アカガエルの季節

| | トラックバック(0)
「ほら、聞こえるでしょ。 アカガエルだよ。」

昨日は日曜日には珍しく家族全員が揃って、昼食のテーブルを囲んだ。

「ランチのBGMがアカガエルの合唱って、これこそが贅沢なんだよ!

どうだい?そうは、思わないかい?」

しかし、子供達は無関心なのか、聞こえていないのか、返事はない。

黙々と雑炊をすすりながら、ときおりテレビ画面を見つめる。

だいたい、食事時にテレビなんかあるのがいけない。 ときどきテレビを捨てたくなる。

居間から5メートルほど先に人工池があって、毎春、アカガエルが集まって来る。

彼らはとても神経質だから、居間のカーテンを開けるだけでも、ピタリと鳴き止む。

今日はいつものように私一人で簡単な昼食をとったが、

ずっとアカガエルの鳴き声が続いていた。 耳を澄ましてみると、少なくとも

鳴いているオスは3匹いるようだ。 とくに頻繁に高らかに鳴くオスがいて、

他のオスはそれに呼応して鳴いている。

窓から撮影するには、手前に障害物が多かったので、

洗い物がまだ片付いて無かったが、三脚にカメラをセットして、そっと庭に出てみた。

3メートルまで近寄るとさすがにアカガエルは皆鳴き止み、水中に潜ってしまった。

そこで三脚を据えてから、岩になりきった。  ちょっとした手の動きも禁物だ。

待つこと十数分だろうか、手足が痛くなりかけたころ、ぷかりとアカガエルが

水面に姿を現した。 それも雌雄のカップルだった。 

写真は土に埋め込んだ睡蓮鉢。

ヤマアカガエルIMG_7996.JPG「まだ明るいんだから!」とでも言ったかどうか知らないが、雌はさっさと睡蓮鉢を

乗り越え、落ち葉の中へと姿を消してしまった。


取り残されたオスは、合唱に戻った。 このオスは二番手の歌い手だった。

ヤマアカガエル♂IMG_7999.JPG
ヤマアカガエルIMG_8012.JPG「キューロ、キューロ、キュロ、キュロ!」。無理矢理、言葉で表現するなら、

私の聴覚ではこう聞こえる。「キョーロ」のほうが近いか?

とにかく澄んだ清らかな、鳴き声だ。 聴いているだけで、心休まる。 

※ 当初、雌と思い込んだが、どうやらオスだった可能性も高いことを、

  後日の観察でわかった。オスは相手が動けばオスであってもすぐ反応して

  抱きつく。抱きついてすぐに離れるけれど、同じことを何度も繰り返す。


( 写真:     Canon EOS Kiss X6i レンズ    EF400mm f/5.6L USM +2x III )

キャノンのテレコン、エクステンダーEF2×Ⅲ を、EF400ミリと組み合わせて使ってみた。

手持ちの機材をできるだけ有効に使いたい、という経済的理由もあるが、

70-300ミリズームレンズもあるので、400ミリレンズを超望遠に仕立てるというのも

当然の成り行きとしてやってみたかった。 

エクステンダーEF2×Ⅲは、135ミリ以上の望遠レンズ専用でそれなりに価格もするが

しばらくテスト撮影してみて、実用レベルだと思えた。


« 異常な暖かさに、窓全開       春、間近 »