「蜘蛛」は読めても、クモを漢字で書けなかった。
普段、キーボードばかり叩いていると、どんどん漢字を忘れてしまう。
メモ帳をつけるときは、わざと難しい漢字を使ってみたりするが、漢和辞典を
開く時間はそれほど苦痛にならない。まあ、ほかの漢字に寄り道することも
しばしばだが。
紙の書物をめくる手作業は自分にとって大事である。
今朝は濃い霧が立ちこめていた。
こういうときは、クモの巣網の展覧会となる。網巣の見本市だ。
巣網、網巣、どちらでもいいような気がするが、「クモの巣」というと
少しでもクモの生態を知った者には抵抗がある。
糸でできた網は単なる巣ではなく、獲物を捕らえる罠(トラップ)である
からだ。寝泊まりする、あるいは隠れ家となる巣は、網とは別にあるか拵える
種類も多い。
さて、玄関の庇にかなり前からジョロウグモのメスが網巣を構えていた。
「まだまだ幼体だなあ」と眺めていたが、今朝のこと、小さなオスが来ており
交接していた。(交尾とも言うけど、交接のほうがクモの場合はしっくりとするよう
に個人的には思う。英語だと、matingあるいはsexual union)
「あれ?いつの間に成体になったの?」と近寄ってみれば
足下のタイルの上に、真新しい抜け殻が落ちていた。
昨日の昼間には見ていないから、昨夜から今朝にかけて、脱皮し、成体になったと
思える。成体になってすぐ、オスを受け入れたわけだ。いや、
それはオスの側にとって、好都合だったのかもしれない。
以前、脱皮直後のオオトリノフンダマシのメスにオスがマウントしているのを見たことがある。
メスは脱皮後しばらくは動けない。オスにとって、メスに食べられてしまう危険性が
低い状況だったのではないだろうか。
スズミグモのドーム型網巣など、たくさん網巣を撮影した。
霧がはれて、気温が上がると、それまでいっぱいあった網巣がどこに消えたか?
というほどに見えづらくなった。クモとしては、それが狙いであろうから。
一方、網巣を張らないアズチグモのでかいメスが、イヌビワの葉上で
「おいで、おいで」をしていた、、、、ように、見えた。