本の紹介

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今月に入って献本いただいた、昆虫本を2冊紹介したい。

森上信夫さんの散歩で見つける虫の呼び名事典(世界文化社)

表紙(低画質)虫の呼び名事典.JPG身近に出会える昆虫のフォトエッセイ。「呼び名事典」とはあるが、和名の由来よりか

森上さんが見た昆虫世界の楽しい読み物となっている。

世の中では嫌われ者の昆虫に対して、親近感を抱けるような文章が嬉しい。

白バックで撮影するには色々と苦労もあろうけれど、それぞれの昆虫たちの

表情が豊かである。

小さな昆虫が大きく製版されており迫力もある。

もちろん屋外の生態写真も添えられており、昆虫生態図鑑のような雰囲気もある。

この本を眺めて、読んでみれば、ふと屋外に出掛けてみたくなるはずだ。

「ほんものを見てみたい!」と読者の方に思わせる好著である。


昨日、献本いただいたのは、

鈴木海花さんの、

『毎日が楽しくなる「虫目」のススメ』虫と、虫をめぐる人の話』

(全国農村教育協会)

虫目のススメ004.jpg
フォトエッセイストの鈴木海花さんが「虫目」で身近な自然を眺める極意を語る。

虫と深く関わる人たちの話やフィールド巡りの楽しい話も豊富に盛り込まれている。

昆虫の写真も盛りだくさん掲載されており、眺めるだけでも楽しめる。

私は2002年に「里山昆虫ガイドブック」(当時:TBSブリタニカ)を出したおり、

そのまえがきで「虫の目を持とう」という短い文章を書いたことがある(すでに絶版)。

要は虫を見ようというアンテナを立てることが、自然観察に踏み込む一歩であり、

小さな虫という生き物と出会い、感動するにはそれなりの気構えが必要だと

書いたと思う。虫を見る目が、やがて植物や周りの様々な自然環境へと広がることの

大事さを、今に思えばちょっと偉そうに書いたと思う。

鈴木海花さんの御著書を最初に手にして、タイトルの「虫目」と目があったとき、

ちょっとドキっとして、そして嬉しくもあった。














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