ロールシャッハ・テスト

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陽射しがあったのは午前中ほんの僅かな間だけだった。

しばらく見ないうちに、うちの林で残ったモンキアゲハ幼虫は一匹になっていた。

もう蛹化場所に移動してもいいだろう、くらいに成熟している。

モンキアゲハ幼虫さいごの一匹.JPG他の幼虫たちの行方はもう少し先になってから探してみよう。

庭では イシガケチョウ が低く舞っていた。

飛び方は敏捷で直線的だ。

花びらがほとんど落ちたツワブキを訪れたりしていたが、日光浴することが多い。

やがてクサギの梢に止まった。

イシガケチョウとクサギ.JPGシルエットの部分は、ロールシャッハ・テストで使われる図版のようにも見える。

イシガケチョウが飛び去ったあと、イヌビワに目を移してみた。

イヌビワの黄葉は遠くからでも目立つ。近づいてみれば、そこにもロールシャッハがあった。

イヌビワ黄葉1.JPGこの黄葉の紋様を眺めて、いったいどういう想像を巡らすことができるだろうか。

正確には左右対称ではないが、まあともかくこういう紋様を見て想像力を発揮できたのは

幼い頃であったかと思う。熱出して布団の中に一日中寝ていなければならないときは

とても辛かったが、じっと天井を眺めていると

昔の天井板には様々な染みや木目の紋様があって、

怪物や気色悪い生き物などに見えて仕方が無かった。昭和の前半期頃までは、

今では考えられないような空間がまだたくさん残っていた。

などと思っているうちに、どんよりと空が曇ってきた。洗濯物は大丈夫だろうか?

昼過ぎになって出掛けようとしたら、ポツポツと雨粒が落ちてきた。

急いで洗濯物を庇の下へと移動させていたら、ドッカ~ン!!と衝撃波が来て

窓ガラスがビリビリと震えてにぎやかになった。桜島の噴火は朝からこれで4回目。

実際はもっと噴火回数は多いかもしれないが、家全体がビリビリ震えるほどの空振と

噴火音は4回だった。またか、と思うようになってそろそろ慣れてはきたが、

頻度がどんどん増えているのは、やはりなんだか不気味である。


犬のチョロがクンクン嗅いではバッタを探す横で、ヤマトシジミ がねぐらについていた。

ヤマトシジミとニガナ.JPG

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