仕事部屋の外に設置してあるライトに飛来する虫のなかで、
数日前から、ツマジロシャチホコの姿が目立つようになった。
ライトの傍には、叔父からいただいて植えたビワの木と、
以前から植わっていた、イチイガシがある。
イチイガシの萌芽力は凄まじく、下手な剪定をやると枝と枝が交差したり、
樹形がけったいなことになる。そして今年の春は、どのイチイガシにも
アブラムシが大繁殖し、木の傍を歩くと甘露が雨のごとく降ってきて、
思わずカメラ機材に腕傘をさしてやり過ごしていた。
特にレンズに甘露がついたら、厄介だ。
ビワを庭に植えると大病を患うから植えてはならない、という言い伝えを
近所のおばあちゃんから聞いた、と嫁さんが私に告げたことがある。
私のことが、心配になったようだ。
4年まえに大きな手術をした私だが、それとビワの木との関係を疑うほど、
私も信心深くはない。そもそも、いったいどういった根拠であろうか?
そういう言い伝えが発生した理由などを知りたくなる。
そういえば、昔、松山の実家の庭にシキビを植えたことがあり、
するとお隣の農家の方がすっ飛んできて、
「シキビは庭に植えるものではない、悪いこと言わんから、うちの畑の外側にでも
植え替えなさい。」と忠告を受けたことを思い出した。
私がシキビを植えたのは、アカスジキンカメムシの飼育のためであった。
農家の方の目には、私の行為は異常に見えたらしく、
「虫を飼うためです」、という釈明などすれば、
もっと奇人扱いされるだろうと思い、結局、忠告には素直に従った。
さて、
イチイガシに止まっていたツマジロシャチホコの所へ、ムネアカオオアリが
忙しく登ってきた。
ムネアカオオアリは仕事部屋のすぐ近くに営巣しているようだが、まだ巣の位置は
確認できていない。
ムネアカオオアリ達がイチイガシに登ってくるのは、先にも書いたように、
そこに様々なアブラムシがいるからで、
目につくところではクリオオアブラムシのお尻にくらいついたワーカーが2匹いた。
ツマジロシャチホコに気がついたワーカーの一匹が、
翅の縁をかじり始めた。
翅のこの場所ならかじられたところで大した影響はない、とでも言いたいのだろうか。
ツマジロシャチホコは、微動だにしない。
何度も翅を引きちぎるように大顎を立てていたムネアカオオアリだが、
埒があかないと判断したか、一転して今度は頭部に近い胸部背面にくらいついた。
ツマジロシャチホコの忍耐もここまでだった。
大顎が二度目の攻撃を掛けた途端、
ツマジロシャチホコは一瞬にして飛び立っていったのである。

数日前から、ツマジロシャチホコの姿が目立つようになった。
ライトの傍には、叔父からいただいて植えたビワの木と、
以前から植わっていた、イチイガシがある。
イチイガシの萌芽力は凄まじく、下手な剪定をやると枝と枝が交差したり、
樹形がけったいなことになる。そして今年の春は、どのイチイガシにも
アブラムシが大繁殖し、木の傍を歩くと甘露が雨のごとく降ってきて、
思わずカメラ機材に腕傘をさしてやり過ごしていた。
特にレンズに甘露がついたら、厄介だ。
ビワを庭に植えると大病を患うから植えてはならない、という言い伝えを
近所のおばあちゃんから聞いた、と嫁さんが私に告げたことがある。
私のことが、心配になったようだ。
4年まえに大きな手術をした私だが、それとビワの木との関係を疑うほど、
私も信心深くはない。そもそも、いったいどういった根拠であろうか?
そういう言い伝えが発生した理由などを知りたくなる。
そういえば、昔、松山の実家の庭にシキビを植えたことがあり、
するとお隣の農家の方がすっ飛んできて、
「シキビは庭に植えるものではない、悪いこと言わんから、うちの畑の外側にでも
植え替えなさい。」と忠告を受けたことを思い出した。
私がシキビを植えたのは、アカスジキンカメムシの飼育のためであった。
農家の方の目には、私の行為は異常に見えたらしく、
「虫を飼うためです」、という釈明などすれば、
もっと奇人扱いされるだろうと思い、結局、忠告には素直に従った。
さて、
イチイガシに止まっていたツマジロシャチホコの所へ、ムネアカオオアリが
忙しく登ってきた。
ムネアカオオアリは仕事部屋のすぐ近くに営巣しているようだが、まだ巣の位置は
確認できていない。
ムネアカオオアリ達がイチイガシに登ってくるのは、先にも書いたように、
そこに様々なアブラムシがいるからで、
目につくところではクリオオアブラムシのお尻にくらいついたワーカーが2匹いた。
ツマジロシャチホコに気がついたワーカーの一匹が、
翅の縁をかじり始めた。
ツマジロシャチホコは、微動だにしない。
何度も翅を引きちぎるように大顎を立てていたムネアカオオアリだが、
埒があかないと判断したか、一転して今度は頭部に近い胸部背面にくらいついた。
大顎が二度目の攻撃を掛けた途端、
ツマジロシャチホコは一瞬にして飛び立っていったのである。