避暑地

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「好きな虫は、なに?」と聞かれることはよくあるが、

「嫌いな虫は、なに?」と、聞かれたことはあまりない。

ないけれど、嫌いな虫のことを思い出した。


今夜のこと、我が家の林で、アオマツムシが鳴き始めたのである。

例年より早いが、 

虫そのものが嫌いというより、その鳴き声が不快なのである。

しばらくすると、クツワムシがすぐ傍で鳴き始め、不快音をかき消してくれた。


たしか25年前頃だったと思うが、東京から松山に帰省した折、

アオマツムシの鳴き声は全く無くて、スズムシとマツムシの涼しげな

鳴き声に、実家は囲まれていた。実家は重信川の堰堤の傍なので、

マツムシ、スズムシが多かった。星の数の多さといい、

鳴く虫の繊細さといい、ここは天国か!と思ったほどだ。

今はしかし、松山の実家周辺でもアオマツムシが増えてしまった。

宮崎のこの我が家でも、2007年に転居してきたときは、

アオマツムシは極めて少なかったが、年々、その数が増えてきている。

アオマツムシは全国的に分布を広げているが、その勢力拡大にはいろいろ要因が

あるようだが、一つには人社会の流通に負うところもあるようだ。

分布拡大のルートを探ると、それが幹線道路などを主軸に広がっている、

というレポートをNHKテレビの番組で観たことがある。

アオマツムシは都会から隣の都会へ、都会から地方へ、地方から隣の地方へ

と分布を広げているようだ。

さて、部屋の温度計を見れば、33度!これはたまらんなあ、と汗を拭きながら

展示用写真パネルを準備。  水分補給も頻繁になる。

台所とリビングを何度も往復しているうちに、

ふと、窓辺のオオカマキリと目が会った。

701A2584オオカマキリ幼虫.JPGさては、涼みに来たわけでもあるまい。

おそらく、私が外の倉庫へ何度も足を運んでいたおり、あるいは、カメラを携えて

庭の木々を眺め歩いたおり、

ヒョイ、と私の肩か背中に取り付いたのではないだろうか。

私は知らぬ間に、オオカマキリの幼虫を部屋へ運んでいたのでは、あるまいか。

虫は、人をキャリアーとして、巧みに利用しているのかもしれないし、

あるいは、単にそれを迷惑がっているのかもしれない。

( 写真:    Canon EOS 5D Mark III    EF8-15mm f/4L FISHEYE USM )






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