クロモンサシガメ

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たしか自分が大学2年生の時だったと、思う。

初めてクロモンサシガメに刺されたのは。  場所は愛媛県、松山市の五明牧場。

どの指だったかは思い出せないが、あの激烈な痛さだけは、忘れられない。

痛みは刺された瞬間だけでなく、その後、10日間ほど続いた。

IMG_8635クロモンサシガメ.JPG地面に横たわった朽木を起こした下に、クロモンサシガメはいた。暗がりに逃げ込むところを

すかさず、手で掴んでしまったのだ。あの痛さを経験してから、本種を素手で扱うことはない。


昨夜、机に向かって写真展の準備作業をしていたら、灯りに飛んできた。

屋外ではたまに見かけるが、室内で出会うのは初めてかもしれない。

彼らの首は細く伸びており、なるほど頭部がけっこう自在に動かせるだろう。

背中側から彼らを摘んでも、クルリと頭を回して鋭い口吻を突き立てる。

刺されたあとに残る「ズキン、ズキン」という痛みは、痛風発作の激痛にも似ているような

気がしてきた。

プラケースに拉致したクロモンサシガメを眺めながら、

懐かしいようでいて、どうしても鮮明に記憶が蘇ってこない、もどかしさを感じた。

( 写真:    Canon EOS 6D    EF100mm f/2.8L Macro IS USM )


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