赤いクワガタムシ

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[ 愛媛県、松山市 ]

梅雨の合間の晴れ間は今日までで、明日からは雨模様のようだ。

室内撮影のこともあって、どうしても午前中は出掛けることができなかった。

ようやく動けるようになったのは、正午過ぎのこと。

強い陽射しの中、「子規記念博物館」横の駐車場に車を入れ急ぎ足で藤棚へと

向かった。昨日も訪れた湯築城址公園である。

しかし、見上げたクマバチの巣穴にヒラズゲンセイの姿は無かった。

しばらくして、愛媛大学農学部、応用生命化学の院生、原さんも来られた。

昨日出会った学生さんとは、彼のことである。

「こんな蒸し暑い日は絶好のチャンスなんですけど、、、」

しばらく原さんと話しながら藤棚を見ていたが、埒があかない。

そこで原さんが以前に捕らえていたメスとオスを持って来てくださった。

初めて見るヒラズゲンセイのオスは、じつに立派な姿であった。

P6140119ヒラズゲンセイ♂.jpg
( 写真: OM-D E-M5  マクロ45ミリレンズ )

ヒラズゲンセイは、クマバチの巣穴のすぐ近くに佇んでいることがほとんどらしい。

あるいは上空を乱舞することもあるらしい。

飛ぶ姿は是非、見てみたいものだ。

クマバチはヒラズゲンセイの姿に気付くと飛び出してきて、かなり神経質にまとわりつく

ような行動をとったが、どうやら個体差もあるようで、まったく巣穴から出てこないものも

ある。

ああ、しかし、ヒラズゲンセイ♂の迫力は生きている姿を見て初めて納得がいった。

原さんにあらためて感謝致します。

生きたヒラズゲンセイ♀の体臭は独特なもので、今日初めて匂ってみて、

それが、タイワントビナナフシの体臭とそっくりであることに驚いた。

この特有の匂いは、漢方薬の朝鮮人参に似ているとこれまでの講演でも語ってきた。

いったいどういう化学成分なのか、どんな機能を持つのか興味あるところだ。

昨年の6月末、都城市乙房保育園でヒラズゲンセイのメスを捕らえることができたが、

たしかそのときには匂いを嗅いだ記憶がない。そのメスはすでに産卵済みで

捕らえた翌日には死んでしまった。


さてこうなると、是非とも別の産地を自分の目で見つけたいという思いが強くなる。

きっと、松山平野のあちこちに、ヒラズゲンセイの発生地があるはずで、

案外、実家の近くにいてもおかしくはないと思えてきた。

しかし、梅雨のあいだの晴れ間、というわずかなチャンスしかない。




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