2012年12月アーカイブ


今年を振り返って

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[ 宮崎県 三股町 ]

晴れ間もあって家の玄関周りや窓など、庭に出て大掃除に励んだ。

林も寸暇の時間歩いてみたが、クロヒカゲの蛹殻が見つかったのみ。

クヌギのすぐ傍のアカメガシワにクヌギカメムシの卵塊が一つあったが、

来年、孵化した幼虫たちは過酷な状況下に置かれるだろう。

となりのクヌギに移動できるだろうか?


さて、今年一年を振り返ってみるといろいろあるが、

一つだけ印象に残った昆虫をあげろと言われれば、10月に撮影したコマカキリである。

コカマキリの威嚇行動を撮影したくて、

これまでにも幾度となく試してきたが、これほど長く威嚇が続いたのは初めてだ。

数十分以上も続いたのである。通常は逃げられてしまうことの方が多い。

ZA284908.jpg触角が切れて短いのが残念ではある。

しかし、あの緊張感みなぎったポーズを持続するにはかなりのエネルギーを

使ったのではないだろうか。なんだか悪いことをしたような気もしないではない。


仕事としては講演と観察会が例年よりか多かった。私のような昆虫カメラマンは

主に本を作るのが仕事ではあるが、現場に出向いて多くの方と出会い、

一緒に自然環境の中を歩く、というのは大事なことだと思っているし、自分も

楽しくやりがいを感じる。

講演会もできるだけ新しい経験を取り入れて、聴講者の方々と会話できるような

雰囲気作りにも努めたきたつもりでいる。

一方的にお話するだけではなく、子供たちの声も吸い上げてきた。

来年もすでにいくつか講演と観察会の予定が決まっているが、

県内、県外を問わず、撮影スケジュールの折り合いがつく範囲ではできるだけ

出向いていきたいと思っている。


今日はローストビーフを作った。もも牛肉800gはちょっと少なめだったか。

宮崎では良質の和牛が安い。

食べごろは明日だ。

クリスマスにローストチキンを作れなかったので、正月用のローストビーフに

してみた。私の好みとしてはローストチキンのほうがいいのだが。



もう一つの顔

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[ 宮崎県 三股町 ]

朝から雨のため屋外作業ができない。そこでスタジオの整理、改修をした。

ライティングシステムを大々的に変更して、よりスペースのゆとりを作った。

かなり動きやすいスタジオになったと思う。こうして毎年、改修し続けている。

スタジオはまるで生き物みたいなものだ。

スタジオのレイアウトは撮影内容によってその都度違ってくるので、

これでいいという決め打ちができない。自由度を確保しつつも楽できるシステムがいい。

さて、

先日、我が家の林で見つけたミヤマカラスアゲハの越冬蛹。

強い光で透かして見ると、寄生蜂の顔が浮かんだ。

IMG_3461寄生バチシルエット.JPGヒメバチ類であろうか。

IMG_3478.JPGでっかいのが一匹、ミヤマカラスアゲハになりすましている。

※ 大きな寄生蜂が育っているように見えたのだが、その後になってヒメバチ類の

蛹が育つことなく、百匹前後のアオムシコバチ類幼虫が中に充満していた。

ここに訂正します。






朝焼けと入りの満月

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[ 宮崎県 三股町 ]

午前7時過ぎ、入りの満月が赤く染まっていた。

B_009749朝の満月.JPG
都城市方面は霧に覆われ真っ白。

B_009757霧島山朝焼け.JPG撮影しているうちに北西の風と共に霧がこちらまで押し寄せて来て、

霧島山の展望もすっかり霧の中に消えてしまった。一面、真っ白。

風景はわずか10数分の間に一変してしまったのである。

どうりで今日一日、暖かい。







[ 宮崎県 三股町 ]

先日、我が家の林で見つけたミヤマカラスアゲハの蛹だが。

春になって♂が羽化するのか、それとも♀であるのか?

今のうちに確認しておきたくなった。

そっと台座糸ごとササの葉から丁寧にはがしてみた。

ところが、、、、、。

A_000440ミヤマカラスアゲハ.JPG腹部の節間膜が伸びているのがわかるだろうか。

なおかつ、その膜を透かして何やら異物が見える。どうも寄生されているようだ。

性別は、♂であった。

A_000444蛹腹端.JPG年末とあって、年賀状の印刷に追われたり、継続している仕事の調整をしたりと、

忙しい。まあ、世の中皆忙しいのだろう。

FMラジオでゲストに広瀬香美さんが登場し、彼女の歌を聴いていたのだが、

CDを発注した。欲しいと思った商品があっと言う間に発注できるシステムが、

ほんとうにいいのか、戸惑いもあるが、早く曲を聴きたいという欲望に負けてしまった。









四国山地

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[ 愛媛県 松山市 ]

昨日の朝。午前7時過ぎ。

CIMG1849夜明け.JPGこの山並みは実家から南側に見え、東温アルプスとも呼ばれているようだ。

ゴミ出しで歩きながら撮影した。と、書けば雰囲気を損ねるかもしれないが。

それだけ身近な光景ということだ。

愛媛もかなり冷え込み、特に山間部では積雪があった。

午後になってから同じ方角を眺めてみた。

IMG_3382.JPG右端の山頂部は梅ケ谷山(1315m)だろうか。電波反射板?が見える。

画面右方向に皿ヶ嶺(1280m)がある(写っていません)。

私にとって山といえば皿ヶ嶺であり一体何度登ったことだろうか。いや、回数はたいした

ことないのだが、想い出が多い山である。

フジミドリシジミの♀を初めて採集したのもここのブナ林であるし、

アイノミドリ、エゾミドリの越冬卵を尾根沿いのミズナラから採卵したのも

ここだった。植物のセンブリを初めて見たのもここ。

アイノミドリのAB型♀をネットインしたときは、ガタガタ震えたものだ。

ともかく、

山をイメージするとき、皿ヶ嶺がまるで母親のごとく思い描かれるのである。

弁当代がなくて、山頂でキャラメルコーンを食べたことも、あったなあ~。


本日は松山から宮崎に戻って、さっそく仕事。

年賀状はこれから。







さなぎ

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[ 愛媛県 松山市 ]

実家の南隣には無農薬の野菜畑があって、キャベツとブロッコリーが植わっている。

ちょうど今どき、そこで育ったモンシロチョウたちが、実家の庭に移動して蛹化している。

かなりの数になるが、アオムシコマユバチに寄生され蛹化することなく果ててしまう

個体も多い。庭に積み上げたコンパネの隙間の蛹などは、

コンパネを動かしたときうっかり潰してしまいそうなので回収しておいた。

近くのカラタチや、キンカンで育ったナガサキアゲハの蛹と

寄生バエにより息絶えたツマグロヒョウモン蛹とを並べてみた。

IMG_3346蛹.JPG今日は、2回更新しています。↓




オオカワヂシャ

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[ 愛媛県 松山市 ]

重信川の河川敷を歩いてみた。

以前、シロスジカミキリを多産したヤナギとアキニレの林は完全に流失し、

今はオオタネツケバナ(クレソン)の群落が増殖している。

CIMG1881クレソン群落.JPG遠目にはオオタネツケバナ群落かと思えた一部は、オオカワヂシャであった。

IMG_3427.JPG花をよく見れば、オオイヌノフグリと同じゴマノハグサ科、クワガタソウ属Veronica、と

誰でもわかるだろう。

正直言って、私は初めて見る花であり、水辺のVeronicaに驚いたしだい。

オオカワヂシャ花.JPG



神社

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[ 愛媛県 松山市 ]

世の中なんでも便利になったおかげで、田舎でも仕事ができるようになった。

昨日、書き上げた原稿は今朝になって推敲し、東京の出版社へ送信できた。

さて、今夜から松山に滞在。

実家のすぐ近くにある正友神社は、自然観察のフィールドでもある。

ZB185661正友神社.JPG以前から気になっていたのだが、神社では雨水を大きな桶に受ける施設が必ずあるよう

に感じる。これは、どうしてだろうか?

雨水を大切にすることはわかるような気がするが、もっと具体的な神事のことを知りたい。

東九州道は高鍋~都農間が開通して20分ほど所要時間を短縮できるようになった。

とはいえ、三股町から松山までの車移動には約7時間以上。

今日は少し疲れた。


[ 宮崎県 三股町 ]

明日が締切の原稿の仕事があって机に向かっていた。

写真の選別、絞込み作業が終わったので、あとは書けばいいという段階になった。

そこで気分転換に林に出て、観察路の落ち葉かき作業をしておいた。

こういう山仕事があって、それが義務でもあるが同時に楽しみにもなっているのは

非常に助かる。ちょっとそこらを散歩ならどこでもできるだろうが、

気晴らしに山仕事をやれる、というのはまったく別次元のことだろう。

ちょっと自慢したい気分だ。

一時間ほど労働してから、自然観察をする。

ササの喰い痕が気になった。クロヒカゲの幼虫がいるかもしれない。

A_000313食痕.JPGコチャバネセセリの可能性もあるが、幼虫巣が無いかそのあった気配が無いことからして

クロヒカゲを期待して良いと思った。そこでさっそく葉をめくる。

クロヒカゲ幼虫は葉裏に潜んでいるからだ。

そっと葉をめくると、意外なものが見つかった。

A_000317カラスアゲハ越冬蛹.JPG一発目に現れたので驚いたが、重量感ある蛹である。

それも、ミヤマカラスアゲハの蛹。

カラスアゲハと明瞭に区別できるのが、頭部の角の開き具合。

A_000320カラスアゲハ越冬蛹背面.JPG
2007年11月の「昆虫ある記」の記事で、カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの蛹の

見分け方を書いたことがある。久しぶりに自分の書いた文章を読んでみると、

識別法をネコの耳に例えていた。

それを読んで自分でも驚いた。そんなこと書いたっけ~!?

高校生のころからミヤマカラスアゲハは憧れの蝶であり、

どこか遠くの山地に出向いてやっと出会える蝶だった。

しかし、ここ三股町の我が家では、春と秋に必ず庭に姿を現してくれる。

で、そのミヤマカラスアゲハが、我が家の林で繁殖もしていることを確認できたのが

今朝の出来事だったのである。

蛹があった場所から2メートル離れて2本のカラスザンショウが生えている。

どちらも大木である。

山仕事、その合間に憧れの蝶との出会い。絵に描いたような瞬間だ。

そんな日を憧れて松山を発ったのが、もう30年前もの昔となった。

あの頃の私には、自分がどうなっていくのか、何も見えてなかった。

などと、頭の中で走馬灯のように想い出が駆け巡る中、

そろそろ原稿の書きだ出しを考えようと、家に戻っていったのである。



お立ち台

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先日、内蔵HDDの読み取り接続をUSB3.0に更新したくて、

新しい「お立ち台」を購入した。最初はネットで探すつもりでいたが、なんと

都城市の大型家電販売店に商品が置いてあったので、思わず買ってしまった。

CIMG1819お立ち台.JPG最近、バックアップ用HDDはポータブルHDDに移行しているので、内蔵HDDはいづれ

使わなくなるだろう。しかし、バックアップとして数年分は残すのでメンテナンスとして通電が

必要である。そのためにも「お立ち台」は必要になる。

昨夜はある方から忘年会にお誘いいただき、人生で初めてというに値する

豪華な夕餉をいただいた。仔細を知りたい方は直接、私に聞いて下さい。そんな人も

いないだろうけれど、、、、。

で、結構、酒が進み体がシンドくなったので、先にお暇し、タクシーを拾うことにした。

大通りに出るとちょうど空車が来たので手を揚げたが、乗車拒否にあった。

二度と、タクシーなんか使うか!と頭にくる。

これはヤバイなあ、と思ったが体はドンドン先へと歩き始めた。

ここで拾えなければもうチャンスはない。

気付けば7.3キロの道のりを1時間半以上かけて歩いていた。

普段は車でしか走行したことがない道を、ゆっくり歩いた。一度はやってみたいことだった。

高校駅伝では10キロをほぼ30分で走っているから、7キロ程度だとわずか20分で

走破してしまう計算になる。私が元気に走ったとしてもその倍以上は掛かるだろうし、

そもそも完走するのは無理で、絶対もどしてしまっただろう。それは勿体無い。

家に着くと仕事部屋に転がり込み、即シュラフに潜り込んだ。

じつはこのところずっとシュラフで寝ている。

室内撮影で待機する場合、仕事部屋で寝ることが多く、

Therm.a.restというアメリカ製のマットを敷いて、夏場はタオルケット一枚を被る。

冬場はシュラフの上に毛布など掛けるが滑ってしまい外れるので

あまり意味が無いが、シュラフは頭部まですっぽり覆えるのがいい。

今使っているシュラフはISUKaのアルファライト700というスリーシーズン用で

最低気温はマイナス5度Cまで対応できる。宮崎の室内ならこれで充分だ。

陽射しがあった今日は、シュラフを日干しした。

有難い!












産卵マーク

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[ 宮崎県 三股町 ]

庭の朽木置き場を覗いてみれば、コクワガタの産卵マークがいくつかあった。

比較的、形がわかりやすいものを撮影してみた。画面にはマークが二つ並んでいる。

A_000311.JPG産卵マーク.JPG飼育下では、コクワガタのメスは朽木の下側や壁との隙間などに潜り込み産卵する傾向が

強い。もちろん夜間に行う。

しかし、野外で見つかる産卵マークは朽木の表面であることも多く、よく目立つ。

野外での産卵行動を観察しておきたいものだと思う。

※ むき出しになった産卵マークも、産卵した時点では樹皮が被さっていたことも

考えられる。浮いた樹皮の隙間で産卵、というところかもしれない。

朽木の樹皮は脆くなってやがて自然と剥がれることもあるだろう。


今日は次男の部活の試合が日南市であって、その送迎を行った。

往復2時間を2回。つまり今日の車の運転時間は4時間。試合の間待っているわけにも

いかず、一旦家に戻って原稿書きの準備などしていた。



掘る人

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[ 宮崎県 三股町 ]

今朝はずいぶんと冷え込み、外気温はマイナス3度。

B_009725冬の朝.JPG南九州といえど、冬は冬。やはり寒い。

しかし、正午を迎える頃から気温はグングンと上がり20度近くとなった。

風も無いのでスーパーカブに乗って隣町の銀行まで行ってみた。

バイクもHDDも回転する機械であって、潤滑油の巡りを常に気に掛けねばならない。

機械はまるで子供みたいだ。そう、機械も生き物みたくスキンシップが必要。

こういう感覚は案外、女性には理解してもらえないかもしれない。

少なくともうちの嫁さんには無理だ。

機械はいつでもちゃんと動くものと思っているので、少しでも調子悪いと

「なんで動かないの!?」と怒り出す。

「メンテナンスに時間と費用が掛かるよ」と説明するのだが。

B_009731ヒガンバナ.JPGヒガンバナの緑葉も寒そうだった。

IMG_5900掘る人.JPG我が家の林でクヌギの根元を掘っているのは、私。

苦労して掘っているが、成果はゼロだ。









ツルリンドウの果実

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[ 宮崎県 小林市 ]

オオムラサキ南限の山間に今日も訪れた。

NPO法人「こじいの森・こどもの時間」のスタッフの方と一緒に

来年予定している観察会の下見であった。

南限と言われるだけあって、個体数はそう多くない。というか

探し易いエノキを見つけること自体、けっこう苦労する。

オオムラサキ越冬幼虫を探すには、冬枯れのエノキを見つけねばならない。

すっかり葉を落とした木を見て樹種を見分けるには、フィールド探索の経験が必要。

私がエノキを覚えたのは高校生のときだった。40Cm程度の実生小木であっても

エノキはすぐにわかるようになった。

A_000174エノキ.JPG写真のエノキ根際では幼虫が見つかったが、根際の湿度の条件も肝心。

さて、オオムラサキだけでなく、観察会では他の虫や植物、コケなども対象となる。

冬の自然をできるだけ体で感じたい、そういう観察会である。

「これなんですか?」と問われて見れば、ツルリンドウの果実だった。

ZC196341.jpgツルリンドウの果実を最初に見たのは宮城県の里山だった。そのときは

感激してフィルムで撮影したのを憶えている。カメラはニコンFM-2だった。

なんとも美味しそうな色合いが印象的である。

ZC196352.jpgコケもいろいろあったが、名前まではわからない。でも見惚れるほど綺麗だ。

A_000154ロクショウグサレキン.JPG朽ち木にはロクショウクグサレキンの幼菌だろうか?

気になって仕方がない。小さいけれどキノコなのだ。



大量の落ち葉

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[ 宮崎県 三股町 ]

先週、上京していた間にうちの林はすっかり落葉していた。

黄葉鮮やかだったイヌビワもまるで傘の骨だけ。

遠目ではどこにイヌビワの木があるのかわかりづらい。

林が急に明るくなって別世界に佇んでいるような気がした。

庭で作業をする前に足元の落ち葉をかいておいた。

CIMG1797落ち葉.JPG落ち葉はまだまだ売るほどある。ほとんどがクヌギの落ち葉。

花が終わってからあまり目立たなかったヒガンバナの緑葉が、落ち葉の中にあった。

( 写真: カシオEX-ZR300 )



南限のオオムラサキ

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[ 宮崎県 小林市 ]

今日は、南限のオオムラサキ越冬幼虫を見てきた。

場所は小林市。

A_000167オオムラサキ越冬幼虫.JPGオオムラサキは国蝶などに指名されて、ほんとのところは迷惑だろうと思う。


関係はないが、選挙結果に腹立たしいというか、虚しさしか無い。

残念なのは、ともかく権利ある者、投票所に行って欲しい!!

投票率が低いままでは話にならんではないか。私は期日前投票をした。

投票にはやり方がいろいろあるのだから。海外にいてもできる。

政治家が万歳する姿ほど、醜いものはない。だからテレビの報道は見ないことに

している。万歳など仕事とは到底、思えない。ただのお祭り騒ぎだ。

故・青島幸男さんが都知事に当選したとき、回りの記者から「万歳!!でしょ」と

注文つけられても万歳しなかったのは気持ち良かった。

マスコミも政治家と一体化して、腐っている。

腐っているテレビ報道になんの価値があるだろうかと、テレビなどには

批判の目と声を注ぐべきであろうと思う。






[ 宮崎県 延岡市立植物園 ]

朝から青空が出て暖かい一日となった。絶好の観察会日和だ。

県南の三股町から県北の延岡市まで車で約2時間半。

来週には宮崎九州道、高鍋~都農間が開通するので少しは

所要時間の短縮にはなるだろう。

冬の虫探しは地味ではあるが、今日参加してくれた子供たちや父兄の方々は

夢中になって虫探しを楽しんでくれたようだ。

小学生の子が「これなんですか?」と指差していたのは、冬虫夏草だった。

アラカシの枝にしがみついていた。ガヤドリナガミツブタケだろうか?

IMG_3263冬虫夏草.JPGヒメカマキリの卵のうも次々と見つかった。

オオカマキリのメスがまだいた。動きは鈍いが体は綺麗だった。褐色型である。

CIMG1788オオカマキリ.JPGキイロテントウは、駐車場の落ち葉を歩いていた。

IMG_3248キイロテントウ.JPGクチベニタケも崖でいくつか見つかった。女の子が胞子を飛ばして遊んでいた。

IMG_2805クチベニタケ.JPG池ではハイイロゲンゴロウとマツモムシ、ヒメガムシの泳ぐ姿が多かった。

コガタノゲンゴロウを見つけた人もいた。

CIMG1787池の虫.JPG
路上に置いていた丸太の下で、私がミイデラゴミムシを見つけさっそく放屁実験をした。

白い煙幕が出て、見ていた人はびっくりしていた。私の指が熱い!

IMG_3278ミイデラゴミムシ.JPGじつはクビボソゴミムシが最初に見つかり、そのときにミイデラゴミムシの話もしておいたの

だが、本当にミイデラゴミムシが見つかるとは思ってもいなかった。

放屁の様子まで観察できて良かった。

ほかにもいろいろな昆虫や虫のしわざが見つかった。

観察会が終わって駐車場に戻る途中、ヤマガラやメジロが賑やかに近くの梢にやって来た。

そのうち見慣れない小さな鳥が数羽の群れで現れた。これがなんと、キクイタダキだった。

私は群れで見るのは初めて。しかもすぐ目の前で。

観察会では、いくら下見をしていても当日本番では予想もつかない出来事が生じる。

そこが観察会の醍醐味でもあり、綿密に計画されたイベントとは全く違う催しとなる。




南国、宮崎

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[ 宮崎県 宮崎市 ]

宮崎空港に着いたのが定刻の10分遅れで正午ちょうど。

機内アナウンスで「東京より10度高い気温です。」と聞いた。

小雨もあって湿度も高い。宮崎に戻ったな、という安堵感に浸る。

空港内の宮崎ラーメンを食べて、バス停に出ると、ノボタンやブーゲンビリアの

花が賑やかだった。

IMG_3243ノボタン.JPG
IMG_3238.JPG
嫁さんの話では、昨日までかなり寒かったようだ。

文一総合出版から季刊誌「このは」の見本が届いた。

私は「小さな昆虫の冬対策」「こんなところに冬の虫みっけ」の8ページの

写真と原稿を執筆した。書店で見かけたら、是非、手にとってご覧下さい。


三股町の我が家周辺では、気温が上がったせいで、タイワンクツワムシが

賑やかに鳴いている。








新宿御苑の昆虫たち

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[ 東京都 新宿御苑 ]

午前9時の開園から入場。今日は編集者、三名の方とプライベートな観察会。

まずは樹上越冬しているアカボシゴマダラ幼虫を見てもらった。

同じエノキの根元の落ち葉から、ゴマダラチョウとアカボシゴマダラの幼虫が

見つかった。写真画面の上がアカボシゴマダラ、下がゴマダラチョウ 。

両種の違いがよくわかる。

IMG_3118ゴマあかごま.JPGヤツデの葉裏で、クロスジホソサジヨコバイの幼虫や成虫を見てもらった。

IMG_3008クロスジサジヨコバイ.JPGプラタナスグンバイも多数いたが、分散しており群れている状態は観察できなかった。

編集者の方たちと別れてから陽射しも出てきて、さらに観察を続けた。

ガマズミの枝にはサトクダマキモドキとサンゴジュハムシの産卵痕があった。

IMG_3159サトクダマキモドキ.JPG一昨日まったく見つからなかったシラホシコヤガの幼虫はエノキやソメイヨシノの樹幹から

いくらでも見つかった。探す場所が良くなかったようだ。

IMG_3221シラホシコヤガ幼虫.JPGトホシテントウ幼虫、写真では落ち葉の上に置いてあるが、じつは木の根元近くの

幹表面に二匹が並んで止まっていたのである。写真右の幼虫は上下でんぐり返しに

してみた。

IMG_3200トホシテントウ幼虫.JPGクヌギには、クヌギカメムシの卵塊が多数産み付けられており、これからまだ産卵しそうな

メスもいた。オスも一匹だけ歩いていたから、メスの産卵はまだしばらく続くだろう。

IMG_3235クヌギカメムシ♀.JPG新宿御苑での観察を終えて、昼食は新宿一丁目の「しろ八」というラーメン屋に入って

みた。「味玉醤油」を食べてみたが、あっさりスープ、塩加減もちょうどよく、美味しかった。

麺は縮れ麺で、普通盛は少なめで女性向きかと思う。私にはちょうどいい量だったが。

店員さんの応対も良く、厨房で三人の方が息のあった仕事をしており、見ていて気分も

いい。発券機が置いてあるが小さいので最初は気づかず椅子に座ってしまった。

久しぶりに美味しいラーメンを食べることができた。また食べてみたい。










新宿御苑、ふたたび

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[ 東京都 新宿御苑 ]

新宿御苑のアカボシゴマダラを追調査するつもりだったが、

アオキの葉裏で初めて見る幼虫を見つけたりして、アカボシ探索はできなかった。

IMG_3018謎の幼虫.JPG幼虫の体はパンパンに膨らんでいる。画面右が頭部。

歩く速度も速い。どうやら肉食ではないかと思う。体長は2ミリ前後だろか。

謎の幼虫を見つけたのは、モミジバスズカケノキの巨木の傍だった。

※ 写真の幼虫はコナカゲロウ科の一種の幼虫と、

ある方からご教示いただきました。ありがとうございます。


IMG_3038ポプラ.JPG明日はここでまた、編集者の方、数人と昆虫観察の予定。


今夜は、出版社P社でクリスマスパーティに招待いただいた。

ワインがいきなり美味しい。じゃんけん大会では早々と敗退。

人酔で疲れてもいたので、ホテルに戻って、「シャーロック・ホームズの冒険、

美しき自転車乗り」のDVDを観た。



[ 東京都 新宿御苑 ]

午前11時15分。新宿御苑を訪れてみた。

気温は低いが風はなく、陽射しのあるベンチに座っているとあったかい。

サクラの幹についた地衣類でシラホシコヤガの繭殻がいくつかあったが、

どうしても幼虫が見つからなかった。

エノキにはまだ黄葉が残っていた。もしかしたらいるのでは?と覗き込んだ最初のエノキに

アカボシゴマダラの越冬幼虫がはりついていた。

IMG_2971アカボシ幼虫.JPG
IMG_2963アカボシゴマダラ越冬幼虫.JPG
シラホシコヤガ幼虫探しに時間を浪費したので、このアカボシゴマダラ幼虫を撮影している

うちに、時間切れとなった。

午後から出版社で打ち合わせの仕事が控えていた。

明日も、御苑内でアカボシ幼虫を探してみようと思う。

( 写真: EOSーキッX6i EF-s60ミリマクロ、EF-8~15ミリ魚眼ズーム )

昨夜は新宿で、昆虫カメラマン、ライター&編集、デザイナー、の6名が集まり

賑やかに忘年会をした。おいしい日本酒の置いてある居酒屋を選んだので、酒もずいぶん

と飲んでしまった。なので今夜は休肝日とした。

今夜からホテルが変わって、新宿御苑の近くになった。

初めて泊まるホテルの看板の雰囲気は妖しい。

ええ!?と思っていると玄関はオートの観音開き。気を付けないと顔面にパンチ炸裂だ。

廊下の照明もちょっと妖しい。

IMG_2978ベッドルーム.JPG浴室もこんな感じ。

IMG_2972ナッツホテル浴室.JPG全体に広く荷物の置き場にも余裕があり、テレビ画面も大きい。広々としているのは

いいのだが、タオル掛けがない、ウォシュレットでない、便座がかなり冷たい、などと

細かいところで首をかしげたくなる。


[ 東京都 ]

東京に滞在中はよく歩くが、それは歩かされているに過ぎず、

苦痛に感じる。

さて、今日は埼玉県に出掛け、懐かしい方々と会ってきた。

昼食中もその後も、話はたいへん弾んで気がつけばもう午後5時。

さあて、今夜は大事な打ち合わせの初日。打ち合わせ前に少し時間があったので、

ビッグカメラに入ってみた。しかし本館のカメラコーナーでは品数が薄く、

見たい商品は置いてなかった。

今日の写真はわかりにくいかもしれないが、イラガの繭表面の一部を拡大したもの。


IMG_2674.JPG黒く丸い部分は、イラガセイボウの産卵痕である。それが3個寄り添うように並んでいる。

イラガセイボウはイラガの繭内に産卵するが、通常は一個しか産卵しない。

イラガ繭内で成長できるイラガセイボウは一匹だけ。と私は認識している。

もし、産卵痕が示すように3個の卵が産み付けられているとしたら、

孵化した幼虫同士で殺し合いが生じるのではないだろか。

生き残った一匹だけが成長を遂げる、というのはまるで猛禽の世界のようである。

なぜ、イラガセイボウの♀親は複数個の産卵をしたのか?

別の♀が時間差で産卵した可能性もあるが、それはそれで、なぜ?と疑問が湧く。

すでに産卵されている繭を選ぶはずが、通常なら無いはすだ。


小沢昭一さんが、今朝、亡くなったとのニュースを観た。

自分の生きてきた懐かしい時代を振り返りながら、寂しさを感じてならない。





[ 埼玉県 飯能市 ]

天覧山には数年ぶりで、杉がかなり間伐されて様子が変わっていた。

やたらと立て看板が多く、景観を損ねているのは残念だ。

IMG_2891天覧山.JPGクロスジフユエダシャクの♂が飛ぶ姿が多かったが、午後2時ころ、同行の鈴木知之さんが

地面の落ち葉で交尾する瞬間を観察し、交尾の様子を撮影できた。

コナラの梢には一箇所にウスタビガ、ヤママユ、イラガの繭が仲良く並んでいて、

おまけにオオカマキリの卵嚢まですぐ横にあった。

IMG_2831やままゆ.JPGしかし、しばらく別の場所へと移動し戻ってみると、ヤママユ、ウスタビガ、イラガの

繭は誰かが持ち去り無くなっていた。日曜日とあって、ハイキング、犬の散歩、観察会の

団体?など、とにかく人の姿が多かった。賑やかなフィールドを歩く、というのは初めて

経験した気がする。

ヤマザクラの幹でヒメヤママユの卵も見つけておいた。

IMG_2857ヒメヤマユ卵.JPG
( 写真: EOSキッス X6i  EF17-40ミリ、EF65ミリマクロ )

帰りは練馬駅まで送ってもらったが、地下鉄大江戸線ののりかえ駅をうっかり過ぎてしまい

全く違う路線を進んでいることに途中で気づき、引き返したりして、ホテルへの到着が

遅れてしまった。もうすっかり都会の電車も不慣れになってしまったようだ。









アリタケ

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[ 埼玉県 ]

今日の宿は埼玉県戸田市。道路と家ばかりで、なんとも寂しい光景だ。

明日は久しぶりに飯能のフィールドを巡るため、このような場所に投宿した。

写真は昨日、延岡市植物園で見つけたアリタケの一種。

IMG_2799アリタケ.JPGアリは腹部先端がちぎれているが、チクシトゲアリだろうか?

ともかく小さいのでこうして現場で撮影して、モニターで同行スッタフの方に見てもらった。

( 写真: EOSキッスX6i  EF-65ミリマクロ ストロボMT-24EX  )

我が家から宮崎空港まで、高速バスを使ってみた。バス停は我が家から車で7分程度と

近い。これまでこの停留所のことに気づかなかった。

実際、とても小さな看板しかなく、車を停車するスペースも何もない。

知る人ぞ知る、そんな停留所である。

ここを利用する人はきわめて少ないようだ。私も嫁さんに送迎してもらわないと利用できない。

バスは30分程度で空港に到着。これが一番早いルートかもしれない。

いつもは自分で運転するので回りの風景をよく見れなかったが、

バスの高い座席から眺めが良く、青井岳周辺、田野町、清武の自然環境をじっくり観察。

公共交通機関を有効に使える機会が少ない田舎暮らしの中で貴重なひと時であった。



延岡市立植物公園

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[ 宮崎県 延岡市 ]

16日に予定している観察会の下見に、延岡市まで出掛けた。

今日は風もほとんどなく暖かい晴天。観察会当日もこのようであるといいのだが。

コナラの葉裏では、ヒゲナガサシガメ幼虫が見つかった。でもわかりにくい。

IMG_2796ヒゲナガ.JPG冬の昆虫観察のポイントをできるだけ伝えたいと思っている。

探す場所、目のつけどころ、そういう感覚が身に付けば、冬の自然観察を楽しめる

ようになるはずだ。

カラカネオガタマで少し探してみれば、ミカドアゲハの羽化殻があった。

IMG_2793.JPG残念ながら越冬蛹は見つからず。あと30分あれば見つけたと思う。

ヒメカマキリの♀も4頭いた。やはり今日は暖かいせいだろう。

捕まえると死にまねをするのは、いつもどおり。

IMG_2809ヒメカマキリ擬死.JPGお腹が大きい♀だが、年内には産卵する。卵越冬はヒメカマキリで、

幼虫越冬がサツマヒメカマキリ、という見解もあるが、さてそこはまだ謎だと思える。

(写真: EOSキッスX6i  EF-s60ミリマクロ ストロボMT-24EX )


下見を終えて午後1時過ぎ。昼食は植物園のすぐ前にある「吉庵」で親子丼定食。

750円もするが、お吸い物も美味しいし、小鉢のおかずも美味しかった。






アカタテハ

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[ 宮崎県 三股町 ]

室内作業が忙しい。それでも我が家の林でフィールド探索を1時間ほどしてみた。

蝶ではツマグロヒョウモン♂♀、モンキチョウ♀新鮮、キタテハ数頭、

そしてアカタテハ2頭。庭のツワブキはもう終盤ではあるが、イチモンジセセリが1頭

とキタテハ1頭だけ来ていた。わずかな時間ではあったが、いろいろ新発見もあった。

ま、その成果についてはいづれ紹介したい。と、書きながらも忘れてしまう気がする。

アカタテハは、かなり新鮮。先月に羽化したのだろう。

A_000009.JPG
( 写真: EOSー7D  EF-s60ミリマクロ )






モンキアゲハ幼虫

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[ 宮崎県 三股町 ]

カラスザンショウも黄葉して葉を落としているところだが、

モンキアゲハ幼虫は季節の進行に取り残されて、呆然としているかのようだ。

A_009741モンキアゲハ幼虫.JPGましてや今日はかなり冷え込んだ。

おそらく、そこにしがみついているのが精一杯なのだろう。

すでに仲間の幼虫3匹が姿を消している。蛹化は無理だったと思う。

(写真: EOS-7D EF-s60ミリマクロ  )


政治家は選挙が余程、好きらしい。選挙となると活き活きしている。

その元気さを実際の行政に活かして欲しいものだ。

さて、16日の投票日は仕事が入っているので今日、期日前投票を済ませてきた。

まあ、しかし虚しい。わが地区小選挙区での立候補者は自民と共産党の二人のみ。

どちらかを選べ、というわけだ。比例代表となると、これまたいっぱいあって、

選びようがない。

今朝の毎日新聞の第一面に、原発から出る放射性廃棄物のゴミ問題のことが

書かれてあった。私もずっとこれまで、この問題が一番肝心なところだと捉えていたが、

世間では「臭いものには蓋を」という感覚なのか、あまり表立って論議されることが

少ないように感じる。原発に頼る限りこの放射性ゴミは増え続けるし、その処理方法は

無い。どこかへ埋めておけばいい、という先送りのままで経済優先の政策を推し進める

のもどうかと思うし、原発で仕事を得る人は、この放射性ゴミの問題を真剣に考えて

いるのだろうか、と不思議に思う。





[ 宮崎県 三股町 ]

玄関先で久しぶりにオオカマキリを見た。

A_009765.JPGこの時期にしては綺麗な個体だった。お腹の膨らみから、まだ産卵できそうだ。

畑の法面で交尾中のトノサマバッタ。

A_009869.JPG
コンクリートの法面は暖かい。だからここで日光浴するバッタ類は多いのだが、

交尾カップルは初めて見た。

( 写真: EOSー7D EF-s60ミリマクロ ストロボ270EXⅡ )


イチイガシの団栗

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[ 宮崎県 三股町 ]

我が家の林に、イチイガシが数本ある。

近所の山にもイチイガシはそこそこあって、5年前転居したころは

これならルーミスシジミに出会えるのも時間の問題だろうと軽く考えていた。

が、しかしルーミス遭遇はそう簡単ではないことが後でわかった。

イチイガシへの憧れはあった。それが自分の敷地内にあるのだから

少し幸せな気分になれた。自然観察を趣味としていると、ほんのわずかな発見で

幸せになれる。

IMG_2696.JPG
イチイガシの団栗。「団栗」を改めて漢字で書くとなると案外、すぐ出てこない。

昨晩は地区の忘年会もあったのだが、すっかり失念していた。

夕飯の準備をしていると電話があって、「あんた、今夜は会合があること忘れた?」

と言われ、びっくり!!

会場に30分遅れで駆けつけた。こういうとき困るのが足である。

自家用車で行くしかない。だから戻りは代行運転を使うしかなく、わずか7分程度の

走行距離で1800円の出費となった。




鱗粉転写

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今日は珍しく一枚も写真を撮っていない。

午後1時から都城市、安久児童館で20分ほどのお話をしたあと、鱗粉転写を

皆に体験してもらった。午前中は作例を作っていたり、同好会誌の原稿を仕上げていたり

と慌ただしかった。

鱗粉転写は高校生のときに少し嵌って、ドイツ箱も買い足せない貧乏だったので、

標本箱の要らない鱗粉転写は好都合だった。標本箱を買えない、

展翅版も買えない、採集に出掛ける交通費もない、、、、、、

という環境にいて、私は早々と昆虫採集趣味から離れざるを得なかった。

そこで私がのめり込んでいったのは、身近な蝶の生態観察であり、

カメラも買えなかったので、スケッチをしていた。あの時代ほどカメラに憧れた

時期はないだろう。ペンタックスのカタログを集めては眺めていた。

私は自慢ではないがそういう制約の中に生きていた。

標本を集めそれを保管し管理するにはそれなりの経済力が必要である。

中途半端なことはやりたくない。したがって今でも昆虫標本は必要最小限しか

作らない。昆虫の正確な同定には標本が不可欠だから、だから写真に撮った

昆虫の同定はたいへん困る。困るから怪しい写真は使えない。

種名のわからない写真を集めてもそれはほとんど、意味がない。

名前がつかない写真の主は、何も語ってくれないのである。

ちょっと誤解を受けそうだが、昆虫を、生き物を撮影するとは、そういうことも

大事な要素である、ということを言いたい。主格が何か?は極めて大事なのである。

さてさて、鱗粉転写。参加していただいた方々には若いお父さんもいて、

その方々はさすがに綺麗な仕上がりだった。で、1年生~3年生の子供たち。

皆それぞれ個性があって、ハラハラしながら見ていたが、なんとかできた。

鱗粉転写は鱗粉が裏返しになるので、色が違ってくるとか、体のスケッチをするとか、

ロウソクのロウを丁寧に塗るとか、あるいは翅の裏と表をうまく組みわせるとか、

低学年の子供たちには少しハードルが高かったと思う。

でも皆、私がお手本を披露したあと、夢中になって取り組んでくれた。

できた台紙は最後にラミネートして完成。この機会に昆虫の種名には

世界共通の学名があることも伝えてみた。

小学3年生の子供たちはもうローマ字を習っていた。

さすがに今日は、子供たちの様子を撮影している余裕はなかった。

それよりも手を出し、声を掛け、とまるで小学校の教師のような半日を過ごした。

写真ないついでに、私の本棚の一部を紹介。

CIMG1770図鑑.JPGカメムシ図鑑、3巻が揃った。図鑑は時間ある限り眺め、読み物として楽しむべし。

調べる本ではなく、読む本でもあります。