草原を歩く

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[ 熊本県 阿蘇山 ]

今朝の阿蘇山上は濃い霧に覆われていた。

IMG_0930.JPG車のヘッドランプを点けて走行したほど。しかも冷たい強風のため体感気温もかなり低い。

標高千メートルを超えるので事前に用意していた、冬ズボンに履き替えた。

靴下も冬用。だが、手袋を積み忘れたのは痛かった。

フリースも持っていたが、これは必要なかった。重いカメラザックを担ぐので上半身の

防寒は軽目で大丈夫だ。

なんといっても坐骨神経痛が騒ぎだしたので、これをなだめるように歩く。

腰を冷やすのが一番いけないのだ。痛いときは物凄く痛い。そうでないときもある。

午前中、2時間半ほど草原を歩き、今回の目的を果たした。

ダイコクコガネの生態に関しての勘がしだいに冴えてきたようだ。

その感触を得るまで、ひたすら歩いてきた甲斐があった。ひたすら歩くと言っても

歩く中で感じたことを反芻する。論理的な思考ではなく、直感力の積み重ねだ。



火口は解放されていたが視界が悪い。これでは撮影も無理、と帰る準備をしていたら

急に青空が覗き始めた。

時間の余裕があったので600円の通行料を払って中岳火口まで上がってみた。

ちなみに軽自動車だと半額の300円である。遊歩道を歩けば無料です。

A_009281のコピー.jpg中岳から草千里方面の眺望。

画面矢印の頂上が前回登った杵島岳(1326m)

杵島岳は草千里から30分ほどで登れるが、頂上間際に続く急勾配石段はけっこう

キツかった。そのときは坐骨神経痛の痛みが治まりつつあったが、痺れはひどく、

喘ぎながら登る自分を、一方では罵る別の自分がいたのであった。

ましかし、苦あれば天国?もあり。

頂上に着いたら、そこにちょこんと可愛い女の子が一人座っていた。

「こんにちわ!!夏だったらもっと大変だったねえ~。」などと気さくに声をかけたのだが、

てっきり日本人女性と思っていたら、シンガポールから来ていた中国人女性だった。

片言の英語で話しながら一緒に下山したが、阿蘇山の次には韓国に行くということだった。


昨日の三股町、上米公園での観察会の対象は、いつもの子供たちではなく、

特別にお母さん方達向けであった。つまり講師の私以外はスタッフの方も含め

皆さん、女性。

そもそも虫嫌いは女性という偏見もあるが、それは当たらずも遠からず。

しかし、参加してくださったお母さん方(皆さんお若い年代です)は

自然観察にずいぶん興味を持たれ、私が説明する話にも熱心に聞き入ってくれた。

要は聞く耳を持つかどうかだろうと思う。自然の営みに日頃から関心はあるけれど、

日常の生活に追われて、ゆっくり目を向ける時間が作れない人も多い。

いろいろ観察した中で、皆さん驚いていたのが、見事な擬態のオナガグモ。

IMG_0813オナガグモ.JPGヒナカマキリの成虫は見れなかったが、小さな卵のうだけ、見てもらった。

IMG_0091_1ヒナカマキリ卵のう.JPG他にはコチャバネセセリの幼虫巣を披露していたとき、

タイワントビナナフシをスタッフの方が見つけて、その飛翔の姿や匂いを嗅いでもらったり

と、予想外の展開もあって(だからこそ観察会は意義が大きい)

楽しい観察会を過ごせた、と思う。

虫だけでなく、植物の観察の方が多かったが、植物の和名については

怪しいものもあったと思う。でも私なりに精一杯、解説させてもらった。



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