トノサマバッタは真剣なのだろうが、不釣合いな姿はユーモラスでもある。


ところで、朝日新聞出版 『月刊 ジュニアエラ 11月号』 が発売中。

ジュニアエラ11月号表紙.jpg「昆虫バンザイ」という連載記事を私が書いており、今月で7回目となった。

どこかで見かけたら是非、読んでいただきたい。

親子で読める!とあるように大人でも十分、楽しめる内容盛りだくさんである。



アケボノソウ

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アケボノソウ を見たくなって、鰐塚山に行ってみた。

レモンエゴマの花も見ておきたかったが、草刈が入ったあとで跡形も無かった。

アケボノソウ.JPGまだ咲き始めたばかりだろうか。蕾も多く花のにぎやかさはもう少し先になるようだ。

花にはいろいろな虫が来ていた。

アケボノソウとアリ.JPG黄色い模様は蜜腺でここを舐めているうちに受粉するという仕組みらしい。

アリはクロヤマアリかハヤシクロヤマアリ※、のどちらかだろう。

※ 写真のアリはハヤシクロヤマアリ、というご指摘をいただきました。
ここにお礼申し上げます。体のつやと脚の色でハヤシクロヤマリと判別できるそうです。

他にはツチバチ類のオスやアカアシカスミカメムシもけっこう来ていた。

林道の脇で久しぶりに、 イシサワオニグモ に出会えた。

イシサワオノグモ.JPG前に見たのは宮城県の里山で、8年も昔のことだ。

帰り際、路上にオオカマキリ がいた。

車に轢かれてせんべいになったものも多いが、見た目にはボオ~ッと佇んでいる

ようなのでそれも仕方がない。無防備になるアスファルト上でなぜじっと過ごしているの

だろうか?日光浴だろうか?

オオカマキリばんざい.JPG最初は鎌を顔の両側に添え翅を広げて威嚇していたが、

こちらのどういう動きに反応したのかわからないが前脚を大きく広げるポーズに変えた。


今日のオオカマキリ写真は、キャノンのレンズEF8-15/4L フィッシュアイを使用。

このレンズは使い始めてちょうど2ヶ月ほどだが、描写力、使い勝手ともに良い感触。

とくに癖のないレンズなので安心して使える。



オオアヤトガリバ

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ジュズダマの草陰でササキリが鳴いていた。

ササキリ鳴く.JPGけれど鳴き声は弱々しい。

うちの林を歩いてみれば、萌芽更新のために切ったクヌギの台木の枝に

オオアヤトガリバ が止まっていた。

オオアヤトガリバ側面.JPG大きくうねったような紋様は、翅が立体に見える視覚的効果があるように思える。

背面から見れば、

オオアヤトガリバ背面.JPG何だかよくわからないが、体が分断化されているようにも見える。

オオアヤトガリバはクサイチゴが食草で、けっこう普通にいるようだがうちの林で撮影した

のは今回で2回目。

西の空が赤く染まった。

夕焼け20111011.JPG日が暮れてからクマイチゴの藪に出掛けてみた。先日からたそがれときに、

蛾の一種が狭い範囲を高速で舞い飛ぶのだが、それはどうやら配偶行動と思えた

ビューン!と空中に舞い上がっては藪に降りてくる、それを繰り返したり、

そのときに他の個体を追飛したりとめまぐるしい動きをみせる。

個体数はせいぜい5~6匹程度だろうか。

観察していると必ず決まったように、コウモリが近くを通り過ぎていく。

蛾の正体を突き止めてやろうと今日はカメラを構えてみたが、今日に限って数が少なく、

証拠写真は撮れなかった。長竿捕虫網を使ってまずは採集したほうが良さそうだ。




昨日の夜おそくまで雨が降っていたが、今朝は気持ちよい秋晴れ。

今日は梶山小学校の運動会だった。陽射しが厳しい。

梶山小運動会.jpg6年生にとっては小学生最後の運動会。

運動場の片隅では2匹のクロアナバチが巣穴を掘っていたが、

しだいに人の通行が多くなって、ついに中断して飛び去ってしまった。

明日は学校が休みになるので、なんの気兼ねもなく巣穴堀りができるだろう。

マメハンミョウ三兄弟.JPG一昨日、見つけたマメハンミョウたち。

セイタカアワダチソウ02.JPG



都城市、大王小学校の校庭で自然観察会があった。

小雨がときおりあったものの観察会は楽しく過ごせたと思う。

許可をいただいて、プールに網を入れた。

掬い上げたヤゴは全部、ウスバキトンボだったが、その数は多い。

ウスバキトンボのヤゴ.jpgコミズムシの一種もたくさんいたが、風船虫の実験の準備を忘れていた。

風船虫の実験は是非、学校の授業の合間にでもやってもらいたいと思う。

マツモムシは2匹だけ。コガタノゲンゴロウは水面に上がってくる様子を見てもらえた。

コガタノゲンゴロウ大王小.JPGハイイロゲンゴロウも多かった。

ハイイロゲンゴロウ.JPG校庭にもいろいろな昆虫や植物が棲んでいるということを、参加者の皆さんに実感して

もらえたと思う。ミナミトゲヘリカメムシの臭いもかいでもらったが、

「いい匂い!!」という子が二人もいたのは嬉しかった。


うちに戻ってから室内撮影をしたあと、林のクヌギを覗いてみれば、なんと!

コウモリガが羽化した直後だった。

羽化時刻は推定で午後2時50分。さすがに油断してしまった。これで羽化の撮影は

来年に持ち越しになるだろう。

他にも羽化しそうな脱出口を探していたら、アマガエルがちゃっかり隠れ家にしていた。

アマガエルこうもりがの穴.jpg


雨の中の羽化脱皮

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今朝もTシャツに短パンという格好でちょうど良いくらい。

季節が後戻りしたようだ。

アブラゼミの鳴き声もいくぶんか元気になったように聞こえる。

雨は午後から強く降ったり止んだりを繰り返す。

小降りになったころ、脱皮を始めた ツチイナゴ を見つけた。

場所は玄関前の草むら。

ツチイナゴは数が多いのでこういうシーンに偶然出会うのも珍しくない。

2年前にはこのすぐ傍でショウリョウバッタ幼虫が脱皮した。

ツチイナゴ雨の羽化1.JPG左手で傘をさして、右手だけで撮影。三脚を用意する時間はない。

ツチイナゴ雨の羽化2.JPG上の写真ではまだ後ろ脚が抜け切れていない。

自重が掛かっているからなんとか繋ぎ留めている。

抜け殻は柔らかくてススキの葉をがっしりと掴んでいるわけではない。

そこがセミの羽化などとは違うところだ。バッタの脱皮はじつにきわどい空中芸とも

言えるだろう。

脚が全部抜けてしっかりすると、体を起こしてススキにつかまり、抜け殻をお尻で

投げ飛ばしてしまう。抜け殻はフニャフニャで腰がない。

ツチイナゴ雨の中の羽化3.JPG







蒸し暑い、そんな一日だった。

うちの林ではアブラゼミが断続的に鳴いていたくらいだ。

ツクツクボウシも鳴かなくなったのに、アブラゼミとは。

コウモリガ蛹の観察をしつこく続ける。

うちの林は時間があればできるだけ毎日、歩くようにしている。

斜面林だから庭続きと言えどサンダル履きというわけにもいかない。ちゃんと靴をはく。

足元からクロコノマチョウが転がるようにして現れた。遠くに飛び去ることができない。

ぼろぼろクロコノマ.JPG派手にやられたものだ。ほとんど飛翔できないようだ。

うちの林で目撃するのは2度目くらいだと思うが、オオアオイトトンボのメスがいた。

オオアオイトトンボ.JPGバッタの多い沖水川の土手に出掛けてみた。

セイタカアワダチソウ.jpgセイタカアワダチソウの群落に違和感を覚える世代とそうでない世代のギャップもあるだろ

無数のトノサマバッタが飛び跳ねていく。どの個体もまだ成虫になって日が浅い。

ショウリョウバッタ はまだオスの姿も多い。

褐色型のメスが路上で死んでいた。

ショウリョウバッタ死骸.jpg何者かに襲われたようだが、タヌキか犬あたりだろうか?

うちのチョロならこんな勿体無いことせずに、全部丸ごと食ってしまうのだが。

襲ってみたものの、あんまり美味くないワ!とばかり捨てられたのだろうか?

褐色型のショウリョウバッタはあまり多くないので、勿体無いとは私も思ったのである。

このあと草むらで3匹のマメハンミョウを見かけた。

久しぶりにマメハンミョウを見たが、おそらくどこか近くに

もっと規模の大きな集団があるのだろう。

バッタが多い環境だけに、マメハンミョウもいて当然のことかもしれない。

土手で1時間半ほど観察してから、鹿児島空港へと向かった。

三股町からだと約1時間半ほど。初めてETCのゲートをくぐるときは、

ちょっと緊張した。



都城市営球場の駐車場に車を止めた。

まだ時間に余裕があったので公園をぶらついてみようかと思っていたのだが、

止めた車のすぐ後ろに小さなエノキが生えていた。生垣の並びだが植えられたのではなく

おそらく鳥の糞に混じっていた種子からの実生であろうと思う。

小さなエノキ.jpgすでに葉っぱはほとんど落ちている。

ゴマダラチョウの幼虫がついているだろうと見てみたら、やはりいた。

まあいても不思議ではないな、と他の葉っぱに目を移すとそこにもいた。

何匹かいてもおかしくはないな、とさらに隣に目をやるとまたいる。

セカセカと歩くものもいる。

VA123917.jpg少し驚きながら、この小さなエノキの葉っぱを次々と見ていくと、

なんと全部で71匹もの幼虫がしがみついていたのであった。

葉っぱが足りなくて枝で休眠するものまでいる。

VA123876.jpg幼虫は4令が一番多かったが、3令と2令もいた。

蛹のぬけ殻も全部で9個。

VA123944.jpg死んだ蛹が3個。どうやらこのエノキでは以前にも幼虫がたくさん育ったようだ。

さて、このエノキをつぶさに調べ観察しているうちに1時間はあっと言う間に過ぎていた。

今日は長男の高校で進路説明会があり、1学年の生徒と父兄が体育館に集まった。

1時間以上パイプ椅子に座っていたので疲れた。

要は理系と文系を決める際の注意点だが、長男の進路は私にもまったくわからない。



家に戻ってみて妙に胸騒ぎがした。まさかと思いつつ車を降りて走る。

時計を見れば、午後4時10分。

アカメガシワの手前で思わず足が止まった。

これまでずっと観察を続けてきたコウモリガ蛹がすでに羽化を終えていたのだ。

羽化時刻は推定だが、午後3時半前後ではないだろうか。

羽化直後コウモリガ2.JPG羽化シーンを撮影できず残念だが、ようやく羽化してくれて気分はすっきりした。

それにしてもまだ明るい早い時間帯に羽化するとは意外であった。

ふと思えば秋冷のころ羽化するウスタビガも正午~午後4時の間に羽化するケースは

珍しくない。

前回、6日に羽化したコウモリガに比べて体は一回りは大きく、翅の色も少し違う。

コウモリガめす縦.JPG前回の個体と詳しく見比べてみても、色模様、体長以外の区別点がはっきりしない。

強いて言えば腹端が翅よりか先に伸びているのが今日羽化した個体の特徴だろうか。

これはもしかしたらメスであって、コーリングしているのではないだろうか?

とずればここへオスが飛来する可能性もあるだろうと観察を続けてみたが、

午後6時過ぎ、この個体は夜空へと旅立ってしまった。※

コウモリガの姿は、私の目にはけっこう魅力的に映る。

撮影しているところへ嫁さんが帰宅したので、見てもらったがまったく受けなかった。

気味が悪い、というのが一般的な印象だろうか。

しかし羽化シーンを撮影するチャンスはまだ残されている。

うちの林のクヌギで蛹の姿を確認できている脱出口がもう一つある。

今度こそは撮影を逃すわけにはいかない。

※ コウモリガの配偶行動についてのある研究要項を読むと、

コーリングするのはオスの方であるらしい。コウモリガは姿形の妙に加えて、

その生態も変わっているようだ。




途中、少しだけ雨が降ったがなんとか稲刈り作業を無事に終えた。

梶山小学校、全校生徒による稲刈り作業。

うちの次男は6年生。駆け足で中学校へと向かう日々を送っている。

キマダラカメムシ顔.jpg昆虫探しを主体に動くときのカメラ機材は、オリンパスPENシリーズのことが多い。

カメラは3台。レンズは4~6本程度。それでもかなりコンパクトにまとまる。

午前中は稲刈り作業の撮影をしていたので、午後から虫探しに出掛けた。

キマダラカメムシはケヤキの樹皮はがしで次々と出てきた。おとなしいので顔のアップを

撮影してみた。レンズはM.14-42ミリ前球はずし。倍率が高いので動かれると

撮影は難しい。

うちの林にはイヌザンショウとカラスザンショウが多く自生しているが、

とくにイヌザンショウは低木で花や実が目立つ。

イヌザンショウの実.JPG以前にも書いたが、イヌザンショウが元気に育つ環境というのは、サンショウにとっては

むいていないのだろうか?何度もサンショウを買ってきては植えるのだが、

すぐに枯れてしまうのである。


先日、キャノンのMP-E65ミリマクロレンズの不具合を書いたが、接点を清掃しても

同じ症状(エラー1)が頻繁に続くので、修理出しをしておいた。


コウモリガ蛹は今日も羽化しなかったが、この観察は羽化するまでしばらく書かない。

めでたく?羽化したら祝杯をあげたいと思う。



三股町田上地区でも稲刈り作業が盛んなころだ。

稲刈り2011.JPGうちの林もいろいろ山仕事をやり残しているが、予定していた草刈も今日は取り止めた。

クマイチゴの葉裏を今日も点検していると、ハネナガウンカがいた。

マエグロハネナガウンカのなかでも九州産のものは別種ということで、

ミナミマエグロハネナガウンカ という仮称が付いている。

ミナミマエグロハネナガウンカ.JPG本種は4年前にも自宅のすぐ横のクリで撮影しているが、そのときは10月6日だった。

長い翅はたいていこのようにV字型に立てており、はばたき飛翔はゆっくりしている。

三日前、うちの林のクヌギ朽木下から羽化直後のスケバコウモリハネナガウンカ が

這い登ってきたのを見ている。羽化場所から推察するに、スケバコウモリハネナガウンカも

幼虫期は菌食ではないかと思える。

さて、コウモリガの羽化時期は今が最盛期のようで

うちの林のアカメガシワやクヌギ小木を見て回ると、羽化殻がいくつか見つかる。

アカメガシワに多いのはやはり材が柔らかいというのが大きな要因の一つだろう。

抜け殻の中には昨夜あたりにでも羽化したのではないかと思われる、体液の付着した

新鮮なものも含まれている。大きさの違いは雌雄の差であろうか?

コウモリガ羽化殻4個.JPG今夜もまだコウモリガの蛹は羽化せず。

昼間、ずいぶんと体をのり出していたこともあったので、いよいよかと待機していたのだが。

真新しい羽化殻も見つかるので、休憩している成虫が見つかるのではないかと探して

いるが、なかなか成果は上がらない。

昔、八丈島で仕事をしたときにキマダラコウモリガを昼間に見つけたことがあった。

あのときの場所の雰囲気などは参考になるのではないかと、一生懸命、当時のことを

思い出してみた。



今朝はコカマキリ威嚇行動の撮影から始まった。

朝食の野菜スープを作り、そして食べ終えたあとはうちの林で観察開始。

いろいろ面白い観察ができたが、そのうちの一つ。

クマイチゴの葉裏を先日から気をつけて見てきたが、ようやく赤い卵を確認できた。

葉の縁近くに産んである。

セスジスカシバ卵2.JPG拡大してみると、まるで小豆のような色をしている。全部で4個、見つかった。

セスジスカシカバ卵1.JPGこの卵はセスジスカシバの卵であるらしい。

「ふしあな日記」 の記事を読んでからうちの林でも見つかるのではないかと思い、

探してみた。卵からふ化した幼虫の生活は興味深い。


今日もコウモリガ蛹は羽化しなかった。



朝一のコカマキリ

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午前6時半、玄関を出たところで目の前に コカマキリ のメスがいた。

昨日、緑色型の個体で威嚇行動がうまく撮影できなかったが、

今朝は威嚇行動を見せてくれた。

コカマキリIMG_2010.JPGまず最初に翅を広げるときに「シュッシュッ!!」と音がする。

一瞬だがこの音も威嚇効果があるように思えた。

コカマキリの体色には褐色型と緑色型があり、

褐色型にも黒いものや写真のように白っぽい色もある。



かまきり

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今朝のこと南向きの窓の網戸にオオカマキリのメスが止まっていた。

このメスは昨日の夕方からずっとここにいたようだ。

日当たりもいいからお気に入りの場所になったようだ。

オカマキリ影絵.JPGカマキリと言えば昨日、うちの林でコカマキリの緑色型を見つけた。

何年ぶりだろうか?前に見たのは埼玉県の多福寺だった。

威嚇ポーズを見たかったが、鎌を構えるのは一瞬だけですぐに逃げ出してしまい、

うまくいかなかった。

コカマキリ緑色型.JPG
さて、昨日のコウモリガ羽化の記事の訂正です。

じつは最初から観察していた蛹が羽化したのではなく、

同じ幹の裏側で別の個体が羽化したことが後で判明しました。

コウモリガが入っている木はアカメガシワですが、私の手首よりか細い幹です。

そのような細い幹に2個体が並んで入ってるとは思いもよらなかったのです。

それとどうやらコウモリガ幼虫が作る開口部は、一箇所でしかなく、

一本のトンネルに開口部が2箇所以上あることはないと思えます。

つまりコウモリガが羽化する開口部は一箇所でしかあり得ず、

別の裏口などはないということです。考えてみれば、蛹がトンネルの中で反転して

移動することなど不可能です。

で、今朝のことこれまで観察してきた開口部を見れば、

ちゃんと蛹の頭がせり出していました。

コンコンと幹を叩いたり、大声を上げると、蛹はサッとトンネルの奥へと引っ込みます。

昨日はとんだ勘違いをしてしまいましたが、

コウモリガ羽化の撮影チャンスはまだあるわけです。

今日も午後5時から7時まで待機していましたが、羽化しませんでした。

かなり頭をせり上げていたのですが、明日以降に持ち越しのようです。

撮影機材を撤収する際、

コンコンと幹を叩いたら、頭が完全に見えなくなるまで奥に引っ込んでしまいました。



これまで何気なく使ってきた「たそがれ」という言葉。

この言葉の由来を昨日初めて知った。今さらながらだが。

引用すると、

『相手の顔の見分けにくくなる時刻を逢魔が時といい、「逢魔が時に外を歩いてだれかに行き

会ったとき、必ず挨拶するものだ。もし、相手が返事をしないときは怪しいものだと思ってよい」

と教えられたものである。』

そして

『夕方の光のわずかに残っているときをタソガレというのは「誰ぞ彼」からきた

ことばだと言われた。』

『まだ夜の闇のあるときをカワタレというのは「彼は誰」の意味である。』

以上、宮本常一著 「絵巻物に見る日本庶民生活誌」の「百鬼夜行」より。

本書は中公新書版で、昨日のことようやく読み終えた。

絵巻物の図版が多数掲載されているが、サイズが小さいために解説文を読んでも

わかりづらい。平安期頃の事物や風物の用語には読み慣れない漢字が多く、

それもあってこの本を読み終えるのにえらい時間が掛かった。


さて、6日前から観察してきた コウモリガ の蛹だが。

外の様子を窺いながら羽化のタイミングを計っていたように見える。

ちょっとした振動でもサッと身を縮ませてトンネルの奥に引っ込むことを繰り返していた。

今日はしかし、これまでよりか蛹の頭部がかなりせり上がっていたので、

いよいよ羽化するであろうと思った。羽化の時刻はまさに「たそがれ」時であろうと

推察した。それで夕方の犬の散歩は早目に切り上げたつもりだが、

なんと家に戻ってみればすでに羽化を終えた成虫が枝にぶら下がっていたのである。

コウモリガ羽化直後.JPG


ヒラタミミズク

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今日は一日中雨。肌寒いので長袖シャツを着た。

だいたい年に2、3回しか上京しないが、この冬の上京スケジュールを決めたり、

いろいろ雑用を片付けているうちに時間はあっという間に過ぎてしまった。

夕食の準備は豚のしょうが焼き。肉をタレに1時間漬け込む。鯛のあらは煮込み。

サツマイモの輪切りを炊飯に入れる。キャベツはできるだけ細かい千切りに。

ま、手抜き料理ではあるが、毎日の夕食は無理しないほうがいい。

さて、先日撮影したヒラタミミズクの羽化シーンのワンカットをここに。

ヒラタミミズク羽化2011.JPG2年前の撮影では、この段階の少し前、つまりお尻を殻から抜くとき、時計回り90度に

回転してしまった。それはなぜかと言えば、脱皮の際に体を固定しているのは

葉に刺した口針であり、その一点で体を支えているからである。

6本の脚は一見踏ん張っているかのようではあるが、じつは格好だけで、

葉っぱにしがみついているわけではない。

体のバランスが崩れると、口針を軸にして回転してしまうこともある。

しかし、今回の羽化ではそのようなアクシデントはなく、殻はしっかりと固定されたまま

羽化脱皮が完了した。


一週間前に申請したETCカードが、今日になって届いた。

これで高速道路での面倒くさい料金支払いからは解放される。毎回、車に乗るたびに

「ええと、財布はすぐに手が届くとこに置いて」などと、いちいち気を遣っていたが、

そういう煩わしさもなくなる。




アカメガシワの葉に一対ある蜜線には、アリをはじめいろいろな虫が集まる。

ヒメアリ属sp.JPG写真のアリはヒメアリ属だろうか?写真を拡大しても深度が浅いので識別箇所がはっきりと

は見えない。

先日から観察しているアザミウマ目の一種は、どうやら午前中のある時間帯だけ

外気に晒された朽木表面に群れており、それ以外の時間帯では朽木内に

潜りこんでしまって、残っている個体は数匹になってしまう。

今日も成虫を探してみたがまったく見当たらなかった。

アザミウマ朽木に群れる.JPGさて、昨日、キャノン65ミリマクロレンズの信号接点の汚れのことを書いたが、

接点を磨いたにもかかわらず、今日もまた絞りが正常に作動しないエラーが頻繁に発生。

どうやらレンズ三脚座に取り付けたアームとストロボの重量がマウントには負荷となって、

接合不良が生じているのではないか。三脚座に何もつけないで撮影すると正常に戻る。

カメラボディにアーム類を取り付けるならば接点不良も生じないので、レンズとカメラボディ

の接合不良と考えるしか他に原因が思いつかない。レンズマウントにガタが生じているのは

たしかだ。対策としてはレンズのマウントを交換する必要があるかもしれない。


『分類思考の世界~なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』三中信宏、著

(講談社現代選書)

をようやく読み終えた。今朝は検査で病院に行ったので久しぶりに読書の時間があった。

本書は種とは何か?について様々な学者が考察してきた歴史を語る。

、、、、「分類思考」の発露のありさまをエピソード的にたどることによって、

「種問題」そのものの「かたち」をはっきりさせたい、、、、、、、

とあとがきにあるように、種とは何かをあきらかにするのが本書の目的ではない。

したがって、歴史を辿り思考する中で種とはなんぞや?という疑問への答えには

近づきようもなく、またそれを期待してもいけない。

とらえどころのないような文章が続くので、多少いやかなり読みづらかった本だ。

が、種とは何かという問題については、人の内面の問題に帰するところがある、という

認識については共感し納得できるものがあった。

「系統樹にもとづく種概念と命名法を推進する「ファイロコード」という新しい命名システム

を支持する立場から、リンネ以来の二名法による伝統的種名は廃止すべきであると

主張する」(1999年)学者の発言などに、えっ!?と驚く私もまた心理本質主義者に

他ならないということだろう。心理本質主義?もっとわかりやすく語って欲しいとも思う。





朽木の虫

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一昨日紹介したアザミウマの幼虫群が、今日も同じ場所にいた。

今朝は幼虫に混じって一匹だけ、成虫がいた。翅のある黒い個体が成虫。

おそらく同種であるかと思う。

アザミウマsp成虫.JPGアザミウマ類では幼虫が2令で、蛹は第1蛹、第2蛹、あるいは科によっては第3蛹の段階

を経ることもあり、かなり変わった変態を行うらしい。

分類も厄介なグループのようだが、成虫を採集しても専門家に依頼しないかぎり

同定は難しいと思う。


上の写真はマクロ100ミリレンズで撮影したものを少しトリミングしている。

あとでもっと倍率を上げて撮影するつもりだったが、

正午近くになって群れは消えてしまっていた。

そのあとも時間をおいて覗いてみたが幼虫の数はちらほらで、成虫はいなかった。

明日もう一度、成虫を探してみたい。

並んでいるクヌギ朽木の樹皮をめくってみれば、ヤマトシロアリの巣の一部が現れた。

卵塊を見るのは初めてだと思うが、ワーカーが卵をくわえてトンネルの奥へと運んでいく。

写真のワーカーはつまり後退しているところ。

卵を運ぶワーカー.JPG卵塊の周りにはふ化直後と思われる小さな幼虫や、少し成長した若令幼虫がウロウロして

いた。

ヤマトシロアリふ化幼虫.JPG下2枚の写真は、キャノンのマクロ65ミリレンズを使用。

このレンズは1999年1月に発売され、私が購入したのは一年後の2000年だったと

記憶している。もう11年も使っているレンズだ。

ヤマトシロアリを撮影中、絞りがうまく作動せず「接点不良によりカメラとの連絡が

とれません」という警告が何度も出始めた。

そこでレンズの信号接点を磨いたらペーパーが真っ黒になるほど汚れていた。

磨いたあとは正常に作動して撮影できたが、長年使ってきて汚れが溜まっていたようだ。

こういったメンテナンスは日々常々やっておこないと肝心なときにシャッターチャンスを

逃すという最悪のケースも起こりうるだろう。



ヒガンバナも終盤

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今朝、午前6時過ぎにヒラタミミズクの羽化が始まった。

2年前に撮影したときもほぼ同じ時間帯だった。

しかし羽化を観察できたのは今回を入れてまだ2回しかない。

観察回数を増やさないことには羽化時刻について何とも言いようがない。

ヒラタミミズクの羽化シーンはやはりもう一度しっかり見ておきたくて再び撮影しておいた。

さて、午後4時過ぎから隣町の山之口町に赴き、畦道のヒガンバナを撮影しておいた。

山之口町ヒガンバナ1.jpg
山之口町ヒガンバナ2.jpg
XA015868.jpgこの場所は田んぼを取り囲むようにヒガンバナが植えられているが、

その半分程度は花が終わりかけていた。国道のすぐ脇にあるので今日あたりは

何人か撮影に来ているかと思っていたが、先客はお一人だった。

チョウはアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハ、そして写真のナガサキアゲハが来ていた。

今日のカメラはE-PL1とE-PL1s。これにレンズは9~18ミリズーム、40~150ミリズーム。