スモモ

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玄関で声がしていたのに、しばらく気付かず、部屋で仕事をしていた。

いつもなら犬のチョロが吠えるが、吠えなかった。

また我が家への来客は99.9%、車なのでエンジン音や走行音(ハイブリッド車)で

部屋にいてもすぐにわかる。仕事部屋が道路に一番近いからでもある。

ようやく声に応答しながら、廊下を玄関まで駆けて出た。

玄関の引き戸を少しだけ開けて、顔だけのK子ばあちゃんがいた。

「いそがしい〜け?」

首を引っ込めながら「モモを、もってきたよ」とシルバーカーに戻った。

K子ばあちゃんの訪問は久しぶりのこと。

ビニール袋にいっぱい詰めた「モモ」、スモモ(プラム)が重そうに揺れて

玄関先に置かれた。

「ことしは、ようけできたから。 まきをもらうからなあ、これもってきた」

庭の隅に積んであった薪(アカメガシワ)を抱えて運んでいる横で、

私はさっそくスモモを一個づつ丁寧に洗った。

プラムIMG_8414.JPG
    漬け込み作業は、明日だ。 うちではすでに梅酒を漬け込んである。

我が家の庭にも、一本だけスモモの木があるが、今年は一個しか実がつかなかった。

その一個も、どうやら鳥に食われてしまったようだ。

日中は陽射しもあり、かなり蒸し暑かった。 モンキアゲハが百日草に来ていたが、

羽化したばかりの新鮮個体だった。 夕方近く雷がゴロゴロ鳴り、夕立となった。

雨が止むと涼しくなったが、逆に部屋の中が蒸し風呂になった。

仕事部屋IMG_8417.JPG


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