チャバネアオカメムシ

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ヒノキの球果で、チャバネアオカメムシが育っている。

様々なステージの幼虫が見つかるが、卵は孵化済みの殻しか、

見つかっていない。そのうち卵塊も、見つかるだろうか。

新成虫(写真右)と終令(5令)幼虫が、並んでいた。 彼らは兄弟だ。

チャバネアオカメムシ_MG_6160.JPG
体に厚みがあるので、顔の表情がとくに左の幼虫ではわかりづらい。

幼虫も成虫も少し離れた場所からだと、ヒノキの梢そっくりに同化してしまう。

まさにステルス技術と言えるだろう。

成虫はまだウォーミングアップ中。やがて飛び立っていく日まで体を養う。

ブ〜ンンン! 4枚の翅を広げて準備体操?

チャバネアオカメムシ_MG_6166.JPG
ときに、カメムシは匂いを出すときに翅を羽ばたかせることがある。

いつもは翅の下に隠れている、腹部背面(腹板)の色が、

アオクサカメムシと同じように黒色である。

チャバネアオカメムシのホストの範囲は広く、100種を超える植物で繁殖する。

町中の公園や植え込みなど、あらゆる場所で普通に見られるカメムシの代表で、

夜の灯りにもよく飛来する。可愛い顔をしているが、「カメムシ」ゆえ

世の中ではたいへん嫌われている。大発生して農作物に被害をもたらすこともある。

本種はツヤアオカメムシとともに、

ヒノキ・スギの種子発芽率低下を招く、主要な加害虫でもあるようだ。

だからといって、見つけ次第、ひねり潰したところで何もならない。

憂さを晴らすこともできない。被害を出来る限り最小限に抑え込む研究や

工夫をするしかない。


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