2014年4月アーカイブ


イタドリの葉に小さく丸めたゆりかごが目に付いた。

しばらく眺めていると、ゆりかご作り最中のメスもいた。

カシルリチョッキリ15A_2082.JPGメスのそばには、寄生バチがずっと居座っていた。

チョッキリのメスは、寄生バチの姿をちゃんと認識しているのだろうか?

本日は、午後から延岡にて撮影と観察。



元気なカシワ

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雨は止んだが曇り空。

午前中、これまで半月以上ずっと狙っていたシーンの撮影がようやくできた。

何度も失敗しているシーンだが、毎日観察を継続していても、なかなか難しい。

撮影を終えてから、昼食後、林の手入れ作業を行った。

今日はチェンソーを使って、伐採木の解体をした。全身、汗まみれになる。 

観察路の上で「かかり木」になっていた、アカメガシワも切り倒し解体した。

「かかり木」は処理しておかないと、とくに観察路の上だから、危ない。

我ながら、チェンソーの扱い方が板についてきたな、と感じるほど

作業の流れがいい。 もっとも、何でもそうだが、慣れたころが一番危ない。

慎重にチェンソーを操る。 使用後は、分解掃除をし、歯の目立ても行なった。


庭に移植したカシワが、元気に芽吹きしている。

カシワ芽吹き15A_1810.JPG


佐賀県佐賀市の金立公園(きんりゅうこうえん)の背後に聳える、

標高501.8メートルの金立山。 広葉樹林の森が春の色合いで華やいでいる。

金立山公園IMG_0085.JPG  昨日、27日はここの公園で開催された観察会に参加した。

佐賀自然史研究会が主催し、講師は佐賀大学農学部の徳田 誠 准教授。

観察会は「植物を操る昆虫たちの不思議・虫えい探しにでかけよう」というテーマ。

天候は予報に反して陽射しも出て、とてもいい条件に恵まれた。山歩きをしても

汗をかくほどでもなく、かといって肌寒いこともなく、まさに春らしい観察会だった。

「虫えい」とはわかりやすく言い換えると「虫こぶ」である。 

今回の観察会に私が参加した理由には二つある。

まず一つは、もちろん「虫こぶ」について、研究者の方から実地講義を受けたい、ということ。

こういう機会はそうそうあるものではなく、たいへん貴重な体験をさせていただいた。

いや、すごく勉強になりました。 

文献から得る情報とは、まったく異質の触発をいただきました。これが大事です。

理由のもう一つは、観察会に参加する方々の立場になってみたかったこと。

これまで、私は昆虫観察会の講師を何度となく務めてきたけれど、

参加してくれた方々が、どう感じているのか逆の立場での視点が見えにくいこともある。

とくに人数が多いと、どこまで声が届いているのか、話のテンポはこれでいいのか、

時間の経過を気にし過ぎていないか、隅々まで心配りができているか、

参加者みんなが楽しめているのか、、、などと気に掛かることがいっぱいある。

今回の講師をなさった徳田さんの話には、皆さん惹き込まれ、虫こぶに

興味を深めていく様子がよく伝わってきた。 

観察会は、やはりやりがいのある仕事だと改めて感じた。


じつは、27日当日は、霧島山での昆虫合同調査に参加する予定が入っていた。

なので最初はずいぶんと迷ったが、「虫こぶ」にテーマを絞った観察会は、

今後も稀なゆえ、私の我が儘を通し、合同調査の参加をキャンセルしてまで

佐賀市に駆けつけたのであった。 片道、3時間半。

佐賀市の隣、神埼市の市庁舎、横を流れる川。

神埼市市庁舎CIMG3275.JPG      水辺の風景に、心和む。 

市庁舎の敷地に植栽されたハナミズキの幹では、※ナガワタワタカイガラムシが産卵していた。

イイギリワタカイガラムシCIMG3271.JPGそれも、たくさん。あちらにも、こちらにも。 この「しわざ」、たとえ目に入ったとしたしても

何だろう?と気づいたり、興味を覚える人はおそらくほとんどいないだろう、と思う。

訂正:金立山の標高、そして、カイガラムシの和名が間違っていました。

ご指摘をいただいたので、訂正しました。


※ナガワタカイガラムシ、という和名は見た目通りで憶え易い。

当初、イイギリナガワタカイガラムシとしたのは、あるサイトに載っていたものを孫引き

したためだが、もっと時間を掛けて確認すべきだった。

ご指摘いただいた方に、感謝致します。


エゴノキ

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佐賀から家に戻ると、玄関の靴箱の上に、エゴノキの花が花瓶に活けてあった。

昨日、今日と家を空けている間、エゴノキは一気に開花したようだ。

エゴノキIMG_0098.JPG
花の寿命は短い。咲いた先から地面には白い花弁がふりかけのごとく落ちている。

本日は佐賀県佐賀市にて、ある観察会に参加。

詳しくは明日に。

オニグモ

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大きな黒い影が空中に浮かんでいた。

オニグモ15A_1617.JPG地上まで2メートル、クヌギの梢まで1.5メートル離れている。そこにクモの巣網がある

とは遠目ではまったくわからない。

写真奥の方角が西で、反対側に回り込んで逆光で見れば、ボロボロに敗れた巣網が

ようやく浮き上がる。

蜘蛛は大きなオニグモ♀で、
オニグモ15A_1623.JPG獲物になった犠牲者は、どうやらシオヤトンボのようである。

オニグモ15A_1619.JPGオニグモは成体で冬越しをしたのだろう。これまで越冬中のオニグモを観察したことが

ないが、樹のうろとか雨風を凌げる狭い場所に潜り込んでいるのだろうか。






オバボタル

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ホタルと言えば、お尻が光ることで知られているが、光らないホタルのほうが種類は

多い。

オバボタルは畦道など、明るい草地でよく見かけ、写真の個体は庭にいたもの。

15A_1526.JPG黒と赤の組合わせは、どこか毒々しい。 ホタルの仲間はこの色合いが多い。

竹筒アパートの準備作業も途切れていたが、昨日、再開した。

竹筒アパート15A_1541.JPGペットボトルに納まりがいいのだが、うちでは飲料水をあまり購入しないので、

空きペットボトルが不足しがちだ。 それで牛乳パックも使ってみた。







エゴノキは、我が家の林に一本しかないが、開花間近となった。

エゴノキ蕾15A_1310.JPG雑木林のシャンデリアと名付けたのは、足田輝一さんだったと思うが、

花数の多さ、眩しいばかりの白、白、白、、、、、。 

エゴノキはなぜ、こんなに多くの花を付けるのだろう?と不思議に思う。

エゴノキの華やかさに見惚れる人は多いだろう。

物置小屋の裏では、シラネセンキュウの若葉に、ベニカミキリが休んでいた。

ベニカミキリ15A_1313.JPG羽脱して日が浅いのだろう、動きはまだ鈍い。 ベニカミキリは花によく来る。

庭に吊るしてあったミカドアゲハの越冬蛹が、羽化していた。

私が近づくと弱々しく舞い上がり、コデマリに着地した。

ミカドアゲハ15A_1235.JPG




午前9時。 仕事部屋の西側の草むらで、チュウガタシロカネグモが交接していた。

これを文学的?に表現すれば、「朝、夜露に濡れることもかまわず、草むらに

出向いてみれば、なんと金属光沢の美しいクモが、濡れ場の最中!我を忘れて

食い入るように眺めることしばし、、。」

チュウガタシロカネグモ交接15A_0936.JPG「濡れ場」なんてもう死語みたいだが、この表現を初めて知ったのは私が卒業した

愛媛大学昆虫学研究室の、お世話になった教授の書かれた報文の一節であった。

その報文は、ガリ版で刷られた松山昆虫同好会の会誌で、記事の内容は

愛媛ではほとんど記録のなかったホシミスジの貴重な観察報告であった、ように思う。

チュウガタシロカネグモは南方系のクモということで、我が家周辺には多い。

美しい水平円網を張るこの蜘蛛はたいへん多く、光輝く巣網を撮影することも多い。

今朝もクスサンの孵化が続いた。

クリだけでなく、ヌルデにも卵を貼り付けた台紙を留めてみた。

台紙15A_1170.JPGしばらくすると、孵化幼虫たちはヌルデの若葉に移動し集合していた。

ヌルデ組15A_1118.JPG
こちらは、クリ組の今日。

クリ組15A_1092.JPG
ヌルデ組、クリ組、、、、、。次は何組?って、もう卵はありません。








一昨日、クスサンの卵塊が一斉に孵化した。

卵塊は去年の10月、庭で交尾していた♀から採卵したもの。

孵化時刻は、午前9時40分頃。

卵塊を入れてた網袋をそのままクリの木にぶら下げておいたら、

しばらくして幼虫達はまだ柔らかい葉っぱに移動して落ち着いていた。

クスサン孵化幼虫群15A_0905.JPG若齢期はこうして、群れて過ごすようだ。 ずいぶん食ったなあ。

南九州地域では、クリとそれ以外では、ヌルデ、ミズキ、などを食樹とすることが多い。

他には植栽のアメリカフウ(モミジバフウ)。

夕方、犬の散歩に出た。 今日は雨がずっと降り続け、ようやく止んだのは午後5時頃

だった。 近頃、うちの犬は雨だと散歩に出たがらなくなった。歳とったせいじゃない、

と嫁さんは言うけれど、そうだろうか? 朝の散歩は中止したけれど、犬小屋にこもって

静かにしていた。 夕方はきっちり午後5時になるとウォ~ン、ウォ~ンと、

サイレンに併せて、切なく吠え立てた。

畦道の草むらでは、ヒゲナガハナバチ類のメスが休んでいた。

ハナバチ♀15A_0917.JPG




20日、日曜日、松山城ロープウェイ街通りの店の多くは閉店しており、

人通りも少なかった。 いつも訪れるうどん屋「車井戸」もシャッターが降りていた。

東雲神社の裏手にある森は、松山城全体を覆う森につながる。

小学生の頃、階段を上り詰めてすぐの森で、初めてクワガタ採りに参加した。

実際、クワガタを採ったのは数人を引き連れたリーダー格の同級生で、

彼は何においても先頭に立つ、まさにガキ大将であったのだ。

私は彼の言うなりにしたがい、ついて行ったに過ぎず、

あるアベマキの樹上に登ったのは、彼ひとりであった。

アベマキCIMG3249.JPG「ここがクワガタムシの巣やけん。お前ら下で待っとけ!」

彼が見つけた秘密の場所だったようだ。

口をあんぐり開けて見上げる私らを見下ろし、彼は樹のうろに手を突っ込んでいた。

「おお!おったぞ!」

その声に皆、興奮した様子で、手を差し伸べる。

摘んで渡されるのは、たしかにクワガタだが、だいたいはコクワガタのメスであった。

とても小さい。 立派な大アゴなんかない。立派なオスは、大将の懐に納まった。

「ぼくは昆虫カメラマン」(岩崎書店)でも書いたが、私に昆虫少年という時代はなく、

誘われればついていく程度で、むしろ樹液レストランの賑わいを目にしても

オオスズメバチの恐怖にビビるだけの、どこにでもいる普通の男の子であった。

それでも、クワガタムシへの憧れを瞬間的に抱き、デパートで売られていた

ノコギリクワガタ♂をたしか300円で買い求めたことが一度だけある。

買ったあとでものすごく後悔した。 ノコギリクワガタを家に持ち帰っても

全然、嬉しくも楽しくもなく、なんでこんなことしたのだろう、と辛かった。

自分の手でクワガタムシを採集できなかった悔しさが、こんな愚かな買い物を

させたのだろう、と気づいたのは中学生になってからであった。














松山城のロープウェイ街通りを北に進むと、東雲神社へ登る階段がある。

久しぶりにヒトツバタゴ(別名「なんじゃもんじゃのき」)を見ておこうと思い、

急な階段をゆっくり登った。
東雲神社CIMG3263.JPG最初の鳥居を過ぎて平坦になった狭い場所に、ヒトツバタゴの雌木と雄木が並んでいる。

白い花を無数に付けるが、まだ小さな蕾だった。花期は5月だから少し早かった。

しかし花が満開の時期に、ここを訪れるチャンスはほぼ無いかと思う。

ヒトツバタゴCIMG3232.JPG東雲神社に行きたくなった理由はほかにもあって、古い想い出に惹かれたからでもある。

古いというのは、小学生の頃と高校生の頃との、二つ。

神社の境内に立ってみると、40年、50年とびっくりするほどの時間の隔たりがあるのに、

妙に一瞬一瞬の鮮明な画像が浮かび上がってくるから、不思議だ。あまりにもリアル過ぎて

自分でも呆れるほどで、とくに高校生のときの、同級生のある女子の笑顔が

スローモーションで動画サイトのごとく 目の前に流れる。

名前がどうしても出てこないのに、その笑顔、振る舞いまでがこと細かく次々と

蘇ってくる。 今さらだが、いかにもイヤラシイ目つきで同級生を盗み見していたのではないか

その自分の目つきは悟られないように気を遣ってはいたが、

相手にはきっと見破られていたのではないか、などと気恥ずかしくなったりして、

そう感じる自分のアホらしさも滑稽で、そんな自分を笑ってみた。

名前をその場ではついに思い出せず、宮崎の自宅に戻って本棚から卒業アルバムを

引っ張り出した。

よせばいいのに、そのアルバムを開いてしまった。 









危うい、ねぐら

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庭のキャベツ畑は、花盛り。 毎日、無数の昆虫が来ているが、

そのほとんどが、ハナバチ類である。

で、今朝のことそのキャベツの花をねぐらとした、ヒゲナガハナバチの一種がいた。

ヒゲナガハナバチ15A_0596.JPG先月の19日、キャベツ畑のすぐ脇の地面で、ヒメツチハンミョウが産卵していたことを

思い出した。 時期としてヒメツチハンミョウの卵が孵化し、一令幼虫たちが

花に登っているかもしれない。そう思い、花の一つ一つを眺めてみるが

それらしき幼虫は今のところ見当たらない。見落としているか、すでに時期が遅かったか。

いづれにせよ、このキャベツ畑はハナバチ類にとってはヒメツチハンミョウの寄生を

受ける可能性が高い。 

こんな場所をねぐらにするとは以ての外と、事情を知ればそう思えるのだ。

ほだ木15A_0617.JPG昨日、中断していたシイタケのコマ打ちを再開し、作業は短時間で終了できた。

500個用意していた種コマが切れてしまい、コマ打ちできなかったほだ木が

何本か残ってしまった。それでも充分過ぎる数のほだ木を拵えることができた。

できるだけ日陰にして、あとは秋まで寝かせるだけ。



宅急便が来たことは、犬の鳴き声でわかる。

池のほとりで撮影していたので、慌てて林の斜面を駆け上がった。

普段、全力疾走する機会は少ないが、坂道は堪えた。

それでも来客があると、犬が吠えて教えてくれるのは助かる。

午後から、ずっと先延ばししていたシイタケのコマ打ち作業を行った。

作業半ば、電動ドリルのモーターが焼きついてしまい、回転数が落ちて

作業は中断。 コードレスインパクトドライバーで続行したが、

バッテリー2個もへばってしまい、作業は完了できず終了した。

コマ打ち専用の高速ドリルもあるが、1万5千円以上と高価なうえ

このドリルは他の作業には使えない。

あと少しの作業は、バッテリーの充電をして、明日には終える予定。

500個用意した、種コマも残り少なくなったので、ほだ木も余ってしまう。

15A_0568.JPGヒゲナガハナバチの「一種が、畦道でねぐらにつこうと、していた。


今日も庭の上空を、ウマノオバチ♀が飛んでいた。

西風に逆らうように懸命に羽ばたいていたが、風下へと流れていった。

それでクリ林に降りてみた。まだ産卵時期には早いと思う。

しばらくすると足元から、ブンブンという弱々しい羽ばたきの音が聞こえてきた。

見ればウマノオバチ♀が歩いていた。それも、2、3、4頭と次々に。

まだ翅がしっかりしていないのか、すぐに飛ぶことができない。

ウマノオバチ701A3706.JPGウマノオバチ♀の羽化時期かと思う。 だとしたら、♂はどこにいるだろうか?

配偶行動を見てみたいものだ。♀たちはしばらく静止してグルーミングしたあと、

飛び立っていった。

今朝は、午前8時から延岡市愛宕山で撮影。

延岡市立植物園にも立ち寄ってみれば、ホオノキの花のかぐわしい香りに包まれた。

ホオノキ701A3697.JPGうちの林にも一本あって欲しい。 それにしてもあの香りはなんと表現していいのだろうか?

気持ちがとても安らぐ。

ヤマツツジだろうか? コナラと並んでいい感じだった。

ヤマツツジ701A3671.JPG今の時期、部屋に篭っているのはいかにも勿体無い。 

延岡まで日帰りの仕事だった。

片道、1時間40分程度だから、早朝に発てば、昼過ぎには戻れる。

我が家の林と周辺のフィールドでの仕事もあって、遠出してもできるだけ早めに

戻る必要がある。








玄関先に羽化したばかりの、クロヒカゲがいた。

林ではハラビロトンボが舞っていた。

ハラビロトンボ14A_9985.JPG撮影時には気づかなかったが、左後ろ翅がよじれている。羽化不全だ。

しかし、このハラビロトンボは元気に飛んでいた。


伊丹市昆虫館では、特別展『あなたの知らないカメムシの世界~

カメムシだらけにしたろかー!~』
が今日まで開催されていた。

特別展には行ってみたかったが、どうしても日程が厳しく残念ながら見送った。

ほんとに残念!

ところで、今年の夏にはカメムシの絵本を出す予定。

仕事部屋にはカメムシの写真を並べています。

仕事部屋CIMG3218.JPGところで、マムシグサのその後。

マムシグサ無性株14A_9944.JPG
何株出ましたと数えていたけれど、もはや数え切れないくらい、次々と株が増え、

ついに数えることを断念した。 もの凄い数です!



あしながばち

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数日前、飼育室にアシナガバチが一直線に入っていく姿を目撃した。

これは巣作りに違いないと思い、あとを追うと天井近くに着地した。

アシナガバチ女王IMG_8253.JPGヤマトアシナガバチのようだ。今の時期単独で巣作りするのは、女王蜂である。

今日は雨なので、ずっとこうして巣に寄り添ったまま静かに休んでいる。

六角形の巣部屋の奥には卵が一個ずつ納まっている。

巣作りの様子を継続して観察してみたいが、彼女たちはかなり神経質で、

このくらいの段階で、プイっと放棄してしまうことも多い。

飼育室の西側は壁がなく、解放されているが、雨風をほぼ凌げる条件付き

だから、巣場所としては安定してこの上ないだろう。

ただし、毎年梅雨の頃、嫁さんがこの巣のすぐ真下の流しで、

ラッキョウの洗浄と根切り作業を行う。 巣が大きくなってワーカーの数も増えると

巣の近くでの挙動には注意したほうがいい。

「駆除せよ!」との声がもう聞こえてきそうだ。

( 写真:     Canon EOS Kiss X6i レンズ    EF40mm f/2.8 STM+魚ロ目8号

                                  内蔵ストロボ使用  )

朽木アパート

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昨日から雨が降り続く。

キャベツの花で、ベニシジミが雨宿りしていた。

ベニシジミ雨宿り3Z5A9731.JPG気温も低く活動する虫の姿はほとんどない。

松山の実家から持ち帰ったカシワは、二本とも芽を出し始めた。

カシワ芽吹き丸抜き.jpgなんとか活着したようだ。 

男児が生まれると庭にカシワを植えるという風習を、どこかで読んだ記憶がある。

うちも長男が生まれたとき、そのことを思い出したがアパート暮らしだった。

ただその当時、私は「ヤママユ観察事典」を出すためヤママユの撮影に明け暮れていて、

飼育や撮影のため、カシワの植木も数鉢ベランダに置いていた。

ときおり撮影のため室内に取り込んだ折りなど、

まだ物心つかない長男の目に、鉢植えのカシワがどう映っていたか、などと懐かしく

思えた。

今、うちの庭で芽吹いているカシワは、そのときの鉢植えの中のふた株だ。

18年ぶりに、今度こそはカシワを植えることができた。


昨日、シイタケのほだ木を片付けた。 3年間シイタケの収穫を楽しめた。
朽木アパートCIMG3214.JPG鉄パイプの枠を解体し、立てかけてあったほだ木を全部、地面に並べた。

だいぶ軽くはなっていたが、太い材はまだかなりの重量があり持ち上げることができず、

ころがして移動させた。腐食が進んだ部位にはカブトムシの幼虫が食い込んでいた。

このまま静置しておけば、毎年夏には♀が産卵に訪れ、数年先までカブトムシの

繁殖団地になるはずだ。さらに朽木を利用する他の昆虫も多種類がやって来るだろう。

新たなコマ打ち作業を昨日のうちに済ませる予定だったが、

この片付けと、今回のコマ打ち用のクヌギ伐採木を整理移動する作業を終えた段階で、

疲れ切ってしまい、ちょうど雨も降り出したので、中断したままとなっている。




庭の上空をウマノオバチ♀が飛んでいた。

あの長い産卵管をたなびかせて、優雅に飛んでいた。 

ニホンホホビロコメツキモドキ♀は、ヤブムラサキの葉上から飛び立った。

ミヤマカラスアゲハ♂が庭のツツジに来ていた。

自然観察の詳細を書き綴っていくと、毎日の記事はてんこ盛りだ。

ケヤキの葉上で、ワカバグモの♀が、♂を食べていた。

ワカバグモ♂食われる3Z5A9475.JPGなんでこうなったか、事情はわからない。

交接のあと、「お父ちゃん、ご苦労様、子供たちの糧になってネ!」などというのは

勝手な想像です。動くものは皆、獲物、そういう論理かもしれないが。

このブログを書いている途中、午後7時過ぎ、仕事部屋の外からシブイロカヤキリの

鳴き声が聞こえてきた。




空中アパート

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庭に設置した、空中アパートを紹介します。

百均の干物用網カゴは、クモのアパート。 
アパート1IMG_4502.JPG竹筒の片側の節を残し、短く切り詰めた筒の列は、ハナバチや狩りバチのアパート。
アパート33Z5A9167.JPGまだまだ筒部屋は増やしていくが、設置した翌日にはもう、店子が出入りしていた。
ハキリバチの一種だ。 ことしはハチ達の出足も早い。

この団地には200戸の居室を準備する予定である。

刈り竹(ササ)を縦横に並べただけの、竹柵は、

ニホンホボビロコメツキモドキの産卵誘致用団地。
アパート23Z5A9246.JPG産卵後は、ニホンホホビロコメツキモドキの幼虫団地になる。

ハチの竹筒アパートとは違って、節と節の間の密閉空間が住居になる。なので長いまま

設置し、ひび割れがないこともチェックしておく。

一昨日、近所の方からタラの芽をいただいたので、さっそく天ぷらにした。
たらのめ.JPG食べて良し!姿もまた良し!

タラノメIMG_8223.JPG
 朝はまず我が家の林を歩く。 自然観察が何より重要な務めだ。

それを自宅の林でできるということは、この上なく助かる。

フィールドに通う時間とガソリン代を、大幅に軽減できることが、

この仕事を継続していく上では大事で、7年前、東京を離れていなかったら、

とっくに廃業していたと思う。


犬の散歩は、あまり気構えることのない観察時間だ。

機材は極力シンプルにして犬優先に歩く。

しかしこれまでの7年間、

散歩中に出会ったシーンが写真になったことも数多い。  のんびり散歩と言え、

アンテナは無意識のうちに働いている。 

カメラを下げて犬の散歩をしている姿は、近所の方の目には、

「カメラマンという仕事はああやってブラブラして、できるのだから、いい商売だねえ~」

と映るらしく、面と向かってそう言われることもある。

以前、そういった誤解を招かぬよう、カメラマンらしい服装と機材を身に付けようと

心掛けたこともあったが、疲れるだけなので、早々と止めてしまった。

散歩のときくらいカメラを持たなければいいのだろうが、丸腰にはさすがになれない。

私はコンデジをうまく使いこなせないので、お忍び撮影もうまくいかない。


仕事上、林を持っているので、林の手入れの労力と時間もかなり掛かる。

そういった作業をしている姿は、我が家が集落から外れた一軒家であるがため、

近所の方々の目に触れることはまずない。

それでも、ちょっとしたお付き合いの中で、

私が山仕事に精を出している姿が数名の方には伝わっているので、

「カメラマンというても、こんなぎょうさんの作業してから、ようやっと写真を

撮るんじゃねえ~。 カメラ下げてプラプラしているだけじゃあ、なかとねえ。」

と感心されることもなくもない。 まあ、良き理解者を得たからといって、悦に入ってては

ダメだろうけれど。

昨日から林で飛ぶ姿を見せ始めた、ヒメウラナミジャノメ。もうすぐクロヒカゲも出るだろう。

ヒメウラナミジャノメ3Z5A9439.JPG







木々の芽吹きが、盛んである。

庭のエノキも賑わっている。

えのき701A3556.JPGこのエノキは大きく育ったので、下枝がまったく無かった。そこで昨年、二本あった幹の

一本を胸の高さで切った。 すると待ってました!とばかり切った幹から新梢が次から次へと

伸び出て、写真のごとく枝を広げている。 エノキの萌芽力は凄まじい。

いや、それはまるで喜んでいるかのようにも、勝手に解釈したくなるほどだ。

根絶しようと根っこから切っても、次の年には何事もなかったかのように

枝葉を広げるのである、エノキとは。 うん、凄い生き力だ。

自然観察、昆虫観察をする上では、目線の届く高さに枝葉があって欲しい。

自然と付き合うには手を加えることも必要であり、ただ眺めているだけでは、

何も見えてこない。

サクラはとっくに散ってしまい、葉桜となっているが、木々の芽吹きを眺めていると

その勢いに圧倒される。 花が散ってお祭りが終わった、などと思ってはいけない。

一年で一番美しい季節とは

春の今ではないか、と短絡的に思えてしまうが、春とはどこまでが、

春だろうか?

サクラが散って終わりではないが、じゃあいつまでが、春か?

あまり考える対象にならないことかと思う。

ともかくも四季のうつろいに、心感じる感性が、今の若い世代にあるのだろうか、

と少し不安にもなるような、そんな時勢ではないだろうか。

プランター植えしていた春菊が、花盛だ。

そこに今日は、コアオハナムグリが来ていた。

コアオハナムグリ3Z5A9026.JPGキャベツもみんな花を咲かせていて、

モンシロチョウやアゲハが、盛んに吸蜜に訪れていた。









日高敏隆 著「動物はなぜ動物になったか」(玉川大学出版)を読んだのは

1977年のこと。  もう37年も昔のことだと知ってあらためて驚いた。

この本の71ページに、マツノキハバチ幼虫の生き様についての記述がある。

当時、私はマツノキハバチを見たこともなく、そしてそれからずっとたしかに

本種との出会いはなかった。

今朝のこと、延岡市の愛宕山でそのマツノキハバチ幼虫たちに出会えた。

すごい数だった。

マツノキハバチ幼虫群3Z5A8821.JPG

小さな虫

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虫のサイズは、だいたい小さいと相場が決まっている。

小さいから、人の目には写りにくい。

目立たないから、興味を注がれることは、一般的にあまりない。カブトムシとか例外で。

むしろ嫌われることが当たり前。

一方で、この小さな生き物をことさら一生懸命、見てやろうという人もいる。

おそらくきわめて少数派だが、全国各地にいる。いや、いらっしゃる。

言葉遣いには気をつけねば。少数派とはいえ、正確な人数は把握できない。

しようがない。

もしかして、すごい数かもしれないが、肩身の狭い想いをしたくもないと、

公言を憚る人も多いかもしれない。 まあ、そういう詮索はどうでもいいだろう。

さて、わが家の林のエノキ小木に、トビイロツノゼミがいた。

同定には自信がない。以前、マルツノゼミをトビイロツノゼミと誤認したことも

あり、編集者にはご迷惑を掛けた。

トビイロツノゼミ3Z5A8647.JPG( 写真:    Canon EOS 5D Mark III     MP-E65mm f/2.8 1-5x Macro Photo )







継続観察中のゴマダラチョウ幼虫を探していたら、

エノキの若葉に産卵している、ホシアシブトハバチの♀がいた。

おっとりとした動きだから、そっと指先に乗っけてみた。

もしかして、刺す真似でもしないかな、と期待したがそれはなかった。

エノキの若葉に指を添えると、何事も無かったかのように産卵を継続した。

ホシアシブトハバチ3Z5A8486.JPGそのあと、しゃがみこんでヤブムラサキのイチンモンジカメノコハムシを見ていたら、

目の前に、フデリンドウが咲いていた。 我が家の林で見るのは始めてだ。

と、思う。

フデリンドウ3Z5A8514.JPG
フデリンドウ3Z5A8522.JPG午後4時過ぎ、スイバでねぐら入りした、ベニシジミ。
ベニシジミ3Z5A8588.JPG
( 写真:    Canon EOS 5D Mark III     EF100mm f/2.8L Macro IS USM )



一昨日、2日から佐賀県神埼市に滞在。

今日は午前中、ボロボロノキとベニツチカメムシを観察した。

生憎、小雨もあったが歩いているうちに止んだ。気温は低めだが、それほど寒くもない。

日ノ隈公園の森には、散策コースが整備されているが、草刈は道路沿いのみで控えめ。

自然林を大切に扱っていることが窺える。歩きやすく、しかも自然観察にはうってつけの

濃い自然が保全されている。  残念ながらこういった自然環境が、

都城市や三股町には、ほとんど無い。 なぜかな?

さて、森にはボロボロノキがとにかく、多かった。

宮崎に比べて芽吹きのタイミングは少し遅れてはいたが、

 しばらく歩いているとベニツチカメムシの集団も次々と見つかった。

ボロボロノキZ4043386.jpgなぜにこれほどボロボロノキが多いのか、不思議に思えるほどだが、

少なくともその理由のひとつは、森の樹種が豊富であることによるのだろうなあ、

と思えた。

佐賀県、神埼市は吉野ヶ里遺跡で有名だが、自然環境がとても素晴らしい。

日ノ隈公園をはじめ、あちこちのフィールドに通い詰めたいほど魅力を感じる。

我が家からは遠いが、片道3時間半。 また訪れたい。

日ノ隈公園Z4043394.jpg
( 写真: OM-D EM-5 M.9-18ミリズーム )







土場

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2月の中頃、松山の実家から持ち帰った、2本のカシワだが。

昨日のこと、いづれにも小さな芽が出ていた。

カシワ芽吹き701A3432.JPG一本掘り起こすのに2時間近くを要したが、太い根をかなり切り詰めてしまった。

なんとか活着してくれるといいのだが。芽が出たからと言って、安心するのはまだ早い

かもしれない。

庭に山積みとなっていた、クヌギとナナミノキの伐採木を何日もかけてようやく

すべての整理ができた。

土場701A3501.JPG少しでも昆虫観察がやり易いようにしてみた。  隙間環境がいっぱい出来たので、

昆虫のほかにもいろいろな生き物が、ここを利用することだろう。

わが家のコナラも銀色の芽吹きで、賑やかになった。

コナラ芽吹きIMG_4479.JPG