佐賀県佐賀市の金立公園(きんりゅうこうえん)の背後に聳える、
標高501.8メートルの金立山。 広葉樹林の森が春の色合いで華やいでいる。
昨日、27日はここの公園で開催された観察会に参加した。
佐賀自然史研究会が主催し、講師は佐賀大学農学部の
徳田 誠 准教授。
観察会は「
植物を操る昆虫たちの不思議・虫えい探しにでかけよう」というテーマ。
天候は予報に反して陽射しも出て、とてもいい条件に恵まれた。山歩きをしても
汗をかくほどでもなく、かといって肌寒いこともなく、まさに春らしい観察会だった。
「虫えい」とはわかりやすく言い換えると「虫こぶ」である。
今回の観察会に私が参加した理由には二つある。
まず一つは、もちろん「虫こぶ」について、研究者の方から実地講義を受けたい、ということ。
こういう機会はそうそうあるものではなく、たいへん貴重な体験をさせていただいた。
いや、すごく勉強になりました。
文献から得る情報とは、まったく異質の触発をいただきました。これが大事です。
理由のもう一つは、観察会に参加する方々の立場になってみたかったこと。
これまで、私は昆虫観察会の講師を何度となく務めてきたけれど、
参加してくれた方々が、どう感じているのか逆の立場での視点が見えにくいこともある。
とくに人数が多いと、どこまで声が届いているのか、話のテンポはこれでいいのか、
時間の経過を気にし過ぎていないか、隅々まで心配りができているか、
参加者みんなが楽しめているのか、、、などと気に掛かることがいっぱいある。
今回の講師をなさった徳田さんの話には、皆さん惹き込まれ、虫こぶに
興味を深めていく様子がよく伝わってきた。
観察会は、やはりやりがいのある仕事だと改めて感じた。
じつは、27日当日は、霧島山での昆虫合同調査に参加する予定が入っていた。
なので最初はずいぶんと迷ったが、「虫こぶ」にテーマを絞った観察会は、
今後も稀なゆえ、私の我が儘を通し、合同調査の参加をキャンセルしてまで
佐賀市に駆けつけたのであった。 片道、3時間半。
佐賀市の隣、神埼市の市庁舎、横を流れる川。
水辺の風景に、心和む。
市庁舎の敷地に植栽されたハナミズキの幹では、※
ナガワタワタカイガラムシが産卵していた。
それも、たくさん。あちらにも、こちらにも。 この「しわざ」、たとえ目に入ったとしたしても
何だろう?と気づいたり、興味を覚える人はおそらくほとんどいないだろう、と思う。
訂正:
金立山の標高、そして、カイガラムシの和名が間違っていました。
ご指摘をいただいたので、訂正しました。
※ナガワタカイガラムシ、という和名は見た目通りで憶え易い。
当初、イイギリナガワタカイガラムシとしたのは、あるサイトに載っていたものを孫引き
したためだが、もっと時間を掛けて確認すべきだった。
ご指摘いただいた方に、感謝致します。