台風18号は四国沖を過ぎ去り、フェリーの運行は今朝から再開した。
秋晴れの下、海はしけていて、大きな船体が弾むように揺れ続けた。
舟底のスタビライザーが効いて、横揺れはほとんどない。
臼杵湾に近づくと揺れはほぼ治まり、いつも通りゆっくりと接岸した。
佐伯ICを降りると、山間をくねくねと続く国道10号線を走る。
宮崎県の北川ICと、大分県の佐伯ICを結ぶ高速道路が開通すれば、
いづれこの山間の国道も走る機会がなくなるだろうと思う。
午後3時半、宮崎の我が家に到着。
一週間ぶりの快晴。霧島山の山容が夕暮れのなか、くっきりと浮かんだ。
草むらでは、無数のドヨウオニグモたちが巣網を張っている。
じっと眺めていると、時々なにかが糸に掛かってくる。
するとその瞬間、クモは小さな獲物へと素早く駆け寄っていく。
上へ下へと、けっこう忙しい。我々の目にはなかなか止まらないが、
クモの獲物となる小さな小さな昆虫たちが、まるで通勤ラッシュのごとく
草むら街道を行き来しているのだ。
ドヨウオニグモの巣網の糸が、夕日に輝くアングルを狙っていたら、
犬のチョロが待ちかねて、クウ〜ン、クウ〜ンと私を見上げる。
「そうだな、もう写真は無理だな。帰ろうか」