[ 宮崎県 三股町 ]
机にむかっての仕事が捗らない。
外は冷たい北風が強いが、窓からまぶしい陽射しが入り、
霧島山の上空はどこまでも青い。
潔く、林に出て落ち葉かきをする。
体を動かせば頭の血の巡りも良くなるかもしれない。
ガサゴソ、熊手を這わせていれば、いつもならジョウビタキが来るはず。
ところがいっこうに来ない。
しばらくして、林の中央付近20メートル先の枝に止まっている小さな姿が見えた。
どうした、なぜ、来ない?
尾羽をプルッ、プルッと震わした直後、ジョウビタキは地面に降り立った。
地面に突っ立ったまま、動かない。そこに、何があるんだい?
ちょこんと、一度だけ獲物をついばんだ。しかしそのあと、じっと地面に留まる。
これは、何かあるに違いない。
熊手を放り出して、ズカズカと、ジョウビタキの元へ歩む。
ジョウビタキは私の姿に警戒して樹上の枝に戻った。
地面にはモグラの掘り進んだ土の盛り上がりだけが続いていた。
なんだよ、モグラじゃないか、と盛り上がった土を蹴っ飛ばしてから、
2メートル身を引いてしゃがんでみた。
するとジョウビタキが私の目の前の地面に再び舞い降りて来た。
これは余程、魅力ある獲物があるんだな!?
私に近寄って来るくらいだから。
ジョウビタキの佇んでいる地面がモコモコと盛り上がり、その度にジョウビタキの体も
上下する。ちょっと滑稽なシーンだ。
地面直下をモグラが掘り進む。その真上にジョウビタキは陣取っている。
ジョウビタキは足元の地面が動いてもまったく怖がっていない。
なるほど、とようやく、私にも理解ができた。
モグラが堀り進むと、その刺激で地面に飛び出す、クモなど土壌性生物がいるのである。
ジョウビタキはそれらの獲物を狙っていたのだ。
ジョウビタキにとって、モグラそのものには興味ないと思えた。
モグラは姿を現さないので警戒もしていないようだ。モグラが追い出してくれる獲物、
それがジョウビタキの心を捉えていたのである。
2メートル先のジョウビタキは何度か地面をホッピングしながら獲物をついばんでいた。
おお!なるほど、モグラ耕運機のおかげで、猟場になるわけだ。
午後になってから、もう一度林に出てみた。
地面に埋没していた杉枯れ木を掘り出しておいた。この枯れ木にはつまづくことも
よくあるのでずっと処分したく思っていたのだ。
その作業を終えた頃、「ヒン、ヒン、ヒン。カッ、カッ、カッ」というお馴染みの囀りが
寄ってきた。
ハハアア~ン、今度は来たな。
何かを見つけたな、と思った瞬間、枝に舞い戻ったジョウビタキはワカバグモを咥えていた。
よく見つけるもんだなあ、と感心するが、見えない私がどんくさいだけなのだろう。
昆虫写真家などと偉そうなこと言っても、鳥の目には、適わない。
しばらくジョウビタキは私の目の前で狩りを続けていたが、
嫉妬したシロハラの追撃にあった。
がしかし、強気のシロハラも、私の姿には驚いたようで、林の奥へと飛び去って行った。
今日は、ジョウビタキの貸切りだな。うちの林レストラン。
机にむかっての仕事が捗らない。
外は冷たい北風が強いが、窓からまぶしい陽射しが入り、
霧島山の上空はどこまでも青い。
潔く、林に出て落ち葉かきをする。
体を動かせば頭の血の巡りも良くなるかもしれない。
ガサゴソ、熊手を這わせていれば、いつもならジョウビタキが来るはず。
ところがいっこうに来ない。
しばらくして、林の中央付近20メートル先の枝に止まっている小さな姿が見えた。
どうした、なぜ、来ない?
尾羽をプルッ、プルッと震わした直後、ジョウビタキは地面に降り立った。
地面に突っ立ったまま、動かない。そこに、何があるんだい?
ちょこんと、一度だけ獲物をついばんだ。しかしそのあと、じっと地面に留まる。
これは、何かあるに違いない。
熊手を放り出して、ズカズカと、ジョウビタキの元へ歩む。
ジョウビタキは私の姿に警戒して樹上の枝に戻った。
地面にはモグラの掘り進んだ土の盛り上がりだけが続いていた。
なんだよ、モグラじゃないか、と盛り上がった土を蹴っ飛ばしてから、
2メートル身を引いてしゃがんでみた。
するとジョウビタキが私の目の前の地面に再び舞い降りて来た。
これは余程、魅力ある獲物があるんだな!?
私に近寄って来るくらいだから。
ジョウビタキの佇んでいる地面がモコモコと盛り上がり、その度にジョウビタキの体も
上下する。ちょっと滑稽なシーンだ。
地面直下をモグラが掘り進む。その真上にジョウビタキは陣取っている。
ジョウビタキは足元の地面が動いてもまったく怖がっていない。
なるほど、とようやく、私にも理解ができた。
モグラが堀り進むと、その刺激で地面に飛び出す、クモなど土壌性生物がいるのである。
ジョウビタキはそれらの獲物を狙っていたのだ。
ジョウビタキにとって、モグラそのものには興味ないと思えた。
モグラは姿を現さないので警戒もしていないようだ。モグラが追い出してくれる獲物、
それがジョウビタキの心を捉えていたのである。
2メートル先のジョウビタキは何度か地面をホッピングしながら獲物をついばんでいた。
おお!なるほど、モグラ耕運機のおかげで、猟場になるわけだ。
午後になってから、もう一度林に出てみた。
地面に埋没していた杉枯れ木を掘り出しておいた。この枯れ木にはつまづくことも
よくあるのでずっと処分したく思っていたのだ。
その作業を終えた頃、「ヒン、ヒン、ヒン。カッ、カッ、カッ」というお馴染みの囀りが
寄ってきた。
ハハアア~ン、今度は来たな。
何かを見つけたな、と思った瞬間、枝に舞い戻ったジョウビタキはワカバグモを咥えていた。
よく見つけるもんだなあ、と感心するが、見えない私がどんくさいだけなのだろう。
昆虫写真家などと偉そうなこと言っても、鳥の目には、適わない。
しばらくジョウビタキは私の目の前で狩りを続けていたが、
嫉妬したシロハラの追撃にあった。
がしかし、強気のシロハラも、私の姿には驚いたようで、林の奥へと飛び去って行った。
今日は、ジョウビタキの貸切りだな。うちの林レストラン。