2012年9月アーカイブ


[ 宮崎県 三股町 ]

天気情報では今日にも暴風雨圏内に入るとのことだったが、

雨風はたいしたことがなく、午前中には青空さえ覗いていた。

東京の出版社に写真を発送したのだが、台風の影響で航空機が欠航する

可能性もあって、急ぎ便でも通常便と同じになるかもしれないとのことだった。

写真データの容量は300MB以下なので大容量ファイル送信でもよかったのだが、

時間帯によってはかなりの時間が掛かる。雑誌の仕事なので締切には

余裕をもって届けたい。安全策として早朝の時間帯に送信しておこうかと思う。


庭にオオカマキリが2匹いた。

緑色型と褐色型で、どちらもメスである。

B_008004オオカマキリ色型.JPG児童書の中でカマキリといえば、通常、オオカマキリである。

色味からして標本写真では必ず緑色型が選ばれ、

生態写真も緑色型がよく使われているらしい。

しかし、私はこれまであまり体色にはこだわってこなかった。

カマキリらしい仕草、表情、そういったことがしっかり表現できるかどうかに重点を置いて

きた。あとで、そういえば褐色型だったなあ、と思うことはあっても、それでNGとは

していない。カマキリは体色がどうあれ、表情豊かな昆虫だと思う。


( 写真: EOS-7D  EF-s 60ミリマクロ )

昨日紹介したオオミズアオ幼虫は今朝から脱皮休眠に入って、食事を絶った。

いよいよ終齢である。










オオミズアオ幼虫

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[ 宮崎県 三股町 ]

飼育しているオオミズアオ幼虫は順調に育っている。

A_007972オオミズアオ幼虫.JPGクリの葉を食べる勢いも増してきた。クリの若葉を探しては高枝バサミで切り落とす。

オオミズアオは営繭が近づくと体色が黄土色となり、やたらと徘徊し始める。

やがて落ち葉の中に潜り込み、葉っぱを綴り合わせてその中で繭を紡ぐ。

( 写真: EOS-7D  EF100ミリマクロ  )


ハチ採り作戦

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[  宮崎県 三股町 ]

午前中に原稿書きを終わらせるつもりだったが、撮影の準備に時間をとられ

書き終えたのは夕方となった。

途中、Hさんがスズメバチの様子を見に来た。

オオスズメバチは樹液に来ているが、Hさんが吊り下げたペットボトルの

砂糖水には見向きもしない。

私は樹液から離れ過ぎているとアドバイスした。

「天然の樹液には砂糖水も適わないようですね。私なら焼酎をブレンドしますけどね。」

「そりゃあ、勿体無いよ~!」

そこで作戦を変更。

笹竿の先に砂糖水をたっぷりと染み込ませたティッシュを取り付け、

樹液のそばに差し出し、スズメバチを誘引しようというわけだ。

鼻面に砂糖水を突きつけられて、さすがにスズメバチも食らいついてきた。

そのままそっとペットボトルにご招待、というわけだ。

するとしばらくして、ほかのスズメバチも通ってくるようになった。

腹いっぱいに砂糖水を吸ったスズメバチが帰巣する方角を何度も確認する。

次には帰巣しようとするハチを捉え、マーキングを施してから放ち、

これを追跡する。しかし追跡作業は明日以降となった。

あいにく台風が接近している。夜から雨になった。

ハチ追いは来週にお預けである。

Z9282697ハチ採りボトル.jpg
(写真: OM-D E-M5 M.75-300ミリ )




[ 宮崎県 三股町 ]

阿蘇山からは、事情あって予定より一日早く戻った。


さて、野外で使う小道具類は専用のバッグに入れて肩に掛ける。

砂だらけになったバッグから小道具を全部出し、掃除をしておいた。

小道具はだいたいこんなもの↓

A_007420お道具.JPG画面右端の「根掘り」はつい先日、新調したばかり。

これまで使っていたものは、柄のところが割れてしまって使いづらくなった。

左端下の白角ケースはメジャー。

じつは毎回、家に戻るとバッグの中身を空っぽにする。

カメラバッグも同じで全部出す。出掛けるときに一つ一つ機材を点検してから

パッキングするようにしている。いちいちメンドくさいが、2年くらい前から

この方法をとるようになった。

というのも、バッグの中身をすぐに忘れてしまうことと、仕事の内容によって

道具や機材の選択をけっこう細かく組み直すからでもある。それと、

バッグの中の掃除を常に行いたいから。

したがって外に出した小道具類は、収納ケースに一旦待機させている。

この収納ケースは航空機などで遠出する場合などには宅配便の

梱包にそのまま詰め込むこともできる。

A_007428収納ケース.JPG小道具を入れて担ぐバッグはこちら↓

A_007434小道具バッグ.JPG池袋ビッグカメラで買ったものだから相当、古い。

ウエストポーチとしても使えるタイプだったが、買ってすぐウエストベルトとパッド部分を

全部取っ払ってしまった。その分重量が軽くなった。サイドポケットは大きく開くので

中の道具を取り出しやすい。マウンテンダックスというメーカーの製品。

A_007436小道具バッグ大口.JPGカメラバッグも仕事の内容によって替える。いづれまた紹介することもあるだろう。

イシガケチョウの羽化直後と思われる新鮮な個体が、イヌビワ上で休んでいた。

一方で産卵直後の卵も多数、見つかる。

A_007270_1イシガケチョウ.JPG
( EOS-7D EF-s 60ミリマクロ 270EXⅡ :イシガケチョウ写真、

          他の写真はEF17-40ミリ+スタジオ用ストロボ )






阿蘇山の糞虫観察

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[ 熊本県 阿蘇山 ]

昨夜は仕事の段取りなど考えていて、予定していた原稿書きが出来なかった。

狭いホテルのベッドでストレッチするも夜中に坐骨神経痛の痛みで目が覚める。

最近、とくに料金の安いホテルでは部屋に電話が無い。

ロビーにも公衆電話がなく、隣のコンビニにも無かった。

携帯電話を持たない私は、

家族に連絡するためにホテルから400m離れた「道の駅」まで歩いた。

「道の駅」は公衆電話がある最後の砦かもしれない。


今朝はよく晴れたが少し風があるためか、

阿蘇山火口は全面立ち入り規制となっていた。

県外の遠くから来た人たちは火口の見学ができなくて、

ずいぶんガッカリしたことだろう、とは思う。

Aphodius elegans  オオフタホシマグソコガネ

エレガンスという種名は学生のころに先輩から教えてもらったが、

たしかに糞虫の中でも美麗種に思える。牛糞をひっくり返すと次々と現れた。

Z9262617オオフタホシマグソコガネ.jpg放牧牛の落とす糞は、多くの人が感じるような不快感とはちょっと違うと思う。

私はその糞塊に顔を近づけても平気であるし、手で触るのも厭わない。

ま、だから私と握手する方は覚悟して欲しい。新開は素手でうんちを触るヤツだと。

放牧地で休んでいた牛の集団に近づいてみた。そっと気を遣いながら。

しかし、ある一頭の牛が低い唸り声を発して威嚇をしてきた。

牛は皆座り込んでくつろいでいたが、そういう場であるからこそ警戒もしていたのだろう。

私は牛の群れに出来るだけ近づき広角レンズで撮影するつもりだったが、

牛の様子を見てそれを断念した。別の機会に持ち越しである。

動物相手の撮影では潔良さも必要である。いやねちっこく立ち回る

やり方もあったとは思うが、私には他に優先すべき仕事があった。


ダイコクコガネはその習性として夜行性でありなおかつ、

生活のほとんどを地下で行う。したがって、昼間の地上空間でもって

ダイコクイコガネに出会う機会は滅多に無い。

しかし、何かの拍子でバッタリ出会うことも無いでは無い。過去にも経験がある。

今日は角の小さいオスと、目があった。

Z9262599ダイコク小さい角.jpg
つまみ上げてみると、かわいそうなくらい角が小さい。

ダイコクコガネ♂の角の個体変異はカブトムシのそれとよく似ている。

それにしても見事に小さい。

角の小さいダイコク♂のいた場所では、じつは角のでっかい♂も発見できた。

WW267341ホソバノヤマハハコ.jpg花も気になっていたが、ほとんど観察の余裕がなかった。

唯一、キク科のホソバヤマハハコの白い花が印象的だった。

同定には自信がないが、この株以外には見ていないので、この場所近辺では

少ないと思えた。


( OMーD E-M5  ライカ45ミリマクロ  )








阿蘇山

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[ 熊本県 阿蘇山 ]

朝は飼育昆虫の世話をして少し慌ただしかった。

今日は阿蘇山にて仕事。高速の運転は疲れるし、何も楽しい事はない。

かといっていろいろ考え事をしているとこれも危ない。

せいぜい好きな音楽CDを聴くことくらいだろうか。ラジオもよく聞くが、

小沢昭一さんの長寿番組は楽しい。小沢昭一さんは近頃、体調不良とのことだが

大丈夫だろうか?音楽CDもあまり持っていないので、すぐに飽きてしまう。

A_007298阿蘇山.JPG時期的には少し遅いかと思ったが、大丈夫だった。

無論、ここに来たのはダイコクコガネの撮影。

放牧されている牛の落とした糞は手で触っても不快感がない。

糞は草の香りがする。牛の糞は分解され土に戻っていく。

採集者が入った痕跡がかなり多いが、掘ったまま穴を埋め戻していないケースも

多く見かけた。これは残念だ。採集さえできればいい、という輩は困る。

採集行為を私は否定しないが、人間が一番よ!何してもいいじゃん!!

という感覚には呆れてしまう。まあ、そうではないかもしれないが、

回りが見えないというやつだろう。

牛が穴に脚をとられて骨折する可能性もあるのだ。

掘った穴はちゃんと埋め戻して欲しい。


カメラも何もかもが土まみれになっての撮影だ。カメラは防塵でないとダメである。

地面にしゃがみこんでいるうちに、外国人の方3人がすぐ近くにやって来た。

私は周囲への注意をかなり払っているほうだが、どうやら外国人の方のオーラは

違うようだ。迂闊にも気づかなかったが、一人は女性で「こんにちわあ!」と

声を掛けてくれた。私も元気に「こんにちわ!」と笑顔で答えた。

( EOS-7D  17-40ミリズームレンズ )





[ 宮崎県 三股町 ]

飼育していたオオミズアオの幼虫は昨日脱皮して、4令となった。

最初35匹いた孵化幼虫は半分以上が2令になる前に死亡し、

残ったうちのほとんどは安久児童館で飼育してもらっている。

そちらの飼育成績も気になるところだが、

私の手元に残した3匹も2匹が次々と死んでしまい、

残ったのは写真の1匹のみ。食樹のクリが合わなかったのだろうか?

A_007258_1オオミズアオ4令幼虫.JPG昨日の日曜日、同じ集落のHさんがスズメバチの様子をまた見に来た。

あいにくうちの林にはハチの姿が無かったが、聞けばHさんはすでに一箇所で

巣を見つけ掘り出したそうだ。巣は林を伐採した跡の明るい草地に埋もれた

枯れスギのうろにあったそうだが、巣の規模は小さかったらしい。

だから次なる巣を探さねばならない。

巣に戻るスズメバチにマーキングするやり方などを教わった。

しかし、一気に高所へと舞い上がり林を超えて帰巣するスズメバチを追跡するのは

そう容易くはないはずだ。ハチ採りの一部始終を撮影したいが、

そのタイミングにこちらのスケジュールを合わせるのも簡単なことではない。

いつかは実現したい。

今日はうちのクヌギ樹液にオオスズメバチが来ていた。

A_007208_1オオスズメバチ2.JPG
( EOS-7D  シグマ50ミリマクロ、 EF100ミリマクロ )




[ 宮崎県 三俣町 ]


庭の花壇の中でクロコノマチョウの幼虫を見つけた。

幼虫の顔の模様にはいくつかのパターンがある。

見つけた幼虫の顔はこれまでに見たことがない模様をしていたので

さっそく撮影してみたのだが。

A_007135クロコノマ顔1.JPGまるで米粒をつけた顔である。模様に見えた白い部分は、寄生バエの卵であった。

しかし、幼虫の頭部は硬い。

卵から孵化した寄生バエ幼虫がクロコノマ幼虫の体内へ侵入するには、

顔から這い出て胴体部分へと移動せねばならず、それはかなり難しいのでは、と思う。

口から侵入するというのも考えにくい。その瞬間咀嚼されてしまうだろう。

このあと犬の散歩中に見つけたクロコノマ幼虫の顔は別パターンだった。

B_006638クロコノマ顔.JPG
( 写真: EOS-7D  上;EF65ミリマクロ 、下;EF100ミリマクロ  )





[ 宮崎県 三股町 ]

我が家の林を下って谷津田に出て左手方向に数歩歩けば、そこが

タイワンツバメシジミの発生地である。

ではあるが、しかし今年のシバハギは壊滅状態に近い。
花は写真の一株のみであった。

B_006624シバハギ.JPGここは道路の法面であるが、草刈が滞ていてササやセイタカアワダチソウに覆われ

荒れている。今の状況ではタイワンツバメシジミの繁殖どころか、シバハギの存続その

ものが危うい。

それを思いシバハギの種子をうちの庭にも蒔いておいたのだが

発芽している気配はない。

シバハギのすぐ横のセイタカアワダチソウで、ヒメアカタテハの蛹部屋を見つけた。

B_006607ヒメアカタテハ蛹部屋.JPG
手前の葉っぱ一枚めくってみると、こんな具合。

B_006612ヒメアカタテハ」蛹.JPG付近を執拗に探してみたが、ヨモギが無い。どうしても見当たらない。

すぐ傍で、ヨモギエダシャク幼虫がセイタカアワダチソウに止まっていた。

B_006619ヨモギエダシャク幼虫.JPGなるほど、ヨモギ喰いの虫が揃ったわけだ。

ヒメアカタテハの食草としてセイタカアワダチソウが記録にあるかどうか調べてみたが

それを確認できなかった。

ヒメアカタテハの蛹部屋は食草を綴る幼虫時代の習性を引き継ぐ。

※ 巣の様子からヒメカカタテハと勘違いしたが、

その後羽化した成虫からアカタテハと確認できた。

ここに訂正します。




ランタナ

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[ 宮崎県 三股町 ]


我が家の庭に植えてあるランタナが今頃になって花盛となっている。

冬の間、地上部は完全に枯死して、春になってもなかなか

芽が出てこなくて今年は大丈夫だろうか?とずいぶん心配した。

三股町あるいは都城盆地の冬はとにかく寒い。

暖地性の植物にとってはけっこう厳しい条件となるから、それなりの対策が

必要になる。

今日はツマグロヒョウモン、イチモンジセセリなどいつもの顔ぶれに混じって

イシガケチョウが来ていた。メスであろう。

B_006525イシガケチョウとランタナ.JPG彼岸花もそろそろ終盤となってきたが、オナガアゲハ、クロアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、

の他に、.キチョウも来ていた。

前にも一度だけ見たことがあるが、滅多に見れないシーンだ。

B_006535キチョウ.JPG
(写真: EOS-7D  EF70-300ミリズーム )



キアゲハ

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[ 宮崎県 三股町 ]

午前中、室内作業を終えてから11月に宮崎市で行う講演の打ち合わせがあった。

スタッフの方には、わざわざうちの近所まで出向いていただき恐縮する。

朝早くには陽射しもあったが今日はほぼどんより曇空だった。

庭のヒガンバナには、モンキアゲハ、クロアゲハ、ミヤマカラスアゲハが

来ていたが、そのうち新鮮なキアゲハもやって来た。

Z9202264キアゲハ.jpg
アゲハに比べると、キアゲハのヒガンバナへの訪花は少ないかと感じているが、

それはただ単に私の観察不足によるのかもしれない。

( 写真: E-M5 M.75-300ミリズームレンズ )







運動会

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[ 宮崎県 三股町 ]

昨夜はオオカマキリの羽化撮影。羽化は午後0時に始まった。

寝る時間はあったが、細切れになった。起きるべきときにはちゃんと起きて撮影。

寝たり起きたりのタイミングが自然と身についているのは自分でも不思議だ。

徹夜ができないからこうした技も必要である。

しかも焼酎まで飲んでいるから、じつに不謹慎!

さて、今日は台風で延期となった次男(中学1年生)の運動会があった。

私はギリギリまで仕事をしていたが、なんとか午前11時過ぎには会場に

駆けつけ、昼食は一緒にできた。

三股中学校は宮崎県でも最大のマンモス校で、全校生徒は900名前後かと思う。

運動場で我が子を見つけるのも一苦労だ。

午後2時過ぎ、子供の参加する演目も無くなったので一人先に帰って仕事をしていた。


WW197258.JPGうろこ雲.JPG夕方、うろこ雲が見事だった。

Z9192205ホソハリカメムシ.JPG
ホソハリカメムシ。イネ科の花穂を登っていた。

11月のスケジュールを組んだり、年末の上京のことなども考えたりしているうちに

もう今年も終わったような気分になってきた。

( 写真: E-M5 M.12-50ミリズーム、  ライカ45ミリマクロ  )


ハチ採り

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[ 宮崎県 三股町 ]

松山から車の走行距離はほぼ290キロ。

八幡浜港で朝食に弁当を食べたこともあって、昼めし抜きで三股町まで直行した。

戻って荷物を降ろし終えたちょうどそのとき、同じ集落のHさんがやって来た。

「お久しぶりですね。」

Hさん、「くまばち」の偵察である。今年もハチ採りをやるようだ。

あいにく私の林には一匹しか「くまばち」こと、オオスズメバチはいなかったが、

「あちらのニレにはいつも数匹が来てましたよ。」と先日観察したことをお話した。

Hさんは、罠で捕らえた猪の肉を私にも分けてくれて、以前このブログでも紹介した

ことがある。じつに美味しい肉だった。ハチ採りも毎年、趣味で続けている。

Hさんはヒメスズメバチのことを「尻黒」と呼んでいた。なるほど。

「尻黒」ではダメなのである。

Z9182024オオスズメバチ.jpgさて、夕方の犬の散歩ですぐ近くにオオスズメバチを見かけた。

クヌギの樹液に集まっていた。

その先にあるハルニレの樹液には、すでに餌が掛けてあった。

Z9182028.jpg嫁さんが言うには、このペットボトルはしばらく前から設置してあるとのこと。

ということは、Hさんのライバルがいるのだろうか?

できれば、ハチ採りの現場に同行してみたいが、雨合羽にヘルメットを合わせた

簡易防護服だから、刺されることも毎度のことらしい。

さすがに、私もオオスズメバチには刺されたくない。これまでに2回、頭をやられている

からなおさらだ。あれは痛い!

刺されてもハチ採りをやる、という情熱とは凄い。

Hさんは板金屋さんで、体もがっしりとしている。いつもタオルを首に巻き、

車を運転するときはサングラスを掛けていて、凄みもある。

うちの物置小屋や飼育室の屋根も、Hさんにやってもらった。

Hさんについて語ると長くなるので、またの機会としておこう。

( 写真: E-M5  ライカ45ミリマクロ FL-300R )








イラガの季節

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[ 愛媛県 松山市 ]

実家の庭では毎年イラガが発生するが、今年は特に数が多い。

ちょうど2回目の営繭期で、残り少なくなった幼虫は皆、でっぷりとした熟令ばかりだ。

B_006287イラガ幼虫.JPGイラガの繭は幹や枝などに作られるが、とくに枝又の場合が多いように思える。

B_006272.JPG営繭に先立って、繭が接地する土台部分は幼虫があらかじめ削り掘る作業を施す。

繭外形の丸みに土台の形状を合わせ、より接地面を増やして安定を確保できるわけだ。

しかし、繭の接地面積が広い平面上では削る作業を省略する。

というか削ること自体が不可能な場合もある。

B_006284コンクリート壁の繭.JPG上の写真は実家の外壁コンクリート面についた繭。

こういう平面上で繭を紡ぐ作業はどう見てもやりづらいのではないだろうか、と思えるが、

とくに繭形状に狂いはない。

さて、今の時期にできる繭は、このまま冬を越す。

イラガの食樹は落葉樹なので、葉っぱに繭を作るのは地面に落下してしまうのでまずい。

ところが柿の木を見上げていると、葉裏についた繭が一つだけあった。

B_006282葉っぱで営繭.JPGするとこの場合、葉っぱが冬になっても落ちないよう、葉柄部にしっかりと吐糸している

だろうか、と見てみたがまったくその処置は施されていなかった。

で、葉っぱの表側を見ると穴が空いていた。

B_006281かじった穴.JPGこの穴を覗き込むと繭壁にも同じ径の穴がぽっかりと空いていたのである。

このイラガ繭からは、実はイラガセイボウがすでに脱出していたのだ。

つまり、この繭が紡がれたのは今の時期ではなく、6月ころの一つ前の世代である。

6月の繭は、夏の間に羽化する。つまり落葉の冬を迎えることがない。

イラガ幼虫はそのことを熟知していて葉っぱ上での営繭も躊躇しなかったのだろうか?

6月ころの営繭場所についてしっかり調べておく必要があるが、

その時期でも葉っぱでの営繭はきわめて少ない。

( 写真: EOS-7D  EF100ミリマクロ  270EXⅡ  )



[ 愛媛県 松山市 ]

オオミズアオの餌、クリの葉を調達しに浄瑠璃寺方面に赴いた。

溜池の下を歩いていると、久しぶりにノアズキを見ることができた。

いや以前に見たのはもう20年以上も昔のことだと思う。

B_006135アズキマメ.JPG実家の近くの土手では数匹のジャコウアゲハが飛び交っていて、

ウマノスズクサの群落を期待したが、背丈の低い小さな株がほんのわずか生えていた。

終令幼虫と卵がいくつかついていたが、ウマノスズクサの少なさからして繁殖は難しいと

思える。それとも草むらに見落としている株がまだあるだろうか。

ウマノスズクサの近くには数株だけ、アレチヌスビトハギが咲いていた。

アレチヌスビトハギ1.JPGアレチヌスビトハギ2.JPG小雨がときおり降るので観察時間はあまりとれなかったが、

ヨモギエダシャク幼虫にヤドリバエの一種が産卵していた。

ヤドリバエは幼虫をじっと見つめながら産卵する機会を窺っていた。

B_006211ヤドリバエとシャクガ幼虫.JPG幼虫の体に馬乗りになった瞬間、産卵する。

B_006212ヤドリバエの産卵.JPG産卵行動は素早いので、まるで体当たりしているようだった。何回も繰り返して産卵した。

A_007075ヤドリバエ卵.JPG産卵はこうして成功したが、ヨモギエダシャク幼虫がこのあと無事に生き続けるかどうか

なんの保証もない。ヨモギエダシャク幼虫はサトジガバチの格好の獲物にもなる。

ヤドリバエはまた別の幼虫を探し求めては産卵を続けるのだろうか。


( EOS-7D    EF100ミリ、EF65ミリ  270EXⅡ、MT-24EX  )









古い蔵、秋ウコン

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[ 愛媛県 明浜町 ]

昨日の朝は、蝶の羽化の撮影待機をしていたが予定時刻を過ぎても羽化が始まらず

時間切れとなった。蛹を低温容器に入れて出発。

この処置が良くなかった。明浜町に午後7時到着。

常温においたら、しばらくして羽化したが、羽化不全となってしまった。

ゆっくりと常温に戻せばいいかもしれないが、低温で羽化を遅らせるやり方は

種によってはうまくいかないことも多く、これまでにも失敗した経験がある。

時間切れなら、羽化の撮影は新たにやり直す、という潔さが必要だった。

今朝は明浜町を少し歩いてみた。

A_007037蔵.JPG崩れそうになった蔵は、醤油工場の一部。もうだいぶ前から操業はしていない。

画面左には広い庭があって、トウワタの群落があった。

しかし、海沿いの道が拡幅工事されて庭の半分以上が消滅していた。

当然、トウワタ群落も消えていた。

A_007038道路拡幅.JPGもう何年前になるか、ここに生えていたトウワタではカバマダラが多数、繁殖しており

全ステージを観察できたのも懐かしい。

海沿いの道は車が離合するのもたいへんな狭い箇所が多く、この町でも拡幅工事が

盛んに行われている。ある場所では海をかなり埋め立てての工事となり、

風景が一変している。岸壁が波で侵食されて住宅の危機も迫り、

海の埋め立てもやむを得ない、という事情もある。

まあ、それよりか南海大地震による大津波を思うと、私が歩き回った辺りは

津波に飲み込まれてしまいそうだ。

足元からハチの翅音が盛んに聞こえてくるので、何だろうと覗いてみれば、

ウコンの花が咲いていた。

A_007044ウコンの花.JPG
( 写真: EOS-7D EF17-40ミリ )






オンブバッタ

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 [ 宮崎県 三股町 ]

夕方の犬の散歩で見つけた、オンブバッタのカップル。

今シーズン初めてのカップルである。

Z9132007オンブバッタ.jpgオンブバッタはしかし、それほど多くはなく、むしろショウリョウバッタの方が普通である。

草むら、という環境も微妙に違うのであって、我々人の目には同じように見えてしまう。


( 写真: E-M5 ライカ45ミリマクロ FL300R  )




[ 宮崎県 日南市 ]

気になっていたオオテントウの観察のため、日南市に出向いた。

片道1時間の運転もほぼ問題なく、少し安心できた。

例年観察してきた場所ではタイワンツノアブラムシのコロニーが少なく、

オオテントウ成虫を一匹しか見れなかった。

そのあと、日南市在住のmerianさんに案内していただき、

ホウライチクがたくさん生えている場所で、オオテントウの卵~

全ステージの観察ができた。とくに交尾行動は初めて見ることができた。

Z9121897.JPGホウライチクの多さにしては、タイワンツノアブラムシのコロニーが少ないように感じた。

コロニーは、これから増殖するのであろう、と思えた。

オオテントウの生活は、ホウライチクにつくタイワンツノアブラムシに全てを委ねているような

ものだ。したがって、オオテントウの生態を調べるためには、アブラムシのことも並行して

熟知しておく必要がある。

Z9121937.JPG( 写真: OM-D E-M5  ライカ45ミリマクロ  ストロボ FL300R )


午後7時40分。

我が家の林のクヌギで、ハラビロカマキリが産卵していた。







[ 宮崎県 三股町 ]

先日から飼育を始めたオオミズアオ。

今朝点検してみれば、10匹が餓死していた。

さらに午後になって3匹が干からびていた。この食いつきの悪さは何だろう?

順調に成長している幼虫のうち2匹はもう2令となっていた。

Z9111878.jpg写真の2令幼虫のみヤシャブシを食べている。ほかの幼虫は皆、クリで育っている。

ヤシャブシ派が壊滅したのか、食樹とは関係無いのか、判然としない。

ヤシャブシも入れてみたのは余計なことだったのかもしれず、後悔した。

一ヶ月ぶりの長田峡ではカジカガエルに出会った。

Z9111842カジカガエル.jpgでかい体はよく目立つ。私の拳くらいありそうだ。どうやらカジカガエルにとっては

安心できる場所のようだ。この樹の下は深い渓谷であり、人が近づくには危険過ぎる。

先月、この長田峡の水銀燈で観察会を行ったが、そのライトの場所を見てみれば、

ヤママユとオオミズアオの翅がカブトムシの残骸に混じって落ちていた。

Z9111837残骸.jpg観察会当日に飛来していたらよかったのだが、自然観察というのはシナリオ通りとは

いかないものである。

( 写真: E-M5  M.75-300ミリズーム ライカ45ミリマクロ )


「坐骨神経痛」というのは、経験してみなければその痛さ、辛さはわからない。

しかし、昨日の午後から奇跡的に痛みが軽減し、今朝はほんとうに久しぶりに激痛からは

解放された。もっとも痛みがとれたわけではない。痛いのだけど、なんとか凌げる程度まで

回復したと思う。今日は痛いときはお尻を指圧したり、体をよじったりということもあったが

概ね良好だった。今週末には長時間のドライブも予定しているので、少しでも

体調を整えておきたい。

まあしかし、50歳を迎えた途端いきなり、体の不調が増えた。

昆虫写真撮影の仕事上、無茶もずいぶんしてきたから、当然かとも思うし、

でもやっぱり悔しい。

悔しいし、まだやるべきことも山積みしているので、坐骨神経痛などからは

早く卒業したい。







今日の庭

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[ 宮崎県 三股町 ]

そろそろ蛹になったかなと、庭の片隅にあるジュズダマを覗き込んで見れば、

ちょうど朝陽が射し込んでいた。クロコノマチョウの蛹。

B_005860くろこのま蛹.JPGススキでは終齢になったばかりの幼虫。脱皮殻を食べていた。

B_005874くろこのま幼虫.JPGアブラゼミが病菌に冒されて死んでいた。

B_005892アブラゼミかび.JPGオオカマキリも。

B_005951オオカマキリかび.JPG今年のオオカカマキリは例年より多いようだ。

畑のゴーヤには、クロセセリが。

B_005932クロセセリ.JPGシソの花にはルリモンハナバチなど蜂類がとくに多く訪れていたが、

スズキハラボソツリアブ(?)は熱心に吸蜜していた。

B_005901スズキハラボソツリアブ.JPG異様なまでに長い後脚と腹部。遠目にはヒメバチ類との印象を受ける。

しかしこのけったいな姿には驚く。

( 写真: EOS-7D  EF-s 60ミリマクロ+270EXⅡ 自作ディフューザー )


朝おきて2時間ほどが一番辛い。ストレッチで凌ぐがじっとするのも動くのも痛い。

午前中、デスクワークは20分くらいの小刻みで行なった。

それ以上椅子に座っての作業はキツイ。続かない。

午後から思い切って山仕事をする。草刈でできた刈りクズを集めては焼却する。

それから草刈作業もガンガンやってみた。動いているほうが体調はいい。

汗だくになり喘ぎながら体を動かす。作業を終えてシャワーを浴びるころには

なんだかだいぶ楽になったようだ。

坐骨神経痛を治すには自分の努力しかない、と思う。





[ 宮崎県 三股町 ]

庭の枝にあるセミヤドリガの繭を点検していたときである。

視界の隅にあったのは枯れ葉か、あるいは枯れ葉てんこ盛りのミノムシと最初は感じた。

カクレミノの梢にぶら下がっていた。

B_005801発見当初のカレハガつがい.JPGもう少しで見落とすところだった。

カレハガの交尾カップルだ。

B_005828カレハガ交尾.JPG地上から高さ2.5mあるので脚立に登って撮影したのが下の写真。

ぶら下がっている方がオスで、カクレミノの葉につかまっているメスは、

おそらく昨日、サクラの幹で撮影した個体であろうと思われる。

カクレミノは桜のすぐ隣にある。少し離れて見れば、まったく枯れ葉にしか見えない。


さて、昨日一斉孵化したオオミズオアオ(おそらく)は、ほとんどがクリの葉に食いつき、

2割ほどの個体がヤシャブシを食っていた。35匹のうち、3匹は干からびて死んでいた。

したがって32匹の飼育開始である。

CIMG1002オオミズアオ飼育.JPGオオミズアオは多食性であり、ハンノキも食べるからヤシャブシも食べるのだろう。

一方、オナガミズアオは野外ではハンノキ、ヤシャブシを食べるが、飼育下では

クリで成虫まで育った記録があるようだ。


夕方の散歩で、飼い犬のチョロはショウリョウバッタのメスを2匹、たいらげた。

好物はトノサマバッタとショウリョウバッタ、そしてタイワンクツワムシだ。

大きいから食べごたえがあるのだろう。

アスファルトの路上でオオカマキリ幼虫をチョロが先に見つけて、いきなり咥えとった。

が、すぐに放り出し、またくわえる、ということを3回繰り返して

プイと歩き出した。

オオカマキリ幼虫は放り出されてもチョロを睨みつけて威嚇ポーズをとっていた。

Z9091805オオカマキリ幼虫威嚇.jpg一瞬、私には威嚇行動が効果あったかのように見えたが、おそらくそうではないと思う。

オオカマキリは幼虫であって、威嚇ポーズをとってもとらなくても、

犬のチョロにその違いが目で見て判別できたであろうか?成虫なら派手で大きな翅を

広げるからその可能性はある。

チョロの噛み付きには手加減があって、

オオカマキリ幼虫にはまったく傷もついていなかったが、それはカマキリの姿に警戒した

というよりか、ショリョウバッタやトノサマバッタなど、草食昆虫とはまったく違う

体臭を嫌ったのではないか、と感じる。犬は匂いの世界にどっぷりと浸かって生きている。

バッタを捕まえるとき、まず匂いで発見して飛びかかることがほとんどだ。

匂いを察知するやいなや前両脚で地面に押さえ込む。掴まえた!という犬の興奮が

伝わってくる。

脚の下に直接押さえ込めば問題はないが、草のあいだに紛れてバッタが

押さえ込まれた場合、隙間を見つけてピョンと跳ねて逃げられることも多い。

跳ねたあとのバッタは20センチと離れていない場所にじっと伏せる。

と、チョロには押さえつけた場所に残る匂いに惑わされてか、

すぐ傍のバッタの姿にはまず気付かない。

匂いレーダーは見えない場所に隠れているバッタを見つけ出す方法としては優れているが、

ジャンプを得意とするバッタ類が匂いを撒き散らすと、レーダーは迷ってしまう。

その点、ネコならどうだろうか?

普段、オオカマキリに襲いかかることはほとんどなく、私が目の前に放り出しても

無視するのがチョロだ。今日に限ってオオカマキリ幼虫を襲ったことは意外だった。



(写真: EOS-7D  EF8-15ミリ魚眼、  EF-s60ミリマクロ、

              E-M5  ライカ45ミリマクロ、             EX-ZR300  )




[ 宮崎県 三股町 ]

午前6時40分過ぎ、ケースに入れてあったオオミズアオの卵が

一斉に孵化していた。まだ卵殻をかじっているものもいるので、孵化時刻は

6時過ぎ辺りであろうか。

Z9081768オオミズアオ孵化.JPG食樹としては、クリと他に念のためヤシャブシも入れておいた。

もしかしたらオナガミズアオという可能性も期待してのことだが、さてどうだろう。

庭ではカレハガの成虫。

B_005758.JPG
B_005750.JPGカレハガの幼虫はよく見かけるのだが、成虫は巡り合わせがよくないのか、これまで

一度も撮影したことがない。けっこう気にかけていた蛾だけに嬉しかった。

( 写真: E-M5  ライカ45ミリマクロ、 EOS-7D EFーs60ミリマクロ   )


今朝は、天気情報とは違って青空が見え、朝陽がまぶしいほどだった。

昨日、延期と決めた観察会だが、開催できたのでは?と後ろめたい気持ちもあった。

予定されていた開始時刻になると小雨が降ってきたので、少し救われた。

そのあとは降ったり、陽が射したりと不安定な空模様だ。

もっとも私の体調は思わしくなく、起きてしばらくは左の臀部の激痛が耐え難いほど。

それでも部活のある次男のために朝食を喘ぎながら準備して、

そのあとはでんぐりがえってしまった。どうしてもこらえきず、秘技の屈伸運動を

数回行い、部屋の中を歩き回っていると少しは楽になったが痛みはいっこうに消えない。

カレハガの撮影も左足をふんばると痛いので、苦労した。

こんなことでは観察会の講師を元気よくこなせるわけがない、と思った。

やはり延期にしてもらって正解だった。これから秋、冬と季節が進んで

冷え込んでくると、ますます坐骨神経痛の症状はひどくなるのでないか、と心配でもある。









痕跡

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[ 宮崎県 三股町 ]

毎年のことだが、庭のヒガンバナの花茎が伸びてきた。

Z9071749ヒガンバナ.jpgもういろいろと覚悟をせねばならない時期なのだ。仕事の上では。

ヤマアジサイの葉上で、アカギカメムシの残骸(小楯板の一部)を見つけた。

Z9071759アカギカメムシ残骸.jpgうちの林で今年も繁殖したのかどうか、確認はできていない。

しかし、この残骸から察するにある程度の個体数がうちの林に滞在していたのは

確かだろう。あらためてアカメガシワの雌株を探索してみたが、アカギカメムシの姿は

無かった。高所で繁殖したとすると、死角になって観察はできない。


坐骨神経痛の痛み止め服用薬は、一週間目の昨晩で切れた。

今日は薬を飲まないせいか、昼前から激痛が臀部を中心にあって、とくに机に向かっての

作業はよくない。小岩屋敏さんからいただいた別刷りを読みふけっているうちに

痛みが極度となった。じっと椅子に座るのは堪える。

明日に予定していた観察会は天候も良くないので、来月に延期にしてもらった。

歩くのは問題ないが、車の運転や特にかがみ込む姿勢をすると痛みが激しい。


( 写真: E-M5 ライカ45ミリマクロレンズ )

[ 宮崎県 三股町 ]


嫁さんに頼まれたNHKの「きょうの健康」今月号を買いに書店に立ち寄ってみれば

NHK出版の「里山の草花ハンドブック」 が置いてあったのでようやく購入できた。

本書の本文解説は、山形の永幡嘉之さんが書いている。

このハンドブックシリーズは写真だけでなく、文章の内容が面白く

実用的な図鑑とは違った魅力がある。


今日は敷地内でオオカマキリの成虫を3匹見た。

まだ終齢2匹がいるが、これからは成虫のほうが多くなってくるだろう。

昨日はチョウセンカマキリの終齢を近くの草むらで見た。

オオカマキリの新成虫はさすがに初々しいが、怒り方にもパワーがみなぎっていた。

B_005626オオカマキリ.JPG口の赤と前脚付け根の濃藍色のグラデーションとの組み合わせが、視覚的に恐怖心を

誘う。この効果は人だけでなく、獣や野鳥にもかなり通用するものではなかろうか。

さらに私がちょっかいを出すと、前脚を大きく広げた。

B_005623オオカマキリ大きな口.JPGそういえば、今日はヤマカガシの幼蛇が鎌首を揚げたまま、移動していた。

私の姿に驚いてのことで、威嚇しつつ逃げていたわけだが、

その後ろ姿にオオカマキリと似たような雰囲気を感じた。恐怖心とはどこから

どのようにして私たちの脳に浸透するのだろう。

昆虫写真では、このように生き物のリアルな姿を描写することによって、

ときには気落ちが悪い場面も多く提供する。頼まれもしないのに。

これが例えば、植物写真家のブログであれば、こんな気持ち悪い場面はほぼ

無いで0あろうかと思う。

動物では可愛いだけでなく、美しいだけでなく、ドロドロとした生命の

営みも表現の対象となる。

そもそもカマキリを嫌う人も多く、また一方でカッコいいと感じる方もいて両極端。

しかし、こうして人に向かっても反応をみせてくれる昆虫はそう多くはないので、

怒りっぷりの良いオオカマキリには親近感を覚える。

オオカマキリにちょっかいを出して喜ぶ私などを見て、それが人社会からの逃避であろう、

という精神分析もまた有り得る。人社会にどっぷり浸かっていれば、それも当然だ。

さて、夕方の犬の散歩でカラスアゲハの雌がねぐら場所を求めて同じ場所を右往左往

していた。ゆっくり飛翔しているので後ろ翅の青い模様がひときわ綺麗に見えていたが、

レンズ交換しているうちに、ねぐら場所の梢に落ち着いてしまった。残念。

Z9061703カラスアゲハ雌.jpgチョウは綺麗ということで人気も高いが、しかし蝶の鱗粉が舞うのが嫌い、という

人も世の中には少なくない。蛾も蝶も一緒というのは、ある意味で正しくはある。

昔付き合っていた彼女がミヤマカラスアゲハがすぐ傍まで近寄ってきたとき、

ものすごく怯えていたのが印象的だった。

彼女の「粉が嫌いなの!」という言葉には、ちょっと意外であった。

写真:EOS-7D  EF100ミリマクロ  (オオカマキリ)、


    E-M5   M.75ー300ミリズーム (カラスアゲハ)












[ 宮崎県 三股町 ]

トラクターが畑を耕し始めると必ずどこからともなく、アマサギが集まる。

土中から飛び出すカエルやミミズや昆虫が、彼らの餌になる。

背景の霧島山がくっきりと見えるのは今月半ば以降のこと。

Z9051493霧島山と農作業.jpgさて、先日、庭で見つけたシャクガ幼虫に体外寄生していたコバチ幼虫だが。

今朝になって覗いてみれば、シャクガ幼虫は日干しのようにペシャンコとなり、

寄生蜂幼虫の姿は消えていた。繭を紡いだのである。

Z9051468シャクガ幼虫日干し.jpg幼虫の日干しをそっと引き剥がしてみた。繭は日干しの下に隠れているからだ。

Z9051481きせいばちの繭20120905_104709.jpg横から見てみると、寄生バチの蛹が8個並んでいるのがわかる。

まゆ壁は薄く、したがって幼虫の体の下に隠れているのは納得がいく。

それぞれ個室に分かれているようにも見えるが、その隔壁も薄く、むしろ

8部屋全部が共同繭に包まれているように感じる。

飴色の蛹を一個、取り出してみた。腹側から見てみる。

Z9051488寄生バチ蛹20120905_105828.jpg体長2ミリ程度の蛹で、頭部、触角、脚、翅、腹部などが区別できる。

成虫が羽化すれば、同定が可能かもしれない。

蜂といえばもう一つ。

居間の南側のひさしに営巣しているヤマトアシナガバチだが、

数日前にヒメスズメバチが偵察に来ていたので、気をつけていた。

するとやはり今朝になって、ヒメスズメバチの襲撃を受けていた。

Z9051442ヤマトアシナガバチ受難20120905_074133.jpg
多い時でもヒメスズメバチは4匹くらいまで。一匹だけで収奪していることもある。

ヒメスズメバチは繭蓋を噛み破ってはヤマトアシナガバチの蛹や前蛹を引き抜き

容赦なく肉団子にする。その間、ヤマトアシナガバチは離れてじっとしている。

まったく反撃することはしない。ヒメスズメバチには適わないことを知っているのだろうか?

同じことを例えば人が行えば、猛反撃を受けるはずである。

夕方になって再び巣を見上げてみれば、すでにヒメスズバチの姿はなく、

アシナガバチの繭部屋はすべて空っぽになっていた。

わずかに卵と若齢幼虫が残っているだけだ。

Z9051532受難のあと.jpg
写真: E-M5  M.75-300ミリズーム、14-42ミリリバース改造レンズ、
          
          ライカ45ミリマクロレンズ、ストロボFL-300R、FL-36R




[  宮崎県 三股町 ]

庭の草むらで逆さまになって、三日目。

このオオカマキリ幼虫、今朝になってもまだ羽化していない。

Z9041369オオカマキリ終齢幼虫.JPGお腹がいっぱいなのでここに留まっているだけのようだ。

うちの敷地内にはまだ羽化手前の終齢幼虫がほかに3匹いる。

オオカマキリの羽化はだいたい夕方以降、夜間に行われることが多い。

羽化脱皮直前まで動くので、観察や撮影は意外と厄介だ。


今日は午前中、三股町の上米公園で観察会の下見をした。

NPO法人「こじいの森・こどの時間」のスタッフの方達も同行。

まだ暑いが気持ちよく晴れた。日陰に入ると空気も乾いているし、風もあって涼しい。

秋の気配が日毎に増してくる。池にはカイツブリの親子がいて、

ギンヤンマの連結カップルが盛んに産卵していた。

林道を歩いていると大きなミミズの死骸を食べている、マイマイカブリ がいた。

Z9041402.jpgアカメガシワとクリの樹液に来ているマイマイカブリは見たことがあるが、

昼間の活動を観察する機会はきわめて少ない。せいぜい走り去っていく姿を見かける

くらいだ。

上米公園の林道は一部、遊歩道として整備されているが、広く巡り歩くには

中途半端なルートしかない。しかも昨年杉の間伐作業があって、雨の影響もあり

一部のコースが荒れてしまった。観察会を行うにも今回はルートを縮小せざるを得ない。

いっそ、杉植林はもっと思い切って伐採し自然林を回復するようにして、

広大な森の中をあちこち探検できる公園にして欲しい。

自然公園という発想に至らず、公園というと

鑑賞木や華やかな花壇、そして桜、紫陽花を整備することが多いのは残念だ。

と、愚痴をこぼしながら、下見を終えた。

帰り際、草むらで産卵するチャバネセセリがいた。

産みたての卵を皆さんに見てもらった。

L1040320チャバネセセリ卵.jpg

写真機材: カメラ   E-P1、E-M5

         レンズ  M.70ー300ミリズーム、M.40-150ミリズーム
              
                 オートベローズ+マクロ38ミリ

        ストロボ  サンパックAUTO30SR改造、FL-36R

 






オニグモと日没

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[ 宮崎県 三股町 ]

注文していたパソコンが届いて、そのセッティングと調子の悪い旧パソコンの

修復作業(まだ終わらず)などをやっていたら、

夕方の犬の散歩が遅くなってしまった。

外に出るとすでに日没寸前。

Z9031252日没.JPG散歩道で人に出会うことはほとんどない。

大きなオニグモが円網の真ん中に陣取っていた。網は昨夜からのものだろう。

Z9031237オニグモ.JPG巣網のディテールも表現するには、ストロボ光も必要だが、

見た目に近い表現では自然光でいい。

Z9031247オニグモ自然光のみ.JPG私も幼少の頃はクモが怖かった。上の写真のようなまさにクモのシルエットからして

怖かった。いつから怖くなったかはわからない。まさか生まれながらにして、というわけでも

ないだろう。おそらく物心ついたときから怖かった、ように思う。家庭環境が大きいと思う。

それが昆虫を追いかけるようになってから、ガラリと変わった。クモに興味が湧いた。

すると怖い、という感覚は嘘のように消えてしまった。

アゲハの幼虫も中学1年生のときはまだ気持ちが悪かった。

恐る恐る、割り箸で捕まえた記憶がある。それは理科の宿題で点稼ぎするためであった。

中学生のころ、昆虫との出会いは、本の世界だけであり、

私はいわゆる昆虫少年ではなかったのだ。

だから、イモムシを気持ち悪がる人や、クモを怖がる人の気持ちが、少しは理解できる。

立場がガラリと変わって、「ほらこのイモムシ、可愛いでしょう!?」と観察会で

説明しながらも、その感覚が簡単には通じはしない、ということも同時に感じている。

でも、きっかけは大事である。

語りかけてくれる人が傍にいるか、いないか、では雲泥の差がある。

気持ち悪い、と感じるのは、対象物を見ようとする前から、

気持ち悪がっている、ということもよくある。最初からイメージを組立て、自分の世界で

回りを見る。これでは自分劇場のなかだけで、回りを納めてしまうことになりかねない。

ほんとうに何が気持ち悪いのか、じっくり考えてみる時間もあっていいかと思う。

私もじつはいまだに蛇が苦手である。しかし、努力は怠っていない。

出会ったらできるだけよく観察するようにしている。じっと見る。

蛇にも種類がある。種類によっては全然、気持ち悪く感じないものもある。

ジムグリとか幼蛇とか。マムシなどはカッコいいと感じる。でも腹側を見ると

ちょっと気持ち悪いと、白状する。それでもできるだけ、彼らをよく見ようと努力する。

石垣島で初めてであったサキシマハブも、かなりビビったけれど、綺麗だった。

ほんとうに綺麗だった。

毒蛇には威厳を感じる。

この話はまたいづれ続きます。

(写真: E-M5  M.12ー50ミリズームレンズ )









[ 宮崎県 三股町 ]

玄関前の植え込みにはスズミグモの巣網がある。

先日、紹介したばかりだが、今日は巣網の様子がわかり易い写真を

撮ってみた。背景は我が家の外壁で煩雑となるため、スタジオ用の黒バックを

置いた。

Z9021139スズミグモ巣網.JPG富士山型の巣網が不規則網で支えられている。

主のクモは傘の中央頂部に仰向けになって構えている。獲物が掛かればたちまち出動する。

今日はイナゴの一種が餌食となっていた。糸でグルグル巻きにしてから、

長い時間を掛けて食事をしていた。

Z9021172スズミグモ食事.JPG昆虫の生活を追いかけていると、いろいろな生き物との関わりがよく見えてくる。

植物との関わりが多いが、クモ類との関係も深く、クモについても知らず知らず興味を

抱くことになる。宮崎に引っ越して、最初に作った写真絵本が「クモのいと」(ポプラ社)

だった。

今住んでいる家の周辺にはコガネグモがたくさんいて、感動したからに他ならない。

昨日は自然環境の貧困さを書いたが、隙間の自然というものもある。

一見、貧弱に見える風景のなかでも、そのちょっとした隙間環境にかろうじて

たくましく生きる生き物が必ずいる。それは逆に見ると、生き物を根絶やしにするなど

そう簡単なことではないのである。

まさにその隙間環境に生き延びているコガネグモに魅入られてしまった。

もっとも、先の写真絵本はコガネグモの生活史で綺麗にまとめることができず、

ご批判を受けていることは承知している。それでも批評していただける、ということは

たいへん有難いことである。


夕方、犬の散歩に出ると、近所の草むらで今年初めて、スズムシの鳴き声を聞いた。

涼しい音色を聞くと、もう秋だなあ、と感じる。もう秋がいっぱいだ。

庭の植え込みでオオフタオビドロバチの交尾カップルを見つけた。

撮影しているうちに、メスの腹部の様子がおかしいことに気づいた。

よく見るとネジレバネの寄生を受けていることがわかり、慌てて採集した。

これまでキイロスズメバチやコガタスズメバチに寄生したネジレバネは見ているが、

ドロバチ類では、初めての観察である。

( 写真: E=M5 M.75-300ミリズーム 、ライカ45ミリマクロ )


[ 宮崎県 三股町 ]

延岡市に滞在していた夜のこと、我が家では居間の窓にオオミズアオが

飛来していたそうだ。

今朝、網戸に付着した卵を見て、「あ、オオミズアオが来たんだ!」と叫ぶ私。

すると嫁さんが、「お父さんがいない夜、部屋に入りたがっているオオミズアオが

もう翅もボロボロだったけど、いたよ。」とのこと。

A_006862オオミズアオ卵.JPG網戸以外にも外壁やサッシ枠に産卵しており、全部回収したら30数個あった。

未受精卵でないことを願うばかりだ。是非、飼育したい。

都城市、そして三股町周辺の自然環境は、例えば県北の延岡市周辺と比較すると

格段に杉植林が多く、反面、広葉樹林の森の面積は極めて少ない。

大雑把に言うと、うちの周辺の自然環境は農業地、林業地に徹底して開発されており

したがってオオミズアオやヤママユなど、野蚕の生息密度はかなり低いと感じる。

この5年間、仕事部屋の外に灯火を設置して観察を続けてきたが、

野蚕の飛来は驚く程少ない。正直言ってがっかりである。

ま、何から何まですべて良し、とはいかないものだ。

延岡市のどこかに別荘でも欲しい気がする。年に数回は通いたい。


庭のススキで小さなシャクガ幼虫を見つけた。しかもコバチ類の幼虫が

体外寄生していた。

Z9011004コバチ寄生.JPGこれとまったく同じことを近くのあぜ道で4年前にも観察している。

この手の写真は、気味が悪いということで世間では敬遠される。

拙著「虫のこどもたち」(福音館書店)ではイチモンジチョウ幼虫の体に出来た

コマユバチ繭の写真を載せたが、これはけっこう評判が悪かった。

この本は自分の好き勝手に作ったし、それを出版社側も許してくれたと思っている。

いろいろと注文も受けたけれど、それは私の意図を束縛するようなものではなかった。

好き勝手に本を作らせてもらい感謝している。

もっともこの本の売れ行きは悪く、絶版ではないが、増刷はしない、ということになった。

つまり品切れ。

在庫が無くなりしだい、販売は終わる。

生き様に対して、気持ち悪いから、とタブー視すること自体、私には抵抗がある。

見たくはない現実はいっぱいある。

それを全部、否定してしまって、自然を理解できるだろうか。

自然写真というジャンルがあるが、そこでイージーな気持ち良い写真ばかりで

評価されるとしたら、それはやはりおかしい、と思う。

と、いうようなことを書くと、「新開は硬派か!」、と言われそうだ。

ま、それに関してもどう言われようとどうでもいいことだ。


さて、少し前、そう2週間前あたりからメインパソコンの調子がおかしい、と

感じ始めた。そして一週間前、左足のこむら返りから痛みが始まり、

その痛みがここ三日前からひどくなった。

偶然ではあるが、パソコンの不調と自分の体調不良を重ねて考えてしまう。

今朝は臀部から太もも、ふくらはぎまでの痛みが頂点に達し、

いてもたってもいられない程の激痛。症状から坐骨神経痛とはわかるが

医者の診断を受けることにした。するとやはり「坐骨神経痛」とのこと。

痛み止めの服用薬をもらった。

これからは気長に自分自身で治療努力をするしかない。

パソコンは、治療法を知らないので、新しい機種を注文した。

できればパソコンなど使わないで仕事ができるといい、といつも思うが、

田舎暮らしで仕事ができているのは、パソコンのおかげである。