今日は2回の更新。
年末から正月を我が家で過ごした母親を鹿児島空港まで送った。
空港から眺める霧島山系は、我が家から見るのとはほぼ真反対側になる。
離陸している航空機の背面が、高千穂岳。
鹿児島空港まで一般道で、我が家からは1時間15分程度の距離だ。
帰り道、気になっていた渓谷に立ち寄ってみた。 目的はカメムシ2種の探索。
数年前にマムシがとぐろを巻いていた崖を、覗いてみた。
ここはノネズミの通り道でもあるのだろう。マムシは待ち伏せしていたのかもしれない。
もっとも今の時期だから、逢いたくてもマムシの姿はない。
こういう環境にいるカメムシを探してみたが、今日も成果がなかった。
たいへん根気のいる虫探しだ。このような崖は他にも何箇所かあったので再度、
訪れてみたい。
次にボロボロノキを探してみた。 これまで延岡に通いつめたおかげで、
ボロボロノキを判別することができるようになった。とくに落葉した今の時期だと探しやすい
ことに気付いた。ボロボロノキの幹は、苔や地衣類に覆われていることも多く、
幹の特徴での識別には役立たないことが多い。
むしろ、林の天井を眺めながら、枝ぶりを見るだけでボロボロノキを見分けることができる。
そのほうが確実だ。 とは言っても、自信過剰は禁物。
地面の落葉を丹念に拾い上げて、確認しておいた。
ボロボロノキが生えていても、環境条件しだいではベニツチカメムシの繁殖に適合しない
こともある。特に今回最初に見つけたボロボロノキは、枝が全て渓流上に展開しており
これでは、落果がすべて川水に流されてしまう。落果が幼虫の成長に必須であるから
ここでは繁殖不可能だ。
回りの植生を見るにつけ、ここならもっとボロボロノキがあるだろうと歩き回ってみれば
たしかにあちこちで見つけることができた。最後、車を停めた場所に戻ってみると、
なんとすぐ傍らに、2本のボロボロノキがあった。しかも、いい条件にある。
ところが天候が悪化してきて小雨もあり、辺りは薄暗くなってきた。
なんとかベニツチカメムシの繁殖を確認したいと思い、しつこく探していたら、
一頭だけベニツチカメムシを見つけることができた。一頭いれば、もうこれで
繁殖地であることは間違いない。ボロボロノキのすぐ傍らでもあるし。
ここはお隣、鹿児島県
曽於市 財部町(たからべ)の山中。
ベニツチカメムシの繁殖地としては、現状では我が家からもっとも近いフィールドである。
片道、45分程。
先にも書いたように、ボロボロノキ探索には落葉した冬の間がやり易い。
少しづつエリアを縮めていき、もっと近いフィールドを見つけておきたい。
以前は、落葉してしまうとボロボロノキを見分けるのは難しいだろうと思い込みがあった。
それがいけなかった。何事も発想の転換が必要だ。
( 写真: Canon EOS 5D Mark III レンズ EF24-70mm f/4L IS USM )