2015年5月アーカイブ


ウメ

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道路を挟んで北隣の梅は、一昨日から昨日にかけて収穫作業を終えた。梅の収穫は長い棒で梢を力一杯叩いて落とすのが良いそうだ。そうすると来年も、実の成り具合がいいという説明を、以前、聞いたことがある。
ウメP5310035.jpgウメを眺めていたら、キンイロジョウカイが、私の帽子にぶつかってからウメの葉に着地した。
キンイロジョウカイP5310021_1.jpg

今シーズン本種に出会ったのは、これが二回目。
クワの葉上には新鮮な、キボシカミキリがいた。ちょっとした振動やこちらの気配を察して、ポロリと落っこちるから、慎重に近づく。
キボシカミキリP5310007_1.jpgこれは飛ぶな、というタイミングでシャッターを切ったが、かなりブレてしまった。シャッター速度は125分の1。
キボシカミキリP5310005_1.jpg写真は、全てOLYMPUS TG-3 。


先日、紹介したチョウセンカマキリの卵のうは、カマキリカツオブシムシに食害されていたが、今朝になって、10数匹の幼虫がふ化していた。
チョウセンカマキリIMG_8961.JPG卵のうにはふ化幼虫の脱皮殻が付着している。部屋の中を探ってみれば、オオカマキリよりも一回り小さい、いかにも弱々しい、チョウセンカマキリのふ化幼虫が数匹、見つかった。
チョウセンカマキリ7DF051E140322.JPG

しばらく様子を観てみたいので、3匹だけ回収した。

ナツグミもほぼ、完熟。酸っぱいが美味しい。たくさんは食べれんけど。
ナツグミIMG_8958.JPG※ カマキリカツオブシムシの食害ではなく、オナガアシブトコバチに寄生を受け、穴は寄生バチが脱出した痕だと思います。うっかり、カツオブシムシを犯人にしてしまいました。


ニンジンの花

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K子おばあちゃんの畑では、ニンジンの収穫がとっくに終わり、花を咲かせた二株だけ、片隅に残っている。毎年、ここの畑ではニンジンが栽培されるので、キアゲハの観察場所としてはうってつけ。
ニンジンの花IMG_8931.JPG畑の隅には、クワもある。今年は異例なことに野焼きを免れ、グングン葉を茂らせ、カイコさまの飼育では、ずいぶんとお世話になった。
クワの木IMG_8934.JPG
寝室の窓に大きなスズメガのシルエットがあった。エビガラスズメだ。
エビガラスズメ_MG_1095.JPG
エビガラスズメ_MG_1107.JPG
羽化直後のようで、じっとしたまま。息を吹きかけてみると翅をはばたかせて、白い蛹便を出した。

EOS-70Dが今朝のこと、起動しなくなった。昨日まで問題なく撮影できていたのに、一晩経てダンマリ状態となった。APS-cカメラはサブカメラ、と割り切っていたが、70Dは軽い上に画質も良く、操作性も悪くなく、使用頻度が高かっただけに、突然の故障には困った。修理に出している間、仕方ないので、一度は封印していたキッスデジタルX7iを、引っ張り出した。

昆虫に教わる

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我が家の林に、一本だけという樹木は何種かある。なかでも昆虫との関係で気になる樹木といえば、エゴノキ、ヤマグリ、そして、ニガキを上げることができる。
ニガキの存在を教えてくれたのは、シンジュサン幼虫であった。樹高3メートルほどの小木で、すぐ隣にハゼノキとケヤキが並んでおり、ニガキはそこに埋もれるようにして生えていた。なので、ずっとニガキに気付くことがなかった。先日、ニガキの成長を阻んでいたケヤキを切り倒した。ケヤキは他にも多く植栽されているので、少しづつ間伐している。過去に百本植栽されたようだが、残っているケヤキは10数本程度。しかも日照不足のせいかどれも成育が良くない。
ニガキの葉はこちら。
ニガキ_MG_1199.JPG葉は奇数羽状複葉で互生、小葉は4〜6対。雌雄異株らしいが、開花は見たことが無い。
ニガキ_MG_1194.JPG

弱々しい感もするニガキを、大事に見守ってみたくなった。まあ、シンジュサン幼虫が一匹くらいついたとて、ニガキにはほぼ影響ないように見受ける。

先日、通い続けていた休耕田で、チョウセンカマキリの卵のうを見つけた。

ちょうせんかまきり_MG_0785.JPGカマキリカツオブシムシに食い荒らされていたけれど、もっと早く見つけていれば綺麗な姿だったはずだ。ここも探索したのだが、足下の低い位置で、盲点だった!

※ 卵のうに数カ所、穿たれた穴は、オナガアシブトコバチの脱出口と思われます。勘違いしていました。


すぐ近くの休耕田には、イノシシの掘り起こした痕もある。そこを毎朝、訪れているが、今日はようやく目的の撮影を完了できた。コガネグモ幼体の最後の脱皮である。これまで、何度もタイミングを外して
失敗続きだった。しかし、今年はコガネグモの個体数も多く、それで救われた感もある。もう今の時期、コガネグモは成体がほとんどで、幼体は2〜3割程度になった。すでに卵のうも一個確認。

足下にはキアゲハの熟令幼虫がいた。蛹化場所を探し歩いていたのだろう。でっぷりと肥えている。
キアゲハ幼虫_MG_1341.JPGカノコガの交尾カップルもいた。 写真画面、左が♀。

カノコガ交尾_MG_1327.JPG



午前7時23分。アカショウビンの清らかな囀りが、すぐ近くから聴こえてきた。
玄関を出て、鳴き声の場所を探ってみたが、残念ながらアカショウビンの姿は見えなかった。これまでで一番近い場所での囀りだった。「おかしいなあ、すぐそこにいるはずだよ」と嫁さんに話し掛けながら、道路先の杉林を未練がましく眺めていたのだが。

ある本の仕事で、休耕田に通っている。いや、昆虫写真家という仕事は、何はともあれフィールドに通う毎日ではあるのだが、時間帯を選び、季節を選び、とその稼働メニューはじつに複雑である。これをあらかじめ、スケジュール表に現すのも不可能だ。五感と過去のデータの蓄積とを照らし合わせながら、フィールド巡りのスケジュールを考える。狙った被写体探しもあれば、撮影のタイミングを計るだけの下見もあれば、新たな出会いを求める冒険にもアンテナを立て、そんないろんな作業を伴っている。
ばったり出会った方から。「何かいい写真撮れましたか?」という質問もよく受けるが、返答に困る。

今、通っている休耕田は湿地に近く、セリの大群落に覆われている。おそらく今朝のこと、羽化したのだろう。キアゲハのオスがいた。この場所のセリで幼虫が育ったのだと思う。
キアゲハ♂_MG_0918.JPG私が近寄ると飛び立ってしまうが、しばらくしてすぐに降り立ち、翅を休める。まだウォーミングアップが足りないようだ。できる限り刺激を与えないよう、何度も諦めず寄って行くと、やがてすぐ間近でも撮影できるようになった。
キアゲハ♂_MG_0914.JPG
同じ休耕田には、カノコガの新成虫も数頭いた。
カノコガ_MG_0978.JPG


昨日、発売された森上信夫さんの新刊本です。
虫とツーショット.JPG
表紙を見るだけで、細かい説明はいらないような気もします。って、それじゃあ紹介にならないので、ちゃんと書きますが、表紙のインパクトはかなり強烈ですね。

まず、何と言っても昆虫写真家、森上信夫さんの顔の表情です。見てください、これほどの顔役者さん、そうそうはいません。森上さんとは長いお付き合いですから、彼の表情はよく知っているつもりでしたが、本書を開いてみれば、こんな顔技があったの!?と驚くばかりです。顔芸人としてこれを磨けば、昆虫写真家という地味な仕事より、もっと美味しい世界が開けるような気もします。
昆虫写真家は、通常、昆虫そのものを描き、決して自分を舞台には出さないものですが(必要ないし)、森上さんが真逆のことを、それも極めて楽しそうにやってのけたことには、脱帽です。これは誰にも真似ができないです。もっとも、可愛い女の子バージョンとかは、別の意味合いで受けそうです。いや失礼。

まあともかく、私なら絶対、考えもしない、やりたくもない、そんな仰天奇天烈な本を森上さんは作っちゃいました!ずいぶん前から、森上さんはこの本の企画の構想を温めていたようですが、ちょこっとちょこっと、写真を拝見する機会が、私にはあったのですが、見せてもらったときは、いつも大笑いでした。昆虫写真で笑える、って、そういう発想、これまで無かったなあ〜。

さて、虫とツーショット、あなたもさっそく、試してみます?


アマガエルに気を付けるというのが習慣になると、これまで以上に、アマガエルがやたら多く感じられるようになった。ここにもあそこにもと。今日は午後6時頃、真っ黒なアマガエルがいた。

アマガエル_MG_0690.JPGお尻から見えた最初の印象では、真っ黒だったが、背面には緑色の斑紋があった。まだ若い個体のようである。まるでコールタールを浴びた姿にも見える。

庭のユズの木では、ずっとアゲハ幼虫を見ている。
アゲハ幼虫_MG_0585.JPG

見ているというより、見られている、と言ったほうが正しいかもしれない。
このアゲハ幼虫こそが、私を昆虫世界へ、自然へと、目を向かせる、引導役でもあったことを想い出す。いや、まさに「アゲハさま」とでも言いたい気分になる。原点はここか!と少し熱くなる。

そのアゲハ幼虫、少し離れて見れば、彼らの体色紋様は周囲の環境にうまく紛れ込む、隠蔽擬態なのであろう。クローズアップして見ると派手に見えても、野外では分断色の視覚的効果が効いている。

アゲハチョウ幼虫_MG_0578.JPG


このところ、まだ時期としては早過ぎるが、アマガエルに注目している。
アマガエル_MG_0409.JPGお腹の大きいオオキベリアオゴミムシが、庭を歩いていたからである。このゴミムシに出会ったのも20年ぶりくらいかもしれない。オオキベリアオゴミムシの幼虫はアマガエルの喉下に食らいついて、成長する。その奇抜な生態を解明した最初の論文を見せていただいたのは、東京農大の研究室であった、ことも懐かしい記憶として残っている。
アマガエル_MG_0406.JPG
都城市、神柱公園の川で羽化していたのは、コオニヤンマ。見つけたのは小学生の子ども達。
コオニヤンマ羽化_MG_0540.JPG
コオニヤンマ羽化_MG_0553.JPG
コオニヤンマ羽化_MG_0570.JPG
物置小屋にはポッカリと大きな穴が空いたままだ。応急処置として、ビニールシートを張ってあるが、修理の見積もりをするはずの大工は、まだ来ない。このような事故が町中で生じれば大問題だろう。田舎であるせいか、こういった事故に対して、先方はおおらか過ぎるようにも感じる。今後もまた何かトラブルが生じるかもしれず、そこが問題なのだが、、、、。

夕焼け

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夕焼け22日IMG_0929.JPG
今日はどこを向いても、山の輪郭がくっきりと見えて、山の森がすぐ近くにあるようだった。
写真は、日没の霧島山。

前々から気になっていた隣地のことだが、今日は思わぬ事故が発生。隣地でエンジンが掛けっぱなしのハンドガイド式ローラーが暴走し、うちの物置き小屋に突っ込んだのであった。外壁が壊れ、大きな穴があいてしまった。ローラーは鉄製でかなりの重量だ。
何より、嫁さんの新車に突っ込まなっかったのは幸い。いや、もしも人が敷かれていたら、と思うと恐ろしい。

観察の日々

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林の地面を観察して2週間目。定点観察にはマーキングが必要だが、自分の敷地だから安心してできる。「なんじゃ、これ!?」と蹴っ飛ばされたりする心配はない。
マーキング_MG_0186.JPG
生き物の暮らしを撮影するには、まずは観察。これは当たり前のことだが、いくら時間を費やしても無駄にはならない。もっとも、やり方のコツはある。そのコツは、自分で掴むしかない。失敗もいっぱい繰り返す。  で、お目当ての写真撮影が必ず成功するとも限らない。限らないが、どこかで、これ以上やっても無駄かどうか、あるいはもっと別の手段に替えるべきかどうか、といった判断も早くできるようになる。それができないと、この仕事は続かない。

さて、昨日アップしたショウリョウバッタのこども(幼虫)だが、今日も庭の草むらで多数が跳ねていた。よく見ていると、ほとんどが薄茶色の褐色型だが、2〜3割程度だろうか、緑色の子もポツポツ、見つかる。
ショウリョウバッタ緑色701A9668.JPG
全部、ふ化してからまだ一度も脱皮していない、1令幼虫たち。ふ化の現場に立ち会うとわかるが、地下から湧き出るようにしてふ化する彼らは、その全てが褐色型である。厳密に言えば、おそらくまだ体の色素がしっかりと浮き出ていない状態ではあろう。白に近い薄茶色と表現すべきか。ふ化してから1日〜2日目となれば、体色が定着するようで、このときから、褐色型と緑色型に分かれてくるようだ。
これは、細切れの観察をつなぎ合わせての推測であることを付け加えておきます。

おかいこさま、の飼育も終盤となった。クワの葉の調達も今日で最後となるだろう。少しホッとするも、少し物寂しい気もしないでもない。


5ミリ以下

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アカメガシワの朽ち木には、アラゲキクラゲがよく生える。アラゲキクラゲには、いろいろな生き物がやって来るので、食べるより見ているほうが楽しい。体長5ミリほどの、ヒメマルミツギリゾウムシはこのところよく見かける。
ヒメマルミツギリゾウムシ_MG_9910.JPG小さいと言えば、玄関先に網巣を張っていた、こちらはナガコガネグモの幼体。体長は4ミリほど。
朝の陽射しを受けて輝いていた。
ナガコガネグモ幼体_MG_0037.JPG

こちらは今朝、ふ化したばかりのショウリョウバッタ幼虫。5ミリは超えるが、やはり小さい。
ジャンプしたとたん、クモの網巣に掛かってしまった。
ショウリョウバッタ_MG_0004.JPG一生懸命、もがいているうちに、地面へと落っこちた。網巣の主はジョロウグモの幼体で2ミリしかない。ショウリョウバッタ幼虫では獲物として大き過ぎたようだ。


こだわりの味とは

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玄関前の鉢植え棚。 今朝、嫁さんが水やりをしたあとに、スジグロシロチョウ♂がやって来た。
スジグロシロチョウ_MG_9768.JPG昨日の雨で外の地面はどこも湿っているから、わざわざここにやって来る理由を知りたいではないか。
スジグロシロチョウ_MG_9703.JPG「旨そうだなあ〜」そんな声が聴こえてきそうなほど、ここの場所にご執心。  一体、なぜ???

スジグロシロチョウ_MG_9753.JPG
何度も行ったり来たりしてから、ようやく着地。 チュウー、チュウー、チュルル!

 「それって、旨いの?  もう一度、聞くけど、そこにどんなごちそうがあるんだい?」

スジグロシロチョウ_MG_9750.JPGあ、そういえば、トゲアリスアブの♀が庭にいた。羽化してまだ日が浅いようだ。去年と同じ場所。

トゲアリスアブ♀_MG_9879.JPG今日の写真は全て、シグマ50ミリマクロに、EOS-70D。


朝一番、と言っても午前7時。羽化したヤブヤンマの♀は、すでに翅を広げていた。
ヤブヤンマとななふし_5A_6886.JPGいつのタイミングで登って来たのかはともかく、ナナフシの幼虫が一緒にぶら下がっていた。こういうツーショットもありなわけだ。ナナフシが、なぜこのような枯れ枝にわざわざ這い上ってきたのかは理解に苦しむところだが。
よく見ると、ナナフシの中脚が二本とも欠損している。次回の脱皮で少しは脚が復元できるだろうか。ヤブヤンマ♀の羽化時刻は、推定で午前5時後半辺りだろうか。
午前5時20分頃から布団の中で目が覚め、外が明るくなったなあ、とぼんやりしていたが、ちょうどその頃、ヤブヤンマは定位した枝先で、ヤゴの殻を破り、羽化を始めたのだと想像できる。

ササの葉裏にぶら下がっていたのは、グライダーのごとく大きな翅をもつ、ハネナガウンカの一種であった。
本種は、ミナミマエグロハネナガウンカという仮称がついているが、本州のマエグロハネナガウンカとは別種であるそうだ。


マエムキダマシ

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できるだけ、多くの場所でクワを見つけるようにしている。クワは今の時代では、全く見向きもされず放置されているものが多く、道沿いに生えている株などは、草刈りで消えてしまうことも多々ある。曖昧な場所でかろうじて生き延びているクワを、細かくマークしておく。「おカイコ様」と拝んでいた時代がかつてあったと、想像するのも難しい時代に我々は生きているのである。
クワの葉_MG_9629.JPGおカイコ様に付き添う生活を送っていると、こうしたクワの葉に出会うと、「何と美味しそうな!」と心から思うのである。おカイコ様は人が長い歴史のなかで作り出した生き物かもしれないが、そのおカイコ様から私は何らかのメッセージを受け取っている気がしてならない。それは、何であろうか?

庭のクヌギに、「マエムキダマシ」こと、クロスジホソサジヨコバイの成虫がいた。
クロスジホソサジヨコバイ_MG_9568.JPG
本種は、冬に出会うことがほとんどで、幼虫が羽化するのも12月の末頃である。冬の時期以外での暮らしぶりが、ほとんどわからない虫。これから、配偶行動など見られるのだろうか?

アザミとチョウ

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ノアザミはそろそろ花盛り後半に入ったが、まだまだ花は多い。午前中の雨は午後から止んだ。すると待ってました、とばかりナガサキアゲハ(左)と、モンキアゲハがやって来た。
モンキアゲハ_MG_9354.JPG忙しく蜜を吸う姿には、「もう腹へってたまらん!」という気持ちを感じ取れるほどだった。
虫に気持ちがあるかどうかは、知らないが、動物にとって飢えほど、苦しいことはないだろう。
モンキアゲハ_MG_9368.JPGわずかに陽射しも出たが、雲が厚く、背景の霧島山が見えないのが残念。花に来ているチョウの撮影では、飛翔の瞬間を狙い易い。モンキアゲハくらいの大きさだと、連写を使わなくても、狙い通りの構図で撮影できる。サイズの小さいモンシロチョウくらいだと、さすがに連写を使うけれど、やはり陽射しは欲しい。

クビアカサシガメ

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今朝もヤブヤンマの♀がヌルデの梢で羽化していた。雨で体はびっしょり濡れていた。
車で7分程度の谷津田、林縁で、久しぶりにクビアカサシガメに出会えた。
クビアカサシガメ_5A_6826.JPG一頭いるなら、まだいるだろうとしつこく探し歩いていたら、二頭目が見つかった。まだ羽化して日が浅い新鮮個体だと感じた。綺麗な体だ。次回は幼虫を撮影せねばと思うが、まあ、冬まで待つとしよう。
クビアカサシガメの成虫と幼虫の写真は、拙著「わたしはカメムシ」(ポプラ社)に掲載している。本種の生態にはまだ謎が多いが、かなり奇抜な生き方をしている。
黒と赤の組み合わせは、ホタルの姿にも似ている。


おカイコさまの餌はクワの葉だが、一昨日の夜から桜島噴火の降灰が続き、特に昨日は日中もずっと止まなかった。クワの葉にも灰がびっしり付着しているので、洗浄は欠かせないクワの葉IMG_0805.JPG水洗いすることで、クモや他の昆虫の混入をチェックできるが、カイコ様の餌としては、しっかり水拭きせねばならず、結構、作業時間を要することになる。うちのは井戸水だから、生き物を扱うときには便利ではあります。

午前6時20分、林に降りてみれば、ヤブヤンマ♂が羽化していた。
ヤブヤンマ羽化3_MG_9092.JPG
今朝はオス2頭が羽化したが、写真の個体はあとに続いた二頭目。お尻を抜く瞬間。撮影の状況はこちら⬇️
ヤブヤンマ撮影現場_5A_6788.JPG写真のオスは人工池から1m50㎝ほど歩いて、ササの茎を登って定位した。ゴチャゴチャしたヤブの中なので、羽化連続写真撮影では、絞りをF4としできるだけ背景をぼかすようにした。
もう一頭のオスも同時に撮影。カメラ3台を取っ替え引っ替え。
カメラ_MG_9080.JPGカメラのストラップはワンタッチで外せるよう改造しているので、こうした吊り下げもすぐできます。イヌビワの枝はしなやかなので、ポキリとは折れにくいから大丈夫。でも、こうしてカメラを置き去りにすることもしばしばで、あとで慌てて回収に走ることもあります。
撮影中は通常、ストラップは外しています。ストラップは邪魔ですから。


ナツグミの実

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昼食後、洗い物をしていたら目の前をクモがウロチョロしていた。よく見ると、アオオビハエトリのオスだった。前脚がかなり大きい。
アオオビハエトリ♂_MG_8903.JPGアリの行列を狙う、アオオビハエトリのメスはよく見かけるが、オスの印象は薄い。ちょこまか、動きが速いので、撮影は難しい。それでも、ほんの一瞬、動きを止めることがある。「何だい!お前さんは?」
「さっさと、洗い物せんかい!」
アオオビハエトリ♂_MG_8906.JPG
今日のランチは、昨夜の残り物、キムチ鍋を雑炊にした。
このところ急激に増えてきたのが、カミキリモドキの一種。カミキリモドキ科は国内に50種以上が記録されているが、近似種が多く、同定が難しい。林を歩いていてふと梢を見上げると、たいてい、こいつと目が合う。黒いサングラスが似合うね。
カミキリモドキ_MG_8894.JPGすぐ近所のナツグミも、実が色付き始めた。
ナツグミ_MG_8979.JPG
残念ながら、完熟しても味を楽しめるほど、甘くはない。塩漬けしたりとか工夫してみても、かなり酸っぱい。見て楽しむのがいい。
ウメもそろそろ収穫かな。
ウメ_MG_8999.JPGゲンジボタルのメスも発見。オスより、でかい! ホタルの季節、いよいよ本番だろう。
ゲンジボタル♀_MG_8946.JPG





台風6号の影響で、今朝は外に出るとかなり蒸し暑かった。林の人工池に降りてみたら、やはりと言うか予想通り、ヤブヤンマが羽化していた。今季、三頭目は初めてのオスだった。
ヤブヤンマ♂701A9515.JPG台風の影響はしかし、その後ほ肩すかしとなり、正午前に強風と雨が強く降ったくらいで、あとは小雨程度であった。気温は午後から、グンと下がり、肌寒いほどになった、ほんと今年の天候はブレが激しい。

午後4時過ぎには西から晴れ間が出て来た。おカイコさまの餌を採りに出掛けた頃には、すっかり晴天となった。
クワの実IMG_0606.JPG久しぶりに綺麗な夕焼けとなった。

日没701A9569.JPG


おカイコさま

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おカイコさまが、ほぼ熟蚕の手前まで育った。私の指に乗せてみた。
カイコ熟蚕_5A_6379.JPGこの撮影は簡単そうに見えて、そうでもない。結構、苦労する。そこで、家族にお願いしてみた。「おカイコさまをこうして、手乗りさせてくれない?」 まあ、聞くだけ無駄とはわかっていたが、答えは「いや!」だった。
結局、自撮り?したのが上の写真。

カイコの熟令幼虫はけっこう大きい。このあと熟蚕といって体全体が薄茶色になると幾分か縮まる。そうなるといよいよ、繭作りとなり餌をとらなくなる。

イモムシを可愛いと感じるかどうか、それは自然との付き合いかたしだいだと思う。
自然に対して素直に感動できるかどうかは、かなり社会的な束縛を受けていると思う。

ホタルの記憶

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幼少の頃、母親に連れられ、毎年のこと蛍狩りに出掛けた。いや、蛍狩りが目的だったかどうかについての記憶はあやふやだが、田舎の親戚のうちを訪れたあと、帰り際に暗くなった小川に佇んでいただけかもしれない。暗闇のなか、どこから川の縁なのかわからないほど、草むらに覆われた不気味に感じる小川だった。もちろん、ホタルは無数に乱舞していた。目の前の全ての空間をホタルの点滅が占めていたと思う。その当時の光景についての記憶は曖昧だが、ホタルの放つ独特な香りの記憶だけは、一番鮮烈に残っている。今日も、ふと、その香りを嗅いでみたくなり、ゲンジボタルのオスをそっと、摘んでみた。
ゲンジボタル_MG_8546.JPG玄関を出て数分で、わがやの林の縁で休む、ゲンジボタルに会える。その数は日を追うごとに増えてきた。今朝は5頭のオスが次々と見つかった。手から放つとゆっくり飛び立ち、別のササに着地。
彼らの動作はいかにも緩慢である。その理由は、鳥などの天敵に食べられない、ゾ!という自信でもあろうか。着地したあと、ササの葉についていた朝露をうまそうに、吸い上げていた。
ゲンジボタル_MG_8554.JPG

もうだいぶ前から、夜景の中を乱舞するゲンジボタル写真撮影については、まったく意欲を感じなくなった。世の中に溢れんばかりに出回る写真について見ていると、もう今更という気がする。

翻って、昆虫写真家の自分としては、世の中に対していかなるメッセージを送るべきなのか、を常に考える。仕事とはそういうことだろうと思う。

本の仕事が何冊も並行している中で、スタジオ撮影も過密になってきた。この先2年は続く撮影のため、スタジオの一角はそれ専用のスペースになった。何回も撮影方法を変更したが、もう一度さらに組み直すことにした。その作業だけで午前中いっぱい掛かりそうだ。

ヒメツノカメムシ

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早朝から雨。庭のオニグモの円網がいくぶん垂れ下がっていたのは、雨滴のせいだと気付いた。
オニグモIMG_0579.JPG
カイコさまの餌を調達にいつものクワの木に出掛けると、ヒメツノカメムシの♀親が抱えている幼虫が2令になっていた。
ヒメツノカメムシ_MG_8356.JPGすでに抱えきれなくて、幼虫たちは今にも離散しそうだった。実際、このあと数時間後に覗いてみれば、親はいなくなり、幼虫たちは同じ葉裏の反対側に移動していた。
ヒメツノカメムシ_MG_8445.JPGさらに1時間後、幼虫たちはクワの実へと移り、実から汁を吸っていた。写真内の白いひものようなものはクワキジラミ幼虫がお尻から伸ばしたワックス状物質。一体なんでこんな尻尾を必要とするのか不思議ではある。前にも書いたが、クワキジラミはハラグロオオテントウの主食となる。

クワの葉を集めて持ち帰る途中、足下の草むらに黄色い三角旗が目に入った。ねぐらについた、モンキチョウ、だった。 止まっている草は、ウシハコベだろうか。
モンキチョウ_MG_8500.JPG


一週間ほど前にヤブヤンマの♀が羽化していたが、今朝はそれに続いて2頭目が羽化した。今朝は一面霧に覆われていた。午前6時半。場所は我が家の人工池。

ヤブヤンマIMG_0553.JPG庭のノアザミも今が花盛り。
ノアザミ701A9381.JPG日が高くなるにつれ、霧がはれた。午前7時40分。
ヤブヤンマ_MG_8235.JPG
ノアザミIMG_0572.JPG
ヤブヤンマの♀は午前9時過ぎには姿を消していた。

ヤブヤンマ701A9405.JPGヤブヤンマもノアザミも、同じ場所での定点撮影だが、敢えてレンズもカメラも換えている。
そして撮影アングルも違う。


カイコも終令となると食べる量も格段に増えて、日に3回は、糞の掃除と餌換え作業が続く。熟蚕となって、パタリと食欲が減じる頃、正直、ホッとするが、もうじきのことだ。もっとも、まだ3、4令のグループが後続で育っており、来週後半あたりからまた山場を迎えるだろう。クワの葉の調達は4〜5日おきにまとめて行う。冷蔵庫の野菜室に入れておけば、1週間は保つ。
朝一番、朝食をとる家族を横目に、黙々と餌換えをやる。家族は見なれた光景だろうから、何も口を挟まない。おカイコさまの飼育を居間で行っているのは、ここが南向きで一番暖かいからである。もっとも直射日光が当たらないように気を使っている。わざと家族の前で作業をする理由のもう一つは、私のやり方をちゃんと見て、覚えて欲しいからでもある。「お父さんは、いつもこうしていた」という見本を演じてもいるわけだ。

カラムシではラミーカミキリの姿が増えてきた。今日は交尾カップルもいた。

ラミーカミキリ_MG_8212.JPG
上の写真はメスの顔に、下の写真はオスの顔に、それぞれピントを合わせている。
ラミーカミキリの雌雄は、こうして顔の模様や体の大きさの違いがはっきりしている。

我が家の林の観察路を下り、谷津田に出たその場所に、ゲンジボタルがいた。(写真:TG-3)
ゲンジボタルP5060077.jpg止まっていた場所はエゴノキの葉裏。もう一匹はイチイガシの葉裏にいた。今春、エゴノキの花はたいへんつきが悪く、ポツポツと数えるほどだった。その理由は何であろうか?例年なら今頃、エゴノキの下の地面は落花で白く染まるけれども、それがないのは寂しい。

畦道ではフチグロトゲエダシャク幼虫の死骸が多い。どうやら病死のようだ。死骸の一つにはシリアゲムシの♀が来ていた。
フチグロトゲエダシャク.jpg

クヌギ材置き場で、一番目に付くのはナガニジゴミムシダマシの一種。キノコで摂食したり交尾したりと賑やかだ。(写真:EOS70D EF60ミリマクロ )
ナガニジゴミムシダマシ_MG_8144.JPG


土掘り作業

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炎天下で土堀作業をした。目的はハンミョウ幼虫の巣トンネルと幼虫そのものを撮影するためである。さすがに暑いので日よけパラソルを立てた。掘り始めの写真ではまだパラソルは立てていない。
ハンミョウ巣穴を掘るIMG_0503.JPG東京の清瀬に住んでいる頃には、ハンミョウは希少種であり、見たいとき撮影したいときにすぐ出会える昆虫ではなかった。ところが、宮崎県では事情が全く違う。県内あらゆる場所で、ハンミョウが普通に見られる。これは今の時代、すごいことだ。これは凄いよ!と語っても、まあほとんどの人には馬耳東風ではあるけれど。
さて、我が家の敷地内にも時々だがハンミョウが姿を見せる。周年、裸地となる場所が、物置小屋に至る道筋にある。わずか数メートルの小道は毎日、家族の誰かがそこを通るから無意識に維持されているが、これを意識的に維持するのは無理だ。いや大変。

ノアザミの花にはモンキアゲハ、イチモンジセセリ、モンシロチョウなどが来ているが、今朝はクロセセリがやって来た。
クロセセリ_MG_7941.JPGクロセセリの口吻はとくに長い。ノアザミのおしべの白い花粉も綺麗だ。

居間の出窓からちょうど目線にセンダンの梢が見える。つい数日前からほのかに白い花が目立ち始めたが、林に降りてみると、すでにセンダンの花があちこちに落ちていた。
センダン_MG_7877.JPGうちの林では高い梢に花がつくので、花を間近に見ることが出来るのは、落花ということになる。
林床ではハナミョウガが開花し始めた。
ハナミョウガ_MG_7884.JPG

ハナミョウガ_MG_7889.JPG
午後2時少し前、アカメガシワの幹に付いていたハラビロカマキリの卵のうでは、ふ化が始まっていた。
ハラビロカマキリ_MG_7761.JPGハラビロカマキリのふ化は、オオカマキリのふ化より2〜3週間あとになる。


クモという生き物

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今日は朝からずっと雨。室内の気温はほぼ20度だが、肌寒い。Tシャツ一枚、というわけにはいかない。昨日の夏日から一気に季節が逆行した。今日の写真は昨日撮影したもの。
ネコハエトリの♀が、マダラガガンボの一種を補食していた。
ネコハエトリ_MG_7569.JPG
このあと数時間後には、ハシリグモの一種に捕らえられたネコハエトリの♀に遭遇。
ネコハエトリ701A9135.JPG自然界とは、こうして食べる食べられる、ということが繰り返される。人はこうした光景を見て、残酷だとか言うこともあるが、人間社会では毎日、様々な生き物を殺して食材にしていることには気が回らないらしい。生々しい自然の営みに目を背けて、綺麗な姿だけに感動を求めると、偏った自然観に陥る。

さて、室内撮影では照明にストロボを多用する。そのときに必須な道具が、露出計である。
フラッシュメーター701A9214.JPG今の時代、デジタルになってからカメラの基本など知らなくても、そこそこ写真が撮れるようにはなった。
写真の基本を知らなくても、結果オーライでザクザクと作品が出来る。それはそれでいいと思うが、何かしらトラブルが生じたときに、基本知識がないと対応できないことが生じる。写真がどうやって写るのか、せめて基本知識だけは知っておいたほうがいい。写真は光を捉える技術だが、そこをないがしろにしては、良い作品はできない、と自分は思う。



クワの木

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カイコさまの餌を採りに行く。まずは訪れる場所。畑と湿地に囲まれた草地の中にポツンとクワが一本生えている。
クワの木IMG_0497.JPG餌を採取する前に小一時間、クワに身を寄せる虫たちの観察をする。ハラグロオオテントウの産卵を確認したかったが、卵は見つからず。成虫は2頭いた。すぐ足下には、フチグロトゲエダシャクの終令幼虫がいた。
フチグロトゲエダシャク幼虫_MG_7640.JPG

玄関前のヒメジャノメ蛹だが、昨日は羽化しなかった。私の羽化予想が外れるはずもない、と自信があったが、嫌な予感もあった。それが適中!
ヒメジャノメ蛹_MG_7521.JPG蛹の体に空洞ができていた。死んでいたのだ。


イヌビワの実にいた、イヌビワシギゾウムシのカップル。
イヌビワシギゾウムシ_MG_7320.JPG
シギゾウムシの仲間は、種ごとに奇主植物が限定される。イヌビワシギゾムシはこれまでにも目にしていたが、結構、神経質で撮影に失敗することが多かった。

夕方、畦道のノアザミにアシナガコガネの一種が群れていた。
アシナガコガネ_MG_7435.JPGアシナガコガネ類の同定は厄介だ。我が家の庭でも多く、白い洗濯物にはよく止まっている。ノアザミの花にこれほど群れるのは、初めて見た。集合性があるのだろうか?

今の時期、ノザミの花盛りだ。
ノアザミ_MG_7441.JPGノザアミの花は開花してからの変化が、見ていて楽しい。葉っぱのトゲトゲは痛いが、好きだな、この花。

昨日、かかりつけの病院で、座骨神経痛に効くという、漢方薬と痛み止めを処方してもらった。そもそも、座骨神経痛に効く薬などあるわけがない、と思っていた私は「その薬、ほんとうに効くんですか?」と懐疑的ではあった。座骨神経痛になる原因にはいろいろあるそうだが、私の経歴を話してみたら、「これがいいんじゃない。」と言われ、副作用もないようなので服用してみることにした。それが効いたのか、それとも発症からそろそろ一ヶ月に近くなってきたので、自然治癒なのか、そこのところは判断しかねるが、ともかくも、今朝起きたときから、激痛がかなり緩和し、車の運転も普通にできるようには、なった。
拷問のような激痛が治まっただけでも、嬉しい。