2013年9月アーカイブ


世の中、虫嫌いの人が多勢であることに変わりはない。

イモムシが好き!という女性が、この日本に一万人いるだろうか?

一万人はさすがに無理だろう? 男子とて、イモムシ大好き男はむしろ少ないかもしれない。

さて、我が家の林を歩いていると、クサギの梢に

シモフリスズメ幼虫の姿があった。  柄のみ残して、葉っぱを食べ尽くしています。

701A3961シモフリスズメ幼虫.JPG



蝙蝠蛾、現る

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同じエノキの幹に 、昨日のヒラアシキバチ♀がまだいた。

産卵している様子はなく、ただじっと静止しているだけ。

指で触れると、その瞬間だけ翅を広げ、少し歩く。

701A3777.JPG
何度もつついていたら、ついに空高くへと飛び去ってしまった。 思ったより元気だった。

さて、今の時期、コウモリガの羽化シーズンである。

午後になって我が家の林を歩いてみれば、やはり羽化直後のコウモリガがいた。

コウモリガ背面.JPGどうしても脚に触りたくなって、何度か指先でそっと触れていたら、突然、飛び立ってしまった。

コウモリガの飛翔する姿を間近で見るのは、初めてだ。

長くは飛ばず、すぐにイヌビワの枝に止まった。

701A3839.JPGコウモリガの活動時間帯は黄昏時のはずだ。  昼間はこうして、ぶら下がってじっとしている。

コウモリガの蛹は、羽化間近となると、蛹室蓋を押し開いて待機するようになる。

(写真:    Canon EOS 5D Mark III レンズ    EF100mm f/2.8L Macro IS USM 

                             270EXⅡ )


ヒラアシキバチ

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今日は午後から、お客さんがみえて、案内歩きをした。

アカメガシワのコウモリガ巣口を説明したのだが、しばらくして蛹が頭を出していた。

羽化が近いのは間違いない。

幹をトントンと叩くと、蛹はトンネルの奥に姿を消した。

皆さん、「わああ~!」と、驚いていた。

エノキの立ち枯れ木では、産卵途中で死んだ、ヒラアシキバチの♀がいた。

3Z5A0616キバチ.JPG体を引っ張っても、ビクともしない。産卵管はガッチリと固着しているのだろう。

この♀が死んだのは数日内のことだろうと思う。

その傍には生きている♀がいた。しかし、元気がない。触ると歩くが、すぐに静止してしまう。

体表面の粉っぽいのが、気になる。

3Z5A0624.JPG(写真:    Canon EOS 5D Mark III   EF100mm f/2.8L Macro IS USM

        270EXⅡ+オリンパスFL-600R )

キャノンのストロボをカメラに装着してE-TTLモードで発光しても、

オリンパスFLー600Rは、マニュアルスレーブモードでちゃんと発光する。

しかし、露出が安定しないので、キャノン側もマニュアルモードに設定した。

ストロボ調光をオートまかせにすると、条件によっては適正露出にならないことがある。

そういうときは、補正をかけるより、マニュアルモードに切り替えたほうが確実である。








残暑続く、秋

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今日もアブラゼミが鳴いていた。

しかし、午後3時頃から、ツクツクボウシの合唱に負けて、止んでしまった。

昨日は夕暮れにヒグラシの声も聞いたが、今日は静かに日暮れた。

家壁に、オオカマキリの終齢幼虫がいた。

この時期の幼虫は、寄生されている可能性もあるが、どうだろう?
IMG_6460オオカマキリ幼虫丸抜き.jpg
ショウキズイセンの花では、ハラビロカマキリが「待ちぶせ」していた。

IMG_6534ショウキズイセンとハラビロカマキリ.JPGこの場所なら、大型アゲハ類が獲物として期待できるだろう。

庭の西にある大クヌギに、キマダラカメムシがいた。

本種は街中のカメムシだが、越冬を前にして移動している途中なのだろう。

我が家の敷地内では極めて稀にしか見ない。

IMG_6472キマダラカメムシ.jpg
( 写真全て:  Canon EOS Kiss X6i   EF40mm f/2.8 STM  魚ロ目8号 270EXⅡ )






残暑、残暑

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昨日のこと。

我が家の林では、アブラゼミが元気に鳴いていた。

ツクツクボウシの鳴き声も弱々しくなってきた中で、アブラゼミが復活した。

それほどに、照りつける陽射しは強かった。 腕の皮膚がジリジリ、焼けそうだった。

宮崎市方面にロケハンで出掛けたが、成果無し。

うちに戻ってエノキの朽木を覗いてみた。 

ヒラアシキバチ類の産卵を期待していたが姿無し。 

アケビの実がいくつか熟れて割れていた。 早い。

夕暮れどき、畦道のあちこちに、サトジガバチの姿があった。

3Z5A0363サトジガバチ.JPG今朝のこと、

窓を開けたら、目の前に、 デッカイ 電波塔が、 立っていた。

IMG_9886アンテナ.JPG目の前とはいっても、我が家から直線距離で2キロ位だろう。

数日前、設置工事していることに気づいたが、あっという間に完成した。

朝からとても不愉快になった。 霧島山の展望に立ちふさがるので、目の前、と

いう感覚になる。

たしかアンテナの立っている地区では、設置反対の声が上がりもめている、という

話を聞いたことがある。、でも結局、こうして設置されてしまった。 

        とんでもなく馬鹿デカイ!  とんでもなく、目障りだ。

日本列島、至るところに携帯基地局の電波塔が増殖している。







旅立ちは、まだ先

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オオキンカメムシの様子を見に行った。日南市の山間である。

アブラギリの実は残り少なく、ほとんどが地上に落ちていた。

3Z5A0061アブラギリの実.JPGさすがに幼虫はもういないだろうと思っていたら、

四令幼虫群と、五令幼虫数匹がいた。 2化するとは考えにくいので、

産卵がかなり遅れたのだろう。しかし、実は少ないので、餌不足となるかもしれない。

成虫は、あちこちのアブラギリで見られ、ある木では数十匹が群れていた。

IMG_9870オオキンカメムシ.JPG秋が深まり初冬に入ると、オオキンカメムシは長い旅に出る。

それまでに、餌をたっぷり摂って、栄養を蓄えるのだろう。


今日は、来年出版予定の写真絵本の表紙に使う写真を撮影。

表紙写真を早い段階で決めてしまうこともある。

描いていたイメージが、現場で形になっていく。 もっとも今日撮った写真が表紙に

決まるとも限らない。これから構成を練っていくうちに、別の候補写真も出てくるだろう。

秋とは言え、まだ残暑が続く。   イシガケチョウ、サカハチチョウ、キチョウ、コミスジ、

オオウラギンスジヒョウモン、スジグロシロチョウ、など、飛び交う蝶の姿も多い。

停めた車内が高温にならないよう、気を使う。

小枝の先には、ナツアカネのオスが止まっていた。

3Z5A0048ナツアカネ顔.JPG
3Z5A0058ナツアカネ.JPGこちら↓は、アキアカネのメスかと思う。 同じ枝に入れ替わりでやって来た。

IMG_9771.JPG
今日の使用機材。

  カメラ:  Canon EOS 5D Mark III 、    Canon EOS 6D

 レンズ:   MP-E65mm f/2.8 1-5x Macro Photo、  EF8-15mm f/4L FISHEYE USM、

        EF100mm f/2.8L Macro IS USM 、   EF70-300mm f/4-5.6L IS USM

 ストロボ:  600EX-RT、 270EXⅡ


ライバル、現る!

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今年も蜂採りのシーズンとなった。

もう二週間以上前から我が家の林に、砂糖水トラップが下げてある。

狙いの獲物は、オオスズメバチだ。

Hさんが、毎日のように蜂の様子を見に来る。

今朝のこと、「白いこよりを付けた蜂が、数匹来ていたと、嫁さんが言ってましたよ。」

Hさん 「え!!それは、ワシらじゃない。まだ付けておらんから。」

私 「あ~、だとすると、ライバルがいるわけですね。」

Hさん 「そう言えば、あそこの××公園で、巣を堀り出したヤツらがおる。××町から
 
来とるらしいなあ、、、、、、」

3Z5A9893トラップ.JPGHさんは、なにやら考え込んで、不満気な顔をしていたが、

私のHONDAスーパーカブ50に目がいくと、にこやかに語り始めた。

「あらあ~、シンカイさん、バイクもっとんじゃねえ。これ、ええバイクじゃねえ。

新品じゃなあ。」

「近場の偵察でウロウロするには、ちょうどいいんですよ。

リッター100キロ走ります。」

「わしも昔は、バイクばっかりじゃった。でももう卒業したわ。何度も事故したしなあ。」

Hさんはナナハンまで乗れる大型二輪免許。

しかし、余程、大きな事故を体験したようだ。

「砂糖水、持ってくるわ。」と、言い残し、軽トラで出て行った。

HさんのHONDA四駆、軽トラは、走行距離が30万キロ!を越していた。

その軽トラ、3年前だったか、横転事故を起こしている。

Hさん、右腕を大きな包帯で吊っていたが、横転して右腕を20メートルほど

路面で引きずって大怪我をしたそうだ。 ごっつい体の持ち主だが、

事故も派手である。

包帯した右手は腫れ上がっていたが、左手だけで運転し、イノシシの罠を

見回っていた。  酒の場ではいつも明るく、盛り上げ役のHさん。

ともかく、元気で豪快な方だ。



オニグモの餌食

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仕事部屋の西側で、アゲハがもがいていた。

オニグモの網糸に絡んでしまったのだ。

3Z5A9799アゲハ.JPG
多くの場合、翅の鱗粉のおかげで、こういった災難を逃れるケースの方が多いが、

このアゲハは翅もかなり傷んで擦れていたようだ。

アゲハは昼間、ずっともがいていたが、オニグモは屋根の日陰でじっと休んでいた。

午後8時過ぎ。アゲハの様子を覗いてみれば、オニグモの食事中で、

すでにアゲハは小さな肉団子となっていた。

3Z5A9814オニグモ.JPG
北海道まで行きながら、オオモンシロチョウの撮影が目的というのも

私くらいのことであろうか。

どうやら、オオモンシロチョウに注目する人はあまり多くはないようだ。






キャベツ、大作戦

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私が乗っているホンダのスーパーカブ50。燃料ポンプの不具合があって、リコールと

なった。部品交換は明日、行うことになった。部品の材質に問題があったようだ。

バイクや車のリコール情報を改めて見てみると、結構あるのに驚いた。

日常生活ではほとんど縁が無いと思っていたが、

大量生産の工業製品が、100%完璧であるはずがない、という認識も必要だ。

極めて高度で複雑な原発が、100%安全で有り得るわけがないことも、

当然のことだろう。

さて、モンシロチョウとオオモンシロチョウの餌を探してみた。

無農薬のアブラナ科作物が必要なので、個人の家庭菜園を見て回るも、

適当な場所が見つからない。

仕方が無いので、キャベツと白菜の苗をホームセンターで買い求めた。

うちに帰る途中、近所の畑でモンシロチョウがたくさん舞うのが目に入った。

そこには、収穫されずに残ったキャベツが雑草の中に埋もれていた。

Kさんの畑だ。  さっそく、唐芋を収穫していたKさんに声を掛け、

事情を説明すると、「全部持っていっていいですよ!」とのこと。

ありがとうございます~!

IMG_9721キャベツ.JPG収穫されないキャベツに農薬は使われておらず、モンシロチョウの卵、幼虫、

蛹、がいっぱいついていた。 30株近くある。   一度に全部は持ち帰れない量だ。

数株、根っこからキャベツを掘り起こし、我が家の花壇に移植することにした。

キャベツは根を張らないので、スポンと簡単に引き抜ける。それを持ち帰ったら、

嫁さん曰く、  「あ!土ごと掘り出さないと、根付かないかもよ。」

そこで今度は嫁さんと二人でキャベツを慎重に堀り起し、できるだけ根に土をつけたまま

で持ち帰った。それを花壇に丁寧に移植した。

「やっぱり農家の畑の土はいいわねえ。うちの土もなんとかしないと。」

たしかに、畑の土はとても肥えているし、柔らかい。

さて、花壇だけでなくプランターにも移植したい。 土だけ入って使っていないプランターを

引っ張り出していたら、その下に、ミイデラゴミムシがいた。

ミイデラゴミムシ♀.JPG

お腹が大きく膨らんでいるので、♀かと思う。

我が家の庭には、ケラも多く棲んでいて、ミイデラゴミムシが見つかるのも当然のこと。






昨日は、カーナビも迷う?ほど、広大な千歳空港。

レンタカーを返却する場所に到達できず、20分近くもあちこち迷走してしまった。

空港でのランチはナポリタンスパゲティー。550円也。

羽田空港から京急電車で、東武スカイツリーラインに乗り継ぎ、2時間。

都内某所で、昆虫写真家お二人と合流。 軽く飲んで、梅干茶漬けで満腹。

今朝は午前5時前に出発し、埼玉県の山中に移動。

関東圏はとにかく、人口がとてつもなく多い。  早朝であっても高速道路を走る

車の多さに、あらためて驚く。 

さて、今日歩いたフィールドで出会ったシーン。 

3Z5A9576ダンスダンス.JPGクモの糸にぶら下がって、軽やかに踊る3頭のDiptera。

よく見かけるけれど、種名まではまだ調べたことがない。

空中ブランコのごときダンスは、いったい何のためだろうか?

楽しいから、踊っているのよ、と、は思えないのだが、楽しい、という感覚は、

人間だけの特許だろうか?





蝦夷ある記・2

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肝心のオオモンシロチョウは、まったく飛んでいなかった。

白い蝶は、すべてモンシロチョウかスジグロシロチョウなど。

台風が来る前の先週には、そこそこ飛んでいたということだから、

台風の影響などあるのかもしれない。

草むらをかき分け歩いていると、大きなオニグモ類が獲物を抱えていた。

アカオニグモ、だ。

3Z5A9263アカオニグモ.JPG本種は北海道全域、本州以南の高標高の山地に分布。 以前から見てみたいと

思っていたクモだ。ちょっとした草地環境があれば、どこにでもいるようだ。

網巣はいたって粗雑のように見えた。大きな円網巣は作らないのだろうか?

栗山町内の100円ショップ「ダイソー」で買い物を終えて、車に戻ろうとしたら、

店舗の窓の中に、キバネセセリがころがっていた。 

キバネセセリが街中の灯りに誘われて来る。この亡骸を見て、自分は北海道に

来ているのだなあ、とあらためて感じた。

3Z5A9494キバネセセリ.JPGキバネセセリのことを知らない方は、一度、蝶の図鑑を調べて下さい。

本日は、東京へ移動。 じつに慌ただしい。 せめてあと一日、北海道に滞在したかった。



蝦夷ある記

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千歳空港近くからレンタカーを借りて、栗山町を目指す。

高速道のパーキングエリアに入ると、ハネナガキリギリスが盛んに鳴いていて、

花にはクジャクチョウがあそこにも、ここにも、とたくさん群れていた。

栗山町の山裾に入る。

エゾヤマザクラの小枝を見上げると、すぐに、メスアカミドリシジミの卵が見つかった。

3Z5A9412メスアカミドリシジミ卵.JPGさすがにこの時期の卵は純白で綺麗だ。

小川の石を起こすと、ニホンザリガニがいた。 

3Z5A9353ニホンンザリガニ.JPG11年ほど前、大雪山の麓近くで、ニホンザリガニの死骸を拾ったことがある。

あのとき、死骸であってもたいへん感激したことを思い起こした。

小さいがこれで大人のザリガニ。  こうして見ると、アメリカザリガニはあまりにも

違和感がある。ま、しかし、私は幼い頃からザリガニと言えば、アメリカザリガニしか

知らなかった。ザリガニ獲りに興じる、年長者を恨めしく眺めていた。

私などは猟場に入らせてもらえなかったのだ。







タテハモドキ夏型

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わが家の林で、サルトリイバラの葉を摘んで戻る途中、

タテハモドキ夏型が、イネ科の花穂で盛んに口吻を伸ばしていた。

花穂からの分泌物は何だろうか? 以前にもこのような場面を観察している。

3Z5A9104タテハモドキ.JPG
( 写真: EOS-5DマークⅢ EF100ミリマクロ )


霧島山

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午後6時13分。 日没時の霧島山。

IMG_9507霧島山.JPG
日中は大気がガスって、ぼんやりした山容だったが、日没近くになって輪郭が

くっきりと浮き出てきた。   夕日を浴びて山肌がわずかに赤焼けしていた。

昼間の暑さはどこへやら、夜になってグッと気温が下がった。


明日からまた旅に出る。  まあ、旅といっても慌ただしいスケジュール。合理的過ぎて

冒険の要素が乏しい。 

機材をどう組むか、飛行機を使う旅では毎回、絞り込み作業に時間を喰う。

が、これも自家用車での移動ならば、余裕のある荷造りができるはずだ。

と言いつつ、できるだけ所持する機材を絞込むことも大事で、身軽な格好で旅をしたい。

(写真:     Canon EOS 6D     EF70-300mm f/4-5.6L IS USM )


歩く旅とは

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      しばらく家を空けている間に、庭のヒガンバナが満開となっていた。

IMG_9424ヒガンバナ.JPG白花も咲いていた。 黄色い花はまだ蕾で、毎年、開花が遅れるが、

花弁が大きくふちが波打ち、力強さを感じる。 ただし、黄色花の株はほんのわずかしない。

蜂採りのため、我が家の林のトラップを見回りに来ていたお爺ちゃんの話でも、

黄色花は少ないなあ、ということだった。たしかにそうだと思う。 

ヒガンバナの花色など、話していたら、突然、アブラゼミの悲鳴が聞こえてきた。

駆けつけてみると、褐色型ハラビロカマキリの鎌で押さえ込まれていた。

麻酔もなく、いきなり齧られるのだから、アブラゼミもたまったものではない。

カマキリも急所から齧る、などと狙いを定めず、がむしゃらに食っていく。

IMG_9494ハラビロカマキリ.JPG激痛のあまりか、暴れているアブラゼミに、赤蜂(キイロスズメバチ)が寄ってきた。

激しい動きに感づいたか?あるいは血の匂いに感づいたか?あるいは、その両方か。


シーボルトの娘、「お稲」は長崎から四国へと渡り、伊予の国、卯之町の二宮敬作のもとで

医学の勉学に励むことになった。長崎から大分、臼杵までの行程だけでも大変な旅であった。

あの当時も、臼杵から八幡浜まで船旅をしていたのだと知り、感慨深いものがある。

帆掛け舟だから、風待ちもあって、希望の日に出港できるわけでもない。

それにしても、14歳という年齢で、親元から離れた遠隔地へ赴き、学問を志した「お稲」。

現代の社会が失ってしまったものがいかに大きいかと、あらためて思わずにはいられない。 

只今、吉村昭・著 「ふぉん・しいほるとの娘」(下)を読んでいるところ。







東京~宮崎

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武蔵野巡り、最終日。 ずいぶんと、蒸し暑い一日だった。

かつて住んでいた清瀬市、野塩を訪れてみた。

空堀川のフェンスでは、やはり、ツマキチョウの蛹がついていた。

帯糸が切れて、宙吊りになっている。

IMG_9360ツマキチョウ蛹.JPGツマキチョウの蛹は5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月と10ヶ月

以上を休眠して、3月の末頃から羽化する。いや、ときには翌年になっても羽化せず、

2年目になって羽化するものもいる。

だからか、ツマキチョウの蛹は丈夫で頑丈だ。

しかし、帯糸が切れて宙吊り状態では、危なっかしい。

そこでこの蛹は回収し、羽化したらこの場所に戻すことにした。

私が宮崎まで持ち帰るわけにもいかないので、この役を森上さんにお願いした。


秋津駅で森上さんと別れてから、都内に移動し、出版社に出向いた。

打ち合わせを終えて、羽田空港に着くと、私の搭乗する宮崎便は満席で、

なおかつ座席が足りないという、アナウンスがあった。 

明朝の便に乗り換えするなら、2万円もらえて、宿も手配するとのこと。

「おお~、それなら!」と腰が浮きかけたが、スケジュール上、それは無理だった。

カウンターには希望者が寄せ集まり、座席不足はたちまちに解決した。

宿付き、2万円支給なら、文句なかろうて。明日が休日の人にとっては。

午後8時20分、宮崎空港に着いた。

空港の出口で、クビキリギスのお出迎え。

3Z5A9048クビキリギス.JPG                                           オカエリ~♪









さいたま市、秋ヶ瀬公園を歩いてみた。

アカボシゴマダラが、やたらと飛んでいた。  最初は、アサギマダラかと見間違えた。

それほど違和感のあるチョウだ。

ここがかつての秋ヶ瀬公園だろうか?  

ゴマダラrチョウの姿はなく、彼らはいったいどこへ姿を消したのだろう? 

所沢市の下新井に移動してみると、そこでもやはり、アカボシゴマダラだけが元気に

舞っていた。  蛹殻もいくつか見つかった。

3Z5A8973.JPG
同行していただいた、森上さんの話では、今ではゴマダラチョウを探すのが難しくなったそうだ。

ここ数年での変化かと思う。

私がかつて通い詰めたフィールドは、昆虫を見る目で語るなら、あまりにも変わってしまった、

と言える。  雑木林はもう手入れもされず、放置されたままで、歩くこともままならない。

昔、顔馴染みとなっていた農家のOさんご夫婦にばったり出会った。

「この辺は変わってないよ。」とおっしゃるが、たしかにOさんの畑は、昔の風景そのまま。

いやいやしかし、「Oさん、ネ、雑木林は荒れてしまって、ずいぶんと様変わりしてますよ。」

森上さんと藪こぎしながら雑木林の中を歩いていると、

キイロスズメの、熟令幼虫がいた。

3Z5A8977キイロスズメ幼虫.JPG
イモムシさん、オコッテマス!








きのこ親爺

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埼玉県、飯能市のフィールドを巡ってみた。

歩いた林や森では、キノコが多く目に付いた。

3Z5A8878ウスタケ.JPG
ウスタケ、かと思う。

3Z5A8886.JPGこちらは、エリマキツチグリ。

3Z5A8866.JPG気温はあまり上がらず、お目当てのオオトラカミキリは現れなかった。

飯能市の自然環境を数箇所、案内していtだいたが、心地よい景観が残されており

何度でも通ってみたいフィールドであった。








多摩丘陵

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アカスジキンカメムシを探してみた。

 今日のフィールド探索は、小野路。

3Z5A8694アカスジキンカメ.JPGほどなく単独で佇む幼虫や、ミズキの葉裏で集団など、数多くを見つけることができた。

オンブバッタの姿も増えていた。

緑色型同士、褐色型×緑色型、そして、写真の褐色型×褐色型も見られた。

本日のフィールド探索同行は、そよ風ふくさん(写真右から二番目)、

尾園暁さん(写真右端)、  森上信夫さん(写真左端) 。

目が多いだけあって、いろいろと面白い観察ができた。

IMG_9340記念写真.JPG観察のあとは、鶴川駅前の居酒屋で、乾杯!






ノブドウの色

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ノブドウの大きな株を見つけた。

ノブドウの蔓に覆われてしまった樹木の正体がわからない。

3Z5A8367ノブドウ.JPGノブドウの実は大きなものから小粒のものまで、様々。

実の色付き方もいろいろ。

3Z5A8382ノブドウ.JPG今年はキリシマミドリシジミがノブドウの花を訪れていたが、この花に来る昆虫は多い。

ノブドウの花はヤブガラシに似ているとも言われるが、小さくて目立たない。

花そのものに注目して熱心に観察したこともなく、そこに群れる小昆虫に目がいってしまう。

3Z5A8378ノブドウ.JPGノブドウの、この妖しい雰囲気の色がとても好きだ。

ある冬のこと、新宿の地下街ですれ違った女性のことが思い浮かぶ。 8年前だったか。

ほんの一瞬、私の目が釘付けになった。

 が、それを悟られまいと努力したのは言うまでもない。

なんと表現していいか言葉もないが、顔立ちの高貴さ。  まるで絵画から抜け出して

きたのではないか、と思えるような、世間離れした容姿。

まとったコートのなんと上品なことか。     

そのコートの色が、私には、ノブドウの妖しい色としか表現できない。

( 写真:     Canon EOS 5D Mark III  レンズ    EF100mm f/2.8L Macro IS USM  )


   本日より、しばらく東京に滞在。




ショウリョウバッタのメスが、オスをお尻にぶら下げたまま、数メートル飛行した。

いざとなると、体の大きいメスもかなりの飛翔力を発揮する。

3Z5A8663.JPG庭のヒガンバナがいつの間にか、背を伸ばしていた。もう今にも開花しそうだ。

3Z5A8632ヒガンバナ.JPG
( 写真:  Canon EOS 5D Mark III      EF100mm f/2.8L Macro IS USM )



オオキンカメムシ

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ほぼ一ヶ月前に孵化した幼虫群は、終齢になっており、

アブラギリの実にたかっていた。 この幼虫達の羽化はもうすぐだろう。

IMG_9195.JPG母集団からはぐれたこの終齢幼虫は、少し成長が遅れている。

3Z5A8446オオキンカメ終齢.JPG
タテハモドキの夏型。 ねぐらにはいる前に日光浴。

タテハモドキ夕暮れ0906.JPGショウリョウバッタモドキの交尾は、初めて見たと思う。

3Z5A8592ショウリョウバッタモドキ交尾.JPG
( 写真: Canon EOS 5D Mark III レンズ    EF100mm f/2.8L Macro IS USM )


さなぎの救出

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ときに、シーボルト、30歳。

江戸城でオランダ商館長スチュルレル、そして薬剤師ビュルゲルと共に、

徳川家斉の謁見をうける。、、、、長崎から2ヶ月の旅を経て江戸に入った

シーボルト。次々と危ない橋を渡り始める。いや出島に来て以来、

すでに幕府の怒りを買うことを大胆に進めている。

今朝は病院の待ち時間に、吉村昭「ふぉん・しいほるとの娘」(上)を読んでいた。


さて、近くの畦道で、アゲハの蛹を発見。  帯糸が外れて今にも落っこちそうだ。

3Z5A8277アゲハ蛹.JPGこの場所から4メートル離れた畑の片隅にミカンの小木が植わっている。 アゲハの幼虫は

そこで育って、この畦道へと彷徨ってきたのだろう。

しかし、この畦道には草刈作業が入っており、寸前で中断しているが、明日にも再開され

そうだ。そこで、アゲハの蛹を回収し、うちの庭で羽化させることにした。

3Z5A8318アゲハ蛹救出.JPG
※ 二日後の8日、メスが無事に羽化した。

その帰り道。  タテハモドキの夏型をときどき目で追いながら、

素早くススキにしがみついたショウリョウバッタモドキを、

ファインダー越しに見つめていた。

3Z5A8307ショリョウバッタモドキ.JPG余程、自信があるのだろう。 カメラのレンズが草を押しのけながら近寄っていっても

ショウリョウバッタモドキは、ピクリとも動かない。


( 写真: Canon EOS 5D Mark III  EF100mm f/2.8L Macro IS USM )




垂れ糸

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風が無かったのが幸い。

空中に漂うイモムシに遭遇することはよくあるが、風に煽られたり、

光線の条件が悪かったりして、うまく写真にならないことが多い。

3Z5A8239シャクトリムシ.JPG糸も程よく納まる長さだった。糸は全長を入れたい。

宙吊りイモムシの正体は、ヨモギエダシャクだろうか。デカイ。  クワの葉を食べていたようだ。

糸をたぐって昇っていくのに疲れたのだろうか?  ジッと、休んだまま。

それも幸いした。    大抵は、慌てて昇っていくので、糸はアレよと言う間に短くなる。

昨日の台風一過、澄んだ大気に、もう秋が来たな、と感じる。

それにしてもこの夏、大型アゲハ類の姿が少なかった。 特にモンキアゲハ。

先日、庭に一頭やってきたが、すぐに姿を消した。

今朝は、ナガサキアゲハの♀が花壇に来ていた。

出掛けようとして戸締りしていたので一瞬躊躇したが、思い直して縁側から飛び降りた。

IMG_9172ナgサキアゲハ.JPGハナトラノオで吸蜜すること、数分間。  朝一番の食事だったか?




視線

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台風17号は宮崎県南部を通過したが、少なくとも三股町近辺では

風雨はたいしたことなく、被害などもほとんど無かったようだ。

しかし午前中はほとんどの路線が不通となっていた。

午後から綾町の綾手紬染織工房に出向き、養蚕の下見をしてきた。

とんぼ返りで我が家に戻ると、玄関前の柱でツクツクボウシの♀が産卵していた。

孵化した幼虫が地面に到達できるだろうか?と心配になるような場所である。

しばらくその様子を見ていたら、すぐ上にオオカマキリの♀がいたことに気付いた。

お腹が大きいので食欲も無いのだろう。ツクツクボウシはそれを知ってか知らずか、

ずっと産卵を続けていた。

オオカマキリの翅の先は少し擦れて汚れており、眼にもわずかな濁りが浮き出ている。

産卵はまだ先だろうが、もうオバチャンの貫禄たっぷりだ。

おおかまきり威嚇.JPG午後9時頃、庭の竹筒アパートを覗いてみると、

オオフタオビドロバチの♀が3頭、筒の中で休んでいた。顔だけが見える。

フタオビドロバチ睡眠.JPGアパートでは、コクロアナバチとオオフタオビドロバチが競争するかのように毎日、

営巣に励んでいる。いづれが優勢になるかは、今しばらく静観するしかないが、

どうやらオオフタオビドロバチの方が、巣数の増え方が速いように思える。

( 写真:    Canon EOS 5D Mark III     EF100mm f/2.8L Macro IS USM 
                          600EX-RT+トランスミッターST-E3ーRT )




まちぶせ

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1981年、昭和56年、石川ひとみの「まちぶせ」は大ヒットし、石川ひとみは

その年、NHK紅白歌合戦に初出場した。 当時、私は23歳。彼女の大ファンであった。

荒井由実、作詞作曲の「まちぶせ」は、じつは1976年に、アイドル歌手三木聖子の

デビューシングルとして発売されており、石川バージョンはそれのカヴァーソング、

ということを知ったのは、ずっと後のことだった。


 前置きはさておき、アカメガシワの花外蜜腺で「待ち伏せ」していたのは

アズチグモだったのだろう。そして、どうやらそこへやって来たヒメカマキリの中令幼虫が、

まんまと餌食になってしまったようだ。

3Z5A7937アズキグモVSヒメカマキリ.JPGしかし、ヒメカマキリも本来は、この場所で獲物を「待ち伏せ」するつもりだったのでは

ないか?    猟場に到着するタイミングが遅かった上に、ヒメカマキリの眼には

アズチグモの姿を捉えることができなかったのだろうか。

捕食者同士が、こうして食う食われる、という状況に至った過程を見逃したのは

残念である。

すぐ近くの草むらでは、ダイミョウセセリがキツネノマゴの花を次々と、訪れていた。

3Z5A7951ダイミョウセセリキツネノマゴ.JPGちなみに「キツネノマゴ」を、私はよく「キツネノゴマ」と間違える。

「狐の孫」という和名の由来は、花穂の形が狐のしっぽに似ており花が小さいことから

ついた、という説明もあるが、真偽のほどは定かでないようだ。

 
 三木聖子の唄う「まちぶせ」を聴いてみた。私は石川ひとみのファンだったこともあり、

歌唱力の高さからも石川バージョンが好みであったし、それは動かしがたいのであるが、

三木聖子の歌には、ごくありふれた少女の心情に近いものを感じて、それなりに

好感を抱ける。どちらがいいとかではなく、それぞれの個性がある。

1996年、ユーミン自身もセルフカヴァーしたそうだが、それはまだ聴いたことがない。


( 写真:    Canon EOS 5D Mark III  シグマ50ミリマクロ 270EXⅡ )







もどき、一直線!

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午前中に激しい雨が降ったが、長くは続かず、小雨になった。

雷もゴロゴロ鳴っていたが、イヌを散歩に連れて出た。

雨も降っているので早めに引き返したが、雷が鳴るとイヌが立ち止まる。

立ち止まって、傘をさしている私の顔を、じっと見つめる。

何だか少し様子がおかしい。

犬小屋のある西側は風雨に晒され、ビショビショだが、縁側下の

奥は濡れていない。いないが、湿っていたかもしれない。

そこで家の反対側、玄関先にイヌをつなぎ止めた。

玄関前の泥落としマットにサッサと座り込んだ。お気に入りの座布団なのだ。

玄関を開けて入ろうとすると、イヌも入って来た。

いつもは入れてもすぐに出たがるのだが、今朝は引っ張っても出ようとしない。

「ははあ~ん、雷が恐いのだなあ。」

しかし、玄関の中につなぎ止めることはできないので、お気に入りの座布団に

戻ってもらった。気分転換に牛乳を少し飲ませた。朝食の餌を食べようとしなかった

からだ。牛乳は喜んで平らげた。

夕方の散歩では元気に走ったりした。バッタ狩りにも夢中で、付き合っていると

いつまでも戻れなくなる。バッタの種類にも好き嫌いがあるようだが、そこが

よくわからない。今日はショウリョウバッタの♀を最初に捕らえたが、すぐに

放してしまった。いつもなら容赦なく食べてしまう。

投げてやったエンマコオロギも無視。

ところがトノサマバッタだけは、次々とおいしそうに平らげる。

トノサマバッタの味は、どうやら格別なのかもしれない。

写真のショウリョウバッタモドキは、動きが俊敏で、忍者みたいに逃げ隠れが

上手だ。  さすがに我が家のイヌも、本種を捕らえたことは、一度もない。

3Z5A7911しょうりょうばったもどき.JPG体をピタリと草に吸い付けるように止まり、微動だにしない。近づく者あれば、そのときだけ

クルリッ!と反対側に素早く移動するが、まっすぐな姿勢を保ったままだ。

  見事な瞬間移動。

( 写真:     Canon EOS 5D Mark III  シグマ50ミリマクロ )







やままゆ

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1998年3月、最初に出した本が、

「ヤママユガ観察事典」(偕成社) 。

長男が2歳のときで、「お父さんの本だよ。」と見せても反応は無かった。

ちょっと寂しい気もしたが、父親としての仕事が本という形になって、嬉しかった。


       昨日、そのヤママユの♂が羽化した。  デカイ!!

ヤママユ0831♂3Z5A7877.JPG     でんぐり返しは、こちら。

ヤママユ0831♂3Z5A7880.JPG当初、本の表題は「ヤママユ観察事典」としていたが、編集部の意見もあって、

「ヤママユガ観察事典」と、なった。

「カイコ」を「カイコガ」と呼ばなければ気が済まない方も大勢いて、

別にそれはそれでいいと思う。  好き嫌いの問題だから。

私には、「ヤママユ」と呼ぶのが自然に感じるので、「ヤママユガ観察事典」の

本文全体でもことわりを入れてから、「ヤママユ」と表記している。

(写真:     Canon EOS 5D Mark III シグマ50ミリマクロ )