シロスジカミキリ

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松山の実家の庭でカシワを剪定した。

ふと梢を見上げれば、シロスジカミキリが潜んでいた。

IMG_4302.JPGカシワは2本並んでいるが、萌芽力が凄まじく、帰省するたびに枝刈をしている。

このカシワは東村山市の造園屋から鉢植えを買ったもので、

拙著「ヤママユガ観察事典」の撮影で使った。しかし鉢植えはアパート暮らしでは

持て余し、松山の実家の庭に植えたのだが、それが今では立派に育っている。


昔、福島県、裏磐梯でウラジロミドリシジミを探したおり、カシワについたヤママユの繭が

とても目立つことに気づいた。夏場にヤママユの繭を見つけるのは結構難しいが、

カシワの葉についた繭はむき出しで見つけ易い。

カシワの葉は大きいので、繭作りのときに葉っぱを寄せ集めるのもままならず、

葉の縁を少し折り曲げる程度で営繭してしまうのである。この習性に注目し

本作りの際、飼育下でカシワに繭を作らせたのであった。

さて、シロスジカミキリがここにいた理由ははっきりしている。

実家から20mほどの場所に発生木のアラカシがあり、そこで羽化したのであろう。

アラカシの幹には、数日内に羽脱したと推定できる真新しい穴がたくさん空いていた。

直径は大きなもので、五円玉くらいだろうか。

IMG_4318脱出孔.JPGアラカシの生えている土地は近くの神社のもので、ちょうど手入れしている方がいたので

お話を聞くことができた。で、このアラカシもいづれ切り倒す予定というので、

切り倒すときは是非、材を譲り受けたいとお願いしておいた。

ボコボコに穴があいた理由がシロスジカミキリの仕業であることをこの方は知らなかった。

実家のすぐ傍にある狭い緑地だが、ずっと昔、37年前頃までここには大きなクロマツだけが

二本生えていた。松と神社の石碑があっただけの場所だが、松が枯れて伐採されたあと

サクラ以外の木々は勝手に生えたのだそうだ。

今はクロガネモチ、センダン、クスノキなどの大木が所狭しと並んでいる。

毎年、シンジュサンも発生している。今年はどうだろうか。

土地の中央部は裸地となっており、かつてはクロアナバチの巣コロニーがあったが、

もうだいぶ前から蜂の姿は絶えている。

ともかくも、ここ愛媛県、松山市の平野部にはシロスジカミキリが多いのである。





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